紹介し忘れましたが、これが兄です。

羽月☆

文字の大きさ
18 / 29

18 ハルヒが気づいたこと

しおりを挟む
まだ夜の八時。
大学の友達何人かで、大学に一番近くて広い部屋に住んでる子のところわに集まる。
マンションだからちょっとぐらいは騒いでも平気だし。
でも夜、あと一時間ぐらいしたら声は落とすように言われる。

もともとおじさんの部屋らしい。
留守中・・・・というか地方に勤務する間数年。
ちょうどいい具合に留守番として住んでるらしい。

掃除をきちんとすることという条件付きで。だから周囲にも気を使うと。
使えない部屋も多く自由にいられるのは一部屋とリビングだけ。
それでもその辺の一人暮らしの部屋に比べると広い。

自分の部屋とも比べる。
兄の部屋より便利だし、リビングだけでも広さは二倍はありそう。
お金持ちのおじさんらしい。

「ハルヒちゃん、時間が気になるの?このあと、誰かと約束があるとか?」

部屋の仮の主 広瀬君が聞いてくる。

「さっきからよく時計見てるよね。」

「うん、兄が部屋にいるはずなの。隣に彼女が住んでて、ちょっとすれ違い中だから今頃仲直りしてるかもって。気になるんだけど。うまくいかないときは連絡が来るし、うまくいってると帰りずらい。ひとり旅行中の彼女の帰ってくる時間によって話し合いのスタート時間が変わるし。なんだか落ち着かない。」

「お兄さんの彼女と隣同士?偶然?」

「う~ん、偶然ともいえるし必然ともいえる。」

二人の出会いを簡単に教えて話す。
途中他の子も参加してくる。

「なんだかお兄さん、気が長いのか、奥手なのか分からない。」

「さっさとハルヒの部屋に待機して偶然で話しかければ良かったのに。」

「そうだよね、何で紹介を待ったんだろう?」

「彼女に彼氏がいたからでしょう?」

「失恋してすぐってどうなのよって話だしね。」

「ハルヒちゃんのお兄さんだとかっこいいんじゃない?」

広瀬君、それは褒めてくれた?

ちょっとうれしい顔を隠して気が付かないふりで兄をだしにする。

「どうかなあ?ちょっと前まで頭に花が咲いてた馬鹿兄貴だった。」

酔っぱらって奈央さんと撮った写真を送ってきたのがあった。
広瀬君に見せる。

「おお、何だか色っぽい写真。」

ん?何でそっちに反応?

確かに兄の部屋でのんびり夜を過ごすスッピンの奈央さんだけど。
部屋着は兄の物だと思う。

色っぽい?

「お兄さん優しそう。似てるね。」

こんな馬鹿兄貴のニヤケ顔に似てると言われても・・・・。

それはさておき奈央さんを見る。
色気?普段のきちんとした格好のほうがぐんときれいで色っぽいけど。

この写真は無邪気だよ。

広瀬君を見る目が不審げな色を帯びてしまう。

「何?」

「・・・・こんなニヤケ顔に似てると言われても・・・・。」

ごまかして言う。

「なんとなく、笑顔の雰囲気が似てると思うよ。」

まあ、前向きにとらえたい。ちょっとした言葉に敏感になってしまう。


本当はちょっとだけ気になる男の子。みんなで集まるとよく隣の席になる。
一番よく話をしてるかも。

そんな事を考えてたら携帯が震えた。

『仲直りラブ。』

アホなメッセージを送りつける兄。復活したらしい。
心配してたけど、やはりあの兄相手に悩みは不要だと思う。

でもホッとして思わず笑顔になった。

「うれしい連絡?」

「そう花畑頭の兄、見事復活。」

メッセージを見せる。また携帯が震える。
今度こそ底なしのアホかと思った。

何で奈央さんの寝顔を送ってくるんだ?

『可愛いの奈央の寝顔。』

本当にアップの寝顔。よく見たら失礼よね。
でも、そのまま思わず広瀬君と一緒に見てしまっていたのだ。

恥ずかしい。これこそナニの後とわかるんじゃない。

思わず引っ込めた携帯。

「ごめん。」

何故か謝られた。

「ううん。本当に・・・アホ馬鹿なの。」

「凄い愛を感じるね。でも彼女は怒らないのかな?知ってるのかな?」

「知らないと思う。どうしようもなく仲直りがうれしいんだけど、こっちに報告する前に寝てしまったから・・・・」

うっ、今、さらっと言ってしまったけど。気が付いた?

「だから寝顔を撮ったんだと思う。」

「そうだろうね。」

思わぬ気まずさが漂う。アホ馬鹿間抜けエロ。殴る、刺す!
奈央さんにも怒られてしまえ。とりあえず注意しておこう。

「仲がいいんだね。よく話も聞くし。」

「うん・・・まあね。」

「広瀬君兄弟は、確か弟?」

「うん、高校生。可愛いけど仲は普通。逆にどうしてそんなに仲いいの?ずっと小さい頃から?」

「うん、年が離れてて親みたいに世話焼いてくれた。着替えとか、お風呂とか・・・・あ、勉強とか。」

「ふ~ん。」

「年が近いとやっぱり張り合ったりするんだよね。本当に小さいときはかわいいと思っても邪魔だと思うこともあった。お決まりのお兄ちゃんでしょうってセリフは僕は嫌いだったなあ。」

「確かに年が離れてるからそんな感じも私は知らない。べったり甘えてたし、兄はどうだったんだろう?」

「たぶん、可愛かったんだよ。そんなの逆に親と世話役を取り合いしてたりして。」

「そんなことはないと思うけど。」

可愛かったなんて、またまたうれしい事を言ってくれる。

「は~、でも安心した。奈央さんもすごくいい人だし。良かった。これで安心して部屋に帰れる。」

「ハルヒちゃんは・・・・」

広瀬君が何か言いかけたけど。

「ねえ、そろそろ帰ろうかって言ってるけど。」友達の声がして振り向いた。

「うん、私ももう帰れる!」

安心してついうれしそうに言ってしまった。

あ、ちょっと広瀬君に失礼だったかな。

「ごめんね、アホな兄の写真なんか見せて。」

「ううん、良かったね。」

「うん、ありがとう。」

本当にいい人。優しいし、穏やかで。笑顔も素敵で。
実は頭もよい。勉強も教えてくれる。

立ち上がり食べたものの後始末をする。
部屋を借りるから汚したところはきれいにして帰る。
行儀のいい大学生なのだ。

玄関で手を振りみんなと駅へ。
でも路線はそれぞれ。

今日はダブルにいい日だった気がする。

帰ると奈央さんが出てきた。手には包みがあった。

「ハルヒちゃん、お土産。」

さっきの寝顔とは一転大人の顔をしてる。スッピンはそのままだけど。

「奈央さん、ちょっとだけ話できますか?」

「うん、いいよ。」

そのまま部屋に入る。
お茶を入れてお土産を開ける。
一つだけいただきますと口にする。

「奈央さん、仲直りできたみたいで良かったです。」

「早いね。イチが報告したの?」

「はい、どんな方法か知ってますか?」

「方法?」

「奈央さんが寝てる寝顔を送って来ました。」

まあ、それは真っ赤になるわよね。

「すみません、ちゃんと叱っておきました。」

「イチは・・・・、もう仲が良すぎて、たまに迷惑。ごめんね。でも全部イチのせいだから。」

「はい、わかってます。」



「あの・・・・私、好きな人が出来た気がするんです。」

「本当?聞きたい、聞きたい。」

「まだ、そう思ったばっかりで何も進んでないというか・・・・・。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。 働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。 早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。 そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。 大丈夫なのかなぁ?

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...