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8 一目惚れの真相
折角なので、私は一番気になっていた事も、聞いてみることにした。
「あの・・・、私を、想ってくださったのは、初めて会った時からだと伺ったのですが・・・」
一目惚れされたとは流石に言い難くて、少し照れてしまう。
「はい。その通りですね」
「ジェラルド様と初めて会ったのがいつの頃だったか、私は覚えていないのです。
物心ついた時にはもう知り合っていた気がするのですが・・・」
セルヴィッチ侯爵家は財政危機に陥る前まで、ランバート商会を贔屓にしてくれていた。
その縁があって、私が生まれる前から、両家には親交があったらしい。
「あれは、私が5歳の頃でした」
ん?ジェラルド様って確か私の5歳年上ですよね?
「貴女は生後半年頃でしたね」
は? 生 後 半 年 ?
「それは、ヘンタ・・・」
「違います!」
「ロリコ・・・」
「それも断じて違います!」
食い気味に否定するジェラルド様。
「変態でも、ロリコンでもありません。
赤子や幼女が好きなのではなく、私はセシリアが好きなんです」
キッパリと言い切るその顔は男前だが、発言の内容はとても残念だ。
そして、ジェラルド様はうっとりと夢見る様な表情で、話を続ける。
「その頃、私は既に次期侯爵になる為の教育が始まっていて、プレッシャーに押し潰されそうでした。
そんな時、母上に連れて行かれたランバート邸で貴女に会った。
そして、貴女の愛らしさに癒され、救われたのです。
小さな柔らかい手で、私の人差し指を握った貴女はまるで天使の様だった。
今は女神そのものですが。愛しています」
そろそろ脈絡なく愛の言葉を挟むの、止めてくれないですかね?
文脈おかしいから。
「赤ん坊が可愛くて癒されるのは一般的な感想では?
私に限らず、どんな子でも癒されると思いますよ?」
「そうかもしれませんが、私にとっては衝撃的な出会いだったのです。
確かに、私が一目惚れした時の貴女は赤子でしたが、その想いを今まで持ち続けて忘れられずに来たのは、その後も会う度に貴女の魅力を見つけ続けたからですよ。
そうでなければ、只の幼少期の初恋の思い出に過ぎません。
不本意ながら、婚約者の兄として貴女を目にする機会は多かったですからね。
その度に私の貴女への気持ちは深くなったのです」
「そんなに好かれるほどの魅力があるとは思えません」
上気した顔を誤魔化す為に、冷め切った紅茶に口を付ける。
「貴女は自分に厳し過ぎる。
その分今後は私が貴女を甘やかさなければいけませんね。
今まで私が見て来た貴女は、いつでも聡明で気高く美しい女性でした。
貴女の強い所を尊敬してますし、脆い所は私が側で支えたい。
セシリア、愛してます。心から」
そして、ジェラルド様は、指輪を差し出した。
彼の美しい瞳の色と同じ、エメラルドの石が嵌め込まれた、繊細なデザインの指輪。
「オズワルドと別れてすぐの貴女に、こんなお願いをするのもなんですが・・・・・・いつか私を愛してくださいませんか?
直ぐでなくて良いのです。
でも少しづつで良いので、心を通わせる努力をして欲しい。
私も貴女に好いて貰えるように、頑張りますから」
真剣な瞳に見つめられ、私も誠実に答えたいと思った。
「お兄様である貴方に言うのも失礼かもしれませんが、私はオズワルドがあまり好きではありませんでしたし、まだ恋をした事がないのです。
恋や愛がどんな物なのか分からない。
だから、愛せるかどうか約束は出来ませんが、出来る限りの努力はしましょう。
それが貴方の望みなら」
胸の奥に妙な騒めきを感じながら、私は指輪を受け取った。
「ありがとう、セシリア。
今日は本当に夢のような一日でした。
私は立場的に、一生、貴女への想いを伝える事すら許されないのだと、ずっと諦めていたので」
お茶会を終え、ジェラルド様を見送った私は、自室に戻ってソファーにぐったりと腰掛けた。
疲れた。
愛される女性というのは、常にあんなにも甘過ぎる言葉を浴びせられ続けるものなのか?
胸焼けしそうだ。もうお腹いっぱいだわ。
一目惚れの件、きっと嘘では無いのだろうと信じられる様になったが、それが良い事なのか悪い事なのかよく分からなくなった。
「あの・・・、私を、想ってくださったのは、初めて会った時からだと伺ったのですが・・・」
一目惚れされたとは流石に言い難くて、少し照れてしまう。
「はい。その通りですね」
「ジェラルド様と初めて会ったのがいつの頃だったか、私は覚えていないのです。
物心ついた時にはもう知り合っていた気がするのですが・・・」
セルヴィッチ侯爵家は財政危機に陥る前まで、ランバート商会を贔屓にしてくれていた。
その縁があって、私が生まれる前から、両家には親交があったらしい。
「あれは、私が5歳の頃でした」
ん?ジェラルド様って確か私の5歳年上ですよね?
「貴女は生後半年頃でしたね」
は? 生 後 半 年 ?
「それは、ヘンタ・・・」
「違います!」
「ロリコ・・・」
「それも断じて違います!」
食い気味に否定するジェラルド様。
「変態でも、ロリコンでもありません。
赤子や幼女が好きなのではなく、私はセシリアが好きなんです」
キッパリと言い切るその顔は男前だが、発言の内容はとても残念だ。
そして、ジェラルド様はうっとりと夢見る様な表情で、話を続ける。
「その頃、私は既に次期侯爵になる為の教育が始まっていて、プレッシャーに押し潰されそうでした。
そんな時、母上に連れて行かれたランバート邸で貴女に会った。
そして、貴女の愛らしさに癒され、救われたのです。
小さな柔らかい手で、私の人差し指を握った貴女はまるで天使の様だった。
今は女神そのものですが。愛しています」
そろそろ脈絡なく愛の言葉を挟むの、止めてくれないですかね?
文脈おかしいから。
「赤ん坊が可愛くて癒されるのは一般的な感想では?
私に限らず、どんな子でも癒されると思いますよ?」
「そうかもしれませんが、私にとっては衝撃的な出会いだったのです。
確かに、私が一目惚れした時の貴女は赤子でしたが、その想いを今まで持ち続けて忘れられずに来たのは、その後も会う度に貴女の魅力を見つけ続けたからですよ。
そうでなければ、只の幼少期の初恋の思い出に過ぎません。
不本意ながら、婚約者の兄として貴女を目にする機会は多かったですからね。
その度に私の貴女への気持ちは深くなったのです」
「そんなに好かれるほどの魅力があるとは思えません」
上気した顔を誤魔化す為に、冷め切った紅茶に口を付ける。
「貴女は自分に厳し過ぎる。
その分今後は私が貴女を甘やかさなければいけませんね。
今まで私が見て来た貴女は、いつでも聡明で気高く美しい女性でした。
貴女の強い所を尊敬してますし、脆い所は私が側で支えたい。
セシリア、愛してます。心から」
そして、ジェラルド様は、指輪を差し出した。
彼の美しい瞳の色と同じ、エメラルドの石が嵌め込まれた、繊細なデザインの指輪。
「オズワルドと別れてすぐの貴女に、こんなお願いをするのもなんですが・・・・・・いつか私を愛してくださいませんか?
直ぐでなくて良いのです。
でも少しづつで良いので、心を通わせる努力をして欲しい。
私も貴女に好いて貰えるように、頑張りますから」
真剣な瞳に見つめられ、私も誠実に答えたいと思った。
「お兄様である貴方に言うのも失礼かもしれませんが、私はオズワルドがあまり好きではありませんでしたし、まだ恋をした事がないのです。
恋や愛がどんな物なのか分からない。
だから、愛せるかどうか約束は出来ませんが、出来る限りの努力はしましょう。
それが貴方の望みなら」
胸の奥に妙な騒めきを感じながら、私は指輪を受け取った。
「ありがとう、セシリア。
今日は本当に夢のような一日でした。
私は立場的に、一生、貴女への想いを伝える事すら許されないのだと、ずっと諦めていたので」
お茶会を終え、ジェラルド様を見送った私は、自室に戻ってソファーにぐったりと腰掛けた。
疲れた。
愛される女性というのは、常にあんなにも甘過ぎる言葉を浴びせられ続けるものなのか?
胸焼けしそうだ。もうお腹いっぱいだわ。
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