青春と恋の物語

NISHINO TAKUMI

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青春と恋の物語青春編1-1

青春と恋の物語15 事実と決意

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先輩はトレーニングで
なくなったのではない…
美月は俺にそう告げてきた
美月『私が…一哉を気絶させちゃったから…どうしたらいいかわからなくて
相談するために先輩に電話をしたの…
そして先輩は一哉の病室に向かう途中で
交通事故に巻き込まれて…亡くなったの』
俺『…どうしてそれを隠したんだよ…』
美月は泣き出してしまい
何を聞いても答えてくれなかった
井上『俺があとは話す。
美月は、お前の性格を知ってたから
自分を責めると思って言わなかったんだ。
お前は肺炎で安静にしなきゃいけないって言う連絡を瑠夏から受けてたから
ここで事実を伝えたら
お前は北野のところへ行ってしまう
そんなことしたら
今度はお前が危ない目に遭う
それだけはやめてほしいと
美月が頼んできたから…
美月に強力してトレーニングっていう
自業自得な事故だと俺はお前に伝えたんだ』
俺『…』
中村『すべて君のためだったんだよ
だから、美月を責めるのは違うよ』
俺『…』
美月『ごめん…ごめんね…』
俺『…部活は何でやめた…?』
美月『…私の練習のささえが
二人ともいない部活で練習しても
うまくいかないと思ったから…
また私のせいで人が傷ついたら…と思ったら耐えれなかった…』
俺『そっか…そーだったんだ…』
井上『…そういうことなのよ』
俺『先輩は俺のために…』
美月『…』
俺は悔しかった…こんなに自分のせいで
辛いおもいをする人がいたことに
そんなことを知らずにのんきに練習をしていたことに…
俺『でも…よかったです』
3人『え?』
俺『事実を知れて…先輩が俺のせいで亡くなったと知れて…そうと知ったら…
やっぱり井上先輩の言うように
自分をせめてる暇なんかないですよね…
絶対に全国にいかなきゃ…
全国にいっても結果を残さなきゃいけないですし…こんなとこで悲しんでる暇もないですね…泣くのは結果を残して先輩の家に挨拶しに行ったときにします』
俺は涙を流しながら笑った
井上『おう…当たり前だ!
絶対に行けよ…絶対に行って
結果を残してこいよ…
もちろん…その時は美月も一緒にな』
中村『美月!瑠夏の実力はもう
美月と同じくらいまで上がってるから
安心して新人戦出てきてね!』
美月『…はい…』
俺『美月、合同練習もかなり
いい結果が残ってる
団体はボロボロだったけど…
個人はすごいから。
明日の練習で証明するから』

こうしてすべてを知った俺と
すべてを話して解放された美月
美月は部活への復帰を決め

先輩たちと新人戦で絶対結果を残すことを
誓ったのだった


16話につづく…
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