わざわざ紹介してませんでしたが・・・僕の大好きなアユさんです。

羽月☆

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11 増えていく数字を数えていきたい、まだまだ、そしてずっと。

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もういいよね。お腹空いたよね。
起きそうにないアユさんに無言で許しを得て、こっそりと静かに起きだした。
パジャマを拾って、こそこそと自分の寝室を出た。
こんなコソコソの自分は誰にも見られたくない。

バスルームに逃げこんでそのままシャワーを浴びた。
体を拭きながら鏡に映った自分を見た。
やっぱりまだまだぷにぷにとした腰の肉。
腰だけじゃなくてお腹もまだまだ。

一鉄を思い浮かべると先は長い。
でも洋服のサイズも何とか普通の服が着れると思う。
身長からすると一番小さいサイズでもいいけど、そこまでは無理で。
真ん中のサイズを着れると思う。

自分で決めていたゴール。
その時には確かめたいと思った決意は、あっという間にアユさんに仕掛けられて達成した。
それでももう少しだけ頑張りたい。

鏡に映った自分をぼんやり見ながらそう思った。

急いでパジャマを着て、アユさんの分の準備を確認して出た。


後はもう普通でいいよね。
なんて、そんな『普通』も初めてだけど。
朝ごはんを食べて、食べ終わる頃お昼になって。

それまでに今日の予定を話しして。


コーヒーをいれながらアユさんが起きて来るのを待つ。
お腹空いてるけど先に食べるわけにもいかない。

お腹をさすりながら待つ。

昨日から放っておいた携帯が光っていた。


『ギイチ、おはよう。いよいよだね。』
『あれ?昨日泊めてって言ったら嫌そうだったから、もしかして・・・・。今日も楽しい一日を。』

一鉄が勘を働かせたらしい。
もっと有効なアドバイスをしてくれるくらいのひらめきはなかったんだろうか?
それとも普通皆はもたもたもせずに一二三で準備できて、朝からブニブニとつままれて怒られることなく彼女に応えられるのだろうか?

自分はちょっと無理だった。

でもさすがに根岸先輩に聞かれても・・・・アドバイスしづらい。

そういうことだろう、習うより慣れろ!
何事も経験だ。
だって一度目より今朝は本当に器用に出来たと思うから。

あと数回繰り返せば僕も一二三くらいには時短できると思う。
アユさんもびっくりだろう・・・・か?

ああ、朝からすごく幸せな気分だし。

アユさん、起きてこないかなあ~。


落ち切ったコーヒーを持って音量を絞ってテレビをつける。
この部屋の幸せとは裏腹に今日も世間は騒がしいみたいだ。

『愛が地球を救う』今ならそう思える。

皆が誰かを大切に思って、その誰かも応えてくれるなら、世界中に幸せが溢れて、笑顔が一杯になるのに。
でもそんなに上手くはいかないし、二人の気持ちが永遠だという保証もない。

だから人は約束を欲しがる。
ただ一枚の紙に連名するだけで、それが永遠に続くんだと保証書代わりにしたくなるんだ。

自分も欲しい、何かが。

そう思い立ったら、いいんじゃないかと思えてきた。
アユさんが言ってた、『素敵な日』にしたいって。
じゃあ、記念に、何か形を残したい。

今までお土産であげたようなものじゃなくて、もっとずっと形が残るものを、価値のある物を。


アユさんを起こしたくなった。
『出かけよう。起きて、アユさん。』

立ち上がって寝室に歩いていく。
まだ寝てるかもしれないアユさんを起こしに・・・・・。
なんて強引なことは出来ないから、ドアの前でブツブツとつぶやいて念を送った。

手を合わせたところで急に目の前のドアが開いた。

お互いにびっくりして一歩引いた。


「アユさん、ちょっと心配になって・・・・。」

とっさに嘘をついた。


「すみません。寝すぎてしまいましたか?」

「大丈夫。シャワー浴びれるように、タオルは置いてあるよ。」

そう言って見送った。

さっき考えたことをもう一度冷静に思い返す。
賛成してくれるだろうか?

ハッキリ言ったら恥ずかしいから、さり気なく外に出て、なんとなく似合うね、買おうか、みたいな雰囲気になったらいいのに。
さっさと起こして連れて行こうと思った気持ちはいつの間にか落ち着いていた。
強引なことはやっぱり自分には似合わない。


アユさんがパジャマで出てきた。
朝の時間に見るとそれはまた新鮮だった。
そういう自分だって昨日のパジャマ姿だけど。

コーヒーをいれて、朝ごはんを食べる。
本当に昼になる時間だった。


「ねえ、アユさん、どこか行きたいところってある?」

「どうしますか?」

「アユさん、お願いがあるんだけど。」


「何ですか?」


「僕は昨日から一緒にいれてる事をすごく大切にしたいって思ったんだ。」

アユさんを見た。

頷かれた。私もそうだと思ってると思いたい。
そう思うのにも少しは自信が出て来たかもしれない。

「ねえ、記念になるようなものを一緒に買いたいんだけど。アクセサリーがいいと思ってる。別にお店ではそんな事言わないから、もちろん日にちを入れたりイニシャルをなんて思ってない。ただ、何か記念にって、形があるものを手にしたいなあって思っただけ。」


「ギイチさん、自分の分も買うんですか?」

「えっ!」

それは全く考えてなかった。
ただ自分の選んだものを身につけてもらえたらなあって、そう思っただけだし。


「僕はあんまりそう言うのは似合わないからいい。代わりに洋服を選んでもらう約束があったよね?」


「そうでしたね。じゃあ、食べたら出かけましょう。」

「ありがとう。」


特に反対もされなかった。
すっごくすっごく想いを乗せてるって、あんまり感じないようにさらりと言ったつもりだし。軽く記念にねって、そんな感じで思ってもらってもいい。


僕は一鉄にいろいろ相談した。
アユさんもそう言えば友達にいろいろ相談したって言ってた。

その子に教えるんだろうか?もしかして野倉さんにも教えたりして。
そうなると先輩から情報が下りてきて、その内に皆に広まりそうだ。
そこは内緒にしてもらえるだろうか?


プレゼントをしたいって言いながら、二人以外には内緒にって、そんな思いもしてる。
すごく大切、そう思ってる。


芸能人がプロポーズのシチュエーションを聞かれて内緒ですって答える気持ちが分かった気もする。
大切なシーンは二人だけで、誰にも内緒で隠しておきたいって、それが二人には特別だからって、そんな気分なんだろう。


「ギイチさん、準備OKですよ。」


いつの間にか着替えと化粧をしたらしいアユさん。
本当にいつの間に。
あのバッグには着替えも入っていたらしい。

自分はまだパジャマで歯磨きもしてないのに。

「ああ、ごめん。何がいいかなあって思ってぼんやりしちゃった。」

「別に急ぎません。だって、またここに帰って来ていいですよね?」


それは今夜もここに泊まるって事だろうか?


「今夜も一緒にいてくれるの?」


「ギイチさんが嫌じゃなければ。」

「そんなの、嫌がるわけないじゃない。一緒にいたいって、言ったじゃない。」

「もちろん覚えてます。全然違うことを期待したのに、そんなことを言ったから思わずほっぺたをつまみました。」

「ああ・・・・・。」


思い出した。いろいろを、突然に。


「ギイチさん、着替えてください。本当に置いて行きますよ。」

「アユさんは絶対待っててくれるよね。」

そんな余裕のセリフを言えた自分にびっくり。

「それは分かりません。あんまりぼんやりとしてたり、期待外れだったら、待ちませんよ。」

それは怖い。

「急いで準備します。」

余裕はぺしゃんこになった。

急いでクローゼットに向かった。
それこそ一二三で選んで着替えもできるくらいだ。
もう少し充実させたい。
アユさんと並んで似合うくらいには。


やっぱりぶかぶかの服を着る。
それはそれで楽だけど、少しもおしゃれじゃない。
アユさんに申し訳ない。


僕が着替えてる間に洗い物も終わらせてくれたらしい。

歯を磨いて、髪を整えて、出かける準備終了。

昔はボサボサだった髪の毛も、ちゃんとひと月半くらいに一回は切りに行ってる。
安いところだけどさっぱりは心がけてる。

本当にアユさんに出会って自分がいかにありのままだったか分かった。
でも出会った頃はそうだったんだから。
それでもアユさんがデートしてくれたんだから。


アユさん、心広すぎる。


「やっぱりぶかぶかですね。」

目の前に立たれて、裾をちょっとだけ捲りながらそう言われた。

お腹を見られたんだろうか?
急いで引っ込めたけど、多分間に合わなかった。

一歩近寄って、服の中に手を入れられた。


何???


その手が腰に来てぷにぷにと肉をつままれた。

「ああ、痩せる前に一度つまんでおけば良かったです。どのくらい減ったのか手触りで実感したかったです。」

手が服から抜け出して、一歩離れたアユさん。


「アユさん、もしかして自分が細いから、太った人が好きなの?」

「いいえ、ギイチさんが好きです。太ってても、もう少し痩せても、もしかしたらガリガリのうっすぺらになっても・・・・・多分。」


お礼を言いたいのに、また一歩近寄られて目を閉じられたら、そんなタイミングはつかめなかった。

軽く唇が触れた。
うっすらとリップが塗られてる。
自分の唇は大丈夫だろうか?

アユさんが指で拭いてくれた。

「行きましょう。」

そう言ってくるりと向きを変えられた。


アユさんの持って来たバッグはそこに置かれたまま。
また数時間たったら戻ってくるから、それまで大人しくお留守番を願いした。


「行ってきます。」


そう言って玄関を閉めたら不思議な顔をされた。


鍵をしまったら手をつないでエレベーターに向かった。

本当はブンブンと振りたいくらいに楽しい気持ちを隠したくない。
それでも笑顔でいるだけにして、手は二人の距離を最短にしてもらうくらいの役割にした。


僕の服を買うのを先に。
やっぱり普通サイズが入るようになってた。
合わされて選んでもらった服を着て、外にいるアユさんに声をかけた。
カーテンを開けて見せるのはちょっと・・・・店員さんもやってくるし。
それでも声を掛けてくださいと言われてたから、ちょっとだけ顔を出して声をかけた。

カーテンを捲って体を入れて、鏡越しに目が合った。

「サイズもいい感じですね。着心地は大丈夫ですか?」

「うん。大丈夫。どうかな?変じゃない?」

くるりと回って、正面に体を向けた。

「大丈夫です。絶対似合ってます。」

アユさんのお墨付きをもらえた。

「でも・・・・。」

満足して脱ぐねって言おうと思ったら、そう続けられた。

何?やっぱり何か変?


アユさんを見た。
ほんの一瞬、腰を掴まれて、背伸びをしたアユさんの顔が近寄ってきた。

ビックリした。
試着室ってそんな使い方あったの?
一鉄、知ってた?

これじゃあ今度からも全部アユさんにお任せしたいって思うのに、逆に言い出せない気がしてきた。


外から見ると足だけがカーテンの下から見えて、カーテンがボコッと人型に膨らんでるだろう。それだけしか分からないだろう。

「完璧です。じゃあ、外で待ってます。」

そう言ってカーテンから出て行ったアユさん。

くるりと向きを変えて、鏡を見たら真っ赤な自分がいた。
いきなりすぎて慣れないよ・・・・・。


ゆっくり服を脱ぎながら、傍らに畳んで積み上げた。

パンツとシャツ二枚を選んでもらった。

もう一枚のシャツも見てもらっても良かったのに・・・・・出来るわけないじゃないか。


大人しく全部を畳んで、カーテンを開けた。
店員さんも寄って来ない。

アユさんが服を受け取ってカウンターに運んでくれた。
靴を履いて、隣に並んだ。


全部を袋に詰めてもらってお会計してもらって、自分の方は終わった。


増えた荷物を持ちながら、ゆっくりとフロアを降りる。

アクセサリーのコーナーだけでワンフロアくらいあるんだから、この中からお気に入りの一点を見つけるのはなかなかだ。
それでもお気に入りのブランドがあるらしくキョロキョロしながら歩いていく。

途中柱のところの案内図を見た。

何が何やら横文字だらけで分からない。

端っこにあるものすごい有名な外国のお店だけは分かる。
実際はどのくらいの値段がするのか知らない。
高いだろうなあ。
まさか、それを欲しかったりするだろうか?
僕が言い出したから、ダメとも言えない。

なんてちょっと思ったけど、アユさんの視線には入ってないみたいで、指をさしたのはもっと真ん中のお店だった。

ちょっとだけホッとした。

もっと違う本気のプレゼントだったら、僕も全然だよ。
一生僕の横にいてくれて、大切につけてくれるんだったら。
その時は端っこのお店に。

そう案内板につぶやいた。


眩しい空間だ。
ショーケースに当てられた光と、それを反射する小さな物。

誕生石をあしらったコーナーがあり、後は普通・・・と思ったらエンゲージとマリッジのコーナーに行きついて、また戻った。

真ん中の辺りで丁寧に商品を見ている。
こっそり値段を見たけど、想定内だった。
この中だったら全然普通に応えられる。


お互いにずっと無言だった。

何故か店員さんも寄ってくることなく。


「アユさん、どう?気に入ったのある?」

「はい、これとこれが。お値段どうですか?」

選んだのは二つのネックレス。まさかの二点買い?

それは想定外だったけど、それでもいい。


「うん、大丈夫だよ。」

カタログを見ていた店員さんが初めて近くに来てくれた。

「お出ししましょうか?」


アユさんが出してもらった二点のネックレスを手に取って。

「ギイチさんはどっちが好きですか?」

小さいハートが二つ重なるデザイン、石の位置が違う。
ハッキリ言ってあんまり違いが分からない。

「アユさん、あんまり違いが分からないんだけど。」

「こっちは石が中心で揺れるタイプになります。基本はどちらも定番の形です。後はお好みですね。」


「じゃあ、こっちで。」


僕の意見は全く役に立つ気配も見せなかった。

あっさりと決めたアユさん。


それでもすごく嬉しそうに店員さんに向けた笑顔に満足した。


包装してもらってる間に他のケースの中ものぞきこんだ。


「ねえ、アユさん、記念日を作って、これもそろえる?」

同じデザインっぽく見えるリングがあった。
石が入ってないからお値段ももう少し安い。


「あ、別に、今日一緒にでも、いいよ。」

ネックレス二点買いを覚悟した時点でそれでもいいと思ったから。


「じゃあ、今度。また何か楽しい記念日に、記憶に残したいことがあったらお願いします。楽しみです。」


小さな紙袋はアユさんが受け取った。
嬉しそうにしてくれたから、次の記念日を早く作りたいって思った。

そして同じように自分の部屋への帰り道。

「本当にギイチさんのところは便利ですね。混雑した電車に乗らなくても職場に行けるなんて贅沢ですよね。」

「そうだね。出張ももっとあると思ったんだ。だからそれも考えて部屋も選んだし。狭いんだけどね。」

荷物が多すぎて本当にゆっくりできるスペースは狭い。
コレクションと、大きなテレビと、大きなベッド。
昨日みたいに誰かを泊めるなんて、少なくとも女性を泊めるなんて全く想像もできなかったし。
男だったらその辺の床でもいいって思ってる。
さすがに広いベッドに誘うことはないし。

まだ夕飯の時間でもなく、まっすぐ部屋に戻ってきた。


「ギイチさん、ありがとうございます。大切にします。」

「うん。使ってね。」

そう言ったら早速箱を空けて取り出して。

見つめた後に渡されて、背中を向けられた。

小さい金具はなかなかうまくいかなくて、ちょっと時間がかかったけど、なんとなく映画で見たようなシーンは再現できた気がする。

上手くアユさんの肌に落ち着いたネックレス、くるりと体を向けられた。


「すごく似合ってる。」


アユさんが手でそっとチェーンをなぞる。
その細い指が凄く綺麗だった。

思わずその指を手に取って、キスをした。

なんで?

それでも特に何も聞かれなくて、ゆっくり体を倒されたから受け止めた。

「ギイチさん。」

「何?」

「今日は絶対ギイチさんからお願いしますね。」



「うん。」『頑張る。』と思わずつけそうになった。

最初からリードされてるんだけど、それも楽かと思ったり。
でも時々自分がペースを変えたくなると思った。
どうしても我慢できない時に。
もっと欲しいと思った時に。

自分にも支配欲があったんだと思う、普通に。
今まで全く感じてなかったけど、そんな事を自分でも思うんだって。


肩を抱いていた手に力をこめる。



ほっぺたをつねられないように、怒られないように。
そして色っぽく変わる表情も声も聴きたい。
そして起きた朝は甘い声を聞きたい。


まだまだいろんな予定もある。

ずっとカレンダーに書かれた数字が増えるといい。
一鉄が呆れるくらい大きな数字になればいい。

誰に聞かれてもいつでも答えられるようにしたい。


アユさんと出会ってから、こんなに時間が経ちました。


次の記念日も、その後の記念日も。
ずっと続く記念日は小さな数字の積み重ねだから。


まだまだだよね。

          
             終わり
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