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28 恐怖体験するためのような喧嘩でした ハルト
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1 ハルト
会った時からいつも以上にテンションが高い。
今も嬉しそうに報告してるハルヒちゃん。
今ハルヒちゃんの目の前には僕しかいない。
ハルヒちゃんが話しかけてるのは僕。
わからない。
何でそんなにうれしそうに報告できるのか。
僕の顔は見てないの?
絶対的な温度差があると思うのに、気が付いてないみたい。
今日も一緒に帰る約束をしていた。
付き合うことになって、一緒に夜を過ごすようになって、隠すまでもなく皆にはバレた。
勿論祝福してもらえた。
大学4年になるころには単位はほとんど取り終えて就活という長いトンネルに入るような時期。
皆で一緒にいることも少なくなり、自分の部屋に集まることも少なくなった。
だから二人でいることが多くて、うれしくて、でもそれが普通だと思っていたのかもしれない。
一緒に部屋に帰ってきて仲良く食事を作って食べた。
広い部屋でもくっつくように近くにいて。
「ねえ、聞いて、ハルト。実はじゃんじゃあ~ん、今日先輩に告白されました~。」
手振りをつけてビッグニュースと嬉しそうに話をするハルヒちゃん。
最初は大げさに言ってるのか?焼きもちを焼かせたいのか?なんて思っていたのに。
ただただ単純にうれしいみたいで。
それは少しは分かるけど。
きっと断ってくれたのもわかる・・・多分そうだよね。
だけどその先輩との思い出を語るハルヒちゃんはとても楽しそうで。
「大好きな先輩だった。」と言う。
過去形だとしてもそれはあまりうれしい話じゃなくて。
僕は4月から仲良くするようになったのでその先輩の事は知らない。
他のメンバーは知ってるらしい。
グループに限らず人気のある先輩だったんだと、まるで自慢するように話すハルヒちゃん。
さっきから続くその話に、自分の中ではイライラの気持ちしかなく。
「でも先輩、絶対私の事なんて圏外だと思ってたのに。何でだろう。もっと早く聞きたかったなあ。」
そんなセリフを聞いたら、さすがに抑えてもいられなくなって。
「良かったね。僕は勉強したいんだけど、ハルヒちゃんはまだ思い出話するつもり?」
ソファから立ち上がりコップを持って見下ろす。
びっくりしたように僕を見上げるハルヒちゃんの顔はいつもならかわいくて大好きな顔だけど。
「どうしたの?ハルト???」
「ゆっくりしてっていいよ。相手は出来ないけど。」
そう言って普段は入らない部屋に入ってクロスをはいで大きな椅子に座った。
少しホコリが舞ってくしゃみが出た。
おじさんの書斎だった。
換気と掃除をたまにするくらいで普段使いは許されてない部屋だった。
ハルヒちゃんにもちょっとだけ見せた事はあるけど入ったことはない。
わざわざドアに背を向けて座る。
いつもなら一緒に話をしてシャワーを浴びてふざけながら夜を過ごして、一緒に目覚めるまでくっついて過ごすのに。
本当に全然気が付かないで話をしていたんだろうか?
僕の顔を見る余裕もないくらいにうれしくて舞い上がり、テンションも上がってたんだろうか?
そしていきなり背を向けられて何を思っただろう?
持ってきたカップを置いて
椅子に深くもたれてため息をつく。
何だよ、もっと早く言ってくれればよかったって・・・・・・。
早かったらどうだって言うんだよ。
まるで早くに知っていたら僕とはこんなことにはならなかったと、そう聞こえるじゃないか。
無神経すぎるよ。
どうしてそんなことが言えるんだよ。
結局ハルヒちゃんが何と言ってその先輩と話をしたのか知らない。
そこまでは聞いてないから。
勉強をしたいなんて言いながらノートパッドも何も持ってない自分。
携帯すらない。
冷えたコーヒーが入ったカップだけ。
ばかばかしい、自分の嫉妬がひどくばかばかしくて。
ハルヒちゃんが本当に反省か後悔してるならここになんていない。
ごめんってドアの外で謝ってくれたら。
そう願ってる自分。
でもハルヒちゃんの声は聞こえない。
しばらくして部屋から出た。
リビングは静かで。
ハルヒちゃんはいなかった。
コーヒーカップは流しに置かれていた。
前にみんなで過ごしたように、ごみは片付けて、後始末もすることにしていた頃の様に。
テーブルの上には何のメッセージもなく。携帯を見ても何もなかった。
携帯を手にしてメッセージを送ろうかと画面を覗く。
ごめんと謝って、きちんと話をした方がいいのは分かってる。
でも、僕から謝る必要がある?
どこかでちょっとだけそう思ったら、その思いがどんどん広がって。
携帯を放した。
僕を傷つけたなんて思ってない?
すぐに気が付いてさっきの部屋の前に来て謝っても良かったよね。
『ごめんね。』って。
それもなく冷静にカップまで片付けて帰ったハルヒちゃん、どう思ったの?
それからも放したはずの携帯を何度も見た。
それでも何のメッセージもなく。
僕も謝ることができずにいて。
僕だってあの告白した日の当日に友達の女の子に誘われた。
でも断ったし。
あんなに嬉しそうに報告なんてしない。
それからだって二人の人にそれとなく探られたりしたけど、はっきり彼女がいることは言ってた。
ハルヒちゃん以外の子に興味を持つこともないと思ったし。
新しく何かが始まるなんて思いもしなかったし。
そんなことハルヒちゃんは知らない。
だって僕は教えてない。
それは当然だと思ってた。マナーだと思ってたのに。
いろんながっかりが次々と心に積もる。
その中に必死に自分が悪い事があるか考えるけど。
よくわからない。
自分が責められるとするなら、現実から目と耳をそむけたとこ。
あれ以上ハルヒちゃんの話を聞いていられなかったこと。
それ以上何かある? ねえ。
会った時からいつも以上にテンションが高い。
今も嬉しそうに報告してるハルヒちゃん。
今ハルヒちゃんの目の前には僕しかいない。
ハルヒちゃんが話しかけてるのは僕。
わからない。
何でそんなにうれしそうに報告できるのか。
僕の顔は見てないの?
絶対的な温度差があると思うのに、気が付いてないみたい。
今日も一緒に帰る約束をしていた。
付き合うことになって、一緒に夜を過ごすようになって、隠すまでもなく皆にはバレた。
勿論祝福してもらえた。
大学4年になるころには単位はほとんど取り終えて就活という長いトンネルに入るような時期。
皆で一緒にいることも少なくなり、自分の部屋に集まることも少なくなった。
だから二人でいることが多くて、うれしくて、でもそれが普通だと思っていたのかもしれない。
一緒に部屋に帰ってきて仲良く食事を作って食べた。
広い部屋でもくっつくように近くにいて。
「ねえ、聞いて、ハルト。実はじゃんじゃあ~ん、今日先輩に告白されました~。」
手振りをつけてビッグニュースと嬉しそうに話をするハルヒちゃん。
最初は大げさに言ってるのか?焼きもちを焼かせたいのか?なんて思っていたのに。
ただただ単純にうれしいみたいで。
それは少しは分かるけど。
きっと断ってくれたのもわかる・・・多分そうだよね。
だけどその先輩との思い出を語るハルヒちゃんはとても楽しそうで。
「大好きな先輩だった。」と言う。
過去形だとしてもそれはあまりうれしい話じゃなくて。
僕は4月から仲良くするようになったのでその先輩の事は知らない。
他のメンバーは知ってるらしい。
グループに限らず人気のある先輩だったんだと、まるで自慢するように話すハルヒちゃん。
さっきから続くその話に、自分の中ではイライラの気持ちしかなく。
「でも先輩、絶対私の事なんて圏外だと思ってたのに。何でだろう。もっと早く聞きたかったなあ。」
そんなセリフを聞いたら、さすがに抑えてもいられなくなって。
「良かったね。僕は勉強したいんだけど、ハルヒちゃんはまだ思い出話するつもり?」
ソファから立ち上がりコップを持って見下ろす。
びっくりしたように僕を見上げるハルヒちゃんの顔はいつもならかわいくて大好きな顔だけど。
「どうしたの?ハルト???」
「ゆっくりしてっていいよ。相手は出来ないけど。」
そう言って普段は入らない部屋に入ってクロスをはいで大きな椅子に座った。
少しホコリが舞ってくしゃみが出た。
おじさんの書斎だった。
換気と掃除をたまにするくらいで普段使いは許されてない部屋だった。
ハルヒちゃんにもちょっとだけ見せた事はあるけど入ったことはない。
わざわざドアに背を向けて座る。
いつもなら一緒に話をしてシャワーを浴びてふざけながら夜を過ごして、一緒に目覚めるまでくっついて過ごすのに。
本当に全然気が付かないで話をしていたんだろうか?
僕の顔を見る余裕もないくらいにうれしくて舞い上がり、テンションも上がってたんだろうか?
そしていきなり背を向けられて何を思っただろう?
持ってきたカップを置いて
椅子に深くもたれてため息をつく。
何だよ、もっと早く言ってくれればよかったって・・・・・・。
早かったらどうだって言うんだよ。
まるで早くに知っていたら僕とはこんなことにはならなかったと、そう聞こえるじゃないか。
無神経すぎるよ。
どうしてそんなことが言えるんだよ。
結局ハルヒちゃんが何と言ってその先輩と話をしたのか知らない。
そこまでは聞いてないから。
勉強をしたいなんて言いながらノートパッドも何も持ってない自分。
携帯すらない。
冷えたコーヒーが入ったカップだけ。
ばかばかしい、自分の嫉妬がひどくばかばかしくて。
ハルヒちゃんが本当に反省か後悔してるならここになんていない。
ごめんってドアの外で謝ってくれたら。
そう願ってる自分。
でもハルヒちゃんの声は聞こえない。
しばらくして部屋から出た。
リビングは静かで。
ハルヒちゃんはいなかった。
コーヒーカップは流しに置かれていた。
前にみんなで過ごしたように、ごみは片付けて、後始末もすることにしていた頃の様に。
テーブルの上には何のメッセージもなく。携帯を見ても何もなかった。
携帯を手にしてメッセージを送ろうかと画面を覗く。
ごめんと謝って、きちんと話をした方がいいのは分かってる。
でも、僕から謝る必要がある?
どこかでちょっとだけそう思ったら、その思いがどんどん広がって。
携帯を放した。
僕を傷つけたなんて思ってない?
すぐに気が付いてさっきの部屋の前に来て謝っても良かったよね。
『ごめんね。』って。
それもなく冷静にカップまで片付けて帰ったハルヒちゃん、どう思ったの?
それからも放したはずの携帯を何度も見た。
それでも何のメッセージもなく。
僕も謝ることができずにいて。
僕だってあの告白した日の当日に友達の女の子に誘われた。
でも断ったし。
あんなに嬉しそうに報告なんてしない。
それからだって二人の人にそれとなく探られたりしたけど、はっきり彼女がいることは言ってた。
ハルヒちゃん以外の子に興味を持つこともないと思ったし。
新しく何かが始まるなんて思いもしなかったし。
そんなことハルヒちゃんは知らない。
だって僕は教えてない。
それは当然だと思ってた。マナーだと思ってたのに。
いろんながっかりが次々と心に積もる。
その中に必死に自分が悪い事があるか考えるけど。
よくわからない。
自分が責められるとするなら、現実から目と耳をそむけたとこ。
あれ以上ハルヒちゃんの話を聞いていられなかったこと。
それ以上何かある? ねえ。
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