出会い~静かに月を愛したい人のこと~

羽月☆

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11 宮藤 ~約束を楽しみに待つ男となる~

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報告が来た。一緒に帰ると。

邪魔はしない、返事はやめた。

誤解してたと本気で謝られた。
梶原さんに謝るべきことだ、別にいい。

自分もなんとか繋がりを持ちたくて、近くに行ったのは確かだし。

結果交わされたお互いをサポートする約束、お互いにいい結果になったと思いたい。
華乃さんと二人で先に戻るのも、気を利かしたからと、半分はそうだ。
お互いにがお互いのために、華乃さんも姉を思い、見事な着地。

本当に今となってはなぜ最初に間違えたのか、そう思えるくらいだ。

翌日曜日、せっかく休みだったのに華乃さんに先約があり、会えなくて残念だった。
たまの週末休みで友達と約束があると。
自分のがっかりした顔がよっぽど同情をひいたらしく、是非、次の時は、と言われた。

華乃さんの休みの前日に合わせても全く問題ないとは伝えた。

鉄は熱いうちに打て!
忘れられないように!
ただの姉の友達に成り下がらないように。

そう言いながらも夜にはちょっと電話をして話したりして。
姉の梶原さんでは想像が難しい、はにかんだ笑顔を思い浮かべる。



「なんだか楽しそうじゃない?」

梶原さんがやって来た。
珍しい!

「何か言われた?」

「言われそうな心当たりがあるなら聞こうか?」

「ない。」

傷つけてもない、泣かせるなんてこともない、当たり前だ、電話だけだし。

「来月から先輩達が週末の休みを均等割してくれるってことになったらしいよ。良かったね。いっそ全部もらっちゃえば?」

「なにを?」

思わず『全部もらう』に反応した。
過剰に反応しすぎたらしい。

「休みの予定です、あくまでも。」

軽蔑したような目で言う。

「言ったよね、慣れてないだろうって。」

そう言って顔を寄せられて、表情は・・・・・真剣で。
怖いし、近いし、誤解されるし。

思わず椅子を引いて距離を取り、周りを見る。

良かった、人は少なかった。とりあえず視線の合う人はいない。耳がどのくらいこっちに向いてるかはわからないが。

焦らないようにします。

そういう顔で頷いた。

伝わっただろうか?

よし!そう言われた。

そのことを伝えに来たんだろうか?
惚気とかお礼もなく?
少しくらいは聞くけど。

多少は小室から聞いてるけど。
小室の誤解もとけて、うまく行ったんだから。

何だよ、そっちだけ一気に進んで、こっちはのろのろ進めと釘をさすなんて・・・・・そんな事をちょっと思ったけど、しょうがない。別にいい。
そう思ってる・・・つもりだ。

それでもうれしい。週末の休みが増えるなら。
会える。ただ会える。
なんなら、二日とも会える。
たとえ一度お互いの部屋に帰って、中断があったとしても、二日会えるかもしれない。
もちろん中断はあってしかるべきだ。
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