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いつも共に
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翌朝。
寝不足のままフラフラと階段を下りた聖は、公平と楽しそうに笑いながら朝食の準備をしている芽衣の姿にホッとする。
昨夜は、眠りに落ちた芽衣のその後が心配で、明け方までベッドの横で付き添っていた。
顔色も良くスヤスヤと呼吸も安定してきて、これなら大丈夫そうだと自分の部屋に引き揚げ、そのままボスッとベッドに飛び込んだのが2時間前のこと。
本当はまだ寝ていたかったが、芽衣の体調が心配で無理やり起きてきた。
二日酔いが酷いのでは?と思っていたが、公平と明るく会話している芽衣はいつもと変わりない。
それどころか、酔った記憶もなさそうに見えた。
「あ、おはようございます」
「お、早いな聖。おはよう」
二人に声をかけられ、聖も「おはよう」と答える。
早速三人で朝食を囲んだ。
「今日は午後に1本動画撮らせてくれ。何がいい?」
公平に聞かれて、芽衣は「うーん……」と考え込む。
「如月さん、夕べのアレでいいですか?」
急に芽衣に顔を覗き込まれて、聖はドキッとした。
「え!夕べのアレって、まさか……」
「あれ?ひょっとして覚えてないですか?」
「いや、俺は覚えてるけど……」
「私ももちろん覚えてますよ。じゃあ、アレやりましょ!」
「アレ……。夕べのアレ?」
「そう!夕べのアレです。楽しみー!」
違う、絶対に違う。
今、己の頭の中に浮かんでいる夕べのアレとは断じて違う。
そう分かっていても、聖の脳裏には芽衣とのアレが焼きついていた。
思わず唇に手をやる。
柔らかい芽衣の唇の感触が思い出された。
(いかん!俺は一体何を……。アレは違うんだ。そう、アレはソレとは違う)
ブンブンと頭を振っていると、芽衣が心配そうに声をかけてきた。
「如月さん?やっぱりアレは嫌ですか?」
「いや、大丈夫。俺もアレは大好きだ」
「良かった!じゃあ早くやりたいですね」
「ああ、やりたい。……って、アレはドレのこと?」
は?と芽衣はキョトンとする。
「大丈夫ですか?如月さん。まだ寝ぼけてます?」
「う、うん。そうかも」
「それなら撮影は午後からにしましょ。午前中は分担してお掃除とお洗濯にして。じゃあ今回も『ひめこ』で決めますよー」
そう言って芽衣は、あみだくじを作り始めた。
合宿中、家事の分担をあみだくじで決めているうちに、自然とそれを『ひめこ』と呼ぶようになっていた。
聖のひ、芽衣のめ、公平のこ、を取って『ひめこ』だ。
「はい!じゃあ好きなところに横線書いてくださいねー」
あみだくじの結果、今回は聖が掃除、芽衣が洗濯、公平が食器洗いと決まった。
◇
午前中はそれぞれ家事をこなし、午後に基礎練習をしたあと、夕方に動画撮影することになった。
(アレってそうだ。ストラヴィンスキーだったな)
楽譜を前にようやく思い出した聖は、気持ちを入れ替える。
「よし。いくぞ、イスラメイ」
「はい!木村 芽衣、がんばります!」
気合いたっぷりに、二人は『火の鳥』の「カスチェイ王の魔の踊り」を弾く。
オーケストラで演奏される迫力あるこの曲を、たった二人で弾くには無理がある。
だがそんなことは感じさせないほど、ダイナミックに息を合わせた二人の演奏に、公平の肌は粟立った。
「はー、しびれる。この動画も反響あるだろうなー」
公平はホクホクしながら編集作業を始めた。
夕食のあと、公平はパソコンを開いて聖と芽衣に改めて動画を見せる。
「反響がすごいんだよ。毎日アップしてることもあって、再生回数がうなぎ上りだ。コメントも賑わってるよ。みんな演奏中の背景が気になるみたいで、『どこで撮影してる?もしや如月 聖の自宅か?』って」
「ふうん。そんなのが話題になるんだ」
「当たり前だろ?お前、自分のファンがどれくらいいるか知ってるか?」
「知らん」
「やれやれ。っていう俺もよく分からんけどね」
おい、と聖は真顔で突っ込む。
「ははは!それならファンクラブでも作るか?何人か数えやすい」
「アホ!作る訳ないだろ」
「でも動画のチャンネル登録者数はすごい勢いで伸びてるぞ。まあ、全部お前のおかげとは言えないけどな。芽衣ちゃんのファンもいるから」
ええ?!と芽衣は驚いて顔を上げた。
「まさか!そんなことあり得ませんよ」
「どうして?ほら、コメント見てよ。ピアノ伴奏がすごくいいって。顔が見えないから、誰だろうって色々憶測が飛び交ってる。ミステリアスなピアニストって呼ばれてるよ」
「そ、そんな。お恥ずかしい。高瀬さん、もう私は完全にフレームアウトして撮影してもらえませんか?」
「ダメだよそんなの。音だけしかしなかったら、実際に合わせてるのかどうか、信憑性なくなるし」
「じゃあ……、被り物して弾いてもいいですか?」
すると聖がブッと吹き出す。
「そっちの方が余計に話題になるぞ。まあ面白そうだから、俺もなんか被って弾いてもいいけどさ」
「二人ともやめてくれ。演奏はピカイチなのにビジュアルが変って、カオスだろ」
「そうか?ジルベスターコンサートは、カウントダウン終わったら干支の被り物で弾いてる人いるじゃないか」
「それなら許されるけどさ。この動画ではダメ」
「えー、俺もジルベスターやって被り物したい」
聖がごねると、公平は眉間にしわを寄せた。
「聖、ジルベスターをやりたいのか?それとも被り物して弾きたいのか?」
「どっちも。明日大みそかだろ?テレビのジルベスターコンサートに合わせて弾きながらカウントダウンしようぜ。で、年が明けたら被り物して初動画1発撮り。おおー、我ながらいいアイデア!」
はあー?と公平は呆れる。
だがよく見ると芽衣までがワクワクした様子で身を乗り出していた。
「如月さん、明日テレビ放送されるジルベスター、カウントダウンの曲はガーシュウィンなんですよ。『ラプソディ・イン・ブルー』!」
「マジか!これはもうやるしかないぜ、イスラメイ」
「はい!私も弾かせていただきます!」
「よし!じゃあ、明日早速買い出しだ。被り物探しにな」
「やったー!楽しみ」
え、マジで?と、公平は一人険しい顔でドン引きしていた。
そのあと本気でガーシュウィンの合わせを始めた二人にやれやれと肩をすくめて、公平は自分の部屋で編集作業することにした。
◇
「いやー、カウントダウンってゾクゾクするな。ラスト、ちゃんとはまるのかな?」
「それはもうマエストロ次第ですよね。信じてタクトに合わせるしかないです」
「うん。たまにものすごいテンポアップして、ラスト駆け込んでる時あるよな」
「ありますね。逆に最後の音をものすごいフェルマータにして時間稼ぎしてたり」
「あるある!露骨な時間調整。けど、ピタッと音楽的に自然にハマった時は、思わずブラーヴォ!って拍手喝采」
「うんうん、分かります。新年をスッキリ気持ち良く迎えられますよね。あー、明日楽しみだな」
二人は夜遅くまで念入りに「ラプソディ・イン・ブルー」を合わせた。
午前0時が近づくと、曲の時間を逆算して実際に弾いてみる。
楽譜と時計を交互に見ながら、なんともスリリングに演奏を終えた。
「お!時間ぴったりじゃね?いけるなー、俺達」
「ふふっ、明日は時計じゃなくて指揮を見てればいいから、気が楽ですね」
「おう、明日がんばろうぜ」
そう言って聖は、ふと時計を見上げる。
「午前0時か。なあ、「死の舞踏」もう一回やらない?」
「おおー、いいですね。リアルだろうな」
「よし、じゃあ照明も落とすか」
聖は天井のライトをグッと絞った。
月明かりでぼんやりとしたリビングに、ダークな世界が広がる。
「うわっ、ほんとに墓場みたいな雰囲気」
「ああ。いいねー、ゾクッとする。この曲を弾くにはうってつけだ。いくぞ!」
「はい」
死神達の不気味なワルツは、以前動画撮影で演奏した時よりも、更に深い世界観を生み出して演奏される。
芽衣はもはや自分の周りにガイコツがたくさん現れ、取り囲まれているような気がしてきた。
背筋に冷たい感覚が走り、恐怖に駆られながら演奏する。
最後まで弾き切ると、聖は満足気に、はあー、と恍惚の表情を浮かべた。
だが芽衣は、ハッとして辺りを見渡す。
「ん?どうかしたか?」
「あの、私もう、怖くて」
「あはは!自分で弾いて怖くなってんの?」
「だって、こんな。ほんとに午前0時に暗がりの中で弾いたのなんて初めてで。もう死神に憑りつかれたかと……」
その時、ふいに聖のヴァイオリンケースがパタンと音を立てて閉じた。
「ぎゃーー!!」
芽衣は飛び上がり、脱兎のごとく聖のもとへやって来ると、ガバッと抱きつく。
「うわ、ちょっと!」
「こ、怖い!怖いよー」
「はあ?自分の演奏に本気で怯えるなんて、何やってんだよ」
聖はそう言って呆れるが、芽衣は本当に怖いらしく、聖のシャツの胸元を掴んでカタカタと震えていた。
「大丈夫だから。とにかくちょっと楽器置かせろ」
聖はゆっくり後ずさってテーブルにヴァイオリンと弓を置く。
その間も芽衣はピタリと寄り添って、聖の胸に顔をうずめていた。
「ほら、ソファに座って」
肩を抱いて座らせると、芽衣はチラリと辺りに視線を向ける。
そしてまたしても聖の胸にギュッと抱きついてきた。
「やれやれ、お子ちゃまかよ。いいか?もう二度と夜中に怖い曲弾くなよ?」
コクコクと芽衣は黙って頷いている。
(マズイな。トラウマにならなきゃいいけど)
まさかこんなに怖がるとは思わなかったと、聖は顔をしかめて反省する。
芽衣がこの先この曲を弾くたびに思い出して怯えたら、それは自分の責任だ。
(いかん。とにかく恐怖を払拭しないと)
そう思って照明を明るくしようとするが、なにせ芽衣はくっついたまま離れてくれない。
「なあ、ちょっとだけ手を離して。部屋の電気つけるから」
芽衣はプルプルと首を横に振る。
(もう、どうしろっていうんだよ)
途方に暮れるが、悪いのは自分だ。
今後芽衣がこの曲を弾けなくなってはいけない。
「じゃあ俺の首に掴まってろ」
そう言うと聖は両腕を芽衣の腰の下に回し、まるで子どもにするように抱っこして立ち上がった。
「ひゃっ!」
芽衣が慌てて聖の首にしがみつくと、聖はそのまま壁まで歩いて照明を明るくする。
「ほら、もう大丈夫だろ?」
言われて芽衣はそっと顔を上げて辺りを見た。
見慣れたリビングにホッとする。
だが窓の外に広がる暗闇からまたガイコツが現れそうで、芽衣はもう一度顔を伏せて聖にしがみついた。
「おーい、いつまでこうやってる気だ?」
「だって、怖いんだもん」
「じゃあもうベッドに入って、さっさと寝ちまいな」
「え、一人で?」
「当たり前だろ」
すると芽衣は、うるうると目を潤ませて聖を見つめた。
「怖くて無理」
「はあー?じゃあどうすんのさ」
「ずっとここで起きてる」
「あっ、そ。じゃあ俺は行くから。おやすみ」
「ぎゃー!やだやだ!怖い!」
「ウグッ、首が締まる。分かった、分かったから離せ」
聖はソファまで戻ると、芽衣を抱いたまま腰を下ろす。
「それで?俺はどうすればいいんだ?」
「このままにしてて」
「はあ、やれやれ」
諦めたようにため息をついて、聖は芽衣を抱いたままソファにもたれた。
芽衣は聖の膝に横座りして、相変わらず聖の胸に顔をうずめている。
「えーっと?それでは何か楽しいお話でもしましょうか?」
「はい、お願いします」
「むかーしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが……」
「そういうのはいいです」
「なんだと?!じゃあもう知らん。あとは一人で……」
「どうしよう。私、二度とあの曲弾けなくなったら」
「うっ……」
それを言われると辛い。
「じゃあ、如月 聖くんの生い立ちでも話しましょうか?大して面白くも何ともないですが」
「はい、聞きたいです」
「あ、そう?では、ゴホン!」
おもむろに咳払いしてから、聖は語り始めた。
「えー、如月 聖くん。御年28歳は……」
「え?如月さん、28なんですか?」
「なんだよ。話の腰折るのか?」
「すみません!続きをどうぞ」
「うむ」
仕切り直して話を続ける。
「小さい頃からアイドル顔負けの可愛らしさに、将来結婚してと迫ってきた女子は軽くふたケタ」
「へえー、なんだかなあ」
「当の本人は野球に夢中で、将来はプロ野球選手になる!と夢見ていた」
「あら、夢やぶれて、ですね」
「おい、いちいち茶々入れんでいい」
はい、と芽衣は肩をすくめる。
「そんな聖少年は、5歳の時にじいさんに連れられて行ったコンサートで感銘を受けてヴァイオリンを始める」
「えっ、すごい!意外とまとも!」
「なんだよ、意外とって……。野球にも変わらず夢中で、指をケガしてヴァイオリンの先生に怒られたことも数知れず」
「いやー!指はダメー」
「無理やり出場させられた初めてのヴァイオリンコンクールで2位になり、負けず嫌いに火がついて、そこからはがむしゃらにヴァイオリン漬けの日々を送る」
え……と芽衣は顔を上げて聖を見た。
「コンクールで?」
「ん?ああ」
「じゃあ……、コンクールに出ていなければ、如月さんはヴァイオリンを続けていなかったかもしれないの?」
「そうかもな」
すると芽衣はうつむいて、じっと何かを考え始める。
「どうかしたか?」
「いえ、あの……。私は逆に、コンクールにさえ出ていなければって後悔していたので、ちょっと複雑な気がして」
そう言った切り、芽衣は顔を伏せて黙り込む。
聖は公平の言葉を思い出していた。
(そうか。コンクールがきっかけで舞台に立つのが怖くなったんだよな。その影響で、今でも本番では実力が出せない。でも、本当にコンクールさえなければ、それで良かったのか?そうとも言い切れないのでは)
コンクールに出ていなかったとしても、別の形でスランプはやって来たかもしれない。
きっかけはどうあれ、音楽をやっていれば誰しもがいつか何かのスランプに陥る。
そこを抜け出した人だけが、音楽家としてやっていけるのだ。
(今、この子が過去のトラウマから抜け出す方法は、コンクールを恨むことじゃない。前向きな演奏で乗り越えること。簡単ではなくても、必ず乗り越えて欲しい。これほどの才能の持ち主なんだから)
そう思い、聖は口を開く。
「あのさ」
「はい、なんですか?」
「うん。この先も、ずっと俺と一緒に演奏して欲しい」
え?と芽衣が顔を上げる。
聖はしっかりと視線を合わせた。
「これからも、一緒に音楽を作っていこう。俺達二人にしか出来ない音楽を。俺達ならすごい演奏が出来る。自分の限界を超えた演奏が」
「自分の、限界を超えた?」
「ああ、そうだ。どちらかがくじけそうになっても、支え合える。お前が倒れそうになったら俺が助け起こす。俺達ならそれが出来る。俺はお前を、心から信頼しているから」
大きく見開いた芽衣の瞳から、涙が溢れてこぼれ落ちる。
「いいか?忘れるな。お前は一人じゃない。お前のピアノは、いつも俺のヴァイオリンと共にある」
芽衣の心の中に真っ直ぐ届く聖の言葉。
気持ちを奮い立たせてくれる力強い眼差し。
温かく包み込んでくれる大きな腕。
芽衣はその全てに胸を打ち震わせていた。
とめどなく溢れる涙に言葉が詰まる。
静かにしゃくり上げて泣き続ける芽衣を、聖は優しく抱きしめていた。
寝不足のままフラフラと階段を下りた聖は、公平と楽しそうに笑いながら朝食の準備をしている芽衣の姿にホッとする。
昨夜は、眠りに落ちた芽衣のその後が心配で、明け方までベッドの横で付き添っていた。
顔色も良くスヤスヤと呼吸も安定してきて、これなら大丈夫そうだと自分の部屋に引き揚げ、そのままボスッとベッドに飛び込んだのが2時間前のこと。
本当はまだ寝ていたかったが、芽衣の体調が心配で無理やり起きてきた。
二日酔いが酷いのでは?と思っていたが、公平と明るく会話している芽衣はいつもと変わりない。
それどころか、酔った記憶もなさそうに見えた。
「あ、おはようございます」
「お、早いな聖。おはよう」
二人に声をかけられ、聖も「おはよう」と答える。
早速三人で朝食を囲んだ。
「今日は午後に1本動画撮らせてくれ。何がいい?」
公平に聞かれて、芽衣は「うーん……」と考え込む。
「如月さん、夕べのアレでいいですか?」
急に芽衣に顔を覗き込まれて、聖はドキッとした。
「え!夕べのアレって、まさか……」
「あれ?ひょっとして覚えてないですか?」
「いや、俺は覚えてるけど……」
「私ももちろん覚えてますよ。じゃあ、アレやりましょ!」
「アレ……。夕べのアレ?」
「そう!夕べのアレです。楽しみー!」
違う、絶対に違う。
今、己の頭の中に浮かんでいる夕べのアレとは断じて違う。
そう分かっていても、聖の脳裏には芽衣とのアレが焼きついていた。
思わず唇に手をやる。
柔らかい芽衣の唇の感触が思い出された。
(いかん!俺は一体何を……。アレは違うんだ。そう、アレはソレとは違う)
ブンブンと頭を振っていると、芽衣が心配そうに声をかけてきた。
「如月さん?やっぱりアレは嫌ですか?」
「いや、大丈夫。俺もアレは大好きだ」
「良かった!じゃあ早くやりたいですね」
「ああ、やりたい。……って、アレはドレのこと?」
は?と芽衣はキョトンとする。
「大丈夫ですか?如月さん。まだ寝ぼけてます?」
「う、うん。そうかも」
「それなら撮影は午後からにしましょ。午前中は分担してお掃除とお洗濯にして。じゃあ今回も『ひめこ』で決めますよー」
そう言って芽衣は、あみだくじを作り始めた。
合宿中、家事の分担をあみだくじで決めているうちに、自然とそれを『ひめこ』と呼ぶようになっていた。
聖のひ、芽衣のめ、公平のこ、を取って『ひめこ』だ。
「はい!じゃあ好きなところに横線書いてくださいねー」
あみだくじの結果、今回は聖が掃除、芽衣が洗濯、公平が食器洗いと決まった。
◇
午前中はそれぞれ家事をこなし、午後に基礎練習をしたあと、夕方に動画撮影することになった。
(アレってそうだ。ストラヴィンスキーだったな)
楽譜を前にようやく思い出した聖は、気持ちを入れ替える。
「よし。いくぞ、イスラメイ」
「はい!木村 芽衣、がんばります!」
気合いたっぷりに、二人は『火の鳥』の「カスチェイ王の魔の踊り」を弾く。
オーケストラで演奏される迫力あるこの曲を、たった二人で弾くには無理がある。
だがそんなことは感じさせないほど、ダイナミックに息を合わせた二人の演奏に、公平の肌は粟立った。
「はー、しびれる。この動画も反響あるだろうなー」
公平はホクホクしながら編集作業を始めた。
夕食のあと、公平はパソコンを開いて聖と芽衣に改めて動画を見せる。
「反響がすごいんだよ。毎日アップしてることもあって、再生回数がうなぎ上りだ。コメントも賑わってるよ。みんな演奏中の背景が気になるみたいで、『どこで撮影してる?もしや如月 聖の自宅か?』って」
「ふうん。そんなのが話題になるんだ」
「当たり前だろ?お前、自分のファンがどれくらいいるか知ってるか?」
「知らん」
「やれやれ。っていう俺もよく分からんけどね」
おい、と聖は真顔で突っ込む。
「ははは!それならファンクラブでも作るか?何人か数えやすい」
「アホ!作る訳ないだろ」
「でも動画のチャンネル登録者数はすごい勢いで伸びてるぞ。まあ、全部お前のおかげとは言えないけどな。芽衣ちゃんのファンもいるから」
ええ?!と芽衣は驚いて顔を上げた。
「まさか!そんなことあり得ませんよ」
「どうして?ほら、コメント見てよ。ピアノ伴奏がすごくいいって。顔が見えないから、誰だろうって色々憶測が飛び交ってる。ミステリアスなピアニストって呼ばれてるよ」
「そ、そんな。お恥ずかしい。高瀬さん、もう私は完全にフレームアウトして撮影してもらえませんか?」
「ダメだよそんなの。音だけしかしなかったら、実際に合わせてるのかどうか、信憑性なくなるし」
「じゃあ……、被り物して弾いてもいいですか?」
すると聖がブッと吹き出す。
「そっちの方が余計に話題になるぞ。まあ面白そうだから、俺もなんか被って弾いてもいいけどさ」
「二人ともやめてくれ。演奏はピカイチなのにビジュアルが変って、カオスだろ」
「そうか?ジルベスターコンサートは、カウントダウン終わったら干支の被り物で弾いてる人いるじゃないか」
「それなら許されるけどさ。この動画ではダメ」
「えー、俺もジルベスターやって被り物したい」
聖がごねると、公平は眉間にしわを寄せた。
「聖、ジルベスターをやりたいのか?それとも被り物して弾きたいのか?」
「どっちも。明日大みそかだろ?テレビのジルベスターコンサートに合わせて弾きながらカウントダウンしようぜ。で、年が明けたら被り物して初動画1発撮り。おおー、我ながらいいアイデア!」
はあー?と公平は呆れる。
だがよく見ると芽衣までがワクワクした様子で身を乗り出していた。
「如月さん、明日テレビ放送されるジルベスター、カウントダウンの曲はガーシュウィンなんですよ。『ラプソディ・イン・ブルー』!」
「マジか!これはもうやるしかないぜ、イスラメイ」
「はい!私も弾かせていただきます!」
「よし!じゃあ、明日早速買い出しだ。被り物探しにな」
「やったー!楽しみ」
え、マジで?と、公平は一人険しい顔でドン引きしていた。
そのあと本気でガーシュウィンの合わせを始めた二人にやれやれと肩をすくめて、公平は自分の部屋で編集作業することにした。
◇
「いやー、カウントダウンってゾクゾクするな。ラスト、ちゃんとはまるのかな?」
「それはもうマエストロ次第ですよね。信じてタクトに合わせるしかないです」
「うん。たまにものすごいテンポアップして、ラスト駆け込んでる時あるよな」
「ありますね。逆に最後の音をものすごいフェルマータにして時間稼ぎしてたり」
「あるある!露骨な時間調整。けど、ピタッと音楽的に自然にハマった時は、思わずブラーヴォ!って拍手喝采」
「うんうん、分かります。新年をスッキリ気持ち良く迎えられますよね。あー、明日楽しみだな」
二人は夜遅くまで念入りに「ラプソディ・イン・ブルー」を合わせた。
午前0時が近づくと、曲の時間を逆算して実際に弾いてみる。
楽譜と時計を交互に見ながら、なんともスリリングに演奏を終えた。
「お!時間ぴったりじゃね?いけるなー、俺達」
「ふふっ、明日は時計じゃなくて指揮を見てればいいから、気が楽ですね」
「おう、明日がんばろうぜ」
そう言って聖は、ふと時計を見上げる。
「午前0時か。なあ、「死の舞踏」もう一回やらない?」
「おおー、いいですね。リアルだろうな」
「よし、じゃあ照明も落とすか」
聖は天井のライトをグッと絞った。
月明かりでぼんやりとしたリビングに、ダークな世界が広がる。
「うわっ、ほんとに墓場みたいな雰囲気」
「ああ。いいねー、ゾクッとする。この曲を弾くにはうってつけだ。いくぞ!」
「はい」
死神達の不気味なワルツは、以前動画撮影で演奏した時よりも、更に深い世界観を生み出して演奏される。
芽衣はもはや自分の周りにガイコツがたくさん現れ、取り囲まれているような気がしてきた。
背筋に冷たい感覚が走り、恐怖に駆られながら演奏する。
最後まで弾き切ると、聖は満足気に、はあー、と恍惚の表情を浮かべた。
だが芽衣は、ハッとして辺りを見渡す。
「ん?どうかしたか?」
「あの、私もう、怖くて」
「あはは!自分で弾いて怖くなってんの?」
「だって、こんな。ほんとに午前0時に暗がりの中で弾いたのなんて初めてで。もう死神に憑りつかれたかと……」
その時、ふいに聖のヴァイオリンケースがパタンと音を立てて閉じた。
「ぎゃーー!!」
芽衣は飛び上がり、脱兎のごとく聖のもとへやって来ると、ガバッと抱きつく。
「うわ、ちょっと!」
「こ、怖い!怖いよー」
「はあ?自分の演奏に本気で怯えるなんて、何やってんだよ」
聖はそう言って呆れるが、芽衣は本当に怖いらしく、聖のシャツの胸元を掴んでカタカタと震えていた。
「大丈夫だから。とにかくちょっと楽器置かせろ」
聖はゆっくり後ずさってテーブルにヴァイオリンと弓を置く。
その間も芽衣はピタリと寄り添って、聖の胸に顔をうずめていた。
「ほら、ソファに座って」
肩を抱いて座らせると、芽衣はチラリと辺りに視線を向ける。
そしてまたしても聖の胸にギュッと抱きついてきた。
「やれやれ、お子ちゃまかよ。いいか?もう二度と夜中に怖い曲弾くなよ?」
コクコクと芽衣は黙って頷いている。
(マズイな。トラウマにならなきゃいいけど)
まさかこんなに怖がるとは思わなかったと、聖は顔をしかめて反省する。
芽衣がこの先この曲を弾くたびに思い出して怯えたら、それは自分の責任だ。
(いかん。とにかく恐怖を払拭しないと)
そう思って照明を明るくしようとするが、なにせ芽衣はくっついたまま離れてくれない。
「なあ、ちょっとだけ手を離して。部屋の電気つけるから」
芽衣はプルプルと首を横に振る。
(もう、どうしろっていうんだよ)
途方に暮れるが、悪いのは自分だ。
今後芽衣がこの曲を弾けなくなってはいけない。
「じゃあ俺の首に掴まってろ」
そう言うと聖は両腕を芽衣の腰の下に回し、まるで子どもにするように抱っこして立ち上がった。
「ひゃっ!」
芽衣が慌てて聖の首にしがみつくと、聖はそのまま壁まで歩いて照明を明るくする。
「ほら、もう大丈夫だろ?」
言われて芽衣はそっと顔を上げて辺りを見た。
見慣れたリビングにホッとする。
だが窓の外に広がる暗闇からまたガイコツが現れそうで、芽衣はもう一度顔を伏せて聖にしがみついた。
「おーい、いつまでこうやってる気だ?」
「だって、怖いんだもん」
「じゃあもうベッドに入って、さっさと寝ちまいな」
「え、一人で?」
「当たり前だろ」
すると芽衣は、うるうると目を潤ませて聖を見つめた。
「怖くて無理」
「はあー?じゃあどうすんのさ」
「ずっとここで起きてる」
「あっ、そ。じゃあ俺は行くから。おやすみ」
「ぎゃー!やだやだ!怖い!」
「ウグッ、首が締まる。分かった、分かったから離せ」
聖はソファまで戻ると、芽衣を抱いたまま腰を下ろす。
「それで?俺はどうすればいいんだ?」
「このままにしてて」
「はあ、やれやれ」
諦めたようにため息をついて、聖は芽衣を抱いたままソファにもたれた。
芽衣は聖の膝に横座りして、相変わらず聖の胸に顔をうずめている。
「えーっと?それでは何か楽しいお話でもしましょうか?」
「はい、お願いします」
「むかーしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが……」
「そういうのはいいです」
「なんだと?!じゃあもう知らん。あとは一人で……」
「どうしよう。私、二度とあの曲弾けなくなったら」
「うっ……」
それを言われると辛い。
「じゃあ、如月 聖くんの生い立ちでも話しましょうか?大して面白くも何ともないですが」
「はい、聞きたいです」
「あ、そう?では、ゴホン!」
おもむろに咳払いしてから、聖は語り始めた。
「えー、如月 聖くん。御年28歳は……」
「え?如月さん、28なんですか?」
「なんだよ。話の腰折るのか?」
「すみません!続きをどうぞ」
「うむ」
仕切り直して話を続ける。
「小さい頃からアイドル顔負けの可愛らしさに、将来結婚してと迫ってきた女子は軽くふたケタ」
「へえー、なんだかなあ」
「当の本人は野球に夢中で、将来はプロ野球選手になる!と夢見ていた」
「あら、夢やぶれて、ですね」
「おい、いちいち茶々入れんでいい」
はい、と芽衣は肩をすくめる。
「そんな聖少年は、5歳の時にじいさんに連れられて行ったコンサートで感銘を受けてヴァイオリンを始める」
「えっ、すごい!意外とまとも!」
「なんだよ、意外とって……。野球にも変わらず夢中で、指をケガしてヴァイオリンの先生に怒られたことも数知れず」
「いやー!指はダメー」
「無理やり出場させられた初めてのヴァイオリンコンクールで2位になり、負けず嫌いに火がついて、そこからはがむしゃらにヴァイオリン漬けの日々を送る」
え……と芽衣は顔を上げて聖を見た。
「コンクールで?」
「ん?ああ」
「じゃあ……、コンクールに出ていなければ、如月さんはヴァイオリンを続けていなかったかもしれないの?」
「そうかもな」
すると芽衣はうつむいて、じっと何かを考え始める。
「どうかしたか?」
「いえ、あの……。私は逆に、コンクールにさえ出ていなければって後悔していたので、ちょっと複雑な気がして」
そう言った切り、芽衣は顔を伏せて黙り込む。
聖は公平の言葉を思い出していた。
(そうか。コンクールがきっかけで舞台に立つのが怖くなったんだよな。その影響で、今でも本番では実力が出せない。でも、本当にコンクールさえなければ、それで良かったのか?そうとも言い切れないのでは)
コンクールに出ていなかったとしても、別の形でスランプはやって来たかもしれない。
きっかけはどうあれ、音楽をやっていれば誰しもがいつか何かのスランプに陥る。
そこを抜け出した人だけが、音楽家としてやっていけるのだ。
(今、この子が過去のトラウマから抜け出す方法は、コンクールを恨むことじゃない。前向きな演奏で乗り越えること。簡単ではなくても、必ず乗り越えて欲しい。これほどの才能の持ち主なんだから)
そう思い、聖は口を開く。
「あのさ」
「はい、なんですか?」
「うん。この先も、ずっと俺と一緒に演奏して欲しい」
え?と芽衣が顔を上げる。
聖はしっかりと視線を合わせた。
「これからも、一緒に音楽を作っていこう。俺達二人にしか出来ない音楽を。俺達ならすごい演奏が出来る。自分の限界を超えた演奏が」
「自分の、限界を超えた?」
「ああ、そうだ。どちらかがくじけそうになっても、支え合える。お前が倒れそうになったら俺が助け起こす。俺達ならそれが出来る。俺はお前を、心から信頼しているから」
大きく見開いた芽衣の瞳から、涙が溢れてこぼれ落ちる。
「いいか?忘れるな。お前は一人じゃない。お前のピアノは、いつも俺のヴァイオリンと共にある」
芽衣の心の中に真っ直ぐ届く聖の言葉。
気持ちを奮い立たせてくれる力強い眼差し。
温かく包み込んでくれる大きな腕。
芽衣はその全てに胸を打ち震わせていた。
とめどなく溢れる涙に言葉が詰まる。
静かにしゃくり上げて泣き続ける芽衣を、聖は優しく抱きしめていた。
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