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7 ちょっと苦手で誘いにくい人はいるのです。
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しばらく記憶は途絶えて、私は会話に不参加のまま、少ししたら起こされたらしい。
「弓削さん、30分経ったよ~。」
危機感もなく、二度目で慣れてくれたらしい。
優しく起こされた。
ぼんやりと顔をあげたら二人に見られてた。
そりゃあそうだ。
腕を伸ばして背伸びをした。
「ありがとう。スッキリした。」
本当に毎度毎度よく眠れるのだ。
そして目覚めもそこそこいい。
10秒くらいで元に戻る。
「ねえ、一言も『眠い』ってつぶやかないパターンもありなんだ。」
「本当?」
「うん、普通に話しをしてたのに、いきなり下を向いて静止したまま30分経過した状態だよ。」
「ごめん、すみません。」
卜部君に、その後葉加瀬さんに謝った。
「すごいね。ショートスリーパーじゃないよね。」
「違います。帰ったら良く寝ます。あくまでもお酒を飲み過ぎた場合の途中だけです。・・・でも、そんなに飲んだかな?あんまり記憶がない。本当に何時のタイミングで寝たのかも全く分からない。」
「もしかして覚えてない?」
「何を?」
卜部君と葉加瀬さんが顔を見合わせる。
「前の彼氏の文句を言ってた。」
あああ・・・・・・。
恥ずかしい。やっぱり飲み過ぎたんだと思う。
あんなにあっさりきれいさっぱり忘れたつもりなのに、心では罵りたかったらしい。
「未練はないです。」
一応宣言しておいた、いい訳とも言う。
ただその場合恨み節だけいつまでも愚痴る女みたいだ。
それもどうかと思う。
「すみません。油断し過ぎました。今度から気をつけます。飲み過ぎないように気をつけます。反省しました。」
「いいよ、別に。まあまあ・・・・楽しかった・・・かな。」
「そうだね。まあ、楽しかった・・・・かな?」
「何で二人とも言い切れないんですか?やっぱり面倒な感じでした?鬱陶しい感じでした?本当に反省です。初めてです、いつもは眠いと言ってから寝るんです。」
「別にそこはいいよ。」
「藍那ちゃん、他に誰かと飲みに行くの?」
「全然です。本当に1人なんです。だから卜部君が彼女を作るまではお世話になろうかと。あとは林さんと少しは仲良くなれた感じなので、その内勇気をもって誘いたいです。彼女がいるとかいないとか、まだそんな話も出来てないんです。だからまだまだです。」
「じゃあ、葛城さんは?」
「確か葛城さんに話しかけやすいかどうかと、そんな話もしてた気がします。話しかけるのも無理なのに、飲みに行きましょう、なんて誘えるわけないです。」
声が低くなった気もした。
もうはっきり言ったから、冗談めかすよりも本気で言う。真実だ。
「じゃあ、僕が今度誘ってみようかな?」
卜部君が言う。
やっぱりそんな感じなんだ。
そんな事言い出せそうな感じなんだ。
「卜部君、チャレンジャーだね。」
「一緒に飲みに行ってみようよ。」
「・・・・・私は・・・・無理だと思う。緊張して飲めない、眠くなっても寝れない。」
「この間ぐっすり寝てたじゃない、一度経験すれば大丈夫だと思うよ。あの時も面白がってたよ。」
「葛城さんが?」
「うん、心配した後、変な癖だなあって。」
それを面白がってるととるか、呆れてるとるか。
やっぱりいい人なんだろう卜部君。
とりあえず卜部君と葉加瀬さんはギリギリセーフの飲み仲間としていいらしい。
葉加瀬さんもいい人だ。
是非林さんも加わってもらいたい。
そう、まずは林さん、そう思ってた。
「金曜日は楽しかったの?」
林さんに早速そう聞かれた。
「はい。貴重な飲み仲間です。卜部君は本当にいい人です。」
「葉加瀬さんも一緒に飲んだんでしょう?」
「はい。二人ともいい人です。」
「途中思いっきり寝たんだって。」
笑顔で聞いてきた林さん。
私の笑顔は固まった。
「何で知ってるんですか?」
「さっき卜部君に聞いたよ。弓削さんと飲むときの注意点だからって。」
卜部君・・・・いい人ってずっと褒めてたのに。
勝手にバラしたら誘いにくくなるじゃない。
「今度一緒に飲もうって誘われたよ。葛城さんも見学済みのその変わった現象を僕も楽しみにしてるからね。」
「そう言われたら飲めないじゃないですか。毎回毎回って訳じゃないです。絶対ダメなときは一杯しか飲まないようにして気をつけてます。」
「いいんじゃない。みんな知ってるんだから遠慮しないで飲んでも。むしろ我慢して電車の中で『眠い』ってつぶやいて寝るよりいいよね。乗り過ごすどころじゃなくて、もっと危険なこともあるしね。」
「そうならないように気をつけてます。無理はしないでファミレスに入ったり、カラオケルームに行ったりします。」
「とりあえず今度は僕も見学したいから、飲んでいいよ。葛城さんも最初から見たいって。」
「なんでそこで葛城さんが出て来るんですか?」
「一緒に誘われたから。今まで本当に飲んでないんだよね。やっぱり二人より三人だね。卜部君があんなに楽しそうに言うと僕も興味津々。」
卜部君、何を言ったの?
そんなに面白かった?
一回目と何かが違った?
いきなりの電池切れがそんなに面白かったの?
それとも元カレのエピソードの事?
後で聞こう。
この話は実現するの?
葛城さんも・・・・・?
「そういえば葛城さんは?」
「外出中。お昼を食べて、そのまま出かけるって。」
「珍しいですね。」
「そうだね。最近はそうだね。」
林さんは全く疑ってないし、調べ物だろうってこの間言ってた。
お昼時間は一緒に食べて、その後出かけたんだよね?
まさか・・・・・あそこじゃないよね。それはサボりだしね・・・・。
本当に????
一応あそこではひざ掛けを借りて猫を抱くこともできるし、最初と最後は手を洗い消毒してもらう。服に着いた毛をとれるようにブラシや専用のテープ(ガムテープじゃない本当の専用の物)が置いてある。
帰ってきたら観察しちゃいそう。
どこかに猫の毛がついてないかジッと見ちゃいそう。
「林さん、分社化してから何か変わりましたか?」
「どうだろう。僕もそれほど語れないからね。でも前は僕と葛城さん二人だったんだ。もう一人が辞めたのが夏くらいで、その後ずっと二人で。だから今は新しく加わってくれた弓削さんが立派に独り立ちしてくれて僕も葛城さんも楽になってるよ。」
「本当にそう思ってもらえてますか?」
「もちろん。僕も何とか慣れて二年目になって、弓削さんも慣れてきたし、随分葛城さんの負担は減ってるって、そう言ってたよ。良かったよね。頑張ろうね。」
葛城さんがそう言ったの?本当に?
すごくうれしい。
この際、『可』でもいい、一人前って認めてもらって役に立ってると思ってもらえるなら。
私も二年目になる頃にはもっと違う評価をしてもらえるようにしたいし、頑張りたい。
「良かったね。」
林さんにまた言われた。
「はい。もっと役に立てるように頑張ります。」
「十分役に立ってるって。」
笑ってそう言われた。
林さんもいい人。
話せば話すほどいい人ポイントが上がる。
葛城さんも聞けば聞くほど普通の人らしさが出てくる。
もっと私にも普通に接して欲しい。
あれが普通と言われたら・・・・・そう思うしかないのか。
もっと笑顔とか、愛想とか、賞賛の言葉とか期待したらいけないのか。
それは本当にもっともっと必要な時だけなのかもしれない。
それはいつ?
午前中の続きで仕事をしていたら、葛城さんが帰って来た。
「お疲れ様です。」
林さんと一緒に声をかけた。
「ああ、お疲れ。」
目が合うよりもスーツを見た。
見えない。猫の毛はない。
もしあのお気に入りのあの子の毛だったら白っぽいグレーだし、目立つと思う。
あの頃も念入りに毛を払って取ってはいた気もする。
袖や腰にもないだろうか?
ない・・・・・。
一本の毛も確認できず。
本当に調べ物だったのかもしれない。
そう思おう。
あそこで一時間過ごして往復してくるにはぴったりの時間くらいだなんて、そんな事は考えない、考えない、・・・・考えないことにしよう。
少しの残業で自分に与えられた仕事は終わる。
林さんもそう。
仕事に余裕が出来たと言うのはあり得るとは思う。
いつも最後まで残る葛城さんもそれほど遅くまで仕事してるわけじゃないみたいだ。
多分私と林さんには無理のない分をお願いしてるんだろう。
「これお願いします。」
「ああ。」
頼まれた分を仕上げて渡す。
チラリと見て、了解という視線を投げられる。
それを後でよく見て後日不足があれば突き返される。
「じゃあ、お先に失礼いたします。」
今日の分は終わり、明日は今日の分の仕上がり次第。
荷物を持ってトイレに寄ってから会社を出る。
平日、まっすぐ自分の部屋に帰ると意外に時間はある。
まだまだ贅沢が出来るお給料はもらってない。
自炊をして食事をして、明日の準備をして、あとは適当に過ごす。
大学の時はあんなに毎日連れ立って一緒にいても、今はすっかりそれぞれの環境が違ってしまった。
連絡は夜に、愚痴のように、プライベート情報の交換の様に。
そして時々週末誘い合うこともある。
それもちょっとだけ。
やっぱり会社でも仲良くできる人が欲しい。
皆は苦手だと思ったり、はっきり嫌いだと思ったりする人がいるとも呟いてる。
でも仲良く話が出来る友達もいるみたいで。
マイナス面とプラス面。
苦手な人ができるのとその分仲がいい人が出来るのと、どっちもない今の私。
どっちがいいのだろう。
そう思ったのに葛城さんの顔が浮かんだ。
ああ・・・やっぱり苦手は苦手なんです。すみません。
一番お世話になってるのに・・・・・。
「弓削さん、30分経ったよ~。」
危機感もなく、二度目で慣れてくれたらしい。
優しく起こされた。
ぼんやりと顔をあげたら二人に見られてた。
そりゃあそうだ。
腕を伸ばして背伸びをした。
「ありがとう。スッキリした。」
本当に毎度毎度よく眠れるのだ。
そして目覚めもそこそこいい。
10秒くらいで元に戻る。
「ねえ、一言も『眠い』ってつぶやかないパターンもありなんだ。」
「本当?」
「うん、普通に話しをしてたのに、いきなり下を向いて静止したまま30分経過した状態だよ。」
「ごめん、すみません。」
卜部君に、その後葉加瀬さんに謝った。
「すごいね。ショートスリーパーじゃないよね。」
「違います。帰ったら良く寝ます。あくまでもお酒を飲み過ぎた場合の途中だけです。・・・でも、そんなに飲んだかな?あんまり記憶がない。本当に何時のタイミングで寝たのかも全く分からない。」
「もしかして覚えてない?」
「何を?」
卜部君と葉加瀬さんが顔を見合わせる。
「前の彼氏の文句を言ってた。」
あああ・・・・・・。
恥ずかしい。やっぱり飲み過ぎたんだと思う。
あんなにあっさりきれいさっぱり忘れたつもりなのに、心では罵りたかったらしい。
「未練はないです。」
一応宣言しておいた、いい訳とも言う。
ただその場合恨み節だけいつまでも愚痴る女みたいだ。
それもどうかと思う。
「すみません。油断し過ぎました。今度から気をつけます。飲み過ぎないように気をつけます。反省しました。」
「いいよ、別に。まあまあ・・・・楽しかった・・・かな。」
「そうだね。まあ、楽しかった・・・・かな?」
「何で二人とも言い切れないんですか?やっぱり面倒な感じでした?鬱陶しい感じでした?本当に反省です。初めてです、いつもは眠いと言ってから寝るんです。」
「別にそこはいいよ。」
「藍那ちゃん、他に誰かと飲みに行くの?」
「全然です。本当に1人なんです。だから卜部君が彼女を作るまではお世話になろうかと。あとは林さんと少しは仲良くなれた感じなので、その内勇気をもって誘いたいです。彼女がいるとかいないとか、まだそんな話も出来てないんです。だからまだまだです。」
「じゃあ、葛城さんは?」
「確か葛城さんに話しかけやすいかどうかと、そんな話もしてた気がします。話しかけるのも無理なのに、飲みに行きましょう、なんて誘えるわけないです。」
声が低くなった気もした。
もうはっきり言ったから、冗談めかすよりも本気で言う。真実だ。
「じゃあ、僕が今度誘ってみようかな?」
卜部君が言う。
やっぱりそんな感じなんだ。
そんな事言い出せそうな感じなんだ。
「卜部君、チャレンジャーだね。」
「一緒に飲みに行ってみようよ。」
「・・・・・私は・・・・無理だと思う。緊張して飲めない、眠くなっても寝れない。」
「この間ぐっすり寝てたじゃない、一度経験すれば大丈夫だと思うよ。あの時も面白がってたよ。」
「葛城さんが?」
「うん、心配した後、変な癖だなあって。」
それを面白がってるととるか、呆れてるとるか。
やっぱりいい人なんだろう卜部君。
とりあえず卜部君と葉加瀬さんはギリギリセーフの飲み仲間としていいらしい。
葉加瀬さんもいい人だ。
是非林さんも加わってもらいたい。
そう、まずは林さん、そう思ってた。
「金曜日は楽しかったの?」
林さんに早速そう聞かれた。
「はい。貴重な飲み仲間です。卜部君は本当にいい人です。」
「葉加瀬さんも一緒に飲んだんでしょう?」
「はい。二人ともいい人です。」
「途中思いっきり寝たんだって。」
笑顔で聞いてきた林さん。
私の笑顔は固まった。
「何で知ってるんですか?」
「さっき卜部君に聞いたよ。弓削さんと飲むときの注意点だからって。」
卜部君・・・・いい人ってずっと褒めてたのに。
勝手にバラしたら誘いにくくなるじゃない。
「今度一緒に飲もうって誘われたよ。葛城さんも見学済みのその変わった現象を僕も楽しみにしてるからね。」
「そう言われたら飲めないじゃないですか。毎回毎回って訳じゃないです。絶対ダメなときは一杯しか飲まないようにして気をつけてます。」
「いいんじゃない。みんな知ってるんだから遠慮しないで飲んでも。むしろ我慢して電車の中で『眠い』ってつぶやいて寝るよりいいよね。乗り過ごすどころじゃなくて、もっと危険なこともあるしね。」
「そうならないように気をつけてます。無理はしないでファミレスに入ったり、カラオケルームに行ったりします。」
「とりあえず今度は僕も見学したいから、飲んでいいよ。葛城さんも最初から見たいって。」
「なんでそこで葛城さんが出て来るんですか?」
「一緒に誘われたから。今まで本当に飲んでないんだよね。やっぱり二人より三人だね。卜部君があんなに楽しそうに言うと僕も興味津々。」
卜部君、何を言ったの?
そんなに面白かった?
一回目と何かが違った?
いきなりの電池切れがそんなに面白かったの?
それとも元カレのエピソードの事?
後で聞こう。
この話は実現するの?
葛城さんも・・・・・?
「そういえば葛城さんは?」
「外出中。お昼を食べて、そのまま出かけるって。」
「珍しいですね。」
「そうだね。最近はそうだね。」
林さんは全く疑ってないし、調べ物だろうってこの間言ってた。
お昼時間は一緒に食べて、その後出かけたんだよね?
まさか・・・・・あそこじゃないよね。それはサボりだしね・・・・。
本当に????
一応あそこではひざ掛けを借りて猫を抱くこともできるし、最初と最後は手を洗い消毒してもらう。服に着いた毛をとれるようにブラシや専用のテープ(ガムテープじゃない本当の専用の物)が置いてある。
帰ってきたら観察しちゃいそう。
どこかに猫の毛がついてないかジッと見ちゃいそう。
「林さん、分社化してから何か変わりましたか?」
「どうだろう。僕もそれほど語れないからね。でも前は僕と葛城さん二人だったんだ。もう一人が辞めたのが夏くらいで、その後ずっと二人で。だから今は新しく加わってくれた弓削さんが立派に独り立ちしてくれて僕も葛城さんも楽になってるよ。」
「本当にそう思ってもらえてますか?」
「もちろん。僕も何とか慣れて二年目になって、弓削さんも慣れてきたし、随分葛城さんの負担は減ってるって、そう言ってたよ。良かったよね。頑張ろうね。」
葛城さんがそう言ったの?本当に?
すごくうれしい。
この際、『可』でもいい、一人前って認めてもらって役に立ってると思ってもらえるなら。
私も二年目になる頃にはもっと違う評価をしてもらえるようにしたいし、頑張りたい。
「良かったね。」
林さんにまた言われた。
「はい。もっと役に立てるように頑張ります。」
「十分役に立ってるって。」
笑ってそう言われた。
林さんもいい人。
話せば話すほどいい人ポイントが上がる。
葛城さんも聞けば聞くほど普通の人らしさが出てくる。
もっと私にも普通に接して欲しい。
あれが普通と言われたら・・・・・そう思うしかないのか。
もっと笑顔とか、愛想とか、賞賛の言葉とか期待したらいけないのか。
それは本当にもっともっと必要な時だけなのかもしれない。
それはいつ?
午前中の続きで仕事をしていたら、葛城さんが帰って来た。
「お疲れ様です。」
林さんと一緒に声をかけた。
「ああ、お疲れ。」
目が合うよりもスーツを見た。
見えない。猫の毛はない。
もしあのお気に入りのあの子の毛だったら白っぽいグレーだし、目立つと思う。
あの頃も念入りに毛を払って取ってはいた気もする。
袖や腰にもないだろうか?
ない・・・・・。
一本の毛も確認できず。
本当に調べ物だったのかもしれない。
そう思おう。
あそこで一時間過ごして往復してくるにはぴったりの時間くらいだなんて、そんな事は考えない、考えない、・・・・考えないことにしよう。
少しの残業で自分に与えられた仕事は終わる。
林さんもそう。
仕事に余裕が出来たと言うのはあり得るとは思う。
いつも最後まで残る葛城さんもそれほど遅くまで仕事してるわけじゃないみたいだ。
多分私と林さんには無理のない分をお願いしてるんだろう。
「これお願いします。」
「ああ。」
頼まれた分を仕上げて渡す。
チラリと見て、了解という視線を投げられる。
それを後でよく見て後日不足があれば突き返される。
「じゃあ、お先に失礼いたします。」
今日の分は終わり、明日は今日の分の仕上がり次第。
荷物を持ってトイレに寄ってから会社を出る。
平日、まっすぐ自分の部屋に帰ると意外に時間はある。
まだまだ贅沢が出来るお給料はもらってない。
自炊をして食事をして、明日の準備をして、あとは適当に過ごす。
大学の時はあんなに毎日連れ立って一緒にいても、今はすっかりそれぞれの環境が違ってしまった。
連絡は夜に、愚痴のように、プライベート情報の交換の様に。
そして時々週末誘い合うこともある。
それもちょっとだけ。
やっぱり会社でも仲良くできる人が欲しい。
皆は苦手だと思ったり、はっきり嫌いだと思ったりする人がいるとも呟いてる。
でも仲良く話が出来る友達もいるみたいで。
マイナス面とプラス面。
苦手な人ができるのとその分仲がいい人が出来るのと、どっちもない今の私。
どっちがいいのだろう。
そう思ったのに葛城さんの顔が浮かんだ。
ああ・・・やっぱり苦手は苦手なんです。すみません。
一番お世話になってるのに・・・・・。
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