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15 お腹が先に目覚めたのかもしれない。
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目が覚めた、何度目かの朝じゃない時間、すっかり昼過ぎ。
ベッド下に落ちている服は一ケ所にまとまっていた。
取りあえず半分くらいつけて部屋を出た。
明るい部屋からコーヒーの匂いと微かに音楽が聞こえてきた。
「あの・・・・。」
ソファでパソコンを見ていた夏越君が顔をあげた。
「お風呂にいろいろ置いてる。使っていいよ。」
「はい。」
大人しく返事してシャワーを借りた。
本当に一通り用意してあった。
スッキリしてスーツを着て部屋に戻った。
途中バッグを見つけた。
数時間前の忘れ物。
寝室の方から音がする。
着替えをしてるんだろうか?
パジャマだったかな?
リビングに行ってソファに座る。
緊張する、ひたすら緊張する。
一緒に目覚めるパターンじゃない時は自分だけがちぐはぐな感じがする
普通じゃなくなった朝、毎回・・・・少ない経験だからそう多くもないけど・・・・どうしても心が落ち着かなくて浮足立つ。
さっきの夏越君は普通過ぎた。
せっせと自分のために準備もしてくれてたんだろう。
感謝なのに、一緒に起きたかったとか言ったらいけないのに。
小さく音楽がかかってる。
日本語じゃないそれに耳を傾ける。
誰なんだろう?
音楽の話はしたことがない。
趣味も分からない。
それ以外にも知らないことは多い。
大人しくソファに座ってるのに、しゃっきりと背中が伸びてしまう。
ああ、お腹空いた。
ご飯食べたい。
こんな時間なのに食べてないなんて、多分初めてってくらい。
お腹空いたおよぅ。
思わず背中も丸くなった。
「遥、お腹痛いのか?」
ビックリした、そこにいたの?
首を振る。正直に食事がしたいと伝えたい。
「寝すぎだし。」
それは半分しか私のせいじゃない。
起こしてくれてもいいし、いろんな意味で加減してくれてもいいはず。
「待ってて。」
そう言ってキッチンに立つ夏越君。
冷蔵庫の扉が開いて閉じて、カサカサと音がして、しばらく待つ。
香ばしい香りがやってきました。
トースト!
コーヒーもいれてくれて、チンという音で出来上がりも知らされて。
もう涎が・・・・。
手にお皿を持って振り返った夏越君がぎょっとするくらい、楽しみに待っていた状態まるわかりだったかもしれない。
急いで手伝いに立つ。
持たされたカップとお皿。
そのままキッチンで作業をしてからやってきた夏越君。
待ってました!!
さすがに『待て!』状態でコーヒーを口にしただけ。
隣に座って、どうぞと言われたのが、『食べてよし!』そう聞こえた。
「・・・・火傷するなよ。」
「んむむっ。」
返事をしてしばらく食べるのに集中する。
本当にお腹空いていた。
人に用意してもらうと何でこんなにおいしく感じるんだろう。
ようやく落ち着いてコーヒーのおかわりまでもらってソファにもたれる。
既に緊張感はどこへやら。
ただ、スーツなのが苦痛だ。
さすがに着替えたい。
昨日から同じ服だし。
洗い物までやってくれた。
きちんと起き上がりお礼を言って、立ち上がった。
数時間前に寝室に置き去りにされたバッグは部屋の入口に運ばれていた。
そこまで行って、手にする。
「じゃあ、本当にありがとう。」
そう言って玄関に向かったら呆れた声が追いかけてきた。
「嫌にあっさりしてるなあ。今日は土曜日ですが、分かってる?」
「分かってるよ、当たり前だし。」
「『明日は何するの?』くらいの確認もなし?」
「明日は何するの?」
言われた通り聞いてみた。
「出来立ての彼女とデートしようと思ってる。」
「そう。」
なんて答えたけど嬉しさが隠せない。
普通に誘ってくれればいいのに。
何で私に言わせたいのよ!
「で、遥さんは、どうするの?」
「出来立ての彼氏がデートに誘ってくれるのを待つ。」
「ふ~ん、誘われたいところでもあるの?」
「どこでもいい。」
大きな声で答えてた。
「じゃあ、夜に電話するから考えといて。送って行くよ。」
「ありがとう。」
一緒にマンションを出た。
朝ひとりで出て、立ち止まったのがずいぶん昔のように感じる。
「さっき、あっさり帰ろうとしてたよな。」
「だって、あんまりゴロゴロしてたら、迷惑かもって思ったし。」
「思ったし?何?」
「早く着替えたい。スーツなんて着てたら寛げない。」
「まあな。それで、先輩に紹介してもらう年上大人男子はどうするの?」
「・・・・・諦める。」
「随分残念そうに聞こえる言い方だなあ。せめて『断る』って言って欲しいけど。」
「同じだし。しばらく様子を見るって言う。」
「しばらくって・・・・。何て言うんだよ。」
「・・・・・・好きな人がいるって言ってみる。」
「ふ~ん。」
「そっちこそどうするの?」
「何を?」
「あの二人、・・・・・のうち一人・・・だと思う。」
「仮に何か言われたとしても、断る。ラブラブな彼女がいるって言う。大体しばらく参加しなくてもいいくらいだし。」
「いきなり不参加になったら変じゃない?」
「別に。」
気にしないらしい。
そうはいかないと思ってるんだけど。
鞠に誘われたら、行くよ。多分行くよ。
でも誰と話をしよう。
他にも話をする人を作らなくてはいけない、ランチの仲間が参加してないから
鞠がいないと捨て子みたいになってしまう。
やっぱり世の中にはスイスイと生きてる人はいる。
そして自分は全然、ずぶずぶなのだ。
ベッド下に落ちている服は一ケ所にまとまっていた。
取りあえず半分くらいつけて部屋を出た。
明るい部屋からコーヒーの匂いと微かに音楽が聞こえてきた。
「あの・・・・。」
ソファでパソコンを見ていた夏越君が顔をあげた。
「お風呂にいろいろ置いてる。使っていいよ。」
「はい。」
大人しく返事してシャワーを借りた。
本当に一通り用意してあった。
スッキリしてスーツを着て部屋に戻った。
途中バッグを見つけた。
数時間前の忘れ物。
寝室の方から音がする。
着替えをしてるんだろうか?
パジャマだったかな?
リビングに行ってソファに座る。
緊張する、ひたすら緊張する。
一緒に目覚めるパターンじゃない時は自分だけがちぐはぐな感じがする
普通じゃなくなった朝、毎回・・・・少ない経験だからそう多くもないけど・・・・どうしても心が落ち着かなくて浮足立つ。
さっきの夏越君は普通過ぎた。
せっせと自分のために準備もしてくれてたんだろう。
感謝なのに、一緒に起きたかったとか言ったらいけないのに。
小さく音楽がかかってる。
日本語じゃないそれに耳を傾ける。
誰なんだろう?
音楽の話はしたことがない。
趣味も分からない。
それ以外にも知らないことは多い。
大人しくソファに座ってるのに、しゃっきりと背中が伸びてしまう。
ああ、お腹空いた。
ご飯食べたい。
こんな時間なのに食べてないなんて、多分初めてってくらい。
お腹空いたおよぅ。
思わず背中も丸くなった。
「遥、お腹痛いのか?」
ビックリした、そこにいたの?
首を振る。正直に食事がしたいと伝えたい。
「寝すぎだし。」
それは半分しか私のせいじゃない。
起こしてくれてもいいし、いろんな意味で加減してくれてもいいはず。
「待ってて。」
そう言ってキッチンに立つ夏越君。
冷蔵庫の扉が開いて閉じて、カサカサと音がして、しばらく待つ。
香ばしい香りがやってきました。
トースト!
コーヒーもいれてくれて、チンという音で出来上がりも知らされて。
もう涎が・・・・。
手にお皿を持って振り返った夏越君がぎょっとするくらい、楽しみに待っていた状態まるわかりだったかもしれない。
急いで手伝いに立つ。
持たされたカップとお皿。
そのままキッチンで作業をしてからやってきた夏越君。
待ってました!!
さすがに『待て!』状態でコーヒーを口にしただけ。
隣に座って、どうぞと言われたのが、『食べてよし!』そう聞こえた。
「・・・・火傷するなよ。」
「んむむっ。」
返事をしてしばらく食べるのに集中する。
本当にお腹空いていた。
人に用意してもらうと何でこんなにおいしく感じるんだろう。
ようやく落ち着いてコーヒーのおかわりまでもらってソファにもたれる。
既に緊張感はどこへやら。
ただ、スーツなのが苦痛だ。
さすがに着替えたい。
昨日から同じ服だし。
洗い物までやってくれた。
きちんと起き上がりお礼を言って、立ち上がった。
数時間前に寝室に置き去りにされたバッグは部屋の入口に運ばれていた。
そこまで行って、手にする。
「じゃあ、本当にありがとう。」
そう言って玄関に向かったら呆れた声が追いかけてきた。
「嫌にあっさりしてるなあ。今日は土曜日ですが、分かってる?」
「分かってるよ、当たり前だし。」
「『明日は何するの?』くらいの確認もなし?」
「明日は何するの?」
言われた通り聞いてみた。
「出来立ての彼女とデートしようと思ってる。」
「そう。」
なんて答えたけど嬉しさが隠せない。
普通に誘ってくれればいいのに。
何で私に言わせたいのよ!
「で、遥さんは、どうするの?」
「出来立ての彼氏がデートに誘ってくれるのを待つ。」
「ふ~ん、誘われたいところでもあるの?」
「どこでもいい。」
大きな声で答えてた。
「じゃあ、夜に電話するから考えといて。送って行くよ。」
「ありがとう。」
一緒にマンションを出た。
朝ひとりで出て、立ち止まったのがずいぶん昔のように感じる。
「さっき、あっさり帰ろうとしてたよな。」
「だって、あんまりゴロゴロしてたら、迷惑かもって思ったし。」
「思ったし?何?」
「早く着替えたい。スーツなんて着てたら寛げない。」
「まあな。それで、先輩に紹介してもらう年上大人男子はどうするの?」
「・・・・・諦める。」
「随分残念そうに聞こえる言い方だなあ。せめて『断る』って言って欲しいけど。」
「同じだし。しばらく様子を見るって言う。」
「しばらくって・・・・。何て言うんだよ。」
「・・・・・・好きな人がいるって言ってみる。」
「ふ~ん。」
「そっちこそどうするの?」
「何を?」
「あの二人、・・・・・のうち一人・・・だと思う。」
「仮に何か言われたとしても、断る。ラブラブな彼女がいるって言う。大体しばらく参加しなくてもいいくらいだし。」
「いきなり不参加になったら変じゃない?」
「別に。」
気にしないらしい。
そうはいかないと思ってるんだけど。
鞠に誘われたら、行くよ。多分行くよ。
でも誰と話をしよう。
他にも話をする人を作らなくてはいけない、ランチの仲間が参加してないから
鞠がいないと捨て子みたいになってしまう。
やっぱり世の中にはスイスイと生きてる人はいる。
そして自分は全然、ずぶずぶなのだ。
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