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12 目覚めが悪いと分かった朝から嬉しい一日が始まる予感の日。
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聞きなれないアラームに気がついたときはすっかり朝で。
横で身じろぎするけど一向に目覚めない彼女がいる。
意外に朝は弱いのかな?
「真奈さん、朝だよ。起きる時間?」
「ぅうん、ねむいよう。」
声はすっかり戻ってる気がするけど、寝ぼけた声はなんだか幼い声だった。
可愛い。昨日上げていた色っぽい声もいいけど、これまた甘えた声が可愛い。
すこし気を許してもたれてきてもなかなかこんな甘い声で甘えてくれない。
もっと聞きたい気がする。目覚ましに反応しない当たり半覚醒だろう。
「まな、サノマルに挨拶しよう。待ってるよ。」
まだ起きださない。
今までよく遅刻せずに起きれてたもんだ。
アラームはまだ鳴っている。
「まな、遅刻はダメだよ。起きて起きて。」
髪をかき分けておでこにキスをしてみる。ぼんやりと目が開いてきた。
ビックリして後ろに下がった彼女。
「おはよう、真奈さん。」
はたと思い当たったらしく挨拶を返してくれる。
「おはようございます。」
目覚ましを渡してとりあえず止めてもらう。
「真奈さん、準備しなくちゃ。コーヒーとパンは僕が準備するから他はいつものようにどうぞ。」
もう一度おでこにキスをして先にベッドから降りる。
顔を軽く水洗いしてさっぱりする。
背伸びをしてカーテンを開く。
明るい朝の陽ざしが入り込む。
コーヒーを二人分セットして、パンを焼く。
ようやく起きだした真奈さんがのろのろとバスルームに行く。
顔を洗って肌を整えた彼女はようやく目が覚めたようだ。
「サノマルに挨拶は?」
「・・・ん?・・・サノマル・・・・・・って何で知ってるんですか?」
そりゃ当然驚くだろうけど。
「だって昨日そう呼んでたから。」
「・・・・・っ。」
声にならない恥ずかしさに顔は真っ赤になっている。
すっかりはっきり目が覚めただろう。
下を向いて酷いと繰り返す。
「かわいい名前だね、サノマル。ふてぶてしくなってなきゃいいけど。でも、違う名前で呼ばれてるだろうからいいか。真奈さんがつけたこの部屋限定の名前だもんね。」
後ろを向いて寝室に行った。ついでに着替えをしてるらしい音がする。
「着替え終わった?朝ごはんばっちりできました!」
寝室もカーテンが開けられて明るくなっている。
着替えをして化粧をした彼女が出てくる。
「あの・・・・枕の下に見慣れないものがありました、頭の方にも。」
「あ、ごめん、忘れてた。置いといてくれる?又使うよね。」
「久しぶりって言ったのに・・・・。」
「そうだよ、わざわざ遠くのドラッグストアで買いました。小学生を迎えに行く途中だったからドキドキだよね。バッグの中に入るサイズで良かった。」
「当たり前です。何で仕事中に買ったんですか?」
「だってこの近くじゃ買えないしね。」
「真奈さん、間違って捨てないでね。」
「捨てません。」
「良かった。じゃあまたすぐに使うから。大切に保管してて。」
朝ごはんの前に座り食事をする。
「いいね、こういうの。」
彼女がこっちを向く。
さっきまでちょっとからかいすぎたせいか疑うような視線になってる。
「どうしたの?」
「いいえ。別に。」ふいとそらされた視線。
「そういえば、寝起き悪いんだね。随分アラーム鳴ってたよ。」
「ううう・・・・っ。」
「でもおかげですっごくかわいい声が聞けた。」
「な、なんですか?」
「眠いって言った声が寝ぼけてたのかすごく可愛かった。」
「?」
首をかしげる彼女。
「甘い声で可愛かった。いつかあんな声でおねだりされたい声だった。」
「知りません。ちょっと寝起きは自信がなくて。」
「いいこと聞いちゃったかも。」
ニコニコとしてる自分にムッとする表情を見せる彼女。
「真奈さん、時間大丈夫?続きはまたね。」
自分も着替えて荷物をまとめる。支度を終えて一緒に出かけ、途中で彼女と別れて自分の部屋へ向かう。
さて、今日もいい一日になりそうだ。
別れたばかりなのにまた今日も彼女に会いたくてあの部屋に行きそうだ。
どのくらいなら嫌がられないろう。
そんなことを考えながら見知った街並を自転車で走る。
せめて、次の約束をして来ればよかった。
掃除洗濯をして約束の時間よりは早めだけど部屋を出る。
横で身じろぎするけど一向に目覚めない彼女がいる。
意外に朝は弱いのかな?
「真奈さん、朝だよ。起きる時間?」
「ぅうん、ねむいよう。」
声はすっかり戻ってる気がするけど、寝ぼけた声はなんだか幼い声だった。
可愛い。昨日上げていた色っぽい声もいいけど、これまた甘えた声が可愛い。
すこし気を許してもたれてきてもなかなかこんな甘い声で甘えてくれない。
もっと聞きたい気がする。目覚ましに反応しない当たり半覚醒だろう。
「まな、サノマルに挨拶しよう。待ってるよ。」
まだ起きださない。
今までよく遅刻せずに起きれてたもんだ。
アラームはまだ鳴っている。
「まな、遅刻はダメだよ。起きて起きて。」
髪をかき分けておでこにキスをしてみる。ぼんやりと目が開いてきた。
ビックリして後ろに下がった彼女。
「おはよう、真奈さん。」
はたと思い当たったらしく挨拶を返してくれる。
「おはようございます。」
目覚ましを渡してとりあえず止めてもらう。
「真奈さん、準備しなくちゃ。コーヒーとパンは僕が準備するから他はいつものようにどうぞ。」
もう一度おでこにキスをして先にベッドから降りる。
顔を軽く水洗いしてさっぱりする。
背伸びをしてカーテンを開く。
明るい朝の陽ざしが入り込む。
コーヒーを二人分セットして、パンを焼く。
ようやく起きだした真奈さんがのろのろとバスルームに行く。
顔を洗って肌を整えた彼女はようやく目が覚めたようだ。
「サノマルに挨拶は?」
「・・・ん?・・・サノマル・・・・・・って何で知ってるんですか?」
そりゃ当然驚くだろうけど。
「だって昨日そう呼んでたから。」
「・・・・・っ。」
声にならない恥ずかしさに顔は真っ赤になっている。
すっかりはっきり目が覚めただろう。
下を向いて酷いと繰り返す。
「かわいい名前だね、サノマル。ふてぶてしくなってなきゃいいけど。でも、違う名前で呼ばれてるだろうからいいか。真奈さんがつけたこの部屋限定の名前だもんね。」
後ろを向いて寝室に行った。ついでに着替えをしてるらしい音がする。
「着替え終わった?朝ごはんばっちりできました!」
寝室もカーテンが開けられて明るくなっている。
着替えをして化粧をした彼女が出てくる。
「あの・・・・枕の下に見慣れないものがありました、頭の方にも。」
「あ、ごめん、忘れてた。置いといてくれる?又使うよね。」
「久しぶりって言ったのに・・・・。」
「そうだよ、わざわざ遠くのドラッグストアで買いました。小学生を迎えに行く途中だったからドキドキだよね。バッグの中に入るサイズで良かった。」
「当たり前です。何で仕事中に買ったんですか?」
「だってこの近くじゃ買えないしね。」
「真奈さん、間違って捨てないでね。」
「捨てません。」
「良かった。じゃあまたすぐに使うから。大切に保管してて。」
朝ごはんの前に座り食事をする。
「いいね、こういうの。」
彼女がこっちを向く。
さっきまでちょっとからかいすぎたせいか疑うような視線になってる。
「どうしたの?」
「いいえ。別に。」ふいとそらされた視線。
「そういえば、寝起き悪いんだね。随分アラーム鳴ってたよ。」
「ううう・・・・っ。」
「でもおかげですっごくかわいい声が聞けた。」
「な、なんですか?」
「眠いって言った声が寝ぼけてたのかすごく可愛かった。」
「?」
首をかしげる彼女。
「甘い声で可愛かった。いつかあんな声でおねだりされたい声だった。」
「知りません。ちょっと寝起きは自信がなくて。」
「いいこと聞いちゃったかも。」
ニコニコとしてる自分にムッとする表情を見せる彼女。
「真奈さん、時間大丈夫?続きはまたね。」
自分も着替えて荷物をまとめる。支度を終えて一緒に出かけ、途中で彼女と別れて自分の部屋へ向かう。
さて、今日もいい一日になりそうだ。
別れたばかりなのにまた今日も彼女に会いたくてあの部屋に行きそうだ。
どのくらいなら嫌がられないろう。
そんなことを考えながら見知った街並を自転車で走る。
せめて、次の約束をして来ればよかった。
掃除洗濯をして約束の時間よりは早めだけど部屋を出る。
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