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After5 すぐそばにいた人
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いつものように昼の時間。
萩原さんが目の前に。南田さんも早めにやってきた。
今まで同棲していた南田さん、何も変わらないから。
周囲が少し落ち着いただけ。
「香ちゃんはどうなの?」
私も聞きたいけど聞けない・・・だってなんとなく怖い。
喜べるけど、私も幸せ真っただ中だから喜べるけどやっぱり、ちょっとは寂しいから。
「南田さんがとうとうゴールを決めたって言ったら、彼も考えてくれました。」
ん?何で?
萩原さんもそう思ったようで二人で香りを見る。
「まあ、なんとなく。幸せの連鎖反応かな。」
南田さんに手を合わせる香。
私も急いで手を合わせた。南無南無・・・・仏でも神でもいい。私もあやかりたい。
「・・・・琴ちゃん・・・聞こえたけど。」
顔をあげた。
南田さんと香が変な顔をしてる。????
萩原さんが珍しく真っ赤になっている。
会社じゃ珍しい。2人でいてもすっかり照れた様子をする事は少なくなったのに。
新鮮!! 何々?何があったの?
そう、南田さんの言葉を聞くまでのちょっとの間だけは自分だけが楽しんでいた。
「琴ちゃん、僕にあやかりたいって、どうぞどうぞ。でもお願いは萩原にしてね。でも、ちょろいよ、きっと。」
ん?んん?
「琴、心の声が丸聞こえ。」
萩原さんが恥ずかしそうに言う。
「ひぃ。」
めったに出ない種類の悲鳴が私の口から細く漏れた。
香が呆然とし驚きの表情。油断?これも油断?
今度は私が真っ赤で。えっと、何を思った?
南田さんに手を合わせて・・・・・あやかりたいと。萩原さんとのことをと。
どこまで言った?まさか結婚したいとか言った?
さすがに下を向いてゆっくりテーブルにおでこがくっついた。
「琴・・・・・。」
香さえ言葉が続かない。恥ずかしい。
そのあと目の前のふたりが立ち去るまで、私の顔はそのままだった。
頭をポンポンと撫でられた後、ぺしっという音がして優しくなでられた。
痛いと言ったのは南田さんの声で。大体わかった画。
足音が離れてゆっくり顔をあげた。
「香、私、何を言ったの?」
耳を塞ぎながら聞いた。
もちろん聞こえるのは重々分かってるけど、恥ずかしくて。
やっぱり最後まで言っていたらしい。何でそんなことに。
あやかりたいと言った時点で、話の流れでそうなるけど。
ただ恥ずかしがってるだけではいられなかった。
本当にあの昼の時間は油断だらけだった。
私のおでことテーブルがくっついていたあの時間、本当にちょっとだけ。
最後のシーン、音だけで想像していたあのシーンがゆっくり社内の人の口から耳へ。
映像がかなり足されて伝わったらしい。
香が報告してくれた。
「お昼に南田さんが琴にラブラブっぽいちょっかいを出して、嫉妬をした萩原さんが南田さんを殴る。」
何でそんな事件に発展してる?
しかもその嫉妬の矛先は萩原→南田の図?
私は何?
「そのあと萩原さんが泣いてる琴に謝って頭を撫でたて慰めた。」
最後は合ってるような‥‥。
でも謝って慰められうようなちょっかいって何?
食堂で何をされたというの私?
これは油断が引き起こした自業自得という事件では?
私は自分の立ち位置を見失う。
これで萩原さんと一緒にいるところを目撃されたら、どんな噂の矢印が結ばれるか。
「香・・・・萩原さんは知ってるよね?南田さんも。どうしよう。」
おでこくっつき状態の私には不可抗力でした。
でも、もともとは・・・・でも・・・・。
忘れるために久しぶりに仕事に集中した。
携帯が光ってるのにも気が付かないくらい。
仕事の目途がついて携帯を見ると。
萩原さんから。開くのが怖いメール。
「部屋に先に戻っててくれる?連続だけど、いい?」
「分かりました、今終わりました。先に戻ります。食事はどうしますか?」
「話があるから、チンでいい。適当に自分の食べたいもの買ってて。1時間くらい残業する。」
了解の返事を送り。ゆっくり席を立つ。
トイレに行くのも怖い。少し人が少なくなってから帰ろう。
「琴、一緒に帰ろうか?駅まで。」
「香・・・ありがとう。」
さすが香。私の不安を感じてくれたらしい。
香だけがトイレに立つ。
帰ってきた香と一緒に駅へ。
「萩原さん、何だって?」
「先に帰っててほしいって。」小声で会話する。
「楽しみ、明日結果を聞かせてね。」
「なんで、私、怒られない?なんだかどうなるか分からないのに。」
「へ?何で?」
「だって凄い噂でしょう?何だか二人の喧嘩の原因が私みたいな。」
首を倒す香。何?何だか違う?どこが違う?
「じゃあ、明日ね。」
さらっと言って自分の路線の方へ向かう香。
何で、いろんな中途半端に私は戸惑ってるのに。
それでもここまで一緒にいてくれたから。手を振ってお礼を言った。
急いで改札をくぐり電車に乗ってほっと息をつく。
数駅だけど、萩原さんのところは会社に近いので本当はすごく楽。
私の部屋はどうなってる?3日帰らないなんて珍しい。
今日も泊まっていいのよね?
スーパーでピラフを買って部屋に戻った、というか先にお邪魔した。
ただいま。もちろん誰もいないのは分かってるけど。
萩原さんの気配に挨拶をする。
冷凍室にピラフを入れて手を洗って、そのままソファで待つ。
いつも1時間と言っても早く頑張って終わらせてくれるから。
きっとすぐに帰ってきてくれる。
早く帰ってきてください。
そう思って寝ていたらしい。やっぱり疲れてる。
心もゆらゆらと動いて忙しかったから。
余談ですが知恵袋にも寝相の悪さ解消の決め手になる技はなかった。
あれからは痣はないみたい、少なくとも見えるところには。
夢も相変わらず覚えてない。
ガチャっと鍵が開く音をぼんやりと聞いて、帰ってきたんだと思って・・・。
でもまだ体が覚醒しなくて。
隣に座る萩原さんの気配。覚えてる匂い。
覚醒してないはずの体が抱きしめられると縋りつくように動く。
反射行動というらしい。
「おかえりなさい・・・。」
呂律が怪しいのが自分でもわかる。
頭を撫でられてそのままゆっくりまどろむ。幸せな時間。大好きな時間。
だから手を合わせた。南田さんにあやかりたくて。ずっと一緒にいたくて。
それなのにあんなことになるなんて。ごめんなさい。
「琴、何謝ってるの?」
気持ちのいい場所から離されてがっかり。
ゆっくり目を開けてぼんやりする視界にやっぱり萩原さんがいて。
「お帰りなさい。お疲れ様です。」
目を見て言う。
お互い無言で。
肩を前後にゆすられて目が覚めた。
「起きた?大丈夫?」
瞬きをしてちゃんと自分の体に力を入れてしっかり座った。
「はい。すみません半分寝てたみたいで。」
「いいよ。琴、何謝ってるの?」
「あ、すみません。私のせいで南田さんにひどい噂が。萩原さんにも。」
「そうなの?」
「聞いてないですか?お昼に南田さんが私にひどい事をして謝ってる来たけど私が泣いてて、萩原さんが怒って二人が喧嘩して、そのあと萩原さんが私に謝ってきたって話らしいです。」
「うん?ちょっと違う伝わり方してない?真実の通りのやり取りがあった結果、俺と琴の事が結局バレたって落ちになってる話なら聞いたけど。」
「え~。」
そんな落ち着いたトーンで話さないで。
そっちも大変。どうするの?
二つの話が交わったところではさらに凄い噂になってそうじゃない・・・・。
「いいじゃん。もうバレてもいいって思ったよね。ね、琴、南田にあやかりたいんでしょう。本当にびっくりしたよ。でも普通男が言うから、それはまだ聞かなかったことにする。待ってて、だって、南田が言ったように、ちょろいよ、俺は。」
言われたことがじんわりと心にしみこんだ。
私のプロポーズのおねだりに答えてくれるって話でいいの?
本当にそれであってるの?
勢いつけて抱き着いた。
涙が出てくる。
「琴、まだちゃんと言ってないけど。挨拶もあるし、キラキラ光るものも用意するし。」
首を振る。そんなの後でいい。今欲しい。だって何回でも聞くし。何回でも答えたい。
「分かったから。」
ん?
「もしかしてまた聞こえました?」
「もしかしてまた心の声だったの?」
うなずく。
「いいよ、何度でも感動してくれるなら。早く結婚しようね。」
「はい、早くプロポーズしてください。待ってます。」
ソファで抱きしめ合ってたらお腹が鳴った。
しまった、ムードがない、押さえられない生理現象。
今のは私よね?
「お腹空いたね。ご飯にしよう。」
ぐんぐん食欲が出てきた。
すごく心配してたところからの安心満足幸せ状態へ。
「お風呂入ってても良かったのに。」
「だって・・・泊っていいか聞いてなっかったから。」
「ダメって言うと思う?」
「・・・・思わないけど、噂が変で・・・・。」
「面白いよね。もう南田のおかげで俺の恋愛の噂はこじれてばかりだし。」
「何で普通に広まらないのかな?絶対脚色されてる。」
「たぶんそれもあいつのせいだ。」
「また・・・・。私すごく心配しましたよ。南田さんにも迷惑かけてセクハラ男って思われるかもしれないとか。」
「大丈夫だよ。誰も本気にしないって。」
じゃあ噂は何?面白いから?どっと疲れたんですけど。
皿にピラフを開けてチンを待つ。
二人で食べてシャワーを浴びて。
「ねえ、琴、気を付けてね。なんだかいろんなところでブツブツつぶやいてない?」
「・・・はい。」そうだ、もともとは自分。
「何でだろう、今までそんなことなかったのに。静かだったし、寝相も良かったのに。」
「最近は泥の様に疲れて寝てるみたいで大人しいよ。俺の努力のおかげでね。良かった良かった。これで安心して寝てられる。」
それは・・・・そんな対処法は知恵袋には載ってませんでした。
まだまだ油断できない自分。どこかで何かが起こるから。
それでも『できる男クールな営業部萩原』さん。
ドSだけどいざという時には頼りになる南田さんという友達がいる萩原さんが近くにいればいい。
それで何とかなる気がするから。
よかった、『合う』人がこんな近くにいるなんて。
何てラッキーなんだろう。
萩原さんが目の前に。南田さんも早めにやってきた。
今まで同棲していた南田さん、何も変わらないから。
周囲が少し落ち着いただけ。
「香ちゃんはどうなの?」
私も聞きたいけど聞けない・・・だってなんとなく怖い。
喜べるけど、私も幸せ真っただ中だから喜べるけどやっぱり、ちょっとは寂しいから。
「南田さんがとうとうゴールを決めたって言ったら、彼も考えてくれました。」
ん?何で?
萩原さんもそう思ったようで二人で香りを見る。
「まあ、なんとなく。幸せの連鎖反応かな。」
南田さんに手を合わせる香。
私も急いで手を合わせた。南無南無・・・・仏でも神でもいい。私もあやかりたい。
「・・・・琴ちゃん・・・聞こえたけど。」
顔をあげた。
南田さんと香が変な顔をしてる。????
萩原さんが珍しく真っ赤になっている。
会社じゃ珍しい。2人でいてもすっかり照れた様子をする事は少なくなったのに。
新鮮!! 何々?何があったの?
そう、南田さんの言葉を聞くまでのちょっとの間だけは自分だけが楽しんでいた。
「琴ちゃん、僕にあやかりたいって、どうぞどうぞ。でもお願いは萩原にしてね。でも、ちょろいよ、きっと。」
ん?んん?
「琴、心の声が丸聞こえ。」
萩原さんが恥ずかしそうに言う。
「ひぃ。」
めったに出ない種類の悲鳴が私の口から細く漏れた。
香が呆然とし驚きの表情。油断?これも油断?
今度は私が真っ赤で。えっと、何を思った?
南田さんに手を合わせて・・・・・あやかりたいと。萩原さんとのことをと。
どこまで言った?まさか結婚したいとか言った?
さすがに下を向いてゆっくりテーブルにおでこがくっついた。
「琴・・・・・。」
香さえ言葉が続かない。恥ずかしい。
そのあと目の前のふたりが立ち去るまで、私の顔はそのままだった。
頭をポンポンと撫でられた後、ぺしっという音がして優しくなでられた。
痛いと言ったのは南田さんの声で。大体わかった画。
足音が離れてゆっくり顔をあげた。
「香、私、何を言ったの?」
耳を塞ぎながら聞いた。
もちろん聞こえるのは重々分かってるけど、恥ずかしくて。
やっぱり最後まで言っていたらしい。何でそんなことに。
あやかりたいと言った時点で、話の流れでそうなるけど。
ただ恥ずかしがってるだけではいられなかった。
本当にあの昼の時間は油断だらけだった。
私のおでことテーブルがくっついていたあの時間、本当にちょっとだけ。
最後のシーン、音だけで想像していたあのシーンがゆっくり社内の人の口から耳へ。
映像がかなり足されて伝わったらしい。
香が報告してくれた。
「お昼に南田さんが琴にラブラブっぽいちょっかいを出して、嫉妬をした萩原さんが南田さんを殴る。」
何でそんな事件に発展してる?
しかもその嫉妬の矛先は萩原→南田の図?
私は何?
「そのあと萩原さんが泣いてる琴に謝って頭を撫でたて慰めた。」
最後は合ってるような‥‥。
でも謝って慰められうようなちょっかいって何?
食堂で何をされたというの私?
これは油断が引き起こした自業自得という事件では?
私は自分の立ち位置を見失う。
これで萩原さんと一緒にいるところを目撃されたら、どんな噂の矢印が結ばれるか。
「香・・・・萩原さんは知ってるよね?南田さんも。どうしよう。」
おでこくっつき状態の私には不可抗力でした。
でも、もともとは・・・・でも・・・・。
忘れるために久しぶりに仕事に集中した。
携帯が光ってるのにも気が付かないくらい。
仕事の目途がついて携帯を見ると。
萩原さんから。開くのが怖いメール。
「部屋に先に戻っててくれる?連続だけど、いい?」
「分かりました、今終わりました。先に戻ります。食事はどうしますか?」
「話があるから、チンでいい。適当に自分の食べたいもの買ってて。1時間くらい残業する。」
了解の返事を送り。ゆっくり席を立つ。
トイレに行くのも怖い。少し人が少なくなってから帰ろう。
「琴、一緒に帰ろうか?駅まで。」
「香・・・ありがとう。」
さすが香。私の不安を感じてくれたらしい。
香だけがトイレに立つ。
帰ってきた香と一緒に駅へ。
「萩原さん、何だって?」
「先に帰っててほしいって。」小声で会話する。
「楽しみ、明日結果を聞かせてね。」
「なんで、私、怒られない?なんだかどうなるか分からないのに。」
「へ?何で?」
「だって凄い噂でしょう?何だか二人の喧嘩の原因が私みたいな。」
首を倒す香。何?何だか違う?どこが違う?
「じゃあ、明日ね。」
さらっと言って自分の路線の方へ向かう香。
何で、いろんな中途半端に私は戸惑ってるのに。
それでもここまで一緒にいてくれたから。手を振ってお礼を言った。
急いで改札をくぐり電車に乗ってほっと息をつく。
数駅だけど、萩原さんのところは会社に近いので本当はすごく楽。
私の部屋はどうなってる?3日帰らないなんて珍しい。
今日も泊まっていいのよね?
スーパーでピラフを買って部屋に戻った、というか先にお邪魔した。
ただいま。もちろん誰もいないのは分かってるけど。
萩原さんの気配に挨拶をする。
冷凍室にピラフを入れて手を洗って、そのままソファで待つ。
いつも1時間と言っても早く頑張って終わらせてくれるから。
きっとすぐに帰ってきてくれる。
早く帰ってきてください。
そう思って寝ていたらしい。やっぱり疲れてる。
心もゆらゆらと動いて忙しかったから。
余談ですが知恵袋にも寝相の悪さ解消の決め手になる技はなかった。
あれからは痣はないみたい、少なくとも見えるところには。
夢も相変わらず覚えてない。
ガチャっと鍵が開く音をぼんやりと聞いて、帰ってきたんだと思って・・・。
でもまだ体が覚醒しなくて。
隣に座る萩原さんの気配。覚えてる匂い。
覚醒してないはずの体が抱きしめられると縋りつくように動く。
反射行動というらしい。
「おかえりなさい・・・。」
呂律が怪しいのが自分でもわかる。
頭を撫でられてそのままゆっくりまどろむ。幸せな時間。大好きな時間。
だから手を合わせた。南田さんにあやかりたくて。ずっと一緒にいたくて。
それなのにあんなことになるなんて。ごめんなさい。
「琴、何謝ってるの?」
気持ちのいい場所から離されてがっかり。
ゆっくり目を開けてぼんやりする視界にやっぱり萩原さんがいて。
「お帰りなさい。お疲れ様です。」
目を見て言う。
お互い無言で。
肩を前後にゆすられて目が覚めた。
「起きた?大丈夫?」
瞬きをしてちゃんと自分の体に力を入れてしっかり座った。
「はい。すみません半分寝てたみたいで。」
「いいよ。琴、何謝ってるの?」
「あ、すみません。私のせいで南田さんにひどい噂が。萩原さんにも。」
「そうなの?」
「聞いてないですか?お昼に南田さんが私にひどい事をして謝ってる来たけど私が泣いてて、萩原さんが怒って二人が喧嘩して、そのあと萩原さんが私に謝ってきたって話らしいです。」
「うん?ちょっと違う伝わり方してない?真実の通りのやり取りがあった結果、俺と琴の事が結局バレたって落ちになってる話なら聞いたけど。」
「え~。」
そんな落ち着いたトーンで話さないで。
そっちも大変。どうするの?
二つの話が交わったところではさらに凄い噂になってそうじゃない・・・・。
「いいじゃん。もうバレてもいいって思ったよね。ね、琴、南田にあやかりたいんでしょう。本当にびっくりしたよ。でも普通男が言うから、それはまだ聞かなかったことにする。待ってて、だって、南田が言ったように、ちょろいよ、俺は。」
言われたことがじんわりと心にしみこんだ。
私のプロポーズのおねだりに答えてくれるって話でいいの?
本当にそれであってるの?
勢いつけて抱き着いた。
涙が出てくる。
「琴、まだちゃんと言ってないけど。挨拶もあるし、キラキラ光るものも用意するし。」
首を振る。そんなの後でいい。今欲しい。だって何回でも聞くし。何回でも答えたい。
「分かったから。」
ん?
「もしかしてまた聞こえました?」
「もしかしてまた心の声だったの?」
うなずく。
「いいよ、何度でも感動してくれるなら。早く結婚しようね。」
「はい、早くプロポーズしてください。待ってます。」
ソファで抱きしめ合ってたらお腹が鳴った。
しまった、ムードがない、押さえられない生理現象。
今のは私よね?
「お腹空いたね。ご飯にしよう。」
ぐんぐん食欲が出てきた。
すごく心配してたところからの安心満足幸せ状態へ。
「お風呂入ってても良かったのに。」
「だって・・・泊っていいか聞いてなっかったから。」
「ダメって言うと思う?」
「・・・・思わないけど、噂が変で・・・・。」
「面白いよね。もう南田のおかげで俺の恋愛の噂はこじれてばかりだし。」
「何で普通に広まらないのかな?絶対脚色されてる。」
「たぶんそれもあいつのせいだ。」
「また・・・・。私すごく心配しましたよ。南田さんにも迷惑かけてセクハラ男って思われるかもしれないとか。」
「大丈夫だよ。誰も本気にしないって。」
じゃあ噂は何?面白いから?どっと疲れたんですけど。
皿にピラフを開けてチンを待つ。
二人で食べてシャワーを浴びて。
「ねえ、琴、気を付けてね。なんだかいろんなところでブツブツつぶやいてない?」
「・・・はい。」そうだ、もともとは自分。
「何でだろう、今までそんなことなかったのに。静かだったし、寝相も良かったのに。」
「最近は泥の様に疲れて寝てるみたいで大人しいよ。俺の努力のおかげでね。良かった良かった。これで安心して寝てられる。」
それは・・・・そんな対処法は知恵袋には載ってませんでした。
まだまだ油断できない自分。どこかで何かが起こるから。
それでも『できる男クールな営業部萩原』さん。
ドSだけどいざという時には頼りになる南田さんという友達がいる萩原さんが近くにいればいい。
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