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第二章:精算できない残熱
精算の拒絶
熊谷が転職してきた初日から一週間が経過しても、俺の日常は表面上、何一つ変わっていなかった。
五時三十分に起床し、走り、シャワーを浴び、シャツに丹念なアイロンをかけてから出社する。営業先を回り、着実に数字を積み上げ、帰社してからは報告書を冷徹にまとめ、定時をわずかに過ぎた頃に退勤する。
同僚には一律の笑顔を向け、取引先には過不足のない敬語を使い、昼休みはいつもの弁当をいつもの席で静かに咀嚼する。
何一つ、変わっていない。変わっていないという事実を、毎朝鏡の前で点検し、自分に言い聞かせてから玄関を出るのだ。
唯一の変化といえば、編集部へ足を運ぶ頻度が目に見えて落ちたことくらいだろう。
以前は週に二、三回は往復していた用件を、可能な限り冷淡なメールのやり取りに切り替えた。どうしても対面で届けねばならない資料がある時は、熊谷が席を外している隙を正確に見計らい、速やかにデスクへ置いて立ち去る。
フロアに足を踏み入れるたび、あの柑橘系のコロンの残り香が鼻腔をかすめていくが、それは気のせいだと断じた。廊下の向こうからあの艶やかな笑い声が聞こえるたびに歩調が乱れるのも、すべては革靴の底が磨り減っているせいだと、自分自身を欺き続けた。
金曜日の夕刻。退勤の支度を整えていた俺の背中に、その声が投げかけられた。
「宇佐見くん」
低く、どこまでもよく通る声。振り返るまでもなく、それが誰であるかを身体が先に理解していた。肩の筋肉が、一瞬にして硬く強張る。
振り返ると、そこにはジャケットを脱いで腕にかけた熊谷が立っていた。白いシャツの袖を捲り上げた腕は驚くほど逞しく、一週間前に見た時と同じく、その背筋は凛として真っ直ぐに伸びている。
首筋の、あの赤紫色の痕は――さすがに一週間という月日が、それを淡い黄色へと変色させていた。シャツの襟を正しく留めてさえいれば、誰の目にも触れないほどに薄れている。それなのに、俺の視線は磁石に引き寄せられるようにそこへ吸い寄せられ、己の執着の深さに激しい苛立ちを覚えた。
「お疲れ様です」
営業用の、感情を排した声で応じる。無機質で、けれど決して非礼ではない、完璧な応対だ。
「帰り? ちょっと、いいかしら」
拒絶の理由を探したが、営業課のフロアにはまだ数人の同僚が残っていた。転職してきたばかりの編集者に声をかけられ、あからさまに拒絶を示すことの方が、今の俺にとっては不自然で危険な賭けだった。俺は鞄をデスクに置き直し、「はい」と短く頷いた。
熊谷が視線で促したのは、フロアの隅に位置する給湯室だった。
ビルの構造上、そこは行き止まりの袋小路になっており、奥まで足を踏み入れれば廊下からの死角となる。自動販売機の低い唸り声だけが響く狭隘な空間に二人で入ると、熊谷の体格は暴力的なほどに大きく感じられた。蛍光灯の青白い光の下、ジャケットを腕にかけたその立ち姿は、残酷なまでに絵になっていた。
熊谷がシャツの胸ポケットから、白い封筒を取り出した。
どこにでもある、何の変哲もない封筒。
「はい、これ」
差し出された封筒の端を摘む彼の指先が、微かに――。いや、それは震えているように見えた。声からもいつもの過剰な装飾が消え、少しだけ低い、一人の男としてのトーンが漏れ出している。
「返すわ」
「……なんでしょうか。お返しいただくようなものを、お渡しした記憶はありませんが」
中身が何であるか、容易に想像はついていた。宿泊費の半額、あの一万二千円だ。だが、それを返される正当な理由を、俺は持ち合わせていない。
「枕元に置いてあったお金。……あなたのでしょう」
声は平坦だった。語尾には辛うじてオネエの響きを残しているが、いつもの軽やかさは微塵もない。感情を押し殺しているのか、それとも溢れ出しそうな何かを堰き止めているのか。その表情は、ひどく寂しげに見えた。
「受け取れません」
反射的に放った声は、自分でも驚くほど硬かった。
「どうして?」
「どうして、と言われても……」
言葉の続きが、喉の奥で詰まった。
ホテルへ行き、彼と幾度も身体を重ねた。その代償として、費用の半分を置いて去った。あの夜の出来事は、もう二度と思い出したくない記憶として、俺自身の性癖とともに心の奥底にある重い引き出しに封じ込めたはずだった。
それなのに、彼がこの封筒を差し出した瞬間に、その重い蓋が無理やり抉じ開けられてしまったのだ。
「あの夜は、あたしに付き合ってもらっただけだから」
熊谷の言葉に、俺は奥歯を噛み締めた。
「……酔っていて記憶が曖昧な部分はありますが、お互いの同意の上だったはずです。ですから費用の半分をこちらが負担するのは、当然の理屈でしょう」
「ウサちゃんは……。ウサちゃんは、こちら側の人間じゃないでしょう?」
熊谷の口から漏れた『こちら側』という言葉に、俺の肩がびくりと跳ねた。
自分が認めたくないだけで、本当はとっくに、彼と同じ側の深淵に足を踏み入れているのだと。ただ臆病な俺が、それを認めることを死ぬほど恐れているだけなのだと。
熊谷は、その俺の醜いまでの臆病さをとっくに見抜き、その上で「普通」でありたいと願う俺の矜持を、彼なりの優しさで汲み取ろうとしてくれている。そのことが、たまらなく惨めだった。
「宇佐見です。何を仰りたいのか理解しかねますが、その封筒を受け取るつもりはありません。返さないでください」
拒絶の意思を明確に示すと、熊谷はゆっくりと封筒を胸ポケットに収めた。
俺の頑なな態度に、彼は一歩引いたのだろう。差し出していた手を下ろし、それから少しだけ唇を緩めた。バーで見せたあの笑みに似ていたが、その温度は全く異なっている。やはり、ひどく寂しそうだった。
「じゃあ……預かっておくわね」
返すでもなく、受け取るでもない。「預かる」というその言葉は、あの一晩の重みを消し去ることを許さないという、静かな宣言のように聞こえた。
「ところで」
不意に、熊谷が声のトーンを切り替えた。スイッチを入れたかのように軽快な、あのいつものオネエ口調。その鮮やかな変貌に、俺の思考は追いつかない。
「来週から、深瀬律の新刊の販促で営業さんと組むことになったの。書店回り。……担当は宇佐見くんだって、あなたの課長が言ってたわよ」
その瞬間、全身の血の気が引いていくのがわかった。
販促。書店回り。よりによって、この男と二人で。
耳から入り込んだ言葉が、脳内で何度も、不吉な予言のように反芻される。
来週から、俺は熊谷と二人で外を歩き、同じ車に揺られ、時には差し向かいで食事を共にすることになる。
「……そう、ですか」
平坦を装って返したが、心拍数は狂ったように跳ね上がり、背中を冷たい汗が伝い落ちていく。
営業成績トップの俺と、引き抜かれてきた有能な編集者を組ませる。組織の判断としては、これ以上なく合理的だ。俺の個人的な混迷など、会社という巨大な歯車の前では、塵ほどの価値も持たない。
「よろしくね、ウサちゃん」
熊谷はジャケットを肩にかけ直し、ひらりと手を振って給湯室を去っていった。
すれ違いざま、あの柑橘系の匂いが再び俺を掠める。あの一晩、彼の首筋に顔を埋めた時に吸い込んだ、あの匂い。
熱い肌の温度、湿った皮膚の塩辛さ、腕の中で震えていた大きな身体――。
閉じ込めたはずの記憶が、その匂いを引き金にして、暴力的な鮮明さで浮上してくる。
「…………宇佐見です」
主のいなくなった狭い空間で、俺は消え入りそうな声で、誰に届くともなく呟いた。
給湯室に一人取り残された俺の耳には、自動販売機の、低く絶え間のない唸り声だけが、いつまでも鳴り響いていた。
五時三十分に起床し、走り、シャワーを浴び、シャツに丹念なアイロンをかけてから出社する。営業先を回り、着実に数字を積み上げ、帰社してからは報告書を冷徹にまとめ、定時をわずかに過ぎた頃に退勤する。
同僚には一律の笑顔を向け、取引先には過不足のない敬語を使い、昼休みはいつもの弁当をいつもの席で静かに咀嚼する。
何一つ、変わっていない。変わっていないという事実を、毎朝鏡の前で点検し、自分に言い聞かせてから玄関を出るのだ。
唯一の変化といえば、編集部へ足を運ぶ頻度が目に見えて落ちたことくらいだろう。
以前は週に二、三回は往復していた用件を、可能な限り冷淡なメールのやり取りに切り替えた。どうしても対面で届けねばならない資料がある時は、熊谷が席を外している隙を正確に見計らい、速やかにデスクへ置いて立ち去る。
フロアに足を踏み入れるたび、あの柑橘系のコロンの残り香が鼻腔をかすめていくが、それは気のせいだと断じた。廊下の向こうからあの艶やかな笑い声が聞こえるたびに歩調が乱れるのも、すべては革靴の底が磨り減っているせいだと、自分自身を欺き続けた。
金曜日の夕刻。退勤の支度を整えていた俺の背中に、その声が投げかけられた。
「宇佐見くん」
低く、どこまでもよく通る声。振り返るまでもなく、それが誰であるかを身体が先に理解していた。肩の筋肉が、一瞬にして硬く強張る。
振り返ると、そこにはジャケットを脱いで腕にかけた熊谷が立っていた。白いシャツの袖を捲り上げた腕は驚くほど逞しく、一週間前に見た時と同じく、その背筋は凛として真っ直ぐに伸びている。
首筋の、あの赤紫色の痕は――さすがに一週間という月日が、それを淡い黄色へと変色させていた。シャツの襟を正しく留めてさえいれば、誰の目にも触れないほどに薄れている。それなのに、俺の視線は磁石に引き寄せられるようにそこへ吸い寄せられ、己の執着の深さに激しい苛立ちを覚えた。
「お疲れ様です」
営業用の、感情を排した声で応じる。無機質で、けれど決して非礼ではない、完璧な応対だ。
「帰り? ちょっと、いいかしら」
拒絶の理由を探したが、営業課のフロアにはまだ数人の同僚が残っていた。転職してきたばかりの編集者に声をかけられ、あからさまに拒絶を示すことの方が、今の俺にとっては不自然で危険な賭けだった。俺は鞄をデスクに置き直し、「はい」と短く頷いた。
熊谷が視線で促したのは、フロアの隅に位置する給湯室だった。
ビルの構造上、そこは行き止まりの袋小路になっており、奥まで足を踏み入れれば廊下からの死角となる。自動販売機の低い唸り声だけが響く狭隘な空間に二人で入ると、熊谷の体格は暴力的なほどに大きく感じられた。蛍光灯の青白い光の下、ジャケットを腕にかけたその立ち姿は、残酷なまでに絵になっていた。
熊谷がシャツの胸ポケットから、白い封筒を取り出した。
どこにでもある、何の変哲もない封筒。
「はい、これ」
差し出された封筒の端を摘む彼の指先が、微かに――。いや、それは震えているように見えた。声からもいつもの過剰な装飾が消え、少しだけ低い、一人の男としてのトーンが漏れ出している。
「返すわ」
「……なんでしょうか。お返しいただくようなものを、お渡しした記憶はありませんが」
中身が何であるか、容易に想像はついていた。宿泊費の半額、あの一万二千円だ。だが、それを返される正当な理由を、俺は持ち合わせていない。
「枕元に置いてあったお金。……あなたのでしょう」
声は平坦だった。語尾には辛うじてオネエの響きを残しているが、いつもの軽やかさは微塵もない。感情を押し殺しているのか、それとも溢れ出しそうな何かを堰き止めているのか。その表情は、ひどく寂しげに見えた。
「受け取れません」
反射的に放った声は、自分でも驚くほど硬かった。
「どうして?」
「どうして、と言われても……」
言葉の続きが、喉の奥で詰まった。
ホテルへ行き、彼と幾度も身体を重ねた。その代償として、費用の半分を置いて去った。あの夜の出来事は、もう二度と思い出したくない記憶として、俺自身の性癖とともに心の奥底にある重い引き出しに封じ込めたはずだった。
それなのに、彼がこの封筒を差し出した瞬間に、その重い蓋が無理やり抉じ開けられてしまったのだ。
「あの夜は、あたしに付き合ってもらっただけだから」
熊谷の言葉に、俺は奥歯を噛み締めた。
「……酔っていて記憶が曖昧な部分はありますが、お互いの同意の上だったはずです。ですから費用の半分をこちらが負担するのは、当然の理屈でしょう」
「ウサちゃんは……。ウサちゃんは、こちら側の人間じゃないでしょう?」
熊谷の口から漏れた『こちら側』という言葉に、俺の肩がびくりと跳ねた。
自分が認めたくないだけで、本当はとっくに、彼と同じ側の深淵に足を踏み入れているのだと。ただ臆病な俺が、それを認めることを死ぬほど恐れているだけなのだと。
熊谷は、その俺の醜いまでの臆病さをとっくに見抜き、その上で「普通」でありたいと願う俺の矜持を、彼なりの優しさで汲み取ろうとしてくれている。そのことが、たまらなく惨めだった。
「宇佐見です。何を仰りたいのか理解しかねますが、その封筒を受け取るつもりはありません。返さないでください」
拒絶の意思を明確に示すと、熊谷はゆっくりと封筒を胸ポケットに収めた。
俺の頑なな態度に、彼は一歩引いたのだろう。差し出していた手を下ろし、それから少しだけ唇を緩めた。バーで見せたあの笑みに似ていたが、その温度は全く異なっている。やはり、ひどく寂しそうだった。
「じゃあ……預かっておくわね」
返すでもなく、受け取るでもない。「預かる」というその言葉は、あの一晩の重みを消し去ることを許さないという、静かな宣言のように聞こえた。
「ところで」
不意に、熊谷が声のトーンを切り替えた。スイッチを入れたかのように軽快な、あのいつものオネエ口調。その鮮やかな変貌に、俺の思考は追いつかない。
「来週から、深瀬律の新刊の販促で営業さんと組むことになったの。書店回り。……担当は宇佐見くんだって、あなたの課長が言ってたわよ」
その瞬間、全身の血の気が引いていくのがわかった。
販促。書店回り。よりによって、この男と二人で。
耳から入り込んだ言葉が、脳内で何度も、不吉な予言のように反芻される。
来週から、俺は熊谷と二人で外を歩き、同じ車に揺られ、時には差し向かいで食事を共にすることになる。
「……そう、ですか」
平坦を装って返したが、心拍数は狂ったように跳ね上がり、背中を冷たい汗が伝い落ちていく。
営業成績トップの俺と、引き抜かれてきた有能な編集者を組ませる。組織の判断としては、これ以上なく合理的だ。俺の個人的な混迷など、会社という巨大な歯車の前では、塵ほどの価値も持たない。
「よろしくね、ウサちゃん」
熊谷はジャケットを肩にかけ直し、ひらりと手を振って給湯室を去っていった。
すれ違いざま、あの柑橘系の匂いが再び俺を掠める。あの一晩、彼の首筋に顔を埋めた時に吸い込んだ、あの匂い。
熱い肌の温度、湿った皮膚の塩辛さ、腕の中で震えていた大きな身体――。
閉じ込めたはずの記憶が、その匂いを引き金にして、暴力的な鮮明さで浮上してくる。
「…………宇佐見です」
主のいなくなった狭い空間で、俺は消え入りそうな声で、誰に届くともなく呟いた。
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