7 / 23
7
「いちいち売られた喧嘩を買わないで。フォローするこっちの身になってよ。佐藤は古株よ。邪険に扱えないんだから」
会議を終えて、麗香さんに呼び出された俺は小言を言われる。
「……なら、俺の下に先輩を」
「駄目。絶対に」
「……ちっ」
「舌打ちしない。行儀の悪い子ね。ホワイトタイガーは、ホワイトタイガーのままでいなさい。小野寺君と一緒になると、貴方はホワイトタイガーからただの子猫になるのよ。だから、仕事とプライベートは一線ひいて。必ず」
「なら、新人弁護士たちの新人虐めをどうにかさせろ。毎日、睡眠不足で先輩の身体が壊れるだろうが」
「あれは通過儀礼でしょ? 貴方だって経験したはず」
「経験? 俺のときはあんな虐めはなかった」
「……ああ、貴方の場合は押し付けられた時点で、さも当然のこどく書類をシュレッダーにかけてたわね。小野寺君がそういう性格じゃないだけ。優秀だわ。あの仕事量を一人でこなして、さらには京極のクライアント、こっちに連れてきてくれるんだから」
「だから身体を壊すっつってんだろうが」
俺はデスクを叩いた。麗香さんはフッと笑うと、クスクスと面白そうに笑う。
「ほらね。母猫を奪われた子猫みたい。威嚇して怒って……。あの子は大丈夫よ。京極のところにいたのよ? これくらいの仕事なんて。それにあの子の体調を気にするなら、毎晩抱くのをやめなさい。それだけでも寝不足は解消されるはずよ」
「仕事場で、先輩がふらつきでもしたら俺は、すぐに自分のオフィスに連れていくからな。俺以外の仕事はさせない」
「それで困るのは貴方よ? あの子、知らないでしょ? 貴方の本性を。どんなあくどいことも気にせずに手を染めて、黒を白にかえる弁護士だってこと。いいの? 下についたら嫌でも目にするのを、貴方の仕事内容を」
「……」
思わず言いよどんでしまう。確かにそれは困る。
「ほら。だから、今のままがいいの。理解したなら、仕事にもどりなさい」
俺はムッとしつつも、反論できずに、麗香さんのオフィスを後にした。悔しいが正論だ。俺の下について、仕事内容を目にしたら……マヤは絶対に俺を嫌う。正義を貫くために弁護士になったような真っ白い心のマヤは……黒い犯罪ばかりしか扱わない俺に嫌気がさしてしまうだろう。
「……くそっ」
廊下を歩きながら、悪態をついた。
会議を終えて、麗香さんに呼び出された俺は小言を言われる。
「……なら、俺の下に先輩を」
「駄目。絶対に」
「……ちっ」
「舌打ちしない。行儀の悪い子ね。ホワイトタイガーは、ホワイトタイガーのままでいなさい。小野寺君と一緒になると、貴方はホワイトタイガーからただの子猫になるのよ。だから、仕事とプライベートは一線ひいて。必ず」
「なら、新人弁護士たちの新人虐めをどうにかさせろ。毎日、睡眠不足で先輩の身体が壊れるだろうが」
「あれは通過儀礼でしょ? 貴方だって経験したはず」
「経験? 俺のときはあんな虐めはなかった」
「……ああ、貴方の場合は押し付けられた時点で、さも当然のこどく書類をシュレッダーにかけてたわね。小野寺君がそういう性格じゃないだけ。優秀だわ。あの仕事量を一人でこなして、さらには京極のクライアント、こっちに連れてきてくれるんだから」
「だから身体を壊すっつってんだろうが」
俺はデスクを叩いた。麗香さんはフッと笑うと、クスクスと面白そうに笑う。
「ほらね。母猫を奪われた子猫みたい。威嚇して怒って……。あの子は大丈夫よ。京極のところにいたのよ? これくらいの仕事なんて。それにあの子の体調を気にするなら、毎晩抱くのをやめなさい。それだけでも寝不足は解消されるはずよ」
「仕事場で、先輩がふらつきでもしたら俺は、すぐに自分のオフィスに連れていくからな。俺以外の仕事はさせない」
「それで困るのは貴方よ? あの子、知らないでしょ? 貴方の本性を。どんなあくどいことも気にせずに手を染めて、黒を白にかえる弁護士だってこと。いいの? 下についたら嫌でも目にするのを、貴方の仕事内容を」
「……」
思わず言いよどんでしまう。確かにそれは困る。
「ほら。だから、今のままがいいの。理解したなら、仕事にもどりなさい」
俺はムッとしつつも、反論できずに、麗香さんのオフィスを後にした。悔しいが正論だ。俺の下について、仕事内容を目にしたら……マヤは絶対に俺を嫌う。正義を貫くために弁護士になったような真っ白い心のマヤは……黒い犯罪ばかりしか扱わない俺に嫌気がさしてしまうだろう。
「……くそっ」
廊下を歩きながら、悪態をついた。
あなたにおすすめの小説
男同士で番だなんてあってたまるかよ
だいたい石田
BL
石堂徹は、大学の授業中に居眠りをしていた。目覚めたら見知らぬ場所で、隣に寝ていた男にキスをされる。茫然とする徹に男は告げる。「お前は俺の番だ。」と。
――男同士で番だなんてあってたまるかよ!!!
※R描写がメインのお話となります。
この作品は、ムーンライト、ピクシブにて別HNにて投稿しています。
毎日21時に更新されます。8話で完結します。
2019年12月18日追記
カテゴリを「恋愛」から「BL」に変更いたしました。
カテゴリを間違えてすみませんでした。
ご指摘ありがとうございました。
優しくて知的な彼氏とサークルの合宿中我慢できなくて車でこっそりしたら、優しい彼氏が野獣になってしまった話
ゆなな
BL
Twitterで連載していたタイトルそのまんまのお話です。大学のサークルの先輩×後輩。千聖はいろさん@9kuiroが描いて下さったTwitterとpixivのアイコン、理央はアルファポリスのアイコンをモデルに書かせてもらいました。
ナイトプールが出会いの場だと知らずに友達に連れてこられた地味な大学生がド派手な美しい男にナンパされて口説かれる話
ゆなな
BL
高級ホテルのナイトプールが出会いの場だと知らずに大学の友達に連れて来れられた平凡な大学生海斗。
海斗はその場で自分が浮いていることに気が付き帰ろうとしたが、見たことがないくらい美しい男に声を掛けられる。
夏の夜のプールで甘くかき口説かれた海斗は、これが美しい男の一夜の気まぐれだとわかっていても夢中にならずにはいられなかった。
ホテルに宿泊していた男に流れるように部屋に連れ込まれた海斗。
翌朝逃げるようにホテルの部屋を出た海斗はようやく男の驚くべき正体に気が付き、目を瞠った……
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
天使の分け前
ゆなな
BL
勉強ができることしか取り柄がない陽也は、天使みたいに清らかな学園の人気者である綾人が好きだった。
地味で勉強ばかりしている陽也とも友人として優しく付き合ってくれる綾人に劣情を抱いてしまうことに陽也は罪悪感を感じていたが───
普段は天使みたいなのに、ベッドでは野獣に変身する攻めが書いてみたかっただけのお話。お気軽にお読み下さい。