35 / 40
After1 いろんな誤解が重なり形が出来る
しおりを挟む
どうしてこうなったのか分からない。
今日ランチ後にトイレに行くと先輩数人に寄ってこられた、というか囲まれた・・・私じゃない、その中心にいたのは香だった。
そしてはじかれた形の私が見るに、その先輩方の顔には見覚えがあった。
最近の南田さんの取り巻きじゃない。うっそ~。
香ぃ~。
仲直り旅行から大分立つ。
あの旅館はとても気に入ったけど、やっぱりおねだりするには料金がお高いのだ。
前回は1ケ月の大阪プロジェクトの特別お手当が出てほくほくしていた萩原さんに、噂のお詫びということもあってまるっと出してもらった。
「また来たい、すごくいい。」
何て言ってたのは会計の前まで。
無理でしょう。軽々しくはお願いできない。
ちなにに南田さんがお勧めしてくれたところも検索してみたけど。
同じような離れのあるお宿、こちらも甲乙つけがたく素敵で・・・。
ただ残念、すこぶるお財布に優しくない。
ものすごく堪能したけどもったいなかったって思うくらい。
もっと早くに着いてのんびりべったりと過ごしたかった。
あ~、もったいない。
それに萩原さんのお部屋だって居心地いいし、荷物も置いてあるのでいつでも行ける、泊まれる、出勤できる状態。幸せなのは週末だけじゃなく、仕事が早く終わりそうな時は終業時間前にメールが来て一緒に帰ることもある。
南田さん曰く、この1年萩原さんの仕事効率がよく、集中力が半端ないらしい。
それはいわゆるストーキングされていた頃のことも含む期間で。
南田さんにはにっこりと言われて、その後ろで怖い顔を装いつつも必死に照れ隠しする萩原さんが見えていた。
もうそんなに経つ。大きな事件はあの一つきり。
それ以降はもうにやけるような日々が続いていた。
そして最近事情を知る香以外にも言われるようになったのだ、あのセリフを。
「ねえ、琴ってばなんだかグッと女っぷり良くなったよね。服もすごくセンス良く女らしくなったし、前の地味子脱出とともに明るくなって綺麗になって。さては・・・・何か報告があるんじゃない?」
うれしい、思わず喜んだ。
「本当?本当に綺麗になったって思ってくれる?」
うれしい、念願のセリフ。両手はガッツポーズ。
だって服の趣味のが変わった事は言われたけど、なかなか中身の事は言われなかった。
南田さんと鈴木さんのみ。ん?男性の方が敏感?
南田さんはあんなにきれいな蝶たちに囲まれてるのに、私ごときの変化を認めてくれるなんて格別にうれしかった。鈴木さんはタイミングの問題、一応好意を持ってくれていたならちょっとの変化でも気が付いただろうということで。
ここにきて同期にやっと言われた。女性は同性に厳しいということか?
香には早い段階で言われていたけど。
やっぱりうれしい。
ニコニコと誉め言葉の余韻に浸る私に呆れる友達。
「もう、嬉しそうだけど、どうなのよ。報告するようなこと、きっかけ。」
「あ・・・。えっと香に言われて努力した。へへっ。」とりあえずごまかす。
「なんだ~ハッピーな報告無いの?」
「へへへ。頑張る。」首をかしげて笑ってごまかす。
「本当に、ちゃんとつかんだ幸せは報告してね、楽しみに待ってる。」
「うっ。」香に言われた。うなずく他の2人。
香の一押しもあってなんとかごまかせたらしい。危ない危ない。
言えない、まだ言えない。すっと見上げた視線がばっちり合う。
あの人がきっかけで、報告レポートもたくさん書けるくらいいろいろあって。
何とラブラブな恋人とは。
最近香との2人のランチ時、すっかり蝶たちが立ち去ると南田さんがやってくる。
終業あと10分というくらいの時間。
先に南田さんがこっちに来て話をする。
トレイを片付けさせられてる風の萩原さん。
はた目にはとっても献身的な萩原さんと、奔放でうっすら噂のある恋人南田さんに見える。
でも・・・・トレイを片付けてしぶしぶとこっちに萩原さんが歩いてきて南田さんに時間だぞ!といつもの声をかけるまでの数分。隣で南田さんと香が盛り上がって話をしてるので、残り者二人みたいに私と萩原さんが話をすることになる。
そして「行くぞ、南田。」と立ち上がるまでの時間を萩原さんが楽しんでくれてる事を。
まさかこれが南田さんの戦略とは誰も思わない。
そこまでしてごまかす意味もある?って感じで。
よく考えるとなぜ?誰のため?
でも、こういう気の使い方が素敵なんだろうなあ。万事行き届いて。
取りあえず感謝。
南田さんの恋人はどんな人なんだろう。
同級生と聞いた、長い付き合いとも聞いた。
南田さんが甘える様子なら簡単に想像つく。
きっとしっかり者ではっきりものをいうタイプの女性?
思わず並べた仮想恋人と南田さん。何故か結婚式当日。
私と萩原さんもドレスアップして参加している。
放り投げられたブーケをもらって嬉しそうに笑ってる私。
その想像がぐるっと回って、私が純白のドレスを着て、隣には勿論・・・・、嘘。
なんて嬉しいビジョン。ああ、突然予知能力が目覚めて近い将来のビジョンを見たと誰か言ってくれない?
うっうっ。にやけていいのか、夢見がちな自分を笑ってしまえばいいのか?
南田さんの相手を想像してたはずなのに。
「琴、どうした?」
ハッとしてキョロキョロする。
すっかり馴染んだ萩原さんの部屋。
「あ、ちょっと頭脳散歩。」
「ふ~ん、ねえ、琴はさあ、俺の名前、一度も呼んでないよね。今更だけど知ってるよね、俺の名前。」
「勿論です。ちゃんと、萩原さんが私を知るよりずっと前の前から知ってます。」
そこは自信がある。四カ月の片思いを威張られるのは浅いのだよ。
だって私は南田さんを見た瞬間から隣の萩原さんを見続けていたのだから。
「ねえ、じゃあ呼んでよ。」
「え・・・・」
「ねえ、『タクミ』だよ。そのままがいいなあ。間違ってもタックンとか呼ばないでね。」
ふざけながらも目が真剣?
「でも初めてはもっと色っぽい声での披露でもいいかな。あとであっちでね。」
耳元で言われて視線は寝室を見てしまう。
悔しくて大きな声で呼んでやろうとしたら口を塞がれた。
とても甘く効率いい方法で。
無理やりではあったが・・・黙ってやる。
してやったりの顔が悔しい。
だって会社でつい出ちゃったらみんなびっくりするじゃない。
香も南田さんも。それ以外なんて特に。
うっかりやりそうな自分が怖くて一人でも呼んだことがない。
はずかしいし、萩原さんというのがしっくりと来ていて。
やっぱり色気ないかなあ?
後でちょっとだけ試そう。
きちんと顔を見て、どんな顔をするだろう、思いっきりの瞬間に、リクエスト通りに甘く呼んでやる。
そういえば・・・・。
「南田さんは彼女の写真、見せてくれないの?」
「ああ?ああ。何だろうな、秘密主義。出かける話はするけど名前も顔も知らない。」
「えええ~、本当に?」
「ああ、会社ではほとんどその存在ごと隠してる感じだ。」
「実在はするのよね?・・・まさか・・・女の人よね。」
「そこ疑う理由はないけど。今度聞いてみようかな?あんまり聞いてないんだよ。」
「そうなの?」
私と香なんて二人っきりの秘密の情報量すごい密度が濃いですけど。
萩原さんが知られてないと思ってることも言ってるかも。
香は聞き上手だし、いろいろ初めてだから比較するデータは外注しかない。
そうなると香にしか聞けないということで。
男の人はそんな話はしないのだろう。
となると私のこともあんまり南田さんに知られてないはず、良かった・・・なんだかどこまで萩原さんが暴露してるかと思うと恥ずかしいし。
ちらりと見るとニヤリとされる。
「なんか色っぽい事考えてたでしょう?耳まで真っ赤。」
思わず両手で耳を押さえるように隠す。
「ん?何々?俺で良かったら相談に乗るけど、何だろう?知りたいなぁ。」
首筋に顔をうずめながら攻めてくる。
だからそうやってのせるから私が恥ずかしい思いをするのよ・・・・。
明日も普通に仕事って分かってるのに。
なんだか無駄に体力がついてきたこの頃。ついでに筋肉もうっすら。
たいていのことは経験してしまってるかも?
それでもやっぱり触れ合うのは特別で。
また欲張っておねだりしてしまう。
頭を撫でられながら額を胸につけられて。頭の上で声がする。
「最近琴の見た目とおねだりぶりにギャップがなくなってきた。慣れてきた俺だけじゃなくて誰も昔の琴ような純真素朴素直でシャイなイメージ持ってないかも。結構攻めてくるかもって想像できる。最初の頃はうれしい誤算と思ったけど、もしかして琴も毛足の長い猫かぶってたんじゃないの?」
「ち、ちがう。萩原さんがそうしたの。」
このセリフもどうかすると恥ずかしい。
おねだり大好き認めたみたいじゃない。
だって聞いてくれるから。
すごく喜んでおねだりを叶えてくれるから。
今日ランチ後にトイレに行くと先輩数人に寄ってこられた、というか囲まれた・・・私じゃない、その中心にいたのは香だった。
そしてはじかれた形の私が見るに、その先輩方の顔には見覚えがあった。
最近の南田さんの取り巻きじゃない。うっそ~。
香ぃ~。
仲直り旅行から大分立つ。
あの旅館はとても気に入ったけど、やっぱりおねだりするには料金がお高いのだ。
前回は1ケ月の大阪プロジェクトの特別お手当が出てほくほくしていた萩原さんに、噂のお詫びということもあってまるっと出してもらった。
「また来たい、すごくいい。」
何て言ってたのは会計の前まで。
無理でしょう。軽々しくはお願いできない。
ちなにに南田さんがお勧めしてくれたところも検索してみたけど。
同じような離れのあるお宿、こちらも甲乙つけがたく素敵で・・・。
ただ残念、すこぶるお財布に優しくない。
ものすごく堪能したけどもったいなかったって思うくらい。
もっと早くに着いてのんびりべったりと過ごしたかった。
あ~、もったいない。
それに萩原さんのお部屋だって居心地いいし、荷物も置いてあるのでいつでも行ける、泊まれる、出勤できる状態。幸せなのは週末だけじゃなく、仕事が早く終わりそうな時は終業時間前にメールが来て一緒に帰ることもある。
南田さん曰く、この1年萩原さんの仕事効率がよく、集中力が半端ないらしい。
それはいわゆるストーキングされていた頃のことも含む期間で。
南田さんにはにっこりと言われて、その後ろで怖い顔を装いつつも必死に照れ隠しする萩原さんが見えていた。
もうそんなに経つ。大きな事件はあの一つきり。
それ以降はもうにやけるような日々が続いていた。
そして最近事情を知る香以外にも言われるようになったのだ、あのセリフを。
「ねえ、琴ってばなんだかグッと女っぷり良くなったよね。服もすごくセンス良く女らしくなったし、前の地味子脱出とともに明るくなって綺麗になって。さては・・・・何か報告があるんじゃない?」
うれしい、思わず喜んだ。
「本当?本当に綺麗になったって思ってくれる?」
うれしい、念願のセリフ。両手はガッツポーズ。
だって服の趣味のが変わった事は言われたけど、なかなか中身の事は言われなかった。
南田さんと鈴木さんのみ。ん?男性の方が敏感?
南田さんはあんなにきれいな蝶たちに囲まれてるのに、私ごときの変化を認めてくれるなんて格別にうれしかった。鈴木さんはタイミングの問題、一応好意を持ってくれていたならちょっとの変化でも気が付いただろうということで。
ここにきて同期にやっと言われた。女性は同性に厳しいということか?
香には早い段階で言われていたけど。
やっぱりうれしい。
ニコニコと誉め言葉の余韻に浸る私に呆れる友達。
「もう、嬉しそうだけど、どうなのよ。報告するようなこと、きっかけ。」
「あ・・・。えっと香に言われて努力した。へへっ。」とりあえずごまかす。
「なんだ~ハッピーな報告無いの?」
「へへへ。頑張る。」首をかしげて笑ってごまかす。
「本当に、ちゃんとつかんだ幸せは報告してね、楽しみに待ってる。」
「うっ。」香に言われた。うなずく他の2人。
香の一押しもあってなんとかごまかせたらしい。危ない危ない。
言えない、まだ言えない。すっと見上げた視線がばっちり合う。
あの人がきっかけで、報告レポートもたくさん書けるくらいいろいろあって。
何とラブラブな恋人とは。
最近香との2人のランチ時、すっかり蝶たちが立ち去ると南田さんがやってくる。
終業あと10分というくらいの時間。
先に南田さんがこっちに来て話をする。
トレイを片付けさせられてる風の萩原さん。
はた目にはとっても献身的な萩原さんと、奔放でうっすら噂のある恋人南田さんに見える。
でも・・・・トレイを片付けてしぶしぶとこっちに萩原さんが歩いてきて南田さんに時間だぞ!といつもの声をかけるまでの数分。隣で南田さんと香が盛り上がって話をしてるので、残り者二人みたいに私と萩原さんが話をすることになる。
そして「行くぞ、南田。」と立ち上がるまでの時間を萩原さんが楽しんでくれてる事を。
まさかこれが南田さんの戦略とは誰も思わない。
そこまでしてごまかす意味もある?って感じで。
よく考えるとなぜ?誰のため?
でも、こういう気の使い方が素敵なんだろうなあ。万事行き届いて。
取りあえず感謝。
南田さんの恋人はどんな人なんだろう。
同級生と聞いた、長い付き合いとも聞いた。
南田さんが甘える様子なら簡単に想像つく。
きっとしっかり者ではっきりものをいうタイプの女性?
思わず並べた仮想恋人と南田さん。何故か結婚式当日。
私と萩原さんもドレスアップして参加している。
放り投げられたブーケをもらって嬉しそうに笑ってる私。
その想像がぐるっと回って、私が純白のドレスを着て、隣には勿論・・・・、嘘。
なんて嬉しいビジョン。ああ、突然予知能力が目覚めて近い将来のビジョンを見たと誰か言ってくれない?
うっうっ。にやけていいのか、夢見がちな自分を笑ってしまえばいいのか?
南田さんの相手を想像してたはずなのに。
「琴、どうした?」
ハッとしてキョロキョロする。
すっかり馴染んだ萩原さんの部屋。
「あ、ちょっと頭脳散歩。」
「ふ~ん、ねえ、琴はさあ、俺の名前、一度も呼んでないよね。今更だけど知ってるよね、俺の名前。」
「勿論です。ちゃんと、萩原さんが私を知るよりずっと前の前から知ってます。」
そこは自信がある。四カ月の片思いを威張られるのは浅いのだよ。
だって私は南田さんを見た瞬間から隣の萩原さんを見続けていたのだから。
「ねえ、じゃあ呼んでよ。」
「え・・・・」
「ねえ、『タクミ』だよ。そのままがいいなあ。間違ってもタックンとか呼ばないでね。」
ふざけながらも目が真剣?
「でも初めてはもっと色っぽい声での披露でもいいかな。あとであっちでね。」
耳元で言われて視線は寝室を見てしまう。
悔しくて大きな声で呼んでやろうとしたら口を塞がれた。
とても甘く効率いい方法で。
無理やりではあったが・・・黙ってやる。
してやったりの顔が悔しい。
だって会社でつい出ちゃったらみんなびっくりするじゃない。
香も南田さんも。それ以外なんて特に。
うっかりやりそうな自分が怖くて一人でも呼んだことがない。
はずかしいし、萩原さんというのがしっくりと来ていて。
やっぱり色気ないかなあ?
後でちょっとだけ試そう。
きちんと顔を見て、どんな顔をするだろう、思いっきりの瞬間に、リクエスト通りに甘く呼んでやる。
そういえば・・・・。
「南田さんは彼女の写真、見せてくれないの?」
「ああ?ああ。何だろうな、秘密主義。出かける話はするけど名前も顔も知らない。」
「えええ~、本当に?」
「ああ、会社ではほとんどその存在ごと隠してる感じだ。」
「実在はするのよね?・・・まさか・・・女の人よね。」
「そこ疑う理由はないけど。今度聞いてみようかな?あんまり聞いてないんだよ。」
「そうなの?」
私と香なんて二人っきりの秘密の情報量すごい密度が濃いですけど。
萩原さんが知られてないと思ってることも言ってるかも。
香は聞き上手だし、いろいろ初めてだから比較するデータは外注しかない。
そうなると香にしか聞けないということで。
男の人はそんな話はしないのだろう。
となると私のこともあんまり南田さんに知られてないはず、良かった・・・なんだかどこまで萩原さんが暴露してるかと思うと恥ずかしいし。
ちらりと見るとニヤリとされる。
「なんか色っぽい事考えてたでしょう?耳まで真っ赤。」
思わず両手で耳を押さえるように隠す。
「ん?何々?俺で良かったら相談に乗るけど、何だろう?知りたいなぁ。」
首筋に顔をうずめながら攻めてくる。
だからそうやってのせるから私が恥ずかしい思いをするのよ・・・・。
明日も普通に仕事って分かってるのに。
なんだか無駄に体力がついてきたこの頃。ついでに筋肉もうっすら。
たいていのことは経験してしまってるかも?
それでもやっぱり触れ合うのは特別で。
また欲張っておねだりしてしまう。
頭を撫でられながら額を胸につけられて。頭の上で声がする。
「最近琴の見た目とおねだりぶりにギャップがなくなってきた。慣れてきた俺だけじゃなくて誰も昔の琴ような純真素朴素直でシャイなイメージ持ってないかも。結構攻めてくるかもって想像できる。最初の頃はうれしい誤算と思ったけど、もしかして琴も毛足の長い猫かぶってたんじゃないの?」
「ち、ちがう。萩原さんがそうしたの。」
このセリフもどうかすると恥ずかしい。
おねだり大好き認めたみたいじゃない。
だって聞いてくれるから。
すごく喜んでおねだりを叶えてくれるから。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない
三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる