年下幼馴染アルファの執着2〜揺るがない絆〜

ひなた翠

文字の大きさ
19 / 24
第四章:嫉妬と絆

SNSで見つける海斗の写真

しおりを挟む
 平日の夜、寝室のベッドで海斗は本を読んでいて、僕は海斗の隣でSNSを見ていた。最初は会社の広告や告知を見ていたが、そのままの流れでおすすめに上がってくる投稿を眺めていた。知らない人の投稿が次々と表示されて、指でスクロールしていく。

「――あっ」
 思わず声が出てしまって、自分で自分の声に驚く。

「ん?」

 海斗が本を読むのをやめて、僕のほうを見つめてきた。心配そうな表情で、身体を僕に寄せてくる。

「これ、海ちゃんだよね?」

 僕がスマートフォンの画面を海斗に見せると、海斗が覗き込んできた。女の子たちが楽しそうにピースをしている横で、海斗もカメラのほうを見て映っていた。女の子たちは笑顔だったが、海斗は無表情で、テーブルの上には弁当箱とパソコンが映っている。

「なに、それ」
 海斗が写真を覗き込んで確認すると、眉間に皺を寄せてすごく嫌そうな表情になった。

「グループ課題のときのだ。教授に送るって撮ってたのに……SNS用かよ」
 不機嫌そうに言って、スマートフォンから顔を離した。

「海ちゃん、無表情」
 僕が言うと、海斗がため息をついた。

「無表情にもなるよ。昼休みの限られた時間しかないのに、無駄話ばっかりで。しかもはーちゃんのお弁当の日なのに、ゆっくり味わえなくてイライラしてたんだ」

 海斗が説明して、僕を見つめた。海斗の黒い瞳に不満の色が浮かんでいて、僕の作った弁当を楽しめなかったことが悔しかったのが伝わってくる。

「いいなあ。僕も一緒に海ちゃんとグループ課題してみたかったなあ――でも、僕は無駄話が多いから、海ちゃんに怒られちゃうかも」

 僕が言うと、海斗が首を横に振った。

「はーちゃんなら、怒らない。多分、俺とはーちゃんが一緒にやったら……パソコンを壊しそう」
 海斗が真面目な顔で言って、僕を見つめた。

「え? なんで?」
 僕が不思議そうに聞くと、海斗が口元に笑みを浮かべた。

「はーちゃんの精液で」
 海斗がさらりと言って、僕の顔を見つめた。

「……っ! ちょっと、海ちゃんどういう妄想してるの!」
 僕が顔を赤くして抗議すると、海斗がケラケラと楽しそうに笑った。

「だって我慢できると思う? はーちゃんと一緒にって……それはもう抱くしかないじゃん」

 海斗が笑いながら言って、僕の頬を撫でた。温かい手のひらが頬に触れて、海斗の体温が伝わってきた。

「でも嫉妬しちゃうなあ。海ちゃんと自然と隣に座って勉強してるなんて。羨ましい」
 僕が呟くと、海斗が優しく微笑んだ。

「じゃあ、今度……大学の近くでお茶しようか! 大学生カップルの気分を味わえるかも」
 海斗が提案して、僕を見つめた。嬉しそうな表情で、目が輝いていた。

「僕――妊婦」

 僕が自分のお腹を撫でながら言うと、海斗が笑った。学生気分にはなれないと思ったが、海斗と一緒に出かけられるのは楽しそうだ。普段、海斗が過ごしている場所に足を踏み入れると思うとわくわくした。

「カフェ巡りしてみたいなあ。コーヒーは飲めないけど、甘いものが食べたい」
 僕が言うと、海斗が頷いた。

「いいよ。じゃあ、デートの予約ね。はーちゃんとデートできるの、嬉しいな」

 海斗が嬉しそうに笑って、僕を抱き寄せた。海斗の腕が僕を包み込んで、温かい体温が伝わってくる。海斗の胸に顔を埋めると、海斗の匂いがして安心感が広がった。

 SNSを見て、女の子たちと隣に座っている海斗の写真に少し嫉妬したが、海斗と休日のデートが決まったのは嬉しい。

 子どもを産んだら、きっとしばらくは自由に外出もできなくなると思うから、今のうちに海斗とあちこち出かけてみたい。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

人気者の幼馴染が俺の番

蒸しケーキ
BL
佐伯淳太は、中学生の時、自分がオメガだと判明するが、ある日幼馴染である成瀬恭弥はオメガが苦手という事実を耳にしてしまう。そこから淳太は恭弥と距離を置き始めるが、実は恭弥は淳太のことがずっと好きで、、、 ※「二人で過ごす発情期の話」の二人が高校生のときのお話です。どちらから読んでも問題なくお読みいただけます。二人のことが書きたくなったのでだらだらと書いていきます。お付き合い頂けましたら幸いです。

振り向いてよ、僕のきら星

街田あんぐる
BL
大学4年間拗らせたイケメン攻め×恋愛に自信がない素朴受け 「そんな男やめときなよ」 「……ねえ、僕にしなよ」 そんな言葉を飲み込んで過ごした、大学4年間。 理系で文学好きな早暉(さき)くんは、大学の書評サークルに入会した。そこで、小動物を思わせる笑顔のかわいい衣真(いま)くんと出会う。 距離を縮めていく二人。でも衣真くんはころころ彼氏が変わって、そのたびに恋愛のトラウマを深めていく。 早暉くんはそれでも諦めきれなくて……。 星のように綺麗な男の子に恋をしてからふたりで一緒に生きていくまでの、優しいお話です。 表紙イラストは梅干弁当さん(https://x.com/umeboshibento)に依頼しました。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

箱入りオメガの受難

おもちDX
BL
社会人の瑠璃は突然の発情期を知らないアルファの男と過ごしてしまう。記憶にないが瑠璃は大学生の地味系男子、琥珀と致してしまったらしい。 元の生活に戻ろうとするも、琥珀はストーカーのように付きまといだし、なぜか瑠璃はだんだん絆されていってしまう。 ある日瑠璃は、発情期を見知らぬイケメンと過ごす夢を見て混乱に陥る。これはあの日の記憶?知らない相手は誰? 不器用なアルファとオメガのドタバタ勘違いラブストーリー。 現代オメガバース ※R要素は限りなく薄いです。 この作品は『KADOKAWA×pixiv ノベル大賞2024』の「BL部門」お題イラストから着想し、創作したものです。ありがたいことに、グローバルコミック賞をいただきました。 https://www.pixiv.net/novel/contest/kadokawapixivnovel24

暑がりになったのはお前のせいかっ

わさび
BL
ただのβである僕は最近身体の調子が悪い なんでだろう? そんな僕の隣には今日も光り輝くαの幼馴染、空がいた

僕の彼氏は僕のことを好きじゃないⅠ/Ⅱ

MITARASI_
BL
I 彼氏に愛されているはずなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。 「好き」と言ってほしくて、でも返ってくるのは沈黙ばかり。 揺れる心を支えてくれたのは、ずっと隣にいた幼なじみだった――。 不器用な彼氏とのすれ違い、そして幼なじみの静かな想い。 すべてを失ったときに初めて気づく、本当に欲しかった温もりとは。 切なくて、やさしくて、最後には救いに包まれる救済BLストーリー。 Ⅱ 高校を卒業し、同じ大学へ進学した陸と颯馬。  別々の学部に進みながらも支え合い、やがて同棲を始めた二人は、通学の疲れや家事の分担といった小さな現実に向き合いながら、少しずつ【これから】を形にしていく。  未来の旅行を計画し、バイトを始め、日常を重ねていく日々。  恋人として選び合った関係は、穏やかに、けれど確かに深まっていく。  そんな中、陸の前に思いがけない再会をする。  過去と現在が交差するその瞬間が、二人の日常に小さな影を落としていく。  不安も、すれ違いも、言葉にできない想いも抱えながら。  それでも陸と颯馬は、互いの手を離さずに進もうとする。  高校編のその先を描く大学生活編。  選び続けることの意味を問いかける、二人の新たな物語。 続編執筆中

あなたの家族にしてください

秋月真鳥
BL
 ヒート事故で番ってしまったサイモンとティエリー。  情報部所属のサイモン・ジュネはアルファで、優秀な警察官だ。  闇オークションでオメガが売りに出されるという情報を得たサイモンは、チームの一員としてオークション会場に潜入捜査に行く。  そこで出会った長身で逞しくも美しいオメガ、ティエリー・クルーゾーのヒートにあてられて、サイモンはティエリーと番ってしまう。  サイモンはオメガのフェロモンに強い体質で、強い抑制剤も服用していたし、緊急用の抑制剤も打っていた。  対するティエリーはフェロモンがほとんど感じられないくらいフェロモンの薄いオメガだった。  それなのに、なぜ。  番にしてしまった責任を取ってサイモンはティエリーと結婚する。  一緒に過ごすうちにサイモンはティエリーの物静かで寂しげな様子に惹かれて愛してしまう。  ティエリーの方も誠実で優しいサイモンを愛してしまう。しかし、サイモンは責任感だけで自分と結婚したとティエリーは思い込んで苦悩する。  すれ違う運命の番が家族になるまでの海外ドラマ風オメガバースBLストーリー。 ※奇数話が攻め視点で、偶数話が受け視点です。 ※エブリスタ、ムーンライトノベルズ、ネオページにも掲載しています。

アルファな彼とオメガな僕。

スメラギ
BL
  ヒエラルキー最上位である特別なアルファの運命であるオメガとそのアルファのお話。  

処理中です...