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第三章・ラシアの王宮にて
18・突然の口づけ(ちょっとだけ*)
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──あの時、ロイ王子は何を為さりたかったのだろうか?
スリジャは先日のあの回廊での出来事を思い出していた。
ロイは物言いたげな様子で私の肩を掴んでいた。
そしてアラン王子が驚く私を自分の方へ寄せ、腕に抱いたのだが…
あの時は、実はアラン王子の行動も非常に驚きだった。
いつも笑顔を絶やさず、私の話しに真摯に耳を傾けそして慕ってくれる…それは兄弟を見るようなものだと思っていたのに…
私を抱く腕の、その余りの熱に驚いた。本来なら、結婚相手にそんな熱情を抱かれるなど幸せだろうな。だけど、ロイのあの表情を気にしてしまっている自分がいる。
アラン王子に対して本当にすまないと思うが、どこか諦められない思いがあるのも事実なのだ…
──このままではいけない!
大恩あるラシア王国の不穏な火種に、自分が絶対になってはならない。
ロイ王子に気持ちを聞いてみようか?それに私を覚えているのかを問うてみたい衝動に駆られる。
明日討伐隊が役目を終え一団が帰って来る。
今回の事で延期になっていた婚約式の日程も、その後決まるだろう。その前に私自身の気持ちも決めなければならないんだ…
◇◇◇◇
アルジェが婚約式の衣裳を一度着ていただけませんか?と言った。ほんの少しだけれど、こちらへ来てからふっくらしたようだ。それで一応サイズを確認したいらしい。それにしても太るなんて珍しい事だ…ずっと痩せ過ぎだと言われ続けてきたし、良い傾向だな。
アルジェがグランから持ってきた衣裳ケースから出してきて、ほらご覧ください!と見せてきた。
薄紫色の生地に金で花の刺繍が細かく施されている豪華な衣裳。これはロイ王子の髪色と私の瞳の色とをイメージして作られたものだ。
だけどそれがアラン王子に変わったしても無駄にはならない。ラシアの王族の特徴は白金の髪色なのだから。
瞳の色や肌の色に違いはあるけれど、髪色は同じなんだな…
その事に安堵しながら、故郷の父上と兄上は知っているのかな?相手が変わった事を…と考える。
ちょっとだけ心配になるけど…と気にしながらも、衣裳に袖を通してみる。
「わぁスリ様、本当にお似合いです!まるで女神が如きお姿ですよ~」
アルジェの嬉しそうな声が響いてその場がパッと華やぐ。
ちょっとリハーサルもさせて下さいと髪飾りも付けられた。
これは銀の蓮を型どったパーツを繋ぐように葉やパールで飾られて、蕾に見立てた煌めくダイヤモンドが何本も吊り下げられた非常に手の込んだ一品だ。
「わっ!これ如くじゃなくって女神そのものでしょ?」とアルジェが興奮気味で言っている。そこに、部屋の外に誰かの気配が感じられて…
「スリジャ様いらっしゃいますか?ロイです」
──ロイ王子?一体何故…
アルジェが驚きで目を見合わせて、それから慌てて戸を開け招き入れている。そして…
遠慮がちにロイがスリジャの部屋に入る。そして神々しいまでのスリジャと目が合った。
──ハッ…!思わず息を飲むロイ。そして、そのあまりの美しさに言葉が出ない様子で…
そんな様子のロイにスリジャが慌てたように声を掛ける。
「すみませんロイ様。今ちょうど婚約式の衣裳合わせをしておりまして…」
それにはロイが、切なげな顔をしている。その表情はどういう意味なの?と戸惑って…
「ところでロイ王子殿下はどのようなご要件でいらしたのでしょうか?」
戸惑ったままの二人に、機転を利かせたアルジェがそう尋ねた。それにロイは少し顔を赤らめながらスリジャを見つめる。
「先日お会いした時ご心配いただいたので、本日は無事帰還のご挨拶に参りました」
それならお二人で、こちらにお座りになってお話しされたらどうでしょう?とアルジェが勧めて、お茶を入れてまいりますので…と慌てて部屋を出て行った。
そうして二人きりになってしまい、どうしたら良いのかと困惑した空気が流れる。しっかりしなくては!と、ではこちらにどうぞと案内しようとした瞬間…突然ロイから抱き寄せられた!
驚きで言葉も出ない私は、ロイの顔を見上げる。熱を孕んだ眼差しを向けられ、急に胸が激しく踊り出した…
「ロ、ロイ様?どうかなさったので」
それだけ何とか言葉を絞り出したけれど、押し黙ったままのロイに目が離せない。次の瞬間ハッと息を呑む!ロイが顔を近付けて来たから…
──そっと唇を押し当ててきた。スリジャの小さな蕾のような唇を喰むように角度を変えながら何度も何度も口づける。
──ハァハァ…息が!
鼻で息をすれば良いのはわかっているけれど、その甘い痺れに翻弄され何ひとつ自由にならないのだ…
「はぁ、っ…ふ…あぁ…」
息も絶えだえになりながらも、腹の奥辺りに感じる初めてのその熱に、自分では立っていられなくなる。
それに気付いたロイが、口づけたままグイッとスリジャの細い腰を掴んだ。
それに応えるようにスリジャはロイの背に手を回し縋りついた…
私はすっかりこの男の虜になった。あの時、再び出逢った時から──
ピッタリと身体を寄せ合った二人は、お互いの熱をぶつけるように奥まで絡ませあいながら、いつまでも深く深く口づけるのだった…
スリジャは先日のあの回廊での出来事を思い出していた。
ロイは物言いたげな様子で私の肩を掴んでいた。
そしてアラン王子が驚く私を自分の方へ寄せ、腕に抱いたのだが…
あの時は、実はアラン王子の行動も非常に驚きだった。
いつも笑顔を絶やさず、私の話しに真摯に耳を傾けそして慕ってくれる…それは兄弟を見るようなものだと思っていたのに…
私を抱く腕の、その余りの熱に驚いた。本来なら、結婚相手にそんな熱情を抱かれるなど幸せだろうな。だけど、ロイのあの表情を気にしてしまっている自分がいる。
アラン王子に対して本当にすまないと思うが、どこか諦められない思いがあるのも事実なのだ…
──このままではいけない!
大恩あるラシア王国の不穏な火種に、自分が絶対になってはならない。
ロイ王子に気持ちを聞いてみようか?それに私を覚えているのかを問うてみたい衝動に駆られる。
明日討伐隊が役目を終え一団が帰って来る。
今回の事で延期になっていた婚約式の日程も、その後決まるだろう。その前に私自身の気持ちも決めなければならないんだ…
◇◇◇◇
アルジェが婚約式の衣裳を一度着ていただけませんか?と言った。ほんの少しだけれど、こちらへ来てからふっくらしたようだ。それで一応サイズを確認したいらしい。それにしても太るなんて珍しい事だ…ずっと痩せ過ぎだと言われ続けてきたし、良い傾向だな。
アルジェがグランから持ってきた衣裳ケースから出してきて、ほらご覧ください!と見せてきた。
薄紫色の生地に金で花の刺繍が細かく施されている豪華な衣裳。これはロイ王子の髪色と私の瞳の色とをイメージして作られたものだ。
だけどそれがアラン王子に変わったしても無駄にはならない。ラシアの王族の特徴は白金の髪色なのだから。
瞳の色や肌の色に違いはあるけれど、髪色は同じなんだな…
その事に安堵しながら、故郷の父上と兄上は知っているのかな?相手が変わった事を…と考える。
ちょっとだけ心配になるけど…と気にしながらも、衣裳に袖を通してみる。
「わぁスリ様、本当にお似合いです!まるで女神が如きお姿ですよ~」
アルジェの嬉しそうな声が響いてその場がパッと華やぐ。
ちょっとリハーサルもさせて下さいと髪飾りも付けられた。
これは銀の蓮を型どったパーツを繋ぐように葉やパールで飾られて、蕾に見立てた煌めくダイヤモンドが何本も吊り下げられた非常に手の込んだ一品だ。
「わっ!これ如くじゃなくって女神そのものでしょ?」とアルジェが興奮気味で言っている。そこに、部屋の外に誰かの気配が感じられて…
「スリジャ様いらっしゃいますか?ロイです」
──ロイ王子?一体何故…
アルジェが驚きで目を見合わせて、それから慌てて戸を開け招き入れている。そして…
遠慮がちにロイがスリジャの部屋に入る。そして神々しいまでのスリジャと目が合った。
──ハッ…!思わず息を飲むロイ。そして、そのあまりの美しさに言葉が出ない様子で…
そんな様子のロイにスリジャが慌てたように声を掛ける。
「すみませんロイ様。今ちょうど婚約式の衣裳合わせをしておりまして…」
それにはロイが、切なげな顔をしている。その表情はどういう意味なの?と戸惑って…
「ところでロイ王子殿下はどのようなご要件でいらしたのでしょうか?」
戸惑ったままの二人に、機転を利かせたアルジェがそう尋ねた。それにロイは少し顔を赤らめながらスリジャを見つめる。
「先日お会いした時ご心配いただいたので、本日は無事帰還のご挨拶に参りました」
それならお二人で、こちらにお座りになってお話しされたらどうでしょう?とアルジェが勧めて、お茶を入れてまいりますので…と慌てて部屋を出て行った。
そうして二人きりになってしまい、どうしたら良いのかと困惑した空気が流れる。しっかりしなくては!と、ではこちらにどうぞと案内しようとした瞬間…突然ロイから抱き寄せられた!
驚きで言葉も出ない私は、ロイの顔を見上げる。熱を孕んだ眼差しを向けられ、急に胸が激しく踊り出した…
「ロ、ロイ様?どうかなさったので」
それだけ何とか言葉を絞り出したけれど、押し黙ったままのロイに目が離せない。次の瞬間ハッと息を呑む!ロイが顔を近付けて来たから…
──そっと唇を押し当ててきた。スリジャの小さな蕾のような唇を喰むように角度を変えながら何度も何度も口づける。
──ハァハァ…息が!
鼻で息をすれば良いのはわかっているけれど、その甘い痺れに翻弄され何ひとつ自由にならないのだ…
「はぁ、っ…ふ…あぁ…」
息も絶えだえになりながらも、腹の奥辺りに感じる初めてのその熱に、自分では立っていられなくなる。
それに気付いたロイが、口づけたままグイッとスリジャの細い腰を掴んだ。
それに応えるようにスリジャはロイの背に手を回し縋りついた…
私はすっかりこの男の虜になった。あの時、再び出逢った時から──
ピッタリと身体を寄せ合った二人は、お互いの熱をぶつけるように奥まで絡ませあいながら、いつまでも深く深く口づけるのだった…
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