水の守護者『リヴァイアサン』

めんとうふ

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1, 風情のある港町で叫ぶ者

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 『リヴァイアサン』それは、国を護る守護神である。
 各国に点在する十二守護神の中の一神であり、水を司る水神。

 その守護神はレヴィ族と呼ばれる「レヴィ・アタン」の末裔の人体を依り代に降臨し、国に恵みの雨をもたらすという。
 リヴァイアサンの依り代を『リヴァイアサンの守護者』と呼び、国は守護者を英雄と讃える。
 海の怪物と契約する生命短し、哀れな依り代として・・・。

 現守護者『レヴィ・ヴィターナ』は数千からなる一族の中から後継者として一人選抜され、前守護者から物心つく前から試練を与えられ育った努力人である。それと同時に天才少女でもあり、歴代の守護者の力を遥かに凌駕する程の力を持つ、現在の年齢は満13歳である。
 守護者=依り代の選抜基準はリヴァイアサンを降臨させ、リヴァイアサンに次期依り代選んでもらうという単純な話だ。
 次期守護者を決める選抜式の開催は現守護者に決定権がある。守護者が替わる周期は十年であり、任期を終えた守護者は必ず命を落とす。


───────────────────────────
 

 「レヴィアタン」の末裔であるレヴィ族は、国から西部海岸沿いにある地区を与えられていた。その地区は「レヴィシアズ」と呼ばれ、十二神の聖地巡礼に欠かせない名所、観光地として栄えていたが、住民(とある少年を除く)や観光客のマナーが良く、さざ波が聴こえる静かな港町で風情があると巷では有名である。

 「レヴィアタンァァァァァン!!」

 少年の声が風情のある港町に響き渡る、と同時に少年の後頭部を殴打する少女の姿があった。

 「イアンッ!! あんたのせいで風情のある港町が台無しじゃない!!」

 「痛てぇ・・・」と小さな声で呟く少年の名前は「レヴィ・イアン」、リヴァイアサンの心臓が祀られている神殿を護る名家の一族に生まれるが、風情がある街を台無しにする問題ばかりを起こす"超がつく問題児"である。
 
 そして、少年の後頭部を殴打した少女の名前は「レヴィ・ヴィターナ」、誰もが尊敬するレヴィシアズ、国の英雄である。
 その英雄に対し、恐れを知らないイアンは不敬を働く。

 「ヴィターナ、この野郎ッ・・・! お前みたいな馬鹿力女が思いっきり人の弱点殴ったら死んじまうよ」

 イアンが後頭部を両手で抑えながら悪態をつくとヴィターナはさらに制裁を加える。数十メートル離れた海から海水を操り、イアンが逃げれないように円状に囲うと、イアンを中心にして包み込むように海水を球体と変化させた。
 水の球体で溺れ暴れる金槌のイアンの姿を見て、ヴィターナは腕を組みながら不敵に笑みを浮かべる。

 「はいはい、お二人さん。毎日毎日ご苦労さまです。もういいだろ、ヴィターナ。イアンを解放しろよ」

 二人の間に割って入った少年の名前は「レヴィ・ジオン」、前守護者「レヴィ・ジーク」英雄の子供であり、ヴィターナの兄弟子あにでしにあたる。問題児イアンの兄貴分でもあり、毎日繰り広げられる喧嘩を仲裁する唯一の存在である。(国の英雄に物申せる人がいない為)

 ジオンがそう言った瞬間に海水は海へと戻された。
 大量の海水を飲み込み、むせ込むイアンの背中をジオンは優しく摩りながら小さな声で詠唱していた。ヴィターナはその光景を腕を組みながら見ている。
 ジオンの水の精に語り掛けた詠唱のお陰でイアンの呼吸が落ち着くとヴィターナが口を開く。

 「イアン、あんたそろそろ大人になりなさいよ。レヴィシアズの皆に迷惑掛けて、神殿を護るという大任を嫌がり、子供みたいにはしゃぐだけ・・・ジオンもイアンに甘い。じゃあね」

 "リヴァイアサンの守護者"であるヴィターナは、悲しげな目を見せながらっていた。
 ジオンもその悲しげな目を見て何かを察したようで神妙な面持ちでイアンに問い掛ける。

 「イアン、俺も神殿の護り人として大任を果たすべきだと思ってるよ。」

 イアンはその問いに対して間を空ける事なく答える。

 「そんな事は俺だって分かってる・・・俺はヴィターナを救いたいんだよ。」

 思わぬ答えが帰ってきて驚くジオンにさらにイアンは畳み掛ける。

 「俺がレヴィアタンって毎日叫んでるのは、レヴィアタンに会うためだ。」

 さらに思わぬ答えが帰ってきて驚くジオンの口は大きく開いていた。ハッと我に返ったジオンは慌てて声を出す。

 「おいおい、レヴィアタンって初代守護者の名前じゃないか。理由わけはどうであれ、その嘘はよくない」

 ジオンからそう言われるとイアンは事の経緯を詳しく話した。
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