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4 まさかだった‥‥一度で覚えてもらえるつもりの『小田信長です。』
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なんだか他人事ながら緊張する。
ついついそんな気分で集中力を欠いてしまい、終業時間に終わらなかった。
「終わったらしいけど、あとどのくらい?」
平和な顔をして聞いてきた海を恨みそうになる。
「後少し。15分くらい。席で待っててって言ってよ。」
「分かった。」
結局今日の今日まで全く気がついてないらしい。
この間探る様にバレないようにこっそりと、世間話に紛らせて聞いてみた。
自分の妹の話をして、嘘だけど七瀬さんに相談したことを話しして。
「やっぱり気が強いとコントロール不能だよな。あんな妹に振り回されてもいいなんて思ってる男がいるのが信じられない。」
まったく嘘の話だ。妹はいるけど気は強くない、普通だと思う。
彼氏は・・・知らない。いるだろう。
「七瀬さんも結構振り回す系だよな。マイペースに強気だし。」
「そうかもな。」
「まあ、降谷さんもちょっと変わってるけど。海はいままで七瀬さんみたいなタイプの彼女いた?」
適当な質問に真面目に応えようとする海。
「いや、あそこまでマイペースじゃないかな。」
よく言えばマイペース。悪く言ったら自分の思うままに他人をひきづりこむ。
降谷さんに限っては本当にうれしい相手だろう。
「降谷さんによく絡まれてるよな。あんなタイプはどう?」
「絡まれてるかな?」
「ああ、飲むとちょっと壊れるよな。面白く観察してるけど、海も普通に巻き込まれてるなあって思ってた。いつもは七瀬さんが絡まれてるみたいだけど。」
「そんな厄介じゃないよ。普通だと思ってたけど。」
「そうか、ふ~ん。まあ、あれくらいなら可愛いから許せるけどな。」
「ああ。別に。」
さり気なく同意してくれた。可愛いってところにだろうか?
鈍感なのか俺が全然絡まれてないって気がついてないらしい、そして嫌がってはいないらしい。
もう一歩踏み込みたいけど自分がばらしたら七瀬さんに恨まれそうだ。
海も降谷さんと二人で会ってみればいい。
全力で受け止めればもっと面白い事が起こるかもしれない。
今日はとにかく飲ませてみようという方向で計画している。
そのためにおしゃれ系のお酒がちゃんと心と頭に効くお店だと確認し合ったんだ。
どんなふうに空回りして壊れるのか、見てみたい。
それに海がどう反応するかも。
海ももっと酔えばいいのに。
ああ、しまった。またぼんやりしてた。
急がないと、まだまだ余裕はあるけど自分のせいで皆のテンションが下がったら大変だ。
指を動かし仕事をやっつけた。
終わってササっとトイレに行って海に声をかけた。
やっぱり周りの思惑などみじんも感じてない鈍感君。
早く揶揄いたい!!
そして照れながらお礼を言われたい!!
二人で女子二人の席へ。
明らかに緊張してる降谷さん。
見るだけでそれと分かるくらいなのに。
隣を見ても何も感じてないらしい。
心でため息をついた。
「お待たせ。ごめんね、お腹空いた?」
「空いた空いた。全力で飲む、食べる。」
七瀬さんがそう答えてくれた。
「じゃあ、端数は遅れた小田君が持つとして、大きいほうだけ均等割りしようね。」
そう言って
降谷さんを見る。
「うん。」
「え~、だってちょっとなのに?予約の時間には間に合うのに。」
「男は細かい事気にしないでよ。さあ、南雲君行こう。」
そう言って先頭を歩く。
でもエレベーターに乗ったら当然降りて先を歩くのは自分達だった。
お店の前で海が立ち止まり呟いていた。
この店を下見してまで二人で選んだことに意味があるんだろうか?
そう思ってる感じだった。
あるんだよ、海・・・・・。
いつもの席並びで座り早速注文をする。
お酒を楽しそうに選んでる降谷さん、ああ、今日はもう兄の気持ちで見てしまう。
頑張れ、ほろ酔いのちょっと壊れた感じでガシッと海を捕まえてくれ!
おすすめのメニューもお願いしてテーブルはあっという間ににぎやかになる。
乾杯の後のペースが速いのは自分と七瀬さん。
降谷さんが思ったより進んでないけど・・・・。
そこはすかさず七瀬さんが自分のも味見させたりして、とにかくさりげなくお酒を勧めてる。
緊張は長く続かないタイプなのか、お酒が入ると隠せないタイプなのか、随分海に向かって話し始めてる。
邪魔しないように七瀬さんと妹話をする。
それでも二人の耳は二割ほど真横の会話を聞いている。
仕切りのあるおかげで隣も気にならない。
「本当に美味しいよね。」
「そうだね。当たりだね。」
「どう?」
「やっぱりこっちは全然だけど。そっちは?」
「しょうがないか。もう・・・・・。あとはそれなりに。」
「そうだね。」
何のことか聞いてても分からないだろう会話。
もう隠す必要もないくらいだった。
だってやっぱり壊れて来ている。
「ねえ、南雲君、名前もかっこいいね。」
今「も」って言ったのに、気がついたか、海?
「ありがとう。一応泳げるから馬鹿にもされずに来たよ。」
「これですごい色白だったらどうって感じだけど、普通だよね。真っ黒に焼いてた時期あった?」
「それ必要?別にいいよね。変わってないよ。」
「う~ん、必要ないか。趣味がサーフィンとか、潜ったり系は?」
「そこはない。チャレンジしようとは思ったんだけど、結構高いんだよ。授業料と機材と海に行く費用と。さすがにバイト代じゃあ出なかったから未経験のまま。」
「今は?」
「別にいいなあ。水族館でいい。船に乗らなくてもいけるし、息苦しくもない。」
「いくの?水族館。」
「いや・・・別に。潜るよりはってことだよ。」
「そうか。」
「でも名前で言ったら小田の方が凄いよね。絶対忘れられない、一度で覚えられるし。」
海がそう言ったら・・・・。
マジで悲しかった、まったく降谷さんの記憶にないらしい自分の名前。
だって一度聞いたら忘れないって海が言ったのに・・・・。
本当に自分には興味ないんだなあ。『海』はかっこいいとまで褒めてもらえてるのに。
思わず悲しい顔をしてしまった。
七瀬さんが堪えられずに爆笑した。
「里玖、ダメじゃん、飲み友達の名前はきちんと覚えてあげて。小田って言ったら一つしか思い浮かばないよ。」
「初めまして、小田信長です。」
自分で言った。
「・・・・漢字も同じ????」
そう聞かれて本当に・・・・・沈んだ。
『おだ君』と言われてて何の意識もしてなかったか、あるいは歴史上のあの人の漢字を覚えてないか。どっちだろう?
結構気に入ってる名前なのに。
名刺を出して渡した。
「ごめん。わあ、凄いね。確かに絶対忘れないね。」
「これで覚えてくれたんだよね、忘れないって言ったよね。」
「失礼いたしました。」
「里玖、皆が自己紹介したのに、その時点で聞いてなかったの?」
「そうだよ、ちゃんとしたよ。あの時点で皆覚えてくれたと思ったのに。」
「・・・・緊張してたりしたんだと思う、ごめん、記憶がない。」
「じゃあ、南雲君の名前はいつ覚えたの?」
「え・・っと・・・・・さあ・・・・・いつかな?」
赤くなってるけど、きっと最初の自己紹介で覚えたんだろう。
その時からピンポイントに見ていたんだろうか?
ああ、聞きたい。
今度七瀬さんに聞いてもらおう。
「リクと海ね。」
七瀬さんがつぶやいた。
とうとう顔を伏せた降谷さん。
「わかった、ほら、小田君は『小田』としか呼ばれないけど、南雲君は『海』って呼ばれるから。だから・・・・・覚えたんじゃないかなあ。」
言い訳になってるんだろうか?
なってないと思うよ。
途中本人もそう思ったみたいで、最後はゆっくりで言い訳感が満載だった。
「小田君って自分から好きな人に告白するタイプ?」
七瀬さん、なんで、いきなりの質問がそれ?
そう思ったけど誘導したい流れがあるんだろう。
「自分からしたい。だってされるのを待ってもなかなかなさそうだし。」
「七瀬さんも自分から言いそうだよね。」
「そう思うでしょう?ところが私は言い出せないタイプなのです。」
「見えないよ。」
降谷さんもうなずいてる。
「南雲君は?」
「別に決めてない。」
降谷さんが海をじっと見る。
何を思ってるんだろう。
『自分から言っていいってことだよね。』とか思ってるのか。
「だいたい自分から言うのって里玖なんかのタイプだよね。黙っていられないし、周りが脇を固めて背中を押してあげたくなるし。」
おお~、詰めてきた。合図まであと少しだろう。
「里玖、どう?」
「ど、ど、どうって、なにが・・・・。」
顔が熱いらしく、手で仰ぎながら、グラスを持っている。
七瀬さんにじっと見られてる。
耐えられなくて視線を外して、正面の海を見て、急いでグラスを傾けてる。
なんだかなあ。海、どうよ?そろそろ気がついてくれよ。
ゆっくり海を見たら目が合った。
静かなテーブル。
海もやっと気がついた気がする。
さっきの目はそう言ってた気がする。
ゆっくりお酒を飲みながら考えてるだろう。
外野の不自然な動きのいろいろを。
そして目の前の怪しいまでに落ち着きがない降谷さんのいろいろを。
携帯が震えた。
まあ、タイミングとしてはまずまずかも。
そう思ったのに、七瀬さんからの合図じゃない、本当に妹から連絡が来た。
「妹からだ。ごめん。」
呟いて携帯を見る。
ついついそんな気分で集中力を欠いてしまい、終業時間に終わらなかった。
「終わったらしいけど、あとどのくらい?」
平和な顔をして聞いてきた海を恨みそうになる。
「後少し。15分くらい。席で待っててって言ってよ。」
「分かった。」
結局今日の今日まで全く気がついてないらしい。
この間探る様にバレないようにこっそりと、世間話に紛らせて聞いてみた。
自分の妹の話をして、嘘だけど七瀬さんに相談したことを話しして。
「やっぱり気が強いとコントロール不能だよな。あんな妹に振り回されてもいいなんて思ってる男がいるのが信じられない。」
まったく嘘の話だ。妹はいるけど気は強くない、普通だと思う。
彼氏は・・・知らない。いるだろう。
「七瀬さんも結構振り回す系だよな。マイペースに強気だし。」
「そうかもな。」
「まあ、降谷さんもちょっと変わってるけど。海はいままで七瀬さんみたいなタイプの彼女いた?」
適当な質問に真面目に応えようとする海。
「いや、あそこまでマイペースじゃないかな。」
よく言えばマイペース。悪く言ったら自分の思うままに他人をひきづりこむ。
降谷さんに限っては本当にうれしい相手だろう。
「降谷さんによく絡まれてるよな。あんなタイプはどう?」
「絡まれてるかな?」
「ああ、飲むとちょっと壊れるよな。面白く観察してるけど、海も普通に巻き込まれてるなあって思ってた。いつもは七瀬さんが絡まれてるみたいだけど。」
「そんな厄介じゃないよ。普通だと思ってたけど。」
「そうか、ふ~ん。まあ、あれくらいなら可愛いから許せるけどな。」
「ああ。別に。」
さり気なく同意してくれた。可愛いってところにだろうか?
鈍感なのか俺が全然絡まれてないって気がついてないらしい、そして嫌がってはいないらしい。
もう一歩踏み込みたいけど自分がばらしたら七瀬さんに恨まれそうだ。
海も降谷さんと二人で会ってみればいい。
全力で受け止めればもっと面白い事が起こるかもしれない。
今日はとにかく飲ませてみようという方向で計画している。
そのためにおしゃれ系のお酒がちゃんと心と頭に効くお店だと確認し合ったんだ。
どんなふうに空回りして壊れるのか、見てみたい。
それに海がどう反応するかも。
海ももっと酔えばいいのに。
ああ、しまった。またぼんやりしてた。
急がないと、まだまだ余裕はあるけど自分のせいで皆のテンションが下がったら大変だ。
指を動かし仕事をやっつけた。
終わってササっとトイレに行って海に声をかけた。
やっぱり周りの思惑などみじんも感じてない鈍感君。
早く揶揄いたい!!
そして照れながらお礼を言われたい!!
二人で女子二人の席へ。
明らかに緊張してる降谷さん。
見るだけでそれと分かるくらいなのに。
隣を見ても何も感じてないらしい。
心でため息をついた。
「お待たせ。ごめんね、お腹空いた?」
「空いた空いた。全力で飲む、食べる。」
七瀬さんがそう答えてくれた。
「じゃあ、端数は遅れた小田君が持つとして、大きいほうだけ均等割りしようね。」
そう言って
降谷さんを見る。
「うん。」
「え~、だってちょっとなのに?予約の時間には間に合うのに。」
「男は細かい事気にしないでよ。さあ、南雲君行こう。」
そう言って先頭を歩く。
でもエレベーターに乗ったら当然降りて先を歩くのは自分達だった。
お店の前で海が立ち止まり呟いていた。
この店を下見してまで二人で選んだことに意味があるんだろうか?
そう思ってる感じだった。
あるんだよ、海・・・・・。
いつもの席並びで座り早速注文をする。
お酒を楽しそうに選んでる降谷さん、ああ、今日はもう兄の気持ちで見てしまう。
頑張れ、ほろ酔いのちょっと壊れた感じでガシッと海を捕まえてくれ!
おすすめのメニューもお願いしてテーブルはあっという間ににぎやかになる。
乾杯の後のペースが速いのは自分と七瀬さん。
降谷さんが思ったより進んでないけど・・・・。
そこはすかさず七瀬さんが自分のも味見させたりして、とにかくさりげなくお酒を勧めてる。
緊張は長く続かないタイプなのか、お酒が入ると隠せないタイプなのか、随分海に向かって話し始めてる。
邪魔しないように七瀬さんと妹話をする。
それでも二人の耳は二割ほど真横の会話を聞いている。
仕切りのあるおかげで隣も気にならない。
「本当に美味しいよね。」
「そうだね。当たりだね。」
「どう?」
「やっぱりこっちは全然だけど。そっちは?」
「しょうがないか。もう・・・・・。あとはそれなりに。」
「そうだね。」
何のことか聞いてても分からないだろう会話。
もう隠す必要もないくらいだった。
だってやっぱり壊れて来ている。
「ねえ、南雲君、名前もかっこいいね。」
今「も」って言ったのに、気がついたか、海?
「ありがとう。一応泳げるから馬鹿にもされずに来たよ。」
「これですごい色白だったらどうって感じだけど、普通だよね。真っ黒に焼いてた時期あった?」
「それ必要?別にいいよね。変わってないよ。」
「う~ん、必要ないか。趣味がサーフィンとか、潜ったり系は?」
「そこはない。チャレンジしようとは思ったんだけど、結構高いんだよ。授業料と機材と海に行く費用と。さすがにバイト代じゃあ出なかったから未経験のまま。」
「今は?」
「別にいいなあ。水族館でいい。船に乗らなくてもいけるし、息苦しくもない。」
「いくの?水族館。」
「いや・・・別に。潜るよりはってことだよ。」
「そうか。」
「でも名前で言ったら小田の方が凄いよね。絶対忘れられない、一度で覚えられるし。」
海がそう言ったら・・・・。
マジで悲しかった、まったく降谷さんの記憶にないらしい自分の名前。
だって一度聞いたら忘れないって海が言ったのに・・・・。
本当に自分には興味ないんだなあ。『海』はかっこいいとまで褒めてもらえてるのに。
思わず悲しい顔をしてしまった。
七瀬さんが堪えられずに爆笑した。
「里玖、ダメじゃん、飲み友達の名前はきちんと覚えてあげて。小田って言ったら一つしか思い浮かばないよ。」
「初めまして、小田信長です。」
自分で言った。
「・・・・漢字も同じ????」
そう聞かれて本当に・・・・・沈んだ。
『おだ君』と言われてて何の意識もしてなかったか、あるいは歴史上のあの人の漢字を覚えてないか。どっちだろう?
結構気に入ってる名前なのに。
名刺を出して渡した。
「ごめん。わあ、凄いね。確かに絶対忘れないね。」
「これで覚えてくれたんだよね、忘れないって言ったよね。」
「失礼いたしました。」
「里玖、皆が自己紹介したのに、その時点で聞いてなかったの?」
「そうだよ、ちゃんとしたよ。あの時点で皆覚えてくれたと思ったのに。」
「・・・・緊張してたりしたんだと思う、ごめん、記憶がない。」
「じゃあ、南雲君の名前はいつ覚えたの?」
「え・・っと・・・・・さあ・・・・・いつかな?」
赤くなってるけど、きっと最初の自己紹介で覚えたんだろう。
その時からピンポイントに見ていたんだろうか?
ああ、聞きたい。
今度七瀬さんに聞いてもらおう。
「リクと海ね。」
七瀬さんがつぶやいた。
とうとう顔を伏せた降谷さん。
「わかった、ほら、小田君は『小田』としか呼ばれないけど、南雲君は『海』って呼ばれるから。だから・・・・・覚えたんじゃないかなあ。」
言い訳になってるんだろうか?
なってないと思うよ。
途中本人もそう思ったみたいで、最後はゆっくりで言い訳感が満載だった。
「小田君って自分から好きな人に告白するタイプ?」
七瀬さん、なんで、いきなりの質問がそれ?
そう思ったけど誘導したい流れがあるんだろう。
「自分からしたい。だってされるのを待ってもなかなかなさそうだし。」
「七瀬さんも自分から言いそうだよね。」
「そう思うでしょう?ところが私は言い出せないタイプなのです。」
「見えないよ。」
降谷さんもうなずいてる。
「南雲君は?」
「別に決めてない。」
降谷さんが海をじっと見る。
何を思ってるんだろう。
『自分から言っていいってことだよね。』とか思ってるのか。
「だいたい自分から言うのって里玖なんかのタイプだよね。黙っていられないし、周りが脇を固めて背中を押してあげたくなるし。」
おお~、詰めてきた。合図まであと少しだろう。
「里玖、どう?」
「ど、ど、どうって、なにが・・・・。」
顔が熱いらしく、手で仰ぎながら、グラスを持っている。
七瀬さんにじっと見られてる。
耐えられなくて視線を外して、正面の海を見て、急いでグラスを傾けてる。
なんだかなあ。海、どうよ?そろそろ気がついてくれよ。
ゆっくり海を見たら目が合った。
静かなテーブル。
海もやっと気がついた気がする。
さっきの目はそう言ってた気がする。
ゆっくりお酒を飲みながら考えてるだろう。
外野の不自然な動きのいろいろを。
そして目の前の怪しいまでに落ち着きがない降谷さんのいろいろを。
携帯が震えた。
まあ、タイミングとしてはまずまずかも。
そう思ったのに、七瀬さんからの合図じゃない、本当に妹から連絡が来た。
「妹からだ。ごめん。」
呟いて携帯を見る。
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