青春と恋の物語

NISHINO TAKUMI

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青春と恋の物語恋愛編

青春と恋の物語2-23

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一哉side


初めてあんな風に人に怒ってしまった。
でも、不思議と後悔していなかった。
七瀬を部屋に寝かせて、最後の処置が終わって廊下に出ると美月が声をかけてきたが…
すぐ近くで七瀬が寝ていたので
道場に俺たちは移動した。

道場に入ると美月が口を開いた

美月『一哉…なんであんなに怒ったの?
怒るだけならまだしも…あんなに責めなくても…』
俺『悔しかったから。』
美月『…え…?』
俺『いつも誰よりも先にメンバーの怪我を処置して保健室の先生に引き継いでくれたり、常に気を遣って助けてくれてた七瀬なのに
散々助けてもらった俺らがすぐに助けてやれなかったことが。
別に俺が助けなくてもよかったはずなんだ…全員がしっかり処置を覚えていれば…』
俺は自然と涙がでてしまった。
美月『…』
俺『誰だっけ…沢木さんかな…言ってたじゃん。人に優しくした分は自分に返ってくるって…七瀬は優しくしてくれたのに
助けてくれたのに…自分がピンチの時助けてもらえなかった。その原因を作ったのは俺だったから…それが悔しくてしょうがないんだよ』
美月『…やっぱ…一哉は一哉だし…優しいんだね』
俺『…え?』
美月『七瀬を必死に助けようとしてさ…
七瀬だけじゃない。私も瑠夏も…
いつもしっかりしてなきゃいけないはずの
私たちが倒れて…それを必死に1人で
移動を手伝ったりお粥まで作ってくれたりさ…優しすぎるよ…』
俺『…俺にできるのはそれぐらいなんだ。
美月みたいに人をまとめたり励ましたりできないし、瑠夏みたいに誰かのために強くなろうとか思えないし、七瀬みたいに常に人に気を遣えない…ただ怒ることしかできなかった
…俺は先輩失格だよ…』
俺は自分の弱さを実感して
余計に涙が溢れてくるのだった。

美月side

目の前で悔しそうに涙を流している一哉。
一哉の涙をみたのなんて……北野先輩が
亡くなった時以来だった…。
ずっと一哉はメンバーを励まして
試合の最前線で活躍してチームを盛り上げてくれていた一哉。
その一哉が心のなかでそんな風に思っていたと知って私は…
私『一哉…』
一哉『ん?…どうしたの?みづ…』
私は一哉が言い終わる前にキスをした。
一哉『…!』
私は口を離して一哉を抱き締めた。
私『一哉…そんな風に思わなくていいんだよ。いつも明るく部活を盛り上げて
怪我とかの対処を七瀬と一緒にやって来れて…私達は本当に感謝してるよ…
ありがとう…一哉…』
一哉は私に抱き締められながら涙を流していた。
いつも無理して明るくして愚痴も漏らさず
部活をやって来てくれた…我慢が限界だった…そう思った。
一哉『…美月…ありがと…ごめん…』
一哉はそう言うと私を抱き締め返してきた。

私は…一哉が好き…それを再認識した。


24話につづく
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