超越力の学園：星の力と絆

～第1章～

第1話 〜The Trigger Was……〜

　この世界は、理不尽で出来ている。

特に、日本という国に関しては……だ。

2049年までは、こんなはずでは無かった。

だが、2050年の今……突如、全世界中に"能力"と言う物が発生してから、世界もこの日本も変わった。

　能力が生まれた子達は、ランクに分けられる。

1番上がZ ランク。

このランクを持つものは世界中に誰も居ない。
なぜなら、神に等しいランクだからだ。

次に、Sランク。

これは国家を滅ぼすぐらいの力を持っているランクである。

次にAランク。

これは、このAより下のランク達の暴走を
1人で片付けられるぐらいの素質のあるランク。

次にBランク。

これは、強くもあり弱点もある脳筋タイプである。
まぁ、Aランクと同等と言ってもいい。

次にCランク。

Cランクは努力をすればBかAに昇格できるチャンスがあるランク。

ここまでのランクならでは、
カルデラという学園都市に通えるランクだ。
ここまでならば、いい社会と言っても過言では無い。
だが、ここから下のランクは闇社会となる。

Dランク……。

このランクは闇社会の王者であり悪魔。

つまり、この下のランク共は虐めることやとんでもない事などを命令出来るなど、なんでも出来てしまうランク。

Eランク

このランクは、無能力者と言っても過言ではないランク。

つまり、Dランクの下僕とならないと行けないのだ。
この制度は日本のみだ。
この日本の制度をなんと言うか……。
そう、実力主義の国家と言う事だ。


　そんな中で生きてる僕の名前は桜我おうが 狂神くるみ。能力の名称で言うと……デルタ。
一応言うが、名前が女っぽいが男である。

ランクは誤魔化して生きてる為、Eランクである。
そんな僕は今、何しているかと言うと……。

｢おら、立てよ！！｣

｢情けねぇな……！！｣

｢ぐはぁ……！？｣

━━━そう……Dランクのストレス器具となっていた。

　毎回、気に食わない度に呼ばれてはやられていた。正直に言うと……慣れた。

｢ふぅ……スッキリしたわぁ～。
また、宜しくな？｣

　と、言いながら消えて行く。
僕は何故、力があるのに抵抗しないのか……って？
答えは簡単だ。もう……戦いたくないんだ。

　僕は、何度も蘇る……。
あの記憶が……。僕が起こした事件を……。

いいや、僕が起こしたんじゃない。

実際に言うと僕の中に居た"奴"が起こした事件を……。

また、思い出しそうになり……。
顔を横に振って正気にしてから帰路まで歩いていく……。

　途中にいつものコンビニに足を運び、ご飯を買おうとしていた。

その時だった……。

｢おい！！  このカバンに金を詰めろ！！｣

　━━━━━どうやら、最悪の事態になってしまった。

ランクを見る限り、Cランクだった。
普通だったら、カルデラに居るはずのCランクが居るということは、答えは1つ……。

　反社会アンチ的政治集団 ｢ゲノム・ヴィラン｣の1人だ。

ゲノムは、能力者だらけの平等な世界を作ろうとしている。

つまり、非能力者達の全ては、ゴミ以下の存在しか見ていない。だって、能力者達は平等にしていくだけなのだから。

　とりあえず、言える事はただ1つ。
穏便に且つ、相手に気づかれずに……逃げるようにしよう。

だが、残念ながらその思惑は水の泡となる。
ゲノムの1人である強盗が掴んでいた人質は、
妊婦だからだ。

　僕は、仕方ないと思いつつ……
何も無い空気を裂いて、スナイパーを強盗にバレない様に取る。そして、狙いを定め……そこに属性を付与する。その属性は……時。

僕が撃って強盗に着弾した瞬間、銃が飛んで行くと同時に、強盗は動きがスローになった。

　そして、僕は体術で強盗の動きをねじ伏せながら完全に封じた。

数十分後、警察にその強盗を渡し……
買い物して帰ろうとした瞬間……。

｢君ちょっと、あ～……いいかな？｣

　と、誰かに捕まるのであった。