あの子と私

ヨージー

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友だち

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 私があの子と一緒に下校するようになってから二ヶ月ほどたった頃、あの子は下校の時間だけでなく、学校にいる間にもよく話しかけて来るようになっていた。あの子は私を含めてクラス全員とよく話していた。そして、あの子以外の同級生もまた私返す話しかけて来るようになり、私はあの子の存在を介してクラスの全員と日常的に話すようになっていった。
 私は私の性格から近づき難く思われていたことについて何ら関心を持って居なかったが、自分がクラス全体の雰囲気に巻き込まれるようになってから、如何に今までの自分が異端児であったか、ということに気づかされた。クラスの中で同級生の多くと関わりを持たないということが血栓のような流れを害する不協和音ということを強く意識させられるようになった。

 しかし、私はあの子に感謝とか親しみとかを持つことはなく、むしろ、私の元々持っていた環境をかき乱された印象が強かった。それでもあの子とそして、クラスの同級生たちと関わり続けたのは、もう昔の自分のいた環境に戻ろうとは思えなくなっていたからだ。私は昔の自分の振る舞いを、自分がどう思われていたかを恐れた。
 私は一度あの子に詰め寄ったことがあった。私はあなたと関わる前までは一人でいることも多かったかもしれないが、私はそんな中でそれなりに自分の居心地のいい空間を作っていた。それをあなたの押し付けのせいで、私のかけがえのない大切な日常が奪われてしまった。私は表情を変えずに、しかし強い視線をあの子に送りながらそう詰め寄った。するとあの子はまたしても目に涙を浮かべながらこう言った。
「そんなことを言わないで、私は確かにあなたの生活を変えてしまったのかもしれない、でも私はあなたの友達でしょう?」
私はその言葉になんの反応もすることができなかった。
『私はあの子の友達になっていた』
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