8 / 27
2
リョウ、村を出て行く決断をする
しおりを挟む
「さーて、父さんと母さんは納得してくれたけど、、、クラリサは泣くだろうな、覚悟していくか。」
クラリサは俺より4歳上であと1年で15歳になり、結婚できるようになる。
と言っても、村で結婚してない人は俺とクラリサしかいなく、十中八九クラリサは結婚できないだろう。
なんて言ったって俺の結婚する相手は神様だからなー(棒読み)。
未だに実感ないけど。
とにかく俺が言いたいことは、クラリサは可愛くなったっていうことだ。
しかも、俺が神託を下されたことは知らないからクラリサは俺と結婚すると思っているだろう。
正直、俺はクラリサと結婚したいと思っている。
けれど、神託に神様と結婚することがある以上は神様と結婚しなければ、神託が果たされない。
それは困る。
あの神様と約束をしてしちゃってるし、あの神様は約束をないがしろにすると怒る人だ。
まあ、人じゃなくて神様だけど。
神様の怒りとか俺は絶対に受けたくない。
神様の怒りとか絶対呪いかけるよね!?
姿が牛になるとかないよね!?
というよりも、呪いの対象が俺じゃなくてクラリサに行ったらさらに困る。
俺のせいでクラリサが苦しむなんて考えられない。
しっかり説明しよう。
俺が神託を果たさなきゃいけないことも、明日この村を出ることも。
「クラリサー。いるかー?」
「いますよー。その声はリョウくんねー。いま開けますー。」
クラリサは10年経ってあの元気いっぱいの雰囲気からおっとり系のお姉さんキャラになった。
それに見合った容姿をしているから目の保養になるのだが、クラリサを見る俺の目が以前と違うことを自分でも自覚している。
そして、そのことにクラリサも気付いているのだろう。
着ている服がワンピースなどの子どもっぽいものからまったりとした大人な雰囲気の服に変わった。
しかも俺好みの服に。
だからか、クラリサと会う少し前は緊張する。
というよりも、期待している。
今日も俺のことを気にして服を選んでくれているのか?と。
「おまたせー、どうしたのー?」
「大事な話があるんだ、来てくれないか?」
「う、うん。わかった。」
俺が真剣な顔をしていたのか、クラリサが真面目な顔をして付いてきてくれた。
「実は俺、明日に村を出て行くんだ。」
「え!そうなの?本当に?」
「うん、本当なんだ。ある事情があって、明日から国のいろんなところに行かなきゃいけないんだ。クラリサには知っていて欲しいと思って伝えに来たんだ。」
「そう、今がその時なのかな、、、」
「え?なに?」
「ううん。なんでもない。明日なのね。わかった、村を離れるのは寂しいけどそれがリョウの判断なら喜んで準備をするわ。」
「ありがとう。」
俺はクラリサの言葉を聞きながら胸が締め付けられる気持ちになった。
なんだろう。
わかっていたことなのに、クラリサに言われると悲しい気持ちになる。
俺はそれからのことはまったく覚えていない。
気付いたら自分の部屋で朝を迎えていた。
「あれ?今日はクラリサいないのか。そういえば、今日村を出るんだったな。」
俺はクラリサが俺を起こしに来なかった理由を考えて落ち着こうとした。
だけれど、そんなことも考えられないぐらい落ち込んでしまった。
「そうだよな、今日いっぱいでクラリサとは会えないんだ。そんな奴のために起こしにくるわけないよな。」
そんなことを思いながら、昨日自分がまとめたであろう荷物を持って両親の部屋のドアに向かう。
「母さん、父さん。行ってきます。」
俺はまだ寝ているであろう両親に向かって今までの感謝の気持ちと名残惜しさを胸にしまって家を出た。
それから、眠っているように静かな村を出て行った。
「はあ、なんだかあっけなかったな。まあ、たったの10年だからなー。こんなものなのか。」
俺が村に対しての感想を考えていると、後ろから足音が近づいてきた。
「ま、まって!リョウくん!まって!」
足音の正体はクラリサだった。
「てっきり忘れちゃったのかと思ったよ。朝見当たらなかったからさ。」
「ごめんね、荷物をまとめるのに時間がかかっちゃったの。それに、待ってくれてもよかったじゃない。」
「え?うん、ごめん。」
「いや、別に謝って欲しかったわけじゃ、、、まあいっか。いこう!」
「え?!いこうってもしかして付いてくる気なの!?」
「うん。当たり前でしょ?私はリョウくんと離れるなんて考えられないわ。いつまでもリョウくんと一緒なんだから、覚悟してよね?」
俺はクラリサの言ったことが一瞬理解できなかったけど、理解してからは複雑な気持ちになった。
俺に付いてくるということは、良いことにも悪いことにも関わるようになるということだ。
「で、でも、、、」
“付いてきてくれて嬉しい”と言おうとして言うのをやめた。
おそらく、俺は今後クラリサを村に置いてこなかったことを悔やむだろうと思ったからだ。
「でも?」
「やっぱり危ないよ。村の外に行くのは家を出るのとは違うんだ。考え直して欲しい。」
これが正しい選択だ。
こうすることでクラリサが傷つくことはなくなる。
「それでも!私はリョウくんと一緒に行くわ!」
「それだけじゃないんだ!僕は、、、僕は神託を果たしに行かなきゃいけないんだ。そのためには、想像もつかないような危険な状況をくぐり抜けなきゃいけないんだ。わかってほしい。」
言ってしまった。
絶対に言うまいと思っていた神託のことを話してしまった。
だけど、これでクラリサは村に残る。
これで良い。
これで良いんだ。
「またね、クラリサ。また今度、神託を果たしたあとにこの村に戻ってくるよ。」
そう言って、俺は神託を果たすべく歩き始めた。
「まって!本当なの?本当にリョウくんが?」
やっぱり信じられないよな。
けど良いんだ、頭のおかしいやつだと思って俺のことを忘れてくれるのも良い。
「うん。俺はさっきも言った通り、神託を下された身だから逆らうことはできないんだ。ごめん。」
俺はそう言ってまあ歩き始めようとすると、
「そう。じゃあなおさら私を連れて行って!リョウくんが危ない目にあうかもしれないのに私が近くに入れないなんて耐えられないよ。」
「、、、、」
俺はこの言葉を聞いた時、自分の心の中にある同じ気持ちに気付いた。
俺はクラリサのことが好きでクラリサの身を第一に考えている。
クラリサもまた自分自身のことよりも俺のことを気にしている。
ということはクラリサも俺のことが好きなのか?
俺の体は勝手に彼女の手を握った。
「わかった、連れて行くよ。クラリサを置いて行ったりしないよ。僕らはいつまでも一緒にいよう。」
俺は1つカマをかけてみた。
彼女の顔が真っ赤になっている。
どうやら予想通りのようだ。
「うん、うん。ありがとう。リョウ。」
それからクラリサは悲しいような嬉しいような顔をして、俺の手を握った。
こうして、俺とクラリサは日の出とともに村を出て行った。
クラリサは俺より4歳上であと1年で15歳になり、結婚できるようになる。
と言っても、村で結婚してない人は俺とクラリサしかいなく、十中八九クラリサは結婚できないだろう。
なんて言ったって俺の結婚する相手は神様だからなー(棒読み)。
未だに実感ないけど。
とにかく俺が言いたいことは、クラリサは可愛くなったっていうことだ。
しかも、俺が神託を下されたことは知らないからクラリサは俺と結婚すると思っているだろう。
正直、俺はクラリサと結婚したいと思っている。
けれど、神託に神様と結婚することがある以上は神様と結婚しなければ、神託が果たされない。
それは困る。
あの神様と約束をしてしちゃってるし、あの神様は約束をないがしろにすると怒る人だ。
まあ、人じゃなくて神様だけど。
神様の怒りとか俺は絶対に受けたくない。
神様の怒りとか絶対呪いかけるよね!?
姿が牛になるとかないよね!?
というよりも、呪いの対象が俺じゃなくてクラリサに行ったらさらに困る。
俺のせいでクラリサが苦しむなんて考えられない。
しっかり説明しよう。
俺が神託を果たさなきゃいけないことも、明日この村を出ることも。
「クラリサー。いるかー?」
「いますよー。その声はリョウくんねー。いま開けますー。」
クラリサは10年経ってあの元気いっぱいの雰囲気からおっとり系のお姉さんキャラになった。
それに見合った容姿をしているから目の保養になるのだが、クラリサを見る俺の目が以前と違うことを自分でも自覚している。
そして、そのことにクラリサも気付いているのだろう。
着ている服がワンピースなどの子どもっぽいものからまったりとした大人な雰囲気の服に変わった。
しかも俺好みの服に。
だからか、クラリサと会う少し前は緊張する。
というよりも、期待している。
今日も俺のことを気にして服を選んでくれているのか?と。
「おまたせー、どうしたのー?」
「大事な話があるんだ、来てくれないか?」
「う、うん。わかった。」
俺が真剣な顔をしていたのか、クラリサが真面目な顔をして付いてきてくれた。
「実は俺、明日に村を出て行くんだ。」
「え!そうなの?本当に?」
「うん、本当なんだ。ある事情があって、明日から国のいろんなところに行かなきゃいけないんだ。クラリサには知っていて欲しいと思って伝えに来たんだ。」
「そう、今がその時なのかな、、、」
「え?なに?」
「ううん。なんでもない。明日なのね。わかった、村を離れるのは寂しいけどそれがリョウの判断なら喜んで準備をするわ。」
「ありがとう。」
俺はクラリサの言葉を聞きながら胸が締め付けられる気持ちになった。
なんだろう。
わかっていたことなのに、クラリサに言われると悲しい気持ちになる。
俺はそれからのことはまったく覚えていない。
気付いたら自分の部屋で朝を迎えていた。
「あれ?今日はクラリサいないのか。そういえば、今日村を出るんだったな。」
俺はクラリサが俺を起こしに来なかった理由を考えて落ち着こうとした。
だけれど、そんなことも考えられないぐらい落ち込んでしまった。
「そうだよな、今日いっぱいでクラリサとは会えないんだ。そんな奴のために起こしにくるわけないよな。」
そんなことを思いながら、昨日自分がまとめたであろう荷物を持って両親の部屋のドアに向かう。
「母さん、父さん。行ってきます。」
俺はまだ寝ているであろう両親に向かって今までの感謝の気持ちと名残惜しさを胸にしまって家を出た。
それから、眠っているように静かな村を出て行った。
「はあ、なんだかあっけなかったな。まあ、たったの10年だからなー。こんなものなのか。」
俺が村に対しての感想を考えていると、後ろから足音が近づいてきた。
「ま、まって!リョウくん!まって!」
足音の正体はクラリサだった。
「てっきり忘れちゃったのかと思ったよ。朝見当たらなかったからさ。」
「ごめんね、荷物をまとめるのに時間がかかっちゃったの。それに、待ってくれてもよかったじゃない。」
「え?うん、ごめん。」
「いや、別に謝って欲しかったわけじゃ、、、まあいっか。いこう!」
「え?!いこうってもしかして付いてくる気なの!?」
「うん。当たり前でしょ?私はリョウくんと離れるなんて考えられないわ。いつまでもリョウくんと一緒なんだから、覚悟してよね?」
俺はクラリサの言ったことが一瞬理解できなかったけど、理解してからは複雑な気持ちになった。
俺に付いてくるということは、良いことにも悪いことにも関わるようになるということだ。
「で、でも、、、」
“付いてきてくれて嬉しい”と言おうとして言うのをやめた。
おそらく、俺は今後クラリサを村に置いてこなかったことを悔やむだろうと思ったからだ。
「でも?」
「やっぱり危ないよ。村の外に行くのは家を出るのとは違うんだ。考え直して欲しい。」
これが正しい選択だ。
こうすることでクラリサが傷つくことはなくなる。
「それでも!私はリョウくんと一緒に行くわ!」
「それだけじゃないんだ!僕は、、、僕は神託を果たしに行かなきゃいけないんだ。そのためには、想像もつかないような危険な状況をくぐり抜けなきゃいけないんだ。わかってほしい。」
言ってしまった。
絶対に言うまいと思っていた神託のことを話してしまった。
だけど、これでクラリサは村に残る。
これで良い。
これで良いんだ。
「またね、クラリサ。また今度、神託を果たしたあとにこの村に戻ってくるよ。」
そう言って、俺は神託を果たすべく歩き始めた。
「まって!本当なの?本当にリョウくんが?」
やっぱり信じられないよな。
けど良いんだ、頭のおかしいやつだと思って俺のことを忘れてくれるのも良い。
「うん。俺はさっきも言った通り、神託を下された身だから逆らうことはできないんだ。ごめん。」
俺はそう言ってまあ歩き始めようとすると、
「そう。じゃあなおさら私を連れて行って!リョウくんが危ない目にあうかもしれないのに私が近くに入れないなんて耐えられないよ。」
「、、、、」
俺はこの言葉を聞いた時、自分の心の中にある同じ気持ちに気付いた。
俺はクラリサのことが好きでクラリサの身を第一に考えている。
クラリサもまた自分自身のことよりも俺のことを気にしている。
ということはクラリサも俺のことが好きなのか?
俺の体は勝手に彼女の手を握った。
「わかった、連れて行くよ。クラリサを置いて行ったりしないよ。僕らはいつまでも一緒にいよう。」
俺は1つカマをかけてみた。
彼女の顔が真っ赤になっている。
どうやら予想通りのようだ。
「うん、うん。ありがとう。リョウ。」
それからクラリサは悲しいような嬉しいような顔をして、俺の手を握った。
こうして、俺とクラリサは日の出とともに村を出て行った。
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる