紹介し忘れましたが、これが兄です。

羽月☆

文字の大きさ
8 / 29

8 送られた部屋で

しおりを挟む
「ハルヒは誰か好きな人がいるとか言ってますか?」

「へ?」

ぼんやりした頭にいきなり来た質問で、反射的に返事をして春日さんを見ると恥ずかしそうな顔をしていた。

「いきなり一人暮らしをしたいと言い出して家族みんながそう思ったんです。聞いてもそんなことはないというのですが、何か聞いてますか?」

「い、いいえ。私もまったく。すみません。役に立てなくて。」

「いいえ、奈央さんに言ってないなら、やっぱりいないのかな?特別な彼氏はいなそうですね。」

私はしょうがなく首をかしげる。本当に聞いてない。

「友達の恋愛話はしますが、ハルヒちゃん自身のことは私は聞いてません。」

「すみません過保護で。もし何か話して来たら相談に乗ってください。大人のアドバイスをお願いします。」

「そんなアドバイスなんてできませんよ。」

どうしようもない私を信頼してくれてるハルヒちゃん。春日さんも。
この優しい目がどう変わってしまうのか。
ぜったい知られたくない。

春日さんから視線を外して目の前のグラスに注ぐ。
自分勝手だった私。
いっそあの人がとっても浮気性だったなんて話だったらもっと自分も救われたのに。奥さんも子供もいるのに浮気性が収まらないとか。
だまされた女という方が自分では救われるのに。
そんな話も伝わってこなくて、分からない。

やっぱり身勝手な女の理屈だ。

ふわりと肩に温かい重さが加わった。

「奈央さん、どうかしましたか?」

肩に手を置いて顔を覗くようにされる。
ビックリして少し距離を取る。

「いえ・・・。」

「なんだか辛そうなんですが、気分悪いですか?」

「いえ、大丈夫です。すみませんご一緒してるのに勝手に考え事をしてしまって。」

「そうですよ、僕の事ならうれしいですがそんなに深刻に考えられたらそれも心配です。」

冗談のように優しく言う。
そんな心配されるような表情だったんだろうか?

「大丈夫です。ありがとうございます。」

安心してもらおうと笑顔になっても肩の手は外れることなく。そのままで。
軽く引き寄せられて頭を撫でられて離された。
手慣れてる。優しいのは当然ハルヒちゃんだけにじゃない。
きっとその手は今まで付き合った彼女を優しく包んできたんだと思う。
肩に残る温かさはまだ気持ちよく私を慰めている。

「そろそろ帰りますか?」

時計を見るとそろそろ今日が終わりそう。

「はい。」

少し名残惜しい気もするけどいつまでもスーツじゃくつろげないよね。

「今日は部屋まで送ります。」

真面目に言う。

「何なら私が送りましょうか?」

「ほんとですか?うれしいです。」

「・・・・・ハルヒちゃんの部屋に帰るんですよね。」

「そうです。でもせっかくなので送ってもらおうかな。たいてい車で来てたので歩くのは初めてです。」

「任せてください。私は自転車を回収していいですか?」

「はいどうぞ。」

会計を済ませて外に出る。

「いつもハルヒがお世話になってます。」

「ハルヒちゃんが誘いにくくなるからっていつも割り勘ですよ。ごちそうしてませんよ。」

「いいです。お金じゃなくて時間と気持ちです。」

そう言われると大人しくお願いした。

「じゃあ、今度私に出させてくださいね。」そう言った。

やっぱり似てるのだ。ハルヒちゃんとどこか。
不思議な感じ。
ハルヒちゃんが男の人だったらバージョン。
一緒にいると自然に親近感がわく。
ハルヒちゃんといるみたいな感覚で。
だから今度って言葉もすっと出た。

「・・・・・ありがとうございます。すごく楽しみです。」

その笑顔が本当にうれしそうでこっちが照れてしまう。

スーパーの駐輪場から自転車を出す。
ギリギリの時間だった。良かった。
自転車を押しながら部屋に戻る。
所定の場所に止めるのを待っていてくれる春日さん。
これじゃあどっちが送ってきたんだかわからない。
何てどっちでもおんなじ、もうすぐ隣り合った部屋に分かれるから。
明日の予定は決められることなく。
ちょっとだけ期待していた自分を笑いたい。
ついそんな顔になっていたのかもしれない

「楽しかったですか?」

「はい、すごく気分転換になりました。疲れも吹き飛びました。」

「それは・・・良かったかな。」

エレベーターで二階に上がる。
廊下を歩く。奥が私、その手前がハルヒちゃんの部屋。
静かに足音を消して歩く。
結構響くのだ。声も足音も。もうだいぶ遅い時間になったし。
ハルヒちゃんの部屋で春日さんが止まり、私はその先へ。
お互いに鍵を開けてドアノブを掴んで引く。
そのまま引ききらずに止まった春日さん。

「あの、少しだけ、入りませんか?本当に玄関だけでも。」

ゆっくり引いていたドアを閉めて歩く。
ドキドキしてくる心臓。
ハルヒちゃんの部屋には何度も入ってる、それはお互いに。
ハムスターのピッコロを紹介されて遊んだことがあるし。
私も入ると玄関は狭くて、電気をつけてそんな小さい四角のスペースで向き合う。

「疲れてますよね。もう眠いですか?すぐ眠る予定ですか?」

取りあえずお風呂に入って・・・・眠れるわけはない。
それとも横になって電気を消せば眠れるかな?

「まずお風呂に入るタイプです。あとは休み前はぼんやりしてます。眠いかどうかは・・・・今はそれほどでもないかな?」

「あの、明日貴重な有給なんです。お食事一緒に出来ませんか?昼でも夜でも、いつでも。」

うれしいのは隠せない。

「はい。大丈夫です。お昼でいいですか?」

「はい。」そう言って深く息をつく春日さん。

その後の言葉が続かずに。

「時間決めた方がいいですよね?」

「この後もう少し一緒にいたいですと言ったら困りますか?」

それは・・・・・どういう意味か勝手に頭が考えて答えられない。

「もうお酒も食べ物もいいですがお茶くらいなら。ゆっくり話をしたいです。もっともっと、たくさん。こんなチャンスはめったにないと思って、まだまだ一緒にいたくて。迷惑・・・ですか?」

スーツのままってことはないだろう着替えたいだろう、私だって一刻も早くお風呂に入ってすっきりさっぱりしたい。楽な恰好で、スッピン・・・・・は無理でも。ここまで言われたら深く考えなくても本当にお茶だけで・・・・。

「あのお茶でしたら大丈夫です。ただ本当に仕事の後は一度お風呂に入らないとくつろげないタイプで。30分後くらい後でいいですか?」

「もちろんです。待ちますというか僕も入ります。・・・あ、別に着替えたいからです。本当に無理なことは言いませんので安心してください。本当に先に言うべきでした。」

「私の部屋でもいいです。ハルヒちゃんがいない間に入るのは少し失礼な気がして。」

「あ・・・・お邪魔していいですか?」

「はい。ハルヒちゃんは何度も来てくれてますから。」

それが答えとして適当かどうかは分からないけど。

「じゃあ後で。」

そう言って自分の部屋に戻る。一応鍵も閉めて。
そのままお風呂場へ。シャワーを浴びて化粧も落とす。どうせグズグズだっただろうし。髪を洗い乾かしてすっきりした。パジャマ代わりの部屋着を着てお湯を沸かす。
つい笑顔になるけど緊張もしている。
キッチンから部屋を見る。
とりあえず一応はすっきりしてるし、隠したいものもない。
お茶と紅茶を出して待つ。
もう食べないなら歯磨きもしてと。

あんなに悩んでメールを見つめていたのは昨日と数時間前の事。
ハルヒちゃんのお兄さんじゃなかったらここまで距離も縮まなかっただろう。
『優しい自慢の兄』ハルヒちゃんの言葉でそう形容されたら警戒心も緩む。
でもさすがにいきなりのスッピンもどうかと思ってパソコン用の眼鏡をかける。少しはごまかせてる?
落ち着かない時間を過ごし待つ、もしこれで普段着で来られたらどうしよう。
部屋着で来てくれるよね。まさかジーンズとかチノパンとかないよね。
ひとり、勝手にリラックスモードですって。

彼を待ってるときはもっとじれじれした気分だった。
早く独占したくて、抱き合いたくて、そのままかぶりつくように抱き着いてキスをして。玄関をみる。
今でもうっすらその時の姿を見ることができる、帰る背中も。
首を振ってそのうっすらとした姿を消す。

ピンポーンとチャイムが鳴り玄関に向かう。一呼吸。
違うから、春日さんだから。
ドアを開けると勢いがあったのかびっくりして後ろに下がった春日さんの顔が見えた。

「あ、すみません。ちょっと勢いがついてしまいました。」

なんだかすごく待ってたみたいに思われた?
よかった。とりあえずはパジャマみたいな部屋着。
髪もしっとりしてるし、手に持ってるマグカップがハルヒちゃんのマグカップ、見覚えがある。

「マグカップ持参ですか?」

「はい。なんだか前にハルヒから聞いてた気がして。」

「どうぞ。入ってください。」

鍵をしてもらって部屋へ。
廊下がない作りでいきなりリビングキッチンになる間取り。2DKの間取りだ。
寝室は閉めてある扉の向こう。L字にキッチンとリビングある。
ハルヒちゃんのところは少しここより小さい。
リビングのソファに案内し、マグカップを預かる。

「何を飲みますか?緑茶とか紅茶、コーヒーとか。」

「奈央さんは?」

「私は緑茶で。」

「じゃあ、僕も同じものをお願いします。」

緑茶を二ついれてソファへ行く。

もともと一人暮らしで揃えた家具。テーブルも小さめ。
そしてソファも小さい。
半分を占める様に春日さんが座っていると私はどこに。
そこまで考えてなかった。テーブルをはさんで向かいに座る。
テレビを背に、いつもとは全く違う方向を向くのが落ち着かない。

「奈央さん、すみません。どうぞ。」

春日さんが私の落ち着かなさを読んだようにソファの端にずれてスペースを開けてくれる。
やっぱりそっちよね・・・・・。
マグカップを動かして自分も移動する。

・・・・彼が座ることもあんまりなかったかも・・・・ここでは。
また思い出し軽く首を振るようにして座る。
不思議そうなに見上げる春日さんの視線をやり過ごす。

「眼鏡かけるんですか?」

「あ、いえ、ちょっと化粧も落としたので一応。パソコン用です。」

「変わりませんよ。」そう言って眼鏡をはずされる。

「なんだか重そうに見えます。」

見つめ合ってしまったけど、だからスッピンですってば・・・。
春日さんは逆に髪を全部後ろに流してる。
夜はそんな感じなのだろうか?

「春日さん今日一日ずっと着替えを持っていたんですか?」

「ああ、部屋に一日分は置いてもらってました。時々旅行中ハムスターの世話に来てました。」

「ピッコロですよね。可愛がってるみたいですよね。」

「寂しがり屋なんです。1人になって寂しんじゃないですか?結構マメに連絡来ますよ。もし奈央さんがいなかったらハムスターがもっと5匹くらいに増えてたかもしれません。」

お互いに寂しがり屋だと言いあう兄妹。本当に仲がいいんだろう。

「本当にいてもらえて・・・・良かったです。」

しみじみと言われた。

「こちらこそです。ハルヒちゃんとピッコロに癒されてます。」

お茶を口にして温まる。

「部屋寒くないですか?」

「そうですね、少しくっついてた方が暖かいですよ。」

そう言って春日さんが隣に来る。
ほんとに腕が当たるか当たらないかの距離で。
片方がすごく暖かい。確かにそんな気はする。

年は同じ年だった、28歳。
誕生日の話になり、実家の話になり、学生の頃の話になり。
ちょっとびっくりしたのは高校からバンドを組んでいてキーボード担当だったということ。どのアーティストのコピーをしてたかの話には本当に同じ年で流行も同じ。優しい系のグループだったらしい。

「人気あったんじゃないですか?バンドやってるとそれだけでもかっこいいです。」

「ボーカルがすごくうまくてかっこよかったのでバンド自体は人気あったんですが、キーボードは地味でした。他のパートは皆彼女がいて、自分だけ寂しかったです。」

「もう、見る目ない女の子たちですね。」

そう言ったらうれしそうに笑われた。
表情が読みやすいのはハルヒちゃんと似てるから。表情豊かなハルヒちゃんと同じ表情をする、すこし言葉が控えめなだけ。

つい顔を見つめてしまった。
軽く頭に手を置かれてまた引き寄せられた。

「本当に思い切って電話を待ってよかったです。今すごく思いました。」

慣れない愛情表現に体が緊張する。すごく素直に表現してくれる気がする。
ハルヒちゃんと似てる部分を引いても、とてもストレートで。
ちょっとした触れ合いが揶揄われてるんだろうかとあの日も思ったけど、そういうのも自然にできるタイプみたいで。そんなことに慣れない私はあの日も、今日も何度も体が過剰に反応する。
でも大丈夫だからとゆっくり力を抜いてもたれるようにした。
少し斜めになり春日さんの肩に頭をのせて、大きな手が頭にあって指先が少し髪をいじる。

少しお互い無言で。
でも少し体のバランスが無理だったみたい。
腰に負担がかかる。
ゆっくり体を起こす。
離れた手は浮いたまま。その手がゆっくりと頬にあてられる。

「髪の毛下ろしてるとまた雰囲気違いますね。」

頬から離れた手が髪を揺らす。

「初めて会った時もすごくきれいだと思いました。しっかりと自分で立つ強さを秘めたような、しっかりした雰囲気があって。ハルヒが仲良くなれたと言った時もすごく安心しました。しっかりしたお姉さんみたいな人が近くにいてくれたら自分より相談しやすいこともあるんじゃないかって。次に会った時も同じ印象で。お世話になってるって話を聞いてたので余計にそう思ってて。だからあの鉄コンの日、あそこでは所在無げな雰囲気で。似てると思って名前を確認するまでは確信が持てなかったくらいです。話をしてもどっちが本当なんだろうって。でも今は圧倒的に守ってあげたいような印象が強くなりました。だから出来るだけ近くにいたいと。」

無言で春日さんの言葉を聞いていた。どっちも私。弱くてずるくて自分勝手で、でも誰も守ってくれる人がいなくて。だからしっかりして強く自分の足で立って。

ふたりの距離を詰める様に近くに来て背中から抱き寄せられた。
上半身を両手で包みこまれるように手を回されて体はかなりの部分がくっついて。頭はまた肩にもたれて。ゆっくり背中を撫でられる。

「時々泣きそうな目をしますよ。ぼんやりした後で、何を考えてるのかと思うとたまならくなります。気のせいですか?」

そうじゃないかも。否定はできない。心当たりがあり過ぎて。
体の力を抜いて自分の両腕も軽く春日さんに触れる。
腕を回して力を入れるようなことまではできない。
それが伝わったのかいっそう体を引き寄せられて密着度が上がる。
ゆっくり背中に手を回してそこに自分の手を落ち着けた。
頭を撫でられる。慰められるような感覚になる。
両手に力を込める。
少し横を向くと春日さんの首が見える。
久しぶりな感じに思わず言いようもない悲しさが沸き上がる。

求めても手に入らなかったものを諦めたふりして。
でも時々どうしようもなくなって。
ゆっくり息を吐く。

頭を撫でていた手が止まる。
髪を触られてゆっくり耳に触れられる。
おでこにキスをされてまた抱きしめる力を感じた。
しばらくそのまま抱きしめ合ったまま。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく… なお、スピンオフもございます。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

優しい雨が降る夜は

葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン 無自覚にモテる地味子に 余裕もなく翻弄されるイケメン 二人の恋は一筋縄ではいかなくて…… 雨降る夜に心に届いた 優しい恋の物語 ⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡ 風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格 雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン

ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています

紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、 ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。 「もう君は、僕の管理下だよ」 退院と同時に退職手続きは完了。 住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。 外出制限、健康管理、過保護な独占欲。 甘くて危険な“保護生活”の中で、 私は少しずつ彼に心を奪われていく――。 元社畜OL×執着気味の溺愛社長 囲い込み同棲ラブストーリー。

処理中です...