異世界で大往生した私、現代日本に帰還して中学生からやり直す。~最強の補助魔法で、冴えないおっさんと最強美女を操って大金持ちになります~

タカノ

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第57話:ヒナの弱点! 「魔法封じ」の罠! 課金アイテム(物理)で殴り返せ

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「総員、攻撃開始(フルバースト)!!」

私の号令と共に、地下ダンジョンの最深部は光と爆炎に包まれた。

「ハァッ!! 【聖剣技・十字閃(グランド・クロス)】!」 レオナルドが光の斬撃を飛ばし、クリスタル・ドラゴンの鱗を切り裂く。

「……重力よ、潰せ。【黒棺(ブラック・コフィン)】!」 ルシファーが闇の重力波を放ち、ドラゴンの動きを封じる。

「穢れし竜よ! 癒やし(物理)を受けなさい!」 アリスが巨大なメイス(杖)でドラゴンの爪を殴打する。

「ウオオオッ! 筋肉旋風!!」 バッファローが私の【筋力増強】を受けて回転し、ドラゴンの尻尾を掴んで投げ飛ばす。

『グオオオオオッ!?』

S級魔獣クリスタル・ドラゴン。 本来なら国一つを滅ぼす災厄だが、魔王・勇者・聖女・脳筋のドリームチーム(+半グレの援護射撃)の前では、ただのデカいトカゲだ。

「……いい感じだね」

私は後方で腕組みをしながら戦況を見守っていた。 私の仕事は「指揮」と「支援(バフ)」。 前線が傷つけば【回復】を飛ばし、火力が足りなければ【攻撃強化】を乗せる。 この完璧な布陣なら、あと数分で討伐完了だ。

ドスーン!!

ドラゴンの巨体が地に伏した。 チャンスだ。

「今だ! 一斉攻撃でトドメを刺すよ!」

私が杖を掲げ、最大出力の支援魔法を唱えようとした――その時。

ブォォォォン……!

奇妙な低周波音が響いた。 同時に、私の体から力が抜け、展開していた魔法陣が霧散した。

「……え?」

ガクンッ。 前線で戦っていたバッファローの筋肉が萎み、元のサイズに戻る。 レオナルドの光の速さが失われ、足がもつれる。 ルシファーの重力場が消滅する。

「な、なんじゃ!? 魔力が練れぬ!?」 ルシファーが驚愕する。

「……バフが消えた!? 体が重い!」 レオナルドが膝をつく。

「……ヒナさん! 回復を! ……あれ? 回復が届きませんわ!」 アリスが叫ぶ。

「……どうなってるんだい!?」

私が杖を振るが、火花一つ出ない。 魔力はある。だが、それが体外に出た瞬間、何かに「中和」されて消えてしまう。

「……ククク。やはりな」

背後から、嘲笑う声がした。 振り返ると、黒竜会のボス・黒崎が、懐から取り出した奇妙な装置――黒い水晶体を握りしめて笑っていた。

「……黒崎。何をしたんだい?」

「『支援魔法無効化フィールド(アンチ・バッファー・ジャマー)』だ」

黒崎が装置を見せびらかす。

「お前については調べ上げている、小金沢ヒナ。……お前は異常なほどの支援能力を持つが、お前自身は『無力』だ。……他人を強化できなければ、ただの女子中学生だろう?」

「……!」

「この装置は、特定の波長の魔力を相殺する。……お前から仲間への『パス』は全て遮断した」

黒崎が合図すると、生き残っていた黒竜会の部下たちが、一斉に銃口を私たちに向けた。 ドラゴンはまだダウンしているが、私たちは今、背後から撃たれようとしている。

「……卑怯な。共闘協定はどうしたんだい?」

「ビジネスだよ。……ドラゴンが弱った今、お前たちもここで消えてもらえば、ダンジョンは俺たちのものだ」

黒崎が魔導銃を私の眉間に向けた。

「終わりだ、魔女。……その杖を捨てろ」

絶体絶命。 支援魔法が使えない私は、確かに戦闘力ゼロだ。 ルシファーやレオナルドも、私のバフ前提で無茶な動きをしていたため、反動で動けない。

「……はぁ」

私は大きなため息をついた。 杖を手放し、地面に落とす。

カラン……。

「……賢明だ。死ね」 黒崎が引き金に指をかける。

その瞬間。 私はスカートのポケットに手を突っ込んだ。

「……いいかい、黒崎。一つ教えてやるよ」

「あ?」

「魔法使いが、魔法しか使えないと思ったら……大間違いだ!!」

私はポケットから取り出した「黒い球体」を、黒崎の足元に叩きつけた。

カッッッ!!!!

「うぐぁぁぁっ!?」 「目がぁぁぁ!!」

強烈な閃光と爆音が炸裂した。 軍用閃光手榴弾(スタングレネード)。 鏡が裏ルートで仕入れた、「対人制圧用課金アイテム」だ!

「今だ! リオ!」

「あいよッ!」

私の声に応じ、唯一「魔法に頼らない」純粋な武闘派・リオが動いた。 彼女は目を閉じたまま気配だけで黒崎に肉薄する。

「オラァッ!!」

ドゴッ! リオの拳が黒崎の鳩尾に突き刺さる。

「がはっ……!?」 黒崎がけ反る。

だが、私はそれだけでは終わらせない。 私はバッグから、スティック状の物体を取り出した。 スイッチを入れると、バチバチバチッ! と青白い電流が走る。

「……魔法がダメなら、『科学(スタンガン)』だ!!」

私は黒崎の首筋に、スタンガンを全力で押し当てた。

「アババババババッ!!?」

黒崎が激しく痙攣し、白目を剥いて倒れる。 その手から、例の装置(ジャマー)が転がり落ちた。

「……鏡! 壊しな!」

「了解!」 鏡がどこからともなく取り出したハンマーで、ジャマーを粉砕する。

パリーン!!

その瞬間、体の中に力が戻ってくる感覚があった。

「……ふぅ。魔力開通!」

私は倒れた黒崎を踏みつけ、ニヤリと笑った。

「残念だったね。私は『元・聖女』である前に、『現・金の亡者』なんだよ。……金で買える武器なら、いくらでも持ってるさ」

『グルルルル……!』

その時、ダウンしていたクリスタル・ドラゴンが、怒りの咆哮と共に起き上がった。 全身の結晶が赤く輝き、暴走モードに入っている。

「……お喋りは後じゃ! 来るぞ!」 ルシファーが叫ぶ。

「……チッ。休憩終わりだ!」

私は杖を拾い上げた。

「総員、戦闘再開! ……今度こそ、あのトカゲをスクラップにするよ!」

「おう!」 「任せてください!」

バッファローの筋肉が膨れ上がり、レオナルドの聖剣が再び輝き出す。 私の支援魔法が、全員のスペックを限界突破させる。

「……パパ! 出番だよ!」

私は岩陰で震えている善さんを引っ張り出した。

「えっ!? 僕!? もう歌うのは嫌だよぉ!」

「歌うんじゃない。……『飛ぶ』んだよ」

「は?」

私は善さんの背中をバシッと叩いた。 今使える最大火力のコンボ。 それは、学園祭で披露した「あの技」の強化版だ。

(――超・支援術式展開。【金剛不壊(アダマンタイト・ボディ)】・【超音速飛行(ソニック・フライト)】・【爆裂衝撃(インパクト・ボム)】!!)

善さんの体が、ダイヤモンドのように硬化し、金色のオーラに包まれる。

「バッファロー! ルシファー! 協力しな!」

「御意!」 「仕方ないのう!」

バッファローが善さんを掴み、ルシファーが善さんに【重力圧縮】をかける。 質量と硬度を極限まで高めた、最強の人間砲弾。

「目標、ドラゴンの眉間にある『逆鱗』! ……発射(ファイア)!!」

「いってきまァァァァァァす!!!」

ドヒュオオオオオオッ!!!

バッファローの剛腕から放たれた善さんが、音速を超えて一直線に飛翔する。 空気の壁を突き破り、ドラゴンのブレスをも貫通して突っ込む。

『グオッ……!?』

ドラゴンの目が驚愕に見開かれた瞬間。

ドッゴオオオオオオオオオン!!!!

善さんの頭突きが、ドラゴンの眉間にある結晶核を粉砕した。

ガラスの割れるような音が洞窟全体に響き渡り、ドラゴンの巨体が光の粒子となって崩れ落ちていく。

「……やったか」

土煙が晴れると、そこには。 山のようなオリハルコンの原石と。 地面に深々と突き刺さった、無傷の善さん(逆さ)があった。

「……と、取れたぁ……」 善さんが地面から足をバタつかせる。

「……勝利だ」

私は勝利宣言をした。 黒竜会は壊滅。ドラゴンは討伐完了。 そして、目の前には数百億の価値があるレアメタル。

「……ふふ、ふふふ……大儲けだ……」

私は笑いが止まらなかった。

だが。 物語はここで終わらない。 ドラゴンの消滅した跡地。 そこに、小さな「扉」が出現していた。

「……なんだい、あれは?」

扉には、古代文字でこう刻まれていた。 『真の試練はこれより始まる。……地獄の沙汰も金次第』

「……面白そうじゃないか」

私がその扉に手をかけようとした時。 倒れていた黒竜会の黒崎が、ゾンビのように起き上がった。

「……ま、待て……。俺たちは……まだ負けてねぇ……」

「往生際が悪いね。まだ電気を浴びたいのかい?」

「ち、違う……。……俺たちの雇い主が……黙っちゃいねぇぞ……」

「雇い主?」

黒崎は血を吐きながら、不吉な予言を残した。

「……このダンジョンを狙っているのは、俺たちだけじゃない。……『アメリカ軍』と『魔術結社』が、動き出している……」

世界規模の争奪戦。 私の平穏な老後は、ますます遠のいていく。

そして、その予言通り。 地上に戻った私たちを待っていたのは、マルサよりもタチの悪い訪問者だった。
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