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盗賊

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それから10日ほど経った、ある日。

昼。

晴れ。

私は、一人でキトレル山の森を散策していた。

散歩である。

ときどき、大自然の中でのんびり過ごしたくなる日がある。

今日は、まさにそんな気分だった。

しかし。

キトレル山には、招かれざる客が訪れていた。

森に囲まれた半径30メートルぐらいの空き地。

そこに4人の盗賊がいるのを、私は発見した。

男盗賊2人(黒髪の男が1人、赤髪の男が1人)

女盗賊2人(青髪の女が1人、紫髪の女が1人)

……である。

とりあえず私は森の茂みに隠れて、聞き耳を立てることにした。

「今回の獲物ターゲットは、この山のどこかにいる。見つけ出して、拉致する」

と、黒髪の男盗賊が言った。

どうやら誰かを探しているらしい。

拉致する……とは穏やかではないな。

私はより深く集中して、盗賊たちの声を聴き取ろうとする。

赤髪の男盗賊は言う。

「たしかターゲットは、セレナとかいう名前のガキなんすよね?」

「ああ」

と黒髪の男盗賊は肯定した。

あれ……?

いまセレナって言わなかった?

気のせいだろうか?

「でも、人さらいなんてメンドくさくないっすか? 近くの村でも襲撃したほうが、儲かるんじゃ?」

と赤髪の男盗賊が提案した。

しかし黒髪の男盗賊が否定する。

「今回の任務は、さるお方からの命令だ。拒否したり、しくじったりしたら、何をされるかわからん」

「なるほど。そうなんすね」

と赤髪の男盗賊が答える。

雰囲気的に、どうやら黒髪の男盗賊がリーダーのようだ。

盗賊たちのまとめ役のような口振りをしている。

「でも、ザカルさんがいれば楽勝っすよね」

と赤髪の男盗賊が言う。

「ザカルさんは、ふたどなりの街じゃ、名の知れた盗賊だものね」

と青髪の女盗賊が同調した。

「ふん。俺ばかりに頼るなよ。お前らにも働いてもらうぞ」

と黒髪の男盗賊が言った。

会話の内容からするに、リーダーである黒髪の男は【ザカル】という名前らしい。

もちろん私の知らない名前だが、そこそこ有名人のようだ。

(まあ、誰であろうと関係ない)

と私は思った。

キトレル山で悪さをするような連中は、放っておけない。

私は、森の茂みから姿をあらわした。

「誰だ……!?」

とザカルが警戒した声で言った。
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