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夕日の森

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<セレナ視点>


アイリスを連れて、家に戻る。

そして。

私はそのまま、出かける。

キトレル山の森の中へ。

ふいに立ち止まる。

「……」

ホワイトチョコレートのマーキング能力。

ホワイトチョコを付着させた相手の位置を捕捉ほそくし続けるチカラ。

さっき私は、敵の一人にホワイトチョコレートをぶっかけた。

目を閉じて、その位置を探る。

……。

……。

……うん、大丈夫。

方角と、だいたいの距離がわかる。

「こっちですね」

私は、敵のいる方角へと歩き出す。





森を越え、

山を越え、

さらに、深い深い森の中。

夕陽ゆうひのオレンジ色が、木々の隙間すきまから射し込んでくる刻限こくげん

夕焼けに染まった森の中は、薄暗うすぐらく、おどろおどろしい雰囲気に包まれていた。

逢魔刻おうまがときという言葉を思い起こさせる風景だ。

ホワイトチョコレートのマーキングを追いかけた先。

森の奥地。

大樹が立ち並び、その巨大な根が地面に張り巡らされた場所。

そこに3人の男がいた。

「……!! 誰だ!?」

と、ヒゲのオッサンが私の気配に気づいた。

他の二人も、こちらに視線を向ける。

私は、木の根っこのうえに立って、静かに告げた。

「こんにちは」

「な……セレナ、だと?」

と反応したのは、私のよく知る相手。

ジルだ。

ジルは、私が現れたことに驚愕していた。

ヒゲのオッサンが苦笑して言った。

「これは驚いたな。まさか獲物ターゲットのほうから、俺たちのもとへやってくるとは」

横に立っていた青髪ロンゲが、警戒心をあらわに尋ねてくる。

「テメエ……なぜオレたちの居場所がわかった? まさか、けてきたのか……?」

「さあ、どうでしょうね」

と私はすっとぼけた。

ホワイトチョコレートのマーキング能力について、語るつもりはなかった。

私は言った。

「昼間の4人組……あなたたちが差し向けたんですよね?」

ヒゲのオッサンが肩をすくめて、答えた。

「そうだと言ったら?」

「当然、あなたがたを殺します。私たちに危害を加える者を、許すつもりはありませんから」

と私は静かに告げた。
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