恋は秘密のその先に〜番外編〜

葉月 まい

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ずっと恋しつづける

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映画館を出ると、文哉は真里亜と腕を組んで歩き出す。

「文哉さん、次はどこに行くの?」
「ん? 内緒」

真里亜の誕生日を祝おうと、文哉はこの日の為に準備していた。

まず向かったのは、銀座。

「え、文哉さん。ここって……」

真里亜が驚いたように見上げる建物は、二人にとって思い出深いティファニー。

真里亜への最初のプレゼントのネックレスも、プロポーズで贈った婚約指輪も、今二人の左手薬指に輝いているのも、全てティファニーだった。

「そう言えばニュースになってましたね。銀座に新しくオープンしたって。素敵!」
「ああ。けど今日行くのは、ここの4階」
「え、4階? なにがあるんですか?」
「内緒」
「もう、そればっかり」

ふくれっ面の真里亜は、4階に着いた途端にパーッと顔を輝かせた。

「すごい! 文哉さん、ここってもしかして、カフェ?」
「ああ、もしかしなくてもカフェ。俺たちの思い出のな」

クスッと真里亜に笑いかけてから、文哉はスタッフに「予約した天城です」と名乗る。

案内されたのは、プライベートルームだった。

「ふ、ふふ文哉さん!」
「真里亜、取り敢えず落ち着け」
「落ち着けないです。どうしよう……」

爽やかなティファニーブルーの内装と華やかな装飾に、真里亜は胸に手を当てたまま辺りを見渡す。

「まあ、いいけどな。プライベートルームだから、そわそわしても、いちゃいちゃしても」
「いちゃいちゃはだめですよ!」
「なんで? その為に予約したのに」

真顔で言う文哉に、真里亜は顔を真っ赤にする。

「とにかく乾杯しよう」

運ばれてきたのは、ティファニーブルーのカクテル。

「真里亜、誕生日おめでとう」
「ありがとう、文哉さん」

微笑み合って乾杯する。

「結婚して1年か。これからもよろしく、奥さん」
「はい、こちらこそ」

映画の余韻に浸りながら、宝石を並べたように美しいデザートが盛りつけられたアフターヌーンティーを味わった。

最後に文哉がティファニーブルーのボックスを差し出す。

「真里亜への誕生日プレゼント。気に入ってくれると嬉しい」
「ありがとう。開けてもいい?」
「どうぞ」

両手で大事そうに受け取った真里亜は、頬をピンク色に染めながら笑みを浮かべて白いリボンをほどく。

その姿を文哉は目を細めて見守った。

「わあ、可愛い!」

今回文哉が真里亜に贈ったのは、これまでのプレゼントと同じフラワーモチーフのピアス。

今も真里亜の胸元には、同じモチーフのネックレスが輝いている。

真里亜はネックレスに触れながら、満面の笑みを浮かべた。

「お揃いね、嬉しい! ありがとう、文哉さん」
「どういたしまして」

輝くような真里亜の笑顔が見られただけで、文哉は心底幸せだった。

真里亜はケースからそっとピアスを取り出し、早速耳元に飾る。

照れたようにおずおずと顔を上げる仕草は、愛おしく可愛らしい。

「よく似合ってる。真里亜、俺に幸せを教えてくれてありがとう。これからもずっとそばにいてほしい」
「私こそ。幸せにしてくれてありがとうございます、文哉さん。これからもずっとそばにいさせてください」
「ああ。ずっと一緒だ」
「はい」

文哉は腕を伸ばして真里亜の肩に手を置き、優しく抱き寄せる。

伏し目がちに微笑む真里亜の表情は美しく、思わずドキッと胸が跳ねた。

(いつまでも真里亜に恋をしつづけるんだろうな、俺は)

心の中でそう呟いてから、文哉はそっと真里亜に優しいキスをした。
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