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10 日曜日、子猫は昼寝の時間です。
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「何かできることはない?」
「このまま、しばらくこのままいてください。」
彼女の手が自分に回る。
自分だけで彼女の豊かな表情を楽しみたいと思ったけど、今はもっとみんなの中で笑う彼女も見たいと思う。
彼女が自分らしくいれるように。小さな独占欲は捨てていいから。
ぎゅっと抱きしめて体を撫でる。
苦しかったのか彼女の顔が上に向くのが分かった。
「あ、ごめん。」
少し腕を緩めて見下ろす。
彼女と目が合う。
ふたりはそのままの状態で・・・・・。
少し自分が動いた。
顔が近づいても逃げられるそぶりもなく。
ゆっくり目を閉じた彼女の顔を見ながらキスをした。
昨日とは違う、唇に。
彼女の手が自分の肩に動く。
ゆっくりキスを繰り返しても嫌がられる様子もない。
頬に手を当てると指先が耳に触れる、赤く熱を持つその耳に。
髪をかけてキスをしながらささやく。
「すごく、大好きなんだ。」
彼女の手が肩から自分の顔に動く。
顔を離して見つめ合う。
「私も。一緒にいたいんです。」
「もうずっと一緒にいるけど。」本当に長い時間。
想像と予定と妄想すら超えた長い時間。
そんな事を思い笑ってしまう自分。
「・・・・・そんな・・・そんな笑顔は私だけの物じゃないです。皆が知ってる町野さんです。知りたいです。私も、誰も知らない町野さんを。」
そんな事を思われるとは思ってなかった。
誰も知らない自分・・・・どんな自分?
何のことだ、いっそ誰の事だろう?みたいな。
「難しい、そんな隠された顔なんてないよ。」
正直に言ったつもりなのに。
納得してもらえないようで。
しばらく見つめ合った後に明らかに肩を落とされた。
ゆっくり視線も落ちる。
何を期待されてるんだろう。もっと甘い言葉をささやいてほしいのだろうか?
冗談みたいなものじゃなくて、ドラマのようなセリフのような言葉を。
強引なものが好み?それともやっぱり青春ドラマ系?
「私は・・・昨日言いました。帰りたくなかったのに、町野さんは子猫を連れて帰ってくださいって。どうしてそうなるんですか?何にも感じてくれない、ちゃんと聞きましたよね?・・・やっぱり鈍感です。」
昨日も言われた気がする、鈍感だと。
その前に帰りたくないなんて・・・そんなこと言われたか?
とんと思い当たらない。
自分はそんな幸せのチャンスを見逃したのか?
「えっと、猫と一緒に寝たいと聞いた気がします。子猫を貸し出したら、絶対今日連れてきてくれると、今日も絶対ここに来てくれると思って、猫質みたいな・・・。」
自分の浅慮を暴露する。
「今日は帰ります。」
え~・・・もう?何で?また何かした?もしくは、しな過ぎたことで??
「今日は・・・・明日仕事だしずっとは無理だから。でももっともっと暗くなるまでいていいですか?」
「はい、もちろん。」否はなし。
・・・・・は~、びっくりした・・・何だ一体?
やっぱり難しい。昨日だって、そんな大胆な提案ならもっとストレートにしてもらいたい。
ん?
暗くなるまでってあと何時間ある?その前の帰ります宣言・・・???
ものすごい勢いで脳内のシナプスが活動し、あらゆる情報を吟味しながら思考して彼女の言いたいことを自分言語に変換しようとする。
んん?
「町野さん・・・・やっぱり何も感じてくれないんですか?それとも私は魅力ないですか?」
あああ・・・・・、そういうことでいいのだろうか?
彼女の顔を見て確かめる。
真っ赤になった目元を見てちょっとだけ至った結論に自信が出てきた・・・・気がする。
さっきまで距離感さえ気を遣ってたのに。本当に?
「あの・・・合ってるのかな?ちょっと昨日の昼のトラウマが・・・。」
「・・・・合ってます。奥の部屋に連れて行ってもらえませんか?」
マジマジマジ?
ストレート過ぎる提案に言語化不能。それにお昼の時間ですけど。
寝るには早すぎるというか・・・・。
そう思ったのに身体の方は反射的に動いて。
キスをした。さっきよりもっと濃いキスを。
もはや距離感も何もなく彼女も抱きついてくる。
彼女が吐息を漏らすのを聞きながら体に触れる。
明らかな意思を持った自分の手が彼女の服を捲る。
顔や手、背中以外で初めて触れる。
やっぱり細い。シリアルバーなんかじゃダメだよ。
自分の服も引き出されて捲られて。
彼女の細い指が背中を駆け上がるのを感じる。
くすぐったいような感触に体が揺れる。
また昼間で、部屋も明るい。
後ろには大きな窓があって薄いカーテンが引かれてる。
さすがにここでじゃない。
彼女の耳元でささやく。
「奥に行こう。」
彼女が望むなら。自分に異存のあるはずもなく。
一緒に立ち上がり手をつないで寝室へ行く。
しまった、寝室も明るい。
窓も閉めて、カーテンを閉めて、うす暗くなった部屋。
彼女がベッドの横に立っている。
ゆっくりそばに歩いて行き、抱きしめる。
気にはなっていたのだか、彼氏はいたのだろう。
きっと彼女の事を理解してくれる人がいたのだろう。
すっかり初めてだと思っていたのを申し訳なく思う。
「ね、気持ちを聞いてもいい?僕は麻美さんが大好きなんだけど。」
「もちろん、私も大好きです。」
「良かった。」キスをする。
自分で服を脱いで下着だけになる。
彼女が動かないのでちょっと恥ずかしくなる。
まさかここにきて勘違い・・・・もないだろうけど。心変わり?
すでに服は乱れていて。脱がせるべきか、自分で脱いでもらうべきか。
ゆっくり彼女が自分の服に手をかけた。
大きく安堵の息が漏れたのを隠す。
隣の音楽は静かすぎてドアを閉めたこの部屋までは届かない。
彼女が服を床に落とす音が大きく感じられて。
見てるのもなんだか変だし・・・・。
思い出した、必要なものは。
背中を向けた時にバサッとまた大きな音がした。
先にベッドにもぐりこむ音を聞きながら久しぶりに手にしたものを握りこんでベッドに向かう。
何とか冷静を保っていると思ってはいるが。
毛布を捲り彼女の横に潜り込む。
抱きしめると肌がかなりの部分で触れ合う。
ひんやりとする肌も徐々にお互いの熱を分け合い温かくなる。
髪を触りながら、キスをしながら正直に言う。
「びっくりした。ありがとう。気が付かない鈍感な男で、ごめん。」
小さく首を振る彼女。
さっきと同じようにキスを深めて肌に触れる。
さっきはたどり着けなかった彼女の胸へ手を伸ばす。
下着の上からゆっくり触れる。
自分の手に彼女の手のがかぶさるように触れて動きを止めさせる。
「あの・・・・多分分かってますよね?」
「ん?何?」
「だって・・・私、女の人とも満足に喋れないのに・・・・。」
ん、ん、んんん?
もしかしてその告白。やっぱり予想した通りだったということか?
「あの・・・。」
「分かったから、いいよ。緊張しないでいいから。笑顔笑顔。」
目を合わせて言う。
「それは無理です。」
「まあね。じゃあ、・・・・・気持ちいいって顔して。」
「・・・・頑張ります。」
「え~、冗談だよ。頑張るってどういうこと?さっきのプロローグはダメだった?」
「・・・・・・・・私も・・・冗談です。」
分かりにくい。
そう呟いてやった。
本当に難しい。
どうなることやら。
それでも許された分は進みたい。
彼女の体を仰向けにして上から見下ろす。
やっぱりちょっと無表情に、しょうがないか。
キスをしながら下着をずらして触れる。
背中を浮かせてもらい脱がす。
キスの速度を速めて下に降りていく。
指先でもてあそんでるうちに、無表情はとっくにどこかへ。
凄く色っぽい表情が薄暗くても十分堪能できる。
あんまり声は出さないようだが乱れた息づかいと漏らされる熱い吐息で十分伝わるものはある。
胸に顔を近づけて思いっきり味わう。
腰に手を回して抱えて揺れる体は許しても逃がさない。
片方ずつ、強く刺激する。
跡が残るかもしれない。
やっと手に入れたという自分の証。
ふくらみを満喫した後、両手を離して空いた片手で胸を包み込む。
もう片方はゆっくり下へ動かして腰や太ももに触れていく。
さっきから腰が落ち着きなく揺れていて、感じてくれてるのは分かる。
腰が浮いた瞬間に下着は脱がせる。
自分も器用に脱いで体を合わせる。細い首と耳へ、愛してると繰り返し言いながら、彼女の腰に自分の熱いものを押し付ける様にする。
ゆっくり開いた彼女の目を見る。
彼女が手を伸ばして首に巻き付けてくる。
光を反射するようにうるんだ眼を見て、それだけでも彼女が感じてるのが分かる。
腰に自分自身を当てたままゆっくりと彼女の内ももへ手を滑らせていく。
すでに湿度を感じるその中心へ。
抵抗なくその場にたどり着いた。
お互いに縋りつくように抱き合ったまま、許された隙間に指を進める。
顎をあげて小さく声をあげる彼女のすべてがたまらない。
ゆっくり指を前後させて刺激していく。すでに潤んだ場所から彼女の声を消すような音がする。
もっともっと感じて欲しくて。指を速める。
「はぁぁぁ、ぁいや・・・・はぁぁぁぁ。」
「麻美さん、もっと声出していいよ。・・・・聞きたい。」
「いやぁ、ぁぁ・・・・・。」
「いやは嫌だから、ね、努力して、気持ちいいにして。」
「はぁ、うぅぅぅぅぅぅ・・・・。」
「・・・・・無理ならいいけど。」
ちょっと笑う。素直というかなんというか。
「じゃあ、もう少しね。」
指をゆっくり探り入れていく。奥へ、誰も知らない場所へ。
「麻美さん、暖かいね。」
彼女が息をのむ音を聞く。
ゆっくり動かしていくと更に大きく響く音。
「だめ・・・・・・ぇ。」
「ん?何か言った?」
指の動きを速めて角度をつけて探る。
彼女の腕に力が入りきつく抱きしめられる。
熱い・・・・。
毛布を足で払いのけて彼女の足に巻きつくようにして足を絡める。
彼女の腰に押し付けたものは絶対離さない。
大きく水音を鳴らして攻めるとあっという間にのぼりつめて声を震わせた彼女。
しばらく彼女の息が整うのを待つ。
準備したものを自分自身にかぶせて体を重ねる。
あまりにもくっつけすぎて自分も追い込まれてしまった。
耳元で名前を呼んでキスをする。
「麻美さん、麻美さ・・ん・・・愛してる。ちょっとだけ我慢して。」
ゆっくり自分自身を彼女の奥に沈みこませる。
何度か動きを止めてゆっくりと。
彼女の息が止まるのが分かる。
キスを繰り返し耳元でわざと音を立てる。
片手で胸を覆いながら刺激を分散させる。
完全に奥まで行きつき大きく息を吐く。
「麻美さん、大丈夫?」
さっきからほとんど無言で心配になる。
かすかにしわを寄せた眉間に気が付く。
おでこと眉間にキスをして謝る。
「ごめんね、もう入ったから。しばらくこのままで。」
彼女に体重をかけ過ぎないようにしながら待つ。
キスをして、愛をささやいて、名前を呼んで。
ゆっくり目を開けた彼女が自分の頬に手をやりキスをしてくる。
「町野さん、大丈夫です。」
表情が動いて微笑んだようだ。
「うん。」
ゆっくり腰をスライドさせていく。
狭い壁に逆に刺激を受けて自分が苦しんでしまう。
息を逃しながら動く自分。
彼女の痛みも随分引いたらしく彼女の息も上がって、足を絡めてくる。
後はもう我慢できなくて。
一番自分に心地いい角度を決めてひたすら彼女を責めた。
彼女が先に震えて声を出し、その後を追うように自分も吐き出した。
ゆっくり動きを緩めて彼女から離れる。
始末をして横になり毛布を引っ張り仰向けになった。
息を整える様にゆっくり呼吸して思う。
何でこんなことになった?
こっそりと距離感を図りながら許されることを少しづつ積み上げてきたのに。
なんでこんなところまで行きついた?
決して自分の力じゃない、間違っても自分の誘いかけじゃない。
本当に不思議なタイミング。
食券、異動、カラス、子猫、週末。
そっと横を向くと彼女は仰向けで目を閉じている。
そっと手をつなぐ。
まだまだ油断は大敵。どこに落とし穴があるか分からない。
握りしめた手に少し力を入れる。
握り返されたのを確認してそっと横を向いて彼女に近づく。
体がだるいだろうか?
「麻美さん、抱きしめていいかな?」
一応許可を取る。
彼女がこっちを向くようにして手を出してきて抱きついてきた。
勢いがあったらしくぴったり重なる。
「おっと・・・・。」
声が出てしまった。ちょっとやめて欲しい、危険。
すぐに腰を離す。ついでに胸にもスペースを。
本当に顔も近い。じっとこちらを見る視線を感じる。
その上目遣い。なんだろう、気のせいか、眼の光が鋭くないかな?
「えっと、麻美さんいきなりは、・・・刺激があり過ぎます。」
口が開いてアッという声が聞こえたような聞こえないような。
そして視線を落とされた。なんだか腕からも力が抜けていきましたが。
自分の肩に触れる腕。
自分の手も彼女の肩に置いてゆっくり背中をさするように動かす。
「麻美んさん、体辛くない?」
顔をあげてうなずかれた。
そのまま視線を合わせたまま。
今度はどんなことを言われる?
「まだ帰りたくないです。」
「うん、まだ帰さないよ。ゆっくりしてって。」
「このまま、しばらくこのままいてください。」
彼女の手が自分に回る。
自分だけで彼女の豊かな表情を楽しみたいと思ったけど、今はもっとみんなの中で笑う彼女も見たいと思う。
彼女が自分らしくいれるように。小さな独占欲は捨てていいから。
ぎゅっと抱きしめて体を撫でる。
苦しかったのか彼女の顔が上に向くのが分かった。
「あ、ごめん。」
少し腕を緩めて見下ろす。
彼女と目が合う。
ふたりはそのままの状態で・・・・・。
少し自分が動いた。
顔が近づいても逃げられるそぶりもなく。
ゆっくり目を閉じた彼女の顔を見ながらキスをした。
昨日とは違う、唇に。
彼女の手が自分の肩に動く。
ゆっくりキスを繰り返しても嫌がられる様子もない。
頬に手を当てると指先が耳に触れる、赤く熱を持つその耳に。
髪をかけてキスをしながらささやく。
「すごく、大好きなんだ。」
彼女の手が肩から自分の顔に動く。
顔を離して見つめ合う。
「私も。一緒にいたいんです。」
「もうずっと一緒にいるけど。」本当に長い時間。
想像と予定と妄想すら超えた長い時間。
そんな事を思い笑ってしまう自分。
「・・・・・そんな・・・そんな笑顔は私だけの物じゃないです。皆が知ってる町野さんです。知りたいです。私も、誰も知らない町野さんを。」
そんな事を思われるとは思ってなかった。
誰も知らない自分・・・・どんな自分?
何のことだ、いっそ誰の事だろう?みたいな。
「難しい、そんな隠された顔なんてないよ。」
正直に言ったつもりなのに。
納得してもらえないようで。
しばらく見つめ合った後に明らかに肩を落とされた。
ゆっくり視線も落ちる。
何を期待されてるんだろう。もっと甘い言葉をささやいてほしいのだろうか?
冗談みたいなものじゃなくて、ドラマのようなセリフのような言葉を。
強引なものが好み?それともやっぱり青春ドラマ系?
「私は・・・昨日言いました。帰りたくなかったのに、町野さんは子猫を連れて帰ってくださいって。どうしてそうなるんですか?何にも感じてくれない、ちゃんと聞きましたよね?・・・やっぱり鈍感です。」
昨日も言われた気がする、鈍感だと。
その前に帰りたくないなんて・・・そんなこと言われたか?
とんと思い当たらない。
自分はそんな幸せのチャンスを見逃したのか?
「えっと、猫と一緒に寝たいと聞いた気がします。子猫を貸し出したら、絶対今日連れてきてくれると、今日も絶対ここに来てくれると思って、猫質みたいな・・・。」
自分の浅慮を暴露する。
「今日は帰ります。」
え~・・・もう?何で?また何かした?もしくは、しな過ぎたことで??
「今日は・・・・明日仕事だしずっとは無理だから。でももっともっと暗くなるまでいていいですか?」
「はい、もちろん。」否はなし。
・・・・・は~、びっくりした・・・何だ一体?
やっぱり難しい。昨日だって、そんな大胆な提案ならもっとストレートにしてもらいたい。
ん?
暗くなるまでってあと何時間ある?その前の帰ります宣言・・・???
ものすごい勢いで脳内のシナプスが活動し、あらゆる情報を吟味しながら思考して彼女の言いたいことを自分言語に変換しようとする。
んん?
「町野さん・・・・やっぱり何も感じてくれないんですか?それとも私は魅力ないですか?」
あああ・・・・・、そういうことでいいのだろうか?
彼女の顔を見て確かめる。
真っ赤になった目元を見てちょっとだけ至った結論に自信が出てきた・・・・気がする。
さっきまで距離感さえ気を遣ってたのに。本当に?
「あの・・・合ってるのかな?ちょっと昨日の昼のトラウマが・・・。」
「・・・・合ってます。奥の部屋に連れて行ってもらえませんか?」
マジマジマジ?
ストレート過ぎる提案に言語化不能。それにお昼の時間ですけど。
寝るには早すぎるというか・・・・。
そう思ったのに身体の方は反射的に動いて。
キスをした。さっきよりもっと濃いキスを。
もはや距離感も何もなく彼女も抱きついてくる。
彼女が吐息を漏らすのを聞きながら体に触れる。
明らかな意思を持った自分の手が彼女の服を捲る。
顔や手、背中以外で初めて触れる。
やっぱり細い。シリアルバーなんかじゃダメだよ。
自分の服も引き出されて捲られて。
彼女の細い指が背中を駆け上がるのを感じる。
くすぐったいような感触に体が揺れる。
また昼間で、部屋も明るい。
後ろには大きな窓があって薄いカーテンが引かれてる。
さすがにここでじゃない。
彼女の耳元でささやく。
「奥に行こう。」
彼女が望むなら。自分に異存のあるはずもなく。
一緒に立ち上がり手をつないで寝室へ行く。
しまった、寝室も明るい。
窓も閉めて、カーテンを閉めて、うす暗くなった部屋。
彼女がベッドの横に立っている。
ゆっくりそばに歩いて行き、抱きしめる。
気にはなっていたのだか、彼氏はいたのだろう。
きっと彼女の事を理解してくれる人がいたのだろう。
すっかり初めてだと思っていたのを申し訳なく思う。
「ね、気持ちを聞いてもいい?僕は麻美さんが大好きなんだけど。」
「もちろん、私も大好きです。」
「良かった。」キスをする。
自分で服を脱いで下着だけになる。
彼女が動かないのでちょっと恥ずかしくなる。
まさかここにきて勘違い・・・・もないだろうけど。心変わり?
すでに服は乱れていて。脱がせるべきか、自分で脱いでもらうべきか。
ゆっくり彼女が自分の服に手をかけた。
大きく安堵の息が漏れたのを隠す。
隣の音楽は静かすぎてドアを閉めたこの部屋までは届かない。
彼女が服を床に落とす音が大きく感じられて。
見てるのもなんだか変だし・・・・。
思い出した、必要なものは。
背中を向けた時にバサッとまた大きな音がした。
先にベッドにもぐりこむ音を聞きながら久しぶりに手にしたものを握りこんでベッドに向かう。
何とか冷静を保っていると思ってはいるが。
毛布を捲り彼女の横に潜り込む。
抱きしめると肌がかなりの部分で触れ合う。
ひんやりとする肌も徐々にお互いの熱を分け合い温かくなる。
髪を触りながら、キスをしながら正直に言う。
「びっくりした。ありがとう。気が付かない鈍感な男で、ごめん。」
小さく首を振る彼女。
さっきと同じようにキスを深めて肌に触れる。
さっきはたどり着けなかった彼女の胸へ手を伸ばす。
下着の上からゆっくり触れる。
自分の手に彼女の手のがかぶさるように触れて動きを止めさせる。
「あの・・・・多分分かってますよね?」
「ん?何?」
「だって・・・私、女の人とも満足に喋れないのに・・・・。」
ん、ん、んんん?
もしかしてその告白。やっぱり予想した通りだったということか?
「あの・・・。」
「分かったから、いいよ。緊張しないでいいから。笑顔笑顔。」
目を合わせて言う。
「それは無理です。」
「まあね。じゃあ、・・・・・気持ちいいって顔して。」
「・・・・頑張ります。」
「え~、冗談だよ。頑張るってどういうこと?さっきのプロローグはダメだった?」
「・・・・・・・・私も・・・冗談です。」
分かりにくい。
そう呟いてやった。
本当に難しい。
どうなることやら。
それでも許された分は進みたい。
彼女の体を仰向けにして上から見下ろす。
やっぱりちょっと無表情に、しょうがないか。
キスをしながら下着をずらして触れる。
背中を浮かせてもらい脱がす。
キスの速度を速めて下に降りていく。
指先でもてあそんでるうちに、無表情はとっくにどこかへ。
凄く色っぽい表情が薄暗くても十分堪能できる。
あんまり声は出さないようだが乱れた息づかいと漏らされる熱い吐息で十分伝わるものはある。
胸に顔を近づけて思いっきり味わう。
腰に手を回して抱えて揺れる体は許しても逃がさない。
片方ずつ、強く刺激する。
跡が残るかもしれない。
やっと手に入れたという自分の証。
ふくらみを満喫した後、両手を離して空いた片手で胸を包み込む。
もう片方はゆっくり下へ動かして腰や太ももに触れていく。
さっきから腰が落ち着きなく揺れていて、感じてくれてるのは分かる。
腰が浮いた瞬間に下着は脱がせる。
自分も器用に脱いで体を合わせる。細い首と耳へ、愛してると繰り返し言いながら、彼女の腰に自分の熱いものを押し付ける様にする。
ゆっくり開いた彼女の目を見る。
彼女が手を伸ばして首に巻き付けてくる。
光を反射するようにうるんだ眼を見て、それだけでも彼女が感じてるのが分かる。
腰に自分自身を当てたままゆっくりと彼女の内ももへ手を滑らせていく。
すでに湿度を感じるその中心へ。
抵抗なくその場にたどり着いた。
お互いに縋りつくように抱き合ったまま、許された隙間に指を進める。
顎をあげて小さく声をあげる彼女のすべてがたまらない。
ゆっくり指を前後させて刺激していく。すでに潤んだ場所から彼女の声を消すような音がする。
もっともっと感じて欲しくて。指を速める。
「はぁぁぁ、ぁいや・・・・はぁぁぁぁ。」
「麻美さん、もっと声出していいよ。・・・・聞きたい。」
「いやぁ、ぁぁ・・・・・。」
「いやは嫌だから、ね、努力して、気持ちいいにして。」
「はぁ、うぅぅぅぅぅぅ・・・・。」
「・・・・・無理ならいいけど。」
ちょっと笑う。素直というかなんというか。
「じゃあ、もう少しね。」
指をゆっくり探り入れていく。奥へ、誰も知らない場所へ。
「麻美さん、暖かいね。」
彼女が息をのむ音を聞く。
ゆっくり動かしていくと更に大きく響く音。
「だめ・・・・・・ぇ。」
「ん?何か言った?」
指の動きを速めて角度をつけて探る。
彼女の腕に力が入りきつく抱きしめられる。
熱い・・・・。
毛布を足で払いのけて彼女の足に巻きつくようにして足を絡める。
彼女の腰に押し付けたものは絶対離さない。
大きく水音を鳴らして攻めるとあっという間にのぼりつめて声を震わせた彼女。
しばらく彼女の息が整うのを待つ。
準備したものを自分自身にかぶせて体を重ねる。
あまりにもくっつけすぎて自分も追い込まれてしまった。
耳元で名前を呼んでキスをする。
「麻美さん、麻美さ・・ん・・・愛してる。ちょっとだけ我慢して。」
ゆっくり自分自身を彼女の奥に沈みこませる。
何度か動きを止めてゆっくりと。
彼女の息が止まるのが分かる。
キスを繰り返し耳元でわざと音を立てる。
片手で胸を覆いながら刺激を分散させる。
完全に奥まで行きつき大きく息を吐く。
「麻美さん、大丈夫?」
さっきからほとんど無言で心配になる。
かすかにしわを寄せた眉間に気が付く。
おでこと眉間にキスをして謝る。
「ごめんね、もう入ったから。しばらくこのままで。」
彼女に体重をかけ過ぎないようにしながら待つ。
キスをして、愛をささやいて、名前を呼んで。
ゆっくり目を開けた彼女が自分の頬に手をやりキスをしてくる。
「町野さん、大丈夫です。」
表情が動いて微笑んだようだ。
「うん。」
ゆっくり腰をスライドさせていく。
狭い壁に逆に刺激を受けて自分が苦しんでしまう。
息を逃しながら動く自分。
彼女の痛みも随分引いたらしく彼女の息も上がって、足を絡めてくる。
後はもう我慢できなくて。
一番自分に心地いい角度を決めてひたすら彼女を責めた。
彼女が先に震えて声を出し、その後を追うように自分も吐き出した。
ゆっくり動きを緩めて彼女から離れる。
始末をして横になり毛布を引っ張り仰向けになった。
息を整える様にゆっくり呼吸して思う。
何でこんなことになった?
こっそりと距離感を図りながら許されることを少しづつ積み上げてきたのに。
なんでこんなところまで行きついた?
決して自分の力じゃない、間違っても自分の誘いかけじゃない。
本当に不思議なタイミング。
食券、異動、カラス、子猫、週末。
そっと横を向くと彼女は仰向けで目を閉じている。
そっと手をつなぐ。
まだまだ油断は大敵。どこに落とし穴があるか分からない。
握りしめた手に少し力を入れる。
握り返されたのを確認してそっと横を向いて彼女に近づく。
体がだるいだろうか?
「麻美さん、抱きしめていいかな?」
一応許可を取る。
彼女がこっちを向くようにして手を出してきて抱きついてきた。
勢いがあったらしくぴったり重なる。
「おっと・・・・。」
声が出てしまった。ちょっとやめて欲しい、危険。
すぐに腰を離す。ついでに胸にもスペースを。
本当に顔も近い。じっとこちらを見る視線を感じる。
その上目遣い。なんだろう、気のせいか、眼の光が鋭くないかな?
「えっと、麻美さんいきなりは、・・・刺激があり過ぎます。」
口が開いてアッという声が聞こえたような聞こえないような。
そして視線を落とされた。なんだか腕からも力が抜けていきましたが。
自分の肩に触れる腕。
自分の手も彼女の肩に置いてゆっくり背中をさするように動かす。
「麻美んさん、体辛くない?」
顔をあげてうなずかれた。
そのまま視線を合わせたまま。
今度はどんなことを言われる?
「まだ帰りたくないです。」
「うん、まだ帰さないよ。ゆっくりしてって。」
0
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※内部進行完結済みです。毎日連載です。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
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