紹介し忘れましたが、これが兄です。

羽月☆

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18 ハルヒが気づいたこと

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まだ夜の八時。
大学の友達何人かで、大学に一番近くて広い部屋に住んでる子のところわに集まる。
マンションだからちょっとぐらいは騒いでも平気だし。
でも夜、あと一時間ぐらいしたら声は落とすように言われる。

もともとおじさんの部屋らしい。
留守中・・・・というか地方に勤務する間数年。
ちょうどいい具合に留守番として住んでるらしい。

掃除をきちんとすることという条件付きで。だから周囲にも気を使うと。
使えない部屋も多く自由にいられるのは一部屋とリビングだけ。
それでもその辺の一人暮らしの部屋に比べると広い。

自分の部屋とも比べる。
兄の部屋より便利だし、リビングだけでも広さは二倍はありそう。
お金持ちのおじさんらしい。

「ハルヒちゃん、時間が気になるの?このあと、誰かと約束があるとか?」

部屋の仮の主 広瀬君が聞いてくる。

「さっきからよく時計見てるよね。」

「うん、兄が部屋にいるはずなの。隣に彼女が住んでて、ちょっとすれ違い中だから今頃仲直りしてるかもって。気になるんだけど。うまくいかないときは連絡が来るし、うまくいってると帰りずらい。ひとり旅行中の彼女の帰ってくる時間によって話し合いのスタート時間が変わるし。なんだか落ち着かない。」

「お兄さんの彼女と隣同士?偶然?」

「う~ん、偶然ともいえるし必然ともいえる。」

二人の出会いを簡単に教えて話す。
途中他の子も参加してくる。

「なんだかお兄さん、気が長いのか、奥手なのか分からない。」

「さっさとハルヒの部屋に待機して偶然で話しかければ良かったのに。」

「そうだよね、何で紹介を待ったんだろう?」

「彼女に彼氏がいたからでしょう?」

「失恋してすぐってどうなのよって話だしね。」

「ハルヒちゃんのお兄さんだとかっこいいんじゃない?」

広瀬君、それは褒めてくれた?

ちょっとうれしい顔を隠して気が付かないふりで兄をだしにする。

「どうかなあ?ちょっと前まで頭に花が咲いてた馬鹿兄貴だった。」

酔っぱらって奈央さんと撮った写真を送ってきたのがあった。
広瀬君に見せる。

「おお、何だか色っぽい写真。」

ん?何でそっちに反応?

確かに兄の部屋でのんびり夜を過ごすスッピンの奈央さんだけど。
部屋着は兄の物だと思う。

色っぽい?

「お兄さん優しそう。似てるね。」

こんな馬鹿兄貴のニヤケ顔に似てると言われても・・・・。

それはさておき奈央さんを見る。
色気?普段のきちんとした格好のほうがぐんときれいで色っぽいけど。

この写真は無邪気だよ。

広瀬君を見る目が不審げな色を帯びてしまう。

「何?」

「・・・・こんなニヤケ顔に似てると言われても・・・・。」

ごまかして言う。

「なんとなく、笑顔の雰囲気が似てると思うよ。」

まあ、前向きにとらえたい。ちょっとした言葉に敏感になってしまう。


本当はちょっとだけ気になる男の子。みんなで集まるとよく隣の席になる。
一番よく話をしてるかも。

そんな事を考えてたら携帯が震えた。

『仲直りラブ。』

アホなメッセージを送りつける兄。復活したらしい。
心配してたけど、やはりあの兄相手に悩みは不要だと思う。

でもホッとして思わず笑顔になった。

「うれしい連絡?」

「そう花畑頭の兄、見事復活。」

メッセージを見せる。また携帯が震える。
今度こそ底なしのアホかと思った。

何で奈央さんの寝顔を送ってくるんだ?

『可愛いの奈央の寝顔。』

本当にアップの寝顔。よく見たら失礼よね。
でも、そのまま思わず広瀬君と一緒に見てしまっていたのだ。

恥ずかしい。これこそナニの後とわかるんじゃない。

思わず引っ込めた携帯。

「ごめん。」

何故か謝られた。

「ううん。本当に・・・アホ馬鹿なの。」

「凄い愛を感じるね。でも彼女は怒らないのかな?知ってるのかな?」

「知らないと思う。どうしようもなく仲直りがうれしいんだけど、こっちに報告する前に寝てしまったから・・・・」

うっ、今、さらっと言ってしまったけど。気が付いた?

「だから寝顔を撮ったんだと思う。」

「そうだろうね。」

思わぬ気まずさが漂う。アホ馬鹿間抜けエロ。殴る、刺す!
奈央さんにも怒られてしまえ。とりあえず注意しておこう。

「仲がいいんだね。よく話も聞くし。」

「うん・・・まあね。」

「広瀬君兄弟は、確か弟?」

「うん、高校生。可愛いけど仲は普通。逆にどうしてそんなに仲いいの?ずっと小さい頃から?」

「うん、年が離れてて親みたいに世話焼いてくれた。着替えとか、お風呂とか・・・・あ、勉強とか。」

「ふ~ん。」

「年が近いとやっぱり張り合ったりするんだよね。本当に小さいときはかわいいと思っても邪魔だと思うこともあった。お決まりのお兄ちゃんでしょうってセリフは僕は嫌いだったなあ。」

「確かに年が離れてるからそんな感じも私は知らない。べったり甘えてたし、兄はどうだったんだろう?」

「たぶん、可愛かったんだよ。そんなの逆に親と世話役を取り合いしてたりして。」

「そんなことはないと思うけど。」

可愛かったなんて、またまたうれしい事を言ってくれる。

「は~、でも安心した。奈央さんもすごくいい人だし。良かった。これで安心して部屋に帰れる。」

「ハルヒちゃんは・・・・」

広瀬君が何か言いかけたけど。

「ねえ、そろそろ帰ろうかって言ってるけど。」友達の声がして振り向いた。

「うん、私ももう帰れる!」

安心してついうれしそうに言ってしまった。

あ、ちょっと広瀬君に失礼だったかな。

「ごめんね、アホな兄の写真なんか見せて。」

「ううん、良かったね。」

「うん、ありがとう。」

本当にいい人。優しいし、穏やかで。笑顔も素敵で。
実は頭もよい。勉強も教えてくれる。

立ち上がり食べたものの後始末をする。
部屋を借りるから汚したところはきれいにして帰る。
行儀のいい大学生なのだ。

玄関で手を振りみんなと駅へ。
でも路線はそれぞれ。

今日はダブルにいい日だった気がする。

帰ると奈央さんが出てきた。手には包みがあった。

「ハルヒちゃん、お土産。」

さっきの寝顔とは一転大人の顔をしてる。スッピンはそのままだけど。

「奈央さん、ちょっとだけ話できますか?」

「うん、いいよ。」

そのまま部屋に入る。
お茶を入れてお土産を開ける。
一つだけいただきますと口にする。

「奈央さん、仲直りできたみたいで良かったです。」

「早いね。イチが報告したの?」

「はい、どんな方法か知ってますか?」

「方法?」

「奈央さんが寝てる寝顔を送って来ました。」

まあ、それは真っ赤になるわよね。

「すみません、ちゃんと叱っておきました。」

「イチは・・・・、もう仲が良すぎて、たまに迷惑。ごめんね。でも全部イチのせいだから。」

「はい、わかってます。」



「あの・・・・私、好きな人が出来た気がするんです。」

「本当?聞きたい、聞きたい。」

「まだ、そう思ったばっかりで何も進んでないというか・・・・・。」
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