丈夫な傘

ヨージー

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 おかしな事が続いた。お母さんが帰ってこない。お父さんはなにも言わない。部屋のなかがとても静かだ。お父さんは茶色の傘を捨ててしまった。きっともう使えなかったのだと思う。傘立ては空っぽだ。お父さんは小さな折り畳み傘を買ったらしい。最近お父さんのご飯は少ない。いつも何か考え事をしているようだ。お父さんのいつも使っているコートがなくなっていた。あの雨の日に着ていたコートだ。あれも捨ててしまったのだろうか。傘はどうして壊れてしまったのだろう。前にお母さんが風が強い日にはさすがにその傘も壊れてしまうかも、と話していた。それはお父さんのなかなか壊れない丈夫な大きな傘に対してで、笑いながら話していた。でもあの日はそれほど風が強かったのだろうか。風が強いとコートも壊れて使えなくなってしまうのかな。お父さんが部屋のゴミ箱に靴を持っていくのが見えた。靴も壊れてしまったのだろうか。少しだけ普段と違う匂いがした。そういえば、あの雨の日にしたのは雨の匂いだけだったのだろうか。靴にはシミができていた。お父さんはゴミ箱へ靴を詰め込んだ。
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