甘い恋をカラメリゼ~純粋な大学生はパティシエと甘すぎる恋に堕ちる~

うめこ

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Manele~不格好な人形~

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 ホテルから出た俺達は、一旦智駿さんの家にいくことにした。車を取ってこないと職場にいくのが面倒だから、だ。俺もその日の授業が午後からはじまるということで、それまでは智駿さんの家でのんびりとしているつもりだった。

 家に帰ってきて、智駿さんが支度を終えて出かけようとした時だ。ドアチャイムの音がなる。こんな朝早くにいったい誰が来たのかと俺も智駿さんも訝しんでいたけれど、何度も何度もチャイムがなるものだから仕方なしに智駿さんが出て行くと――



「――よぉ、智駿」

「……白柳?」



 現れたのは、白柳さん。

 そういえば白柳さん、昨日セラと……なんて思っていると、ひょこっと白柳さんのわきからセラも顔をだしてくる。一体どんな状況だ、と智駿さんも遠くから様子を伺っていた俺も固まっていると、白柳さんがセラをぽいっと玄関のなかに投げ込む。



「そいつあげる」

「は!?」



 白柳さんの行動に俺たちが唖然としていれば、白柳さんはそのまま扉を締めて帰ろうとした。しかし――そこで、セラががっと扉を掴んでそれを阻む。



「まっ……待って白柳さん! 俺と……俺と付き合ってください!」

「はっ!? 嫌だって言ってるでしょーが!」

「なんでですか……! あんなに体の相性が良かったのに……もう俺、白柳さんとのセックスじゃないと満足できません! 俺……一日中白柳さんとのセックス思い出しておかしくなりそう!」

「おうおうそうか、私が動物病院に連れて行ってやろう。去勢してもらってこい」



――こ、これは……とんでもない展開になっている。

 セラが、白柳さんに惚れてしまったらしい。昨日までは智駿さんにゾッコンだったくせに、さすがビッチだ……とびっくりしてしまうけれど、俺としては安心したというか。でも、店で軽くヤっていこうくらいの気持ちだったらしい白柳さんはかなり困惑しているようだ。



「ほら、梓乃くんも来てるんだろォ! 暇人の梓乃くんにこいつ預かっててもらってよ!」

「お、俺は暇人じゃない!」

「文系大学生なんざ年中夏休みだろうが!」

「うるさい!」



 セラを押し付けようとしてくる白柳さんを、俺たちは必死に追い払おうとする。セラはそんな俺たちなんて気にしない様子で、白柳さんにべったりだ。「白柳さ~ん」なんて甘えたな声を出しながら白柳さんにへばりついている。



「――とにかく、僕はこれから仕事にいくんだ、帰れ白柳」

「おまえ友人を見捨てるのか!」

「都合のいいときだけ友人面しないでよ。セラくんは白柳サンに身体をどうにかしてもらいたいみたいじゃないか、どうにかしてやれよ、お・い・しゃ・さ・ま」

「お、おまえ、この!」



 智駿さんはセラと白柳さんを扉の外に追いやると、自分も一緒に出ていく。そして「じゃあ、いってきます梓乃くん」なんていつも以上に甘いトーンで言ってきて行ってしまった。

 なんだかセラは嵐みたいな奴だなあ、なんて俺は呆然とその場に座り込んでいた。
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