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「マヤ……血の味がする」
「無理やり……だったから、切れた、と思う。かなり血で汚れてて」

「うん。裂けてる。腫れてるし……。今日は……やめておこう?」
「……え? してほしい。また裂けてもいいから」

「ここは薬を塗って大事にしよう。入れなくても、気持ちよくなれるから」
「小林……でも……」

「軟膏、取ってくるから」
 ベットから一度、降りた小林が寝室から出ていった。

 なんで、そんなに優しいの? どうして――?

 僕にはもう……興味がない、から? もう抱きたくない? 他の男の手で触られた身体なんて要らない? 汚い?

 僕は……捨てられる?

 生暖かい涙がポロポロと落ちてきた。別れたくないのに……小林が好きのなのに。

「……えっ? マヤ……なんで泣いて?」
 軟膏を持ってきた小林が驚いて、ベッドに駆け付けた。頬に手を当てると、目から零れる涙をキスしながら吸い上げた。

「こばやしぃ……」
「ん?」

「……嫌いにならないでえ。僕は小林が……好き、なんだ。別れたくない」
「嫌いになるわけないだろ! 別れたりしない。どうしてそんな不安に……」

 僕は小林に抱き着くと胸に顔を埋めた。ぎゅっと強く抱きしめてくれる小林に、さらに涙が溢れた。

「今日は……しない、って」
「それは傷があるから。確かに最初は……俺も無理やりヤッてたけど。てか、無理やりこっち側に引き込んだけど。傷はつけたくない。大切にしたい。マヤのここは、丁寧に扱いたいんだ。だから……大事にさせて。俺、誰かにこんな気持ちになるは初めてなんだ」

 チュッと小林が僕の額にキスを落とした。「軟膏塗るよ」と僕を優しくベットに倒すと、足を開いた。電気を一番明るい明るさにすると、薬を指につけて優しく後ろの口の回りを撫でまわした。

「あっ……あ、んぅ」
 嬌声があがってしまう。

 薬を塗ってもらってるだけなのに。まるで、いつもの愛撫みたいで気持ちが良くなってしまう。スーッと薬の成分が皮膚に浸透していくのがわかって、なんだが火照ってしまう。

「……小林っ……それ、あっ! んぁ……」
「気持ちいい?」

「ん、どうしよ……薬なのに」
「可愛い。俺のマヤは」

 唇が近づいてきて、僕は瞼を閉じた。小林の甘いキスが僕の心を溶かしてくれる。スッと指が中に入る。内側も丁寧に薬を塗ってくれる。気持ちよくて腰が浮いてしまう。

 キスを終えて離れようとする小林に、僕は下唇に噛みついた。ちゅっと吸い上げて、口の中に僕の舌を入れると、小林のキスが少し荒々しく舌先を絡めてきた。

「ん、んふ……んぁ」
 互いの吐息が重なって、さらにキスを求め合った。夢中になって、噛みつき合う。小林の指が穴から抜けると、僕は身体を起こした。今度は小林を押し倒した。

「マヤ……? 駄目だって」
「擦るだけは?」

「……ったく。うっかり入ったらどうするんだよ」
「入ってもいい」

「だめ」
「でも……イキたいんだ、一緒に。小林のだって、パンパンじゃないか」

「絶対に入れない?」
「……ん、入れない」

「じゃあ、好きなように動いて」
 入れたいのに……。痛くても……小林のを飲み込みたいのに。

 僕は乱れた呼吸で、ゆっくりと穴の口に小林の根元にくっつけた。男根を後ろの口で飲み込まずに表面だけを擦りつける。入れてないのに、身体に快感が走る。
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