青春と恋の物語

NISHINO TAKUMI

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青春と恋の物語恋愛編

青春と恋の物語2-19

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俺は美月を抱えたまま部屋に向かった。
『(美月のやつ…あれだけ無理するなって言ったのに…まったく…)』
俺は部屋に入り、美月を床に寝かせて
布団をかけた。
寝ている美月を起こさないように
ゆっくりと部屋を出ようとした…が…
美月『病人をほってどこにいくのかな?一哉君?』
俺『なんだよ…起きてたのかよ…さっきのも嘘だろ』
美月『起きてない。今起きたの』
俺『そ、そうか…(どうかな…)』
美月『で、どこにいくの?』
俺『朝食までもう少しトレーニングしようかなって。』
美月『じゃ。私もつれてって』
俺『なんでだよ…さっき倒れたばっかりじゃん。無理するなって…』
美月『無理してない。さっきのは本当に少し貧血が出ただけ。大丈夫だよ』
俺『んー…でもだめ』
美月『なんで!?こんなに私がお願いしてるのに!』
俺『病人の美月なんかがいたら練習に集中できないし。大事な仲間なのになんかあったら困るし…それこそ北野先輩の二の舞だよ…
俺はこれ以上練習以外で誰にも傷ついても無理してもほしくないの。』
美月『…』
俺『あ、それにライバルに練習見せたら攻略されてすぐやられるだろ?それとも、俺の練習見ないと俺を倒せないの?』
美月『は?そんなことないけど?さっき1発目簡単に負けたのは誰よ!』
俺『俺だよ?じゃ、カンニングせずおとなしくしててよ。負け犬が練習して勝ち犬に勝つんだから。』
美月『…わかった』
俺『よし。じゃ、またあとでな』
美月『…うん』
俺は部屋を出て道場に再び向かった。



美月side

まさか…あんな簡単に持ち上げられるとは思わなかった…
『(やっぱり一哉も男子なんだな…)』
先程私は本当に貧血で倒れてしまった。
背負ってもらったときとは違い
抱えられてると揺れが大きくて
目が覚めてしまった。
うまく言いくるめられてしまった私は
部屋で一人でぼーっとしていた。
すると…
七瀬『美月!!ホントに大丈夫!?』
瑠夏『嘘だと思ってたら体が動かなかった…』
そんなことだろうとは思ったけど…
私『あのねぇ…好きでもないやつに嘘ついてお姫様だっこしてもらって、私に何の得がしさあるわけ?』
私は呆れ半分で言っていた。
瑠夏『でも本当に大丈夫?』
私『大丈夫だよ?』
七瀬『でも、美月は本当に
一哉のことどうでもいいんだね…』
私『昨日からそう言ってるじゃん…』
『(本当はさっきのことで好きってわかっちゃったんだけど…)』
そんな話をしてると…
蓮『西野先輩!水野先輩!山下先輩!
櫻井先輩いますか!
おはようございます!朝食になるみたいなので裏の川に来てください!』
私『わかったよー…って裏の川!?』
蓮『はい!』
私たちは首を捻りながら川に向かった。
川にいくと沢木さんがいた
沢木『遅いぞ、はやくしないと飯抜きになるぞ?朝飯は魚だ。ここは寺だからな
自給自足でやってみろ。自分で捕まえたものがそのまま飯になるから。獲れなかったら
白飯と味噌汁だけだ。頑張れよ』
瑠夏『あの!私まだそんな動けないんですけど!?美月もさっき貧血で倒れてるんですけど!』
沢木『一哉がいるだろ?そこに』
私『え?』
振り向くとそこに一哉と七瀬が手を繋いで走ってきていた。
…ん?【手を繋いではしってきた】?
七瀬『ふぅー、まにあった!』
一哉『お、おい…七瀬…飯じゃないのかよ…
川来てどーすんの…』
瑠夏『自給自足だってさ。魚獲れなかったらご飯と味噌汁だけらしいよ。私と美月動けないから…私たちの分も獲ってね?
一哉『え、自給自足!?なるほどね…さすが寺…わかったよ…』
瑠夏『ごめんね。お願いします』
私『ひとつきいていいかな?』
一哉『ん?』
私『なんで2人は手を繋いでるの?』
私がそういうとあわてて
七瀬『あ!連れてくるために…』と説明をした。
私『なるほどね~一哉、ラッキーだと思ったんじゃない?』
一哉『ラッキーだとなんで思うんだよ?
…まあ…ドキっとしたけど…』
私『一哉、はやくしないとご飯なくなる!あんたの分はいいとしても私と瑠夏の分は確実にとってよ!?』
一哉『わかってるよ!』
…私は一哉が好きだけどこの今の関係が一番楽なんじゃないかな…と少し思った私だった。でも…誰かが一哉の彼女としているのは嫌だな…
そう思いながら一哉を見つめる私だった。


20話につづく
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