青春と恋の物語

NISHINO TAKUMI

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3章 青春恋物語

青春恋物語3-9

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美月side

私は…変な気を起こした?…かもしれない一哉を連れて寺の外にやってきた。
ずっと一哉は落ち込んだ表情をしている…

一哉『ねぇ…美月…信じてよ…』
私『なにが?』
一哉『決まってるじゃん……俺はなにもしてないって…。
ただ、悲鳴聞こえて駆けつけたら
腰抜かしてる七瀬がいて…起こしてって言われたから手を差し出しただけで…
七瀬が軽すぎて勢い余って後ろに倒れちゃったんだよ…それであの態勢になっちゃって…』
私は…なぜだか…

驚くほどに信じることができてしまった。
私『一哉?大丈夫だよ。信じてるから』
一哉『え…?』
私『一哉が…そんなことするわけないってわかってるし…そんなことする勇気もないことぐらいわかってるから』
一哉『ほんとに…?』
私『うん…あ、でも待って。
1つ言うこと聞いてくれたら皆にも本当のことはなしてあげる』
一哉『また…?』
私『嫌ならいいよ?本気で怒ってる将太に殺されれば?』
一哉『う…わかりましたよ…で何?』
私『どうしよっかなぁ…じゃあ…』
私が言おうとした瞬間一哉が倒れた。
私『!?!?』
一哉『…』
私『か、一哉!?どうしたの!?』
一哉『zzz…』
私『…(寝てるだけ!?)』
私は一哉の頭を思いっきり叩いた。
一哉『…!?な、何が起きた!?』
私『もう!バカ!』
一哉『な、何で怒ってるの!?』
私『将太に言ってやる!!』
一哉『ちょ、ちょっと待って!
言うこと聞けばいいんでしょ!?なに!?』
私『…』
私『泊まりで旅行つれてって。』
一哉『え?そんなのでいいの?』
私『は?そんなのってなに!?』
私はお寺に向かって走り出そうとした。
そのとき…一哉が私の手を掴んできた…
私『!?』
一哉『だから…旅行のプラン考えてあるんだって…もちろん宿泊プランも、
日帰りプランも…』
私『え…?』
一哉『美月と約束したし…
旅行用プランをさっきまで考えてたから』
私『そうなの…?』
一哉『うん…どこに行くかはお楽しみにしてもいいかな?』
私『ほんとに泊まりでいいの?』
一哉『俺は全然構わないよ』
私『…じゃあ…お願いします…』
一哉が私の手をそこで離した。
私『約束覚えてくれたんだね…』
一哉『当たり前じゃん。約束は守るよ…』
私『(こんなかっこいい一面…あったっけ…)』
私達はお寺に戻っていった。
私はメンバー全員にしっかり本当のことを説明し、勘違いしたことを将太と後輩たちは必死に謝っていた。
それでも一哉は怒るどころか
笑顔で許してくれていた。

『(そろそろ…告白しなきゃいけないのかな)』
そう思いながら私は部屋に戻っていった…。
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