愛し逆廻りのかざぐるま~竜神と御曹司の甘く淫らな妖怪譚~

うめこ

文字の大きさ
47 / 54
水色の章

11(1)

(うわ、なんだこれ……)


 妖怪に乗っ取られた鈴懸は、その感覚に舌を巻いていた。強い呪念が指先まで行き渡って、びりびりとする。頭の中に叫び声のようなものが渦巻いている。これは、精神力で負ければ完全に体を乗っ取られるかもしれない。意識まで持っていかれて、知らない間に織に無体を働く可能性もある。

 意識までとられるわけにはいかない。ここで負けて織が危険な目に晒されたら。

 鈴懸はぐっと堪えて、意識まで持って行かれないように踏ん張った。正直かなりしんどいが、妥協するわけにもいかない。


「あ……」


 妖怪が織を押し倒す。どさりと池のほとりに押し倒され、織の着物ははらりとはだけてしまった。


(うっ……)


 見える、織の肌。その瞬間に、妖怪が強く強く織を求めだした。水色は「織は男だから」と言っていたが、今の織は咲耶の念にあてられているからか、妖怪は織に母性を感じ取っているらしい。寂しい、寂しい、はやく、暖めて。捨てられた赤子の哀しい叫びが、鈴懸のなかで反響する。ひどく、息苦しい。


「んっ……」


 手が、織の着物を剥ぐ。がば、と胸元を開いて、織の胸を露出させる。やはり赤子だから、胸を求めるのだろうか。鈴懸から見ても色気なんて感じない織の平らな胸に、赤子はそれはそれは焦がれているようだった。ぎゅ、と胸を鷲掴みしてなけなしの肉をかき集め、胸を揉みあげる。


「あっ……、あ、……」


 なかなかに乱暴な揉み方だった。激しい揉み方だった。胸を揉むたびに織の身体はゆさゆさと揺さぶられ、織はその都度儚い声をあげる。徐々に肌が紅く染まっていき、乳首も桃色にぷくりと膨らんでいって……織は感じ始めたらしい。瞳に涙が浮かび、とろんと甘ったるい視線を鈴懸に投げてくる。


(くそ、……)


 織の視線が、毒のよう。理性を砕くような蠱惑的な眼差しに、鈴懸の意思が壊れそうになった。一瞬魂が揺らいで、妖怪の呪念に負けそうになる。びり、と指先に鋭い痛みが走って、寸でのところで耐えたが危ないところだった。

 妖怪は織の誘惑にすんなりと乗り、唇を織の胸元に寄せる。そして、ぱくりと乳首を咥えた。


「んん……っ、……ん、……」


 それは母乳を欲しがる赤子そのもの。妖怪はちゅうちゅうと織の乳首を吸い始める。もちろん、母乳なんてでないから。妖怪は焦れて、強く吸い出す。もう片方の乳首も指先できゅうきゅうと揉んで、刺激を繰り返した。

 織は、乳首を触られると感じるらしい。しつこく乳首を責められて、ぽろぽろと甘い声をこぼしていた。乳首はすっかり硬くなっていて、触るとぷにっとした弾力を持っている。本当に乳首で感じるとこんなふうになるのかと、鈴懸も少し驚いてしまうくらい。


「んっ……あ、……もっと、……」

「咲耶、咲耶」


 織がとろとろになりながら、自分の胸にうずまる鈴懸の頭を抱きしめる。

 そのときだ。妖怪が、抱きしめられたことで興奮状態に陥った。愛情に飢えた赤子の霊たちは、抱擁という行為に異常なまでの喜びを覚えたのである。

 もっと、もっともっと――あいされたい、愛されたい、あいされたい。


(――まずい……!)


 凄まじい妖怪の念が、鈴懸のなかで爆発していた。どうにか自分の体内だけでその念を抑えこもうとしたが、じりじりと体外に漏れ出してゆく。触れた、織の体にも。徐々にその念は伝ってゆく。白百合が事前に施していた魔除けのおかげで織に影響はでていなかったが――限界は、あっさりとやってきた。

 白百合の魔除けが、破壊される。そして――妖怪の呪念が、一気に織に流れ込んでいってしまった。

感想 0

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科 空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する 高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体 それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった 至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する 意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク” 消える教師 山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。