37 / 51
第四の石碑 ディゴバ
03話 ふたりの草人
しおりを挟む
「……あは、良かったぁ……ぅう……え~ん……」
半泣きから泣き顔に変わったユーリエを、僕はきつく抱き締めた。
ユーリエも、僕の背中に手を回す。
「我が儘も理不尽なことも言わない。お料理も頑張る。カナクが自慢できるような女の子になるから。私、もう二度と離れたくない。カナクとずっと一緒にいたいよ!」
「喜んで……と言いたいところだけど、もう少しだけ待ってくれないかな?」
「え?」
僕とユーリエは、身体を離す。
「一緒になれないの?」
「そんなことはないよ。でもね、まだ石碑が一つ残ってる。それに僕はまだ、ユーリエに伝えていない秘密があるんだ」
銀獣人。
希少種族であり、人間ではないということが、ことさら重く感じた。
「最後の石碑を読んだら、君に僕の全てを見せる。それでもユーリエが僕を受け入れてくれるなら、この人生を君に捧げるよ」
「……そうだね、まだ石碑巡り、終わってないもんね」
「石碑巡りを終えるまで、あと一つ。この巡礼が終わったら、君の好きなところに行こう。セレンディアだとユーリエは養女とはいえ、王女さまにされちゃう可能性があるから、違う場所で暮らそうよ。そうだなあ、アレンシア北東部のガザラ王国なんかいいかも」
「素敵! 田舎で桃畑とか作ったり、いろんな作物を育てたり、お花を飾ったりして、カナクとのんびり暮らしたいな」
「ははっ、桃は外さないんだね」
「えへへ~」
顔を真っ赤にして、瞼を腫らして、涙でぐしゃぐしゃの顔をしたユーリエ。
これほど可愛い表情をする女の子は、見たことがない。
「僕はマール信徒であり、君を連れた石碑巡りだ。こんな奇跡のような文章だとは思わなかったけれど、最後の石碑にも必ずなんらかの意図があると思う。それを読んだ後で、僕はユーリエと一緒になって、その先の未来を夢見たいと思ってるんだ。だめかな?」
「ううん、ありがと。それでいいよ。それと――」
ユーリエが、もう一度僕に抱きついた。
「私はカナクがなんであろうと信じてる。たとえ人間じゃなくてもね」
「!?」
感づいていた、のか。
それも、そうかもしれない。
ユーリエほどの魔導士なら、僕が人間じゃないことくらいわかっちゃうか。
それでも、受け入れてくれるというなら、こんなに幸せなことはない。
「あ、そうだ!」
ユーリエは僕から離れて、先ほど集めてきた草の束の前に立って、ワンドを手にした。
「見てて、カナク!」
瞳を閉じて、緑と青と茶のマナをワンドの先に集め、ワンドの先で配合させる。
そして魔法陣を二つ描くと、高らかに叫んだ。
「『草人の魔法』!」
ユーリエが魔法陣にワンドを刺すと、小さな魔法陣がユーリエの左手に貼りつく。そして草の束から、手のひらくらいの大きさの、ユーリエの服を着た草人が召喚された。
「さすがユーリエ、あっさり憶えちゃったね」
「まあ、そこまで難解な詠唱文じゃなかったし。でも本人のマナと魔法陣をリンクさせるっていう発想は凄いと思うわ。しかもこんなに可愛い魔法を考えついちゃうカナクは、やっぱり天才だと思うよ」
「あ、あはは、そうかな」
そんなに褒められると嬉しいけれど、やっぱり照れる。
「ねえ、詠唱文をこれに変えて、カナクにも草人を出してほしいの」
「え?」
そう言いながら、ユーリエは僕にメモを渡す。
そこには少し改変された『草人』の魔法の詠唱文が書かれていた。
「これ、一体……」
「ささ、早く早く!」
「あ、うん」
僕はユーリエに促されるまま魔法を唱えて、僕の草人を出す。
“ぴ~!”
“ぴぴ~!”
召喚した瞬間、小さな二人は熱い抱擁を交わした。
というか、こんな鳴き声を出すんだ。
知らなかった。
「やっぱり!」
ユーリエが微笑みながら、ぱん、と両手を叩く。
「なにが?」
「この『草人の魔法』って、リンクした人の想いを乗せられることに気づいたの。それを詠唱文に組み込んでみたってこと」
「お、おお……そんなことが……」
詠唱文を、改良した?
そ、そんなことができるなんて。
本当に、どっちが天才なのか。
「まあ悪用すればさ、例えば召喚した草人の動向で、相手が自分を好きか嫌いかを知ることができちゃったりするんだけど」
「それって、本当に危ないじゃないか!」
こ、この魔法を学校で使わなくてよかった。
『草人の魔法』自体は、ユーリエが言った通り、それほど難しいものじゃない。
もしこんなものが学校で流行ってしまったら、心に秘めていた恋心を草人が態度で伝えてしまう。
考えただけでも恐ろしい。
「でもさ、私とカナクならいいでしょう? だってもう、想いを伝え合ったんだし」
「まあ……うん、いいけど」
「あ、それとね、カナクが書いた詠唱文だとマナ効率が悪かったから、一〇〇分の一にしておいたわ。これなら疲労を感じないでしょ?」
「どれだけ天才なんだいユーリエは!?」
確かに、左手の甲から発せられるマナの量がごく僅かだから疲労感はない。これなら永続的に草人を連れて行っても問題なさそうだ。
……うん? ということは。
「ひょっとしてユーリエ、この子らと旅をしようと?」
「うん! だって可愛いじゃない!」
ユーリエは屈んで、抱き合う二人の草人の頭を、指で優しく撫でる。
「凄いね~。全然離れないよ。お互い、大好きなんだね」
これって、ひょっとして。
さっきのユーリエの告白で僕が明確に答えなかったら、第二の矢として草人を使い、僕に言わせようとしたんじゃないだろうか。
聡明なユーリエだからその可能性は充分考えられるし、今日はそれくらいの覚悟で僕に想いを告げたんだと思う。そのためにユーリエは石碑の文章を解読し、寝込むほどがんばったんじゃないかな。
胸が、熱くなる。
「ユーリエ」
「うん?」
「僕はユーリエが大好きだよ。ずっと一緒にいたい」
「うぇっ!?」
ぼむ、と顔を赤くするユーリエ。
それと同時に、二人の草人がちゅー、と口づけを交わしていた。
「はわわわ」
「わ、わあ」
困惑する僕ら。
自分の想いを形にするって、想像以上に恥ずかしいんだなぁ……。
でも、なんだか微笑ましい。
僕がユーリエを見る。
ユーリエが、僕に視線を向けている。
自然と、僕らは声をあげて笑い合った。
半泣きから泣き顔に変わったユーリエを、僕はきつく抱き締めた。
ユーリエも、僕の背中に手を回す。
「我が儘も理不尽なことも言わない。お料理も頑張る。カナクが自慢できるような女の子になるから。私、もう二度と離れたくない。カナクとずっと一緒にいたいよ!」
「喜んで……と言いたいところだけど、もう少しだけ待ってくれないかな?」
「え?」
僕とユーリエは、身体を離す。
「一緒になれないの?」
「そんなことはないよ。でもね、まだ石碑が一つ残ってる。それに僕はまだ、ユーリエに伝えていない秘密があるんだ」
銀獣人。
希少種族であり、人間ではないということが、ことさら重く感じた。
「最後の石碑を読んだら、君に僕の全てを見せる。それでもユーリエが僕を受け入れてくれるなら、この人生を君に捧げるよ」
「……そうだね、まだ石碑巡り、終わってないもんね」
「石碑巡りを終えるまで、あと一つ。この巡礼が終わったら、君の好きなところに行こう。セレンディアだとユーリエは養女とはいえ、王女さまにされちゃう可能性があるから、違う場所で暮らそうよ。そうだなあ、アレンシア北東部のガザラ王国なんかいいかも」
「素敵! 田舎で桃畑とか作ったり、いろんな作物を育てたり、お花を飾ったりして、カナクとのんびり暮らしたいな」
「ははっ、桃は外さないんだね」
「えへへ~」
顔を真っ赤にして、瞼を腫らして、涙でぐしゃぐしゃの顔をしたユーリエ。
これほど可愛い表情をする女の子は、見たことがない。
「僕はマール信徒であり、君を連れた石碑巡りだ。こんな奇跡のような文章だとは思わなかったけれど、最後の石碑にも必ずなんらかの意図があると思う。それを読んだ後で、僕はユーリエと一緒になって、その先の未来を夢見たいと思ってるんだ。だめかな?」
「ううん、ありがと。それでいいよ。それと――」
ユーリエが、もう一度僕に抱きついた。
「私はカナクがなんであろうと信じてる。たとえ人間じゃなくてもね」
「!?」
感づいていた、のか。
それも、そうかもしれない。
ユーリエほどの魔導士なら、僕が人間じゃないことくらいわかっちゃうか。
それでも、受け入れてくれるというなら、こんなに幸せなことはない。
「あ、そうだ!」
ユーリエは僕から離れて、先ほど集めてきた草の束の前に立って、ワンドを手にした。
「見てて、カナク!」
瞳を閉じて、緑と青と茶のマナをワンドの先に集め、ワンドの先で配合させる。
そして魔法陣を二つ描くと、高らかに叫んだ。
「『草人の魔法』!」
ユーリエが魔法陣にワンドを刺すと、小さな魔法陣がユーリエの左手に貼りつく。そして草の束から、手のひらくらいの大きさの、ユーリエの服を着た草人が召喚された。
「さすがユーリエ、あっさり憶えちゃったね」
「まあ、そこまで難解な詠唱文じゃなかったし。でも本人のマナと魔法陣をリンクさせるっていう発想は凄いと思うわ。しかもこんなに可愛い魔法を考えついちゃうカナクは、やっぱり天才だと思うよ」
「あ、あはは、そうかな」
そんなに褒められると嬉しいけれど、やっぱり照れる。
「ねえ、詠唱文をこれに変えて、カナクにも草人を出してほしいの」
「え?」
そう言いながら、ユーリエは僕にメモを渡す。
そこには少し改変された『草人』の魔法の詠唱文が書かれていた。
「これ、一体……」
「ささ、早く早く!」
「あ、うん」
僕はユーリエに促されるまま魔法を唱えて、僕の草人を出す。
“ぴ~!”
“ぴぴ~!”
召喚した瞬間、小さな二人は熱い抱擁を交わした。
というか、こんな鳴き声を出すんだ。
知らなかった。
「やっぱり!」
ユーリエが微笑みながら、ぱん、と両手を叩く。
「なにが?」
「この『草人の魔法』って、リンクした人の想いを乗せられることに気づいたの。それを詠唱文に組み込んでみたってこと」
「お、おお……そんなことが……」
詠唱文を、改良した?
そ、そんなことができるなんて。
本当に、どっちが天才なのか。
「まあ悪用すればさ、例えば召喚した草人の動向で、相手が自分を好きか嫌いかを知ることができちゃったりするんだけど」
「それって、本当に危ないじゃないか!」
こ、この魔法を学校で使わなくてよかった。
『草人の魔法』自体は、ユーリエが言った通り、それほど難しいものじゃない。
もしこんなものが学校で流行ってしまったら、心に秘めていた恋心を草人が態度で伝えてしまう。
考えただけでも恐ろしい。
「でもさ、私とカナクならいいでしょう? だってもう、想いを伝え合ったんだし」
「まあ……うん、いいけど」
「あ、それとね、カナクが書いた詠唱文だとマナ効率が悪かったから、一〇〇分の一にしておいたわ。これなら疲労を感じないでしょ?」
「どれだけ天才なんだいユーリエは!?」
確かに、左手の甲から発せられるマナの量がごく僅かだから疲労感はない。これなら永続的に草人を連れて行っても問題なさそうだ。
……うん? ということは。
「ひょっとしてユーリエ、この子らと旅をしようと?」
「うん! だって可愛いじゃない!」
ユーリエは屈んで、抱き合う二人の草人の頭を、指で優しく撫でる。
「凄いね~。全然離れないよ。お互い、大好きなんだね」
これって、ひょっとして。
さっきのユーリエの告白で僕が明確に答えなかったら、第二の矢として草人を使い、僕に言わせようとしたんじゃないだろうか。
聡明なユーリエだからその可能性は充分考えられるし、今日はそれくらいの覚悟で僕に想いを告げたんだと思う。そのためにユーリエは石碑の文章を解読し、寝込むほどがんばったんじゃないかな。
胸が、熱くなる。
「ユーリエ」
「うん?」
「僕はユーリエが大好きだよ。ずっと一緒にいたい」
「うぇっ!?」
ぼむ、と顔を赤くするユーリエ。
それと同時に、二人の草人がちゅー、と口づけを交わしていた。
「はわわわ」
「わ、わあ」
困惑する僕ら。
自分の想いを形にするって、想像以上に恥ずかしいんだなぁ……。
でも、なんだか微笑ましい。
僕がユーリエを見る。
ユーリエが、僕に視線を向けている。
自然と、僕らは声をあげて笑い合った。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』
恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。
戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。
だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】
導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」
「誰も本当の私なんて見てくれない」
「私の力は……人を傷つけるだけ」
「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」
傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。
しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。
――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。
「君たちを、大陸最強にプロデュースする」
「「「「……はぁ!?」」」」
落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。
俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。
◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります
はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。
「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」
そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。
これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕!
毎日二話更新できるよう頑張ります!
社畜のおじさん過労で死に、異世界でダンジョンマスターと なり自由に行動し、それを脅かす人間には容赦しません。
本条蒼依
ファンタジー
山本優(やまもとまさる)45歳はブラック企業に勤め、
残業、休日出勤は当たり前で、連続出勤30日目にして
遂に過労死をしてしまい、女神に異世界転移をはたす。
そして、あまりな強大な力を得て、貴族達にその身柄を
拘束させられ、地球のように束縛をされそうになり、
町から逃げ出すところから始まる。
捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ
月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。
こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。
そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。
太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。
テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる