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―真弥side―
「小林、僕にもわかるように説明してほしい。犯罪をでっちあげるの?」
道元坂さんと杉本さんが帰った後、僕たちは寝室に行ってベッドに並んで座った。手を握り合い、顔を見合わせた。
「マヤに嫌われたくない。だから話したくないって言っても……聞くんだろ?」
「まあ……」
知りたいから。それに小林を嫌ったりしない。
「これが俺のやり方だ。大手企業の黒い部分を白いにかえる……なら反対も然り。白を黒にかえることも簡単だ。今回は、佐藤を事務所から追い出すために白を黒にした。正確に言えば……グレーな部分だな。曖昧さゆえ……たとえ白だったとしても、一度つけてしまった黒い染みは、グレーを簡単に黒にしてくれるんだ」
「……どういうこと?」
「一度ついた黒い染みっていうのは、マヤを無理やり犯したこと。グレーな部分は、女をホテルに連れ込んで、まるで無理やり抱いたかのようにした部分」
「ちょっと待って。さっきのボイスレコーダーを聞く限りでは……」
マヤが言い淀んだ。はっきりとした文言は言いたくないのかもしれない。
「ああ。例えば……これから抱こうとしている女に、『まるで強姦されるみたいにプレーするのが好きなの。すごく燃えるの』と言われてみろ? そういう言葉攻めをしたくなるだろ? それに女がのって、煽るように嫌がるそぶりを見せる。もっと過激な言葉が出る……はい、完成!」
「そんな簡単に?」
「男は馬鹿だから。チョロい」
「そういう問題?」
「そういう問題。あとは明日のお楽しみだな」
小林がぎこちない笑みを見せた。
「ねえ……いつ、僕と佐藤のことわかったの? 麗香さんから聞いたとは思えないんだけど」
「ああ……簡単。匂いで」
「いぬ?」
「人間だ。麗香さんに同じ質問されたし!」
小林がムッとして怒った。
「帰るとき、煙草の匂いって言っただろ? あれ、嘘。匂ったのは香水。すれ違っただけでも、一緒にコーヒーを飲んだだけでも匂いなんて他人に移らない。俺に喧嘩売ったあとだし……何かあるって思って、美鈴に調べさせようとしたら、ボロを出した。で、麗香さんにも話を聞いた」
「あ……でも、データが……。これをネタに消してもらうの?」
「いや。あんなのを消すのは簡単だ。もうすでに、美鈴がやった。俺がやりたいのは抹殺だ」
「ええ?」
「本当には殺さない」
「わかってるよ!」
真剣な表情で『本当は』なんて言うから、僕は苦笑した。
「社会的に抹殺するだけ。あいつはそれだけのことをしたからな」
「え? なにしたの?」
ん? って顔をして小林が僕を見つめてきた。
「マヤを無理やりヤッただろ?」
「え? それだけで抹殺? 社会的に?」
「俺の大事なマヤに手をつけたんだ。当たり前だろ。データだけ消して、同じ職場に居続ける? 反吐がでる。それこそ俺が殺人者になりかねない」
「それは……やめて」
「だから、明日決着をつける。もし、きつかったから仕事、休んでいいから」
「ありがと」
僕は、小林にキスをした。それに応えてくれる小林のほうが、熱烈なキスで……舌を絡め合わせながらベッドに倒れ込んだ。
「ヤバい……やっぱシタい……」と、小林が苦笑していた。
「小林、僕にもわかるように説明してほしい。犯罪をでっちあげるの?」
道元坂さんと杉本さんが帰った後、僕たちは寝室に行ってベッドに並んで座った。手を握り合い、顔を見合わせた。
「マヤに嫌われたくない。だから話したくないって言っても……聞くんだろ?」
「まあ……」
知りたいから。それに小林を嫌ったりしない。
「これが俺のやり方だ。大手企業の黒い部分を白いにかえる……なら反対も然り。白を黒にかえることも簡単だ。今回は、佐藤を事務所から追い出すために白を黒にした。正確に言えば……グレーな部分だな。曖昧さゆえ……たとえ白だったとしても、一度つけてしまった黒い染みは、グレーを簡単に黒にしてくれるんだ」
「……どういうこと?」
「一度ついた黒い染みっていうのは、マヤを無理やり犯したこと。グレーな部分は、女をホテルに連れ込んで、まるで無理やり抱いたかのようにした部分」
「ちょっと待って。さっきのボイスレコーダーを聞く限りでは……」
マヤが言い淀んだ。はっきりとした文言は言いたくないのかもしれない。
「ああ。例えば……これから抱こうとしている女に、『まるで強姦されるみたいにプレーするのが好きなの。すごく燃えるの』と言われてみろ? そういう言葉攻めをしたくなるだろ? それに女がのって、煽るように嫌がるそぶりを見せる。もっと過激な言葉が出る……はい、完成!」
「そんな簡単に?」
「男は馬鹿だから。チョロい」
「そういう問題?」
「そういう問題。あとは明日のお楽しみだな」
小林がぎこちない笑みを見せた。
「ねえ……いつ、僕と佐藤のことわかったの? 麗香さんから聞いたとは思えないんだけど」
「ああ……簡単。匂いで」
「いぬ?」
「人間だ。麗香さんに同じ質問されたし!」
小林がムッとして怒った。
「帰るとき、煙草の匂いって言っただろ? あれ、嘘。匂ったのは香水。すれ違っただけでも、一緒にコーヒーを飲んだだけでも匂いなんて他人に移らない。俺に喧嘩売ったあとだし……何かあるって思って、美鈴に調べさせようとしたら、ボロを出した。で、麗香さんにも話を聞いた」
「あ……でも、データが……。これをネタに消してもらうの?」
「いや。あんなのを消すのは簡単だ。もうすでに、美鈴がやった。俺がやりたいのは抹殺だ」
「ええ?」
「本当には殺さない」
「わかってるよ!」
真剣な表情で『本当は』なんて言うから、僕は苦笑した。
「社会的に抹殺するだけ。あいつはそれだけのことをしたからな」
「え? なにしたの?」
ん? って顔をして小林が僕を見つめてきた。
「マヤを無理やりヤッただろ?」
「え? それだけで抹殺? 社会的に?」
「俺の大事なマヤに手をつけたんだ。当たり前だろ。データだけ消して、同じ職場に居続ける? 反吐がでる。それこそ俺が殺人者になりかねない」
「それは……やめて」
「だから、明日決着をつける。もし、きつかったから仕事、休んでいいから」
「ありがと」
僕は、小林にキスをした。それに応えてくれる小林のほうが、熱烈なキスで……舌を絡め合わせながらベッドに倒れ込んだ。
「ヤバい……やっぱシタい……」と、小林が苦笑していた。
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