青春と恋の物語

NISHINO TAKUMI

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3章 青春恋物語

青春恋物語3-29

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一哉side


七瀬が思っていた不安や俺のことを考えていたことを知り…俺は七瀬の存在のありがたさを強く感じた。
涙を流して俺のことをずっと考えていてくれた七瀬へのお礼を込めて…頭を撫でた。
『(恥ずかしくて顔見て言えないし…
顔見てあげれないけど…七瀬ありがとう)』
俺は心のなかでそう思った時…
七瀬は俺の肩に顔を埋めてきた。
俺は変わらず…夜空を見ていた。
すでに…時間は…。

22時になろうとしていた。


七瀬side


一哉の肩に顔を埋めてた私…。

私『一哉…そろそろ部屋戻る?
時間も遅いし…疲れてるでしょ?
寝たほうがよくない…?』
一哉が夜空から私に視線を変えて
一哉『そうだね…戻ろ…』
私は…一哉が言い終わる前に口を塞いでキスをした。
私『…』
一哉『…』
口を離して私は言った。
私『感謝と手術が成功することを祈ったおまじない…だよ…肩貸すよ。』
私は赤い顔を見られないために
急いで肩を貸して暗い部屋までの道を歩いていった。
部屋について一哉をベッドに寝かせた。
私『おやすみ…』
一哉『…おやすみ』
私達は…キスのことにはお互い触れずに
眠りについた。



一哉side


俺は朝…目が覚めたとき…右腕に違和感を感じて横を見た。
俺『!?』
そこには…床で寝ていたはずの七瀬が寝ていた。俺の右腕…怪我してる腕を抱えて寝ていた。
俺『(これ…下手に動くと腕に響くし…下また濡れ衣を着せられる可能性があるな…)』
七瀬『zzz…』
俺は彼女の寝顔を見ながら昨日の夜のことを思い出していた。
『(俺は…本当に大丈夫なのか…
別の意味で好きなメンバー2人とキスをして…別の2人と抱擁して…
俺を見た人は完全に俺が垂らしって思ってるよね…)』

※☆一哉からのお願い☆
☆俺は不可抗力で危険な態勢になってるだけだし、自分からキスをしたわけではありません…拒むことはできませんでしたが…女で遊んでる訳じゃないです…
なので垂らしと思ってみないでください…恋愛もしたことがない俺なので…
多目に見てください…☆

俺『(でもこのままだと瑠夏と将太に
見つかって殺されるな…)…七瀬…
七瀬…!』
七瀬『ん…』
彼女が目を開ける。
七瀬『あれ…私のベッドに一哉!?』
俺『叫ばないで!?昨日…皆で泊まったんだよ…?』
七瀬『あ、そっか…私…床が固くて寝れなかったからベッドに移ったんだ…』
俺『あ、やっぱりそっか…ごめんね…』
七瀬『いいよ!気にしないで!あー!よく寝た!』
俺『皆を起こさなきゃね…今日も練習あるし』
七瀬『起こしてくるね!ご飯…食パンでいい?時間そんなにないから…』
俺『あぁ。ごめんね。ありがとう』
七瀬の部屋を出て皆を起こしに行った。

朝食をとっているとき
インターホンがなった。
しばらくすると寺田先生が入ってきた。
顧問『おう、おはよう。今日の練習9時からやるからな。遅れるなよ?』
一同『はい!』
顧問『あ、一哉…夏休みが終わったら入院になるからな。あとこれ。』
俺は顧問から松葉杖を渡された。
俺『やっともらえた…これで少しは動ける…』
まあ…右腕が使えないので
左腕で支えるしかないのだが…。
動きは奇妙だが動けるから俺は気にしないことにした。
顧問『じゃ、また学校でな』
そう言って顧問は帰っていった。

俺たちは朝食を済ませて、
部活へ行く支度を始めた。

時間になって俺達は一緒に七瀬宅を出た。


30話につづく
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