青春と恋の物語

NISHINO TAKUMI

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3章 青春恋物語

青春恋物語3-31

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一哉side

俺は瑠夏との約束を守るために
瑠夏を連れて学校から1時間かかる海へとやって来た。
瑠夏は昔から海が好きだった。
あの…中学の時の
美月脱退事件の直前にも…
あのときは皆でだけど遊びに来ていた。
名前のせいなのかわからないけど
瑠夏は海が似合う。
初めて会ったときに名前の説明をしてたのを俺はよく覚えていた。

俺『瑠夏!楽しい?』
瑠夏『うん!久しぶりに来たけど…やっぱり私…海が好き!』
俺『本当に瑠夏の名前のせいなのかもね~』
瑠夏『え、名前の意味覚えてるの?』
俺『宝石のような輝きと夏の太陽のように人を明るくできるようになってほしいっていう願いが込められてるんでしょ?』
瑠夏『え、すごいじゃん!ちょっと、見直した!』
俺『見直してくれたならよかった!』
俺達はその場に座ってずっと、話をしていた。
瑠夏『やっぱ綺麗だよね~』
俺『ごめんな。怪我してるせいで一緒にはしゃげなくてさ』
瑠夏『気にしなくていいよ。怪我の原因は私にも少しあるわけなので』
俺『瑠夏こそ…怪我のこと気にするなよ…瑠夏のせいじゃねぇからさ』
瑠夏『ありがと。でもよかった』
俺『なにが?』
瑠夏『一哉と来れて…病院で診断結果を沢木さんから聞いたときは
もう来れないな…って思ったの』
俺『あの時は誰とも話したくなかったし会いたくなかったから…そういうオーラでてたかもね』
瑠夏『出すぎだよ…まったく』
俺『急に柔道できません!って言われたらそりゃそーなるでしょ』
瑠夏『でももう少し抑えようよ』
俺『ま、それも昨日のことなんだよな』
瑠夏『ねえ…本当に昨日の夜なにもしてないの?』
俺『なんもしてないよ…少し嘘ついたけど』
瑠夏『え、どこ?』
俺『七瀬が泣き出してさ…俺のこと心配してくれてたんだなって思って、
頭撫でてた』
瑠夏『は!?…何かっこつけたことしてんのよ』
俺『どうすればいいかわかんなかったんだもん』
瑠夏『それでも…好きな子なら
抱き締めてあげればよかったじゃん?』
俺『あのなぁ…そんなことできねぇよ…ってか俺…好きな人いないから』
『(好きな人…浮かばないんだよな…)』


瑠夏side

一哉から七瀬を撫でてたということを
聞いてしまった私。
『(内心すごいショックなんだけど…)』
私『好きな人なら…抱き締めてあげなよ』
一哉『そんなことできないよ…。
ていうか…俺好きな人いねぇし…』
私『え、七瀬のこと好きなんじゃないの?』
一哉『そりゃ好きだけど…これは、
仲間としてという好きであって…』
私『一哉…本当に好きな人いないの?浮かばないの?』
一哉『何度も言わせるなよ…いないって…』
私『(いないんだ…まだチャンスはある…か…私を好きになってほしいんだけどな…)じゃあさ?美月と七瀬、私だったら誰が可愛いとおもう?』
一哉『は?…皆モテてるしかわいいんじゃね?』
私『それは他の人がそう思ってるだけで一哉の答えじゃないよ?はい、答えて』
一哉『それぞれの良さがあるから
そんなこと言えないよ』
私『それぞれのよさ?』
一哉『例えば…瑠夏なら大人っぽくて
笑うとえくぼできるでしょ?
声もおっとりしてるというか優しい音。
性格は裏は怖いけど…でも、根は優しくて仲間思いなところとか…
美月なら全体的に清楚って感じの顔立ちじゃん。責任感も強くて…
人を思いやる心が強くて声は大人っぽいとか…七瀬は顔めちゃ小さいじゃん…声も落ち着く声だし…とにかく人に尽くせるところがいいところ…ほらこんなに
3人とも違ったよさがあるんだから
比べれないよ』
『(私のことしっかり見ててくれたんだ…嬉しいな…)裏って何よ裏って…』
一哉『はは、いいじゃん。褒めてるんだからさ?』
私『まあ…そうだけど』
私たちはそんな話をお昼までずっとしていた。


お昼を過ぎた頃

海の家で昼食を軽くとった私達。
私は海辺を裸足になって歩いていた。
一哉はさっきと同じところにすわって私を見ている。

一哉『はしゃぎすぎるなよ?』
私『はしゃいでないよ?』
一哉『全く…』
私『何で私がこんなはしゃぐかわかる?』
一哉『はしゃいでるんじゃん?…楽しいし海が好きだからでしょ?』
私『一哉がいるからだよ?』
一哉『え?』
私『大ケガして…正直私は一哉がやめると思ってた…私たちに迷惑かけたくないとか言って出ていってしまうんじゃないか……ってずっと思ってたの
でも、しっかりここにいてくれてる』
一哉『出ていこうと思ったよ。
でも公園であんなに俺のために涙を流してるんだもん。俺が逃げちゃダメだなって思ったから』 
私『一哉に好きな人ができたら…私困るんだ…』
一哉『え、なんで?』
私『こんな風に…一緒に遊べなくなる。出掛けれなくなる…それが辛いの。
もし一哉が誰かと付き合うことがたるなら…それまででもいいから私といろんなところへ2人で行って欲しいんだ…』
一哉『瑠夏……』
私『本気だよ?』
一哉『どこへでも行くよ?俺を救ってくれた大切な仲間の瑠夏が望むならね…
お金がそんなある訳じゃないけど
可能範囲なら、どこでも』

私は…一哉が言ってくれた言葉が
嬉しくてたまらなかった。
そのせいなのかな…
視界がぼやけてきた…。

一哉『瑠夏…なんで七瀬に続いて瑠夏も泣くんだよ…』
私『嬉しいに決まってるじゃん…
そんな大切な仲間とか…行ってくれるってはっきり言われたら…』
私は海からでて一哉のもとへ行った。
私『約束して?古いし子供っぽいけど指切りでもしよっか…』
私は…一哉の次の行動に目を丸くした。
一哉の左腕が私を抱き寄せたのだ。
私『!』
一哉『…瑠夏が好きな人にはこうしてやれって言ったから…部活仲間として好きな人…だから…でもこれで約束したも同然じゃないかな』
私の耳元で一哉がそう囁いてきた。
私『そういう意味で好きな人って言ったんじゃないんだけどな…
でも、抱き締められるの私は好きだよ…うん、同然だね』
一哉は私をより力強く抱き締めてくれた。私は涙が余計に溢れてしまったけど…出来る限り強い力で一哉を抱き締め返した。


32話につづく
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