73 / 97

さっそく戦闘

しおりを挟む
アイリスは怯えた声で言う。

「お、お姉ちゃん……」

「アイリス、あなたは逃げ――――」

逃げてください、と言おうとしたが、ハッとして口をつぐむ。

盗賊たちが4人だけとは限らない。

この盗賊たちに他の仲間がいた場合、アイリスを一人で逃がすのは危険である。

私の目の届く範囲に置いておくべきだろう。

「そこの木のうしろにでも隠れていてください」

と私は言い直した。

「え? で、でも」

「いいから、言うことを聞いてくれますか?」

と私は有無うむを言わさぬ強い口調で、命令した。

アイリスは一瞬ビクっとしてから、うなずく。

そして少し離れた木陰こかげへと身を隠した。

よし……とりあえずこれで、アイリスは安全だろう。

青髪の男が小馬鹿こばかにしたように笑う。

「お姉ちゃ~ん、だってよ。ギャハハハ、可愛いねェ!」

さらに緑髪の女がわざとらしく感心したように言った。

「妹を守ろうとする姉かぁ、格好いいねえ? まあ、二人とも殺しちゃうんだけどね。ドレアスさんの命令だし」

赤髪の女はつまらなそうに告げる。

「ねえ、さっさとやっちゃいましょうよ」

「じゃあ俺がやるぜ」

と青髪の男が応じてから、こちらに近づいてくる。

ちゃらついた足取あしどりだ。

腰にはダガーらしき武器をたずさえているが、抜剣ばっけんはしていない。

私ごとき、武器ナシでも問題ないと思っているのだろう。

つまり、こちらをあなどっている。

……好都合だ。

青髪の男が、私の眼前まで近づいてきた。

「そうそう。抵抗しなけりゃラクに死ねるぜ、お姉ちゃ~ん?」

と、馬鹿にしたように青髪の男が告げ、こちらに手を伸ばしてくる。

(今だ!)

私は、チョコレートのムチを背中から生やした。

そのムチの先端を、やいばの形状へと変える。

チョコレート・カッターである。

その鋭利えいりな切れ味で男の首を、スパッと切断する。

あまりに綺麗にスライスされたので、しばし男は、切られたことに気づいていなかった。

「へ?」

まるで切れたバターのように、首から上がななめにズレた。

やがて頭部とうぶが落ちて、ボトリとにぶい音を立てながら地面に着地。

さらに首を失った男の胴体が、うしろに倒れ、仰向あおむけに転がった。

「なっ!?」

「バ、バゼル!?」

死んだ男は、バゼルという名らしい。

まあどうでもいい名前だ。

覚える価値はないだろう。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリーです。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します

mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。 中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。 私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。 そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。 自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。 目の前に女神が現れて言う。 「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」 そう言われて私は首を傾げる。 「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」 そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。 神は書類を提示させてきて言う。 「これに書いてくれ」と言われて私は書く。 「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。 「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」 私は頷くと神は笑顔で言う。 「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。 ーーーーーーーーー 毎話1500文字程度目安に書きます。 たまに2000文字が出るかもです。

処理中です...