9 / 27
2
リョウ、目でオーガを制す
しおりを挟む
村を出てから俺とクラリサはまず近くにある森に入って行った。
この森の名前は[ゴブリンの森]といい、名前の由来はゴブリンしか出ないためらしい。
実際に最初の狩りの時はここに行くようにと神官様に言われていた。
危険度はマヤネヒでとても低い。
事実、全く戦闘慣れしていない村人が無傷で帰ってきたという記録さえある。
そんな場所になぜ行くかというと、神託のこともそうだがまずは俺が戦闘慣れをするためだ。
いくら訓練を積んだり、良い武器を持ったりしても戦闘経験に勝るものはないだろう。
“戦士、武器を選ばず”とはよく言ったものだ。
いろんな武器での戦闘経験があればどんな武器でもある程度の戦闘ができるようになる。
そのためにはまず戦闘慣れをしなければいけない。
そういうわけで最初は[ゴブリンの森]になったのだ。
といってもいくら危険度がマヤネヒといっても何もしなかったら死んでしまうだろう。
[ゴブリンの森]は比較的平和なだけであって、安全なわけではない。
これは絶対に忘れてはいけないことだ。
ゴブリンは時に単体で、時に集団で襲ってくるため手当たり次第に攻撃をするわけではなく、まずそこにいるゴブリンは何体いるか、そして完璧に倒し切れるかが大切になる。
そこをおろそかにすると、【伝説をなぞるリョウが危険度マヤネヒで大怪我】なんていう馬鹿げたことになることもあるのだ。
なので今回のゴブリン狩りでは観察力と適切な判断をすることが必要になってくる。
俺が何を言いたいかっていうと森では足元に気をつけろっていうことだ。
俺は周りのことを気にしすぎて落ち葉の塊に気がつかなかった。
俺は悪態をつきながら走った。
「明日は号外が出るな、〈伝説の10歳児、ゴブリンの森でやらかす〉こんな感じだな!」
「そんなのんきなこと言ってないで!もう少し急ごうよ!」
俺もそうしたいが、さっき言ったようなことになるのはごめんだ。
「いや、ここで倒す。明日の号外は〈伝説の10歳児、ゴブリンの森を踏破!〉で決まりだ!」
そう言って、俺は後ろを振り返った。
正直、見なければよかったと思った。
振り返ってみて見えたものは一面のゴブリンだった。
地面だけでなく、木の上にも、仲間の上に乗ってこっちを見ているものもいる。
その景色に思わず俺は息を飲んだ。
「上出来だな、初めての戦闘がゴブリンの森のゴブリン全員だなんて。準備運動にはもってこいだ。」
俺は自分に言い聞かせるようにそうつぶやいてみた。
ふと後ろを振り向いてみる。
後ろには、心配そうに俺のことを見ているクラリサがいた。
「大丈夫だよ、クラリサ。クラリサのことは俺が絶対に守ってみせる。どんなことがあっても。」
「あ、ありがとう。うん、リョウくんのことだもの。どうにかできると思っているわ。」
短くも嬉しい言葉を交わし、俺は前を向きなおした。
また、おぞましい景色が見えた。
と同時にゴブリンが2匹、突っ込んできた。
俺は咄嗟に片方のゴブリンを足で蹴り、もう片方は腹に突っ込んできたところを肘で突きのけた。
その2匹があっさりやられたことが頭にきたのか、前の方にいたゴブリンのほとんどが俺の方に走ってきた。
俺はさすがに捌ききれないと思い、左手に持っていた剣に手をおいた。
そして、突っ込んできたゴブリンたちが間合いに入ったときに剣を抜くと同時に横一文字に薙ぎ払った。
後も同じように、怒り狂ったゴブリンたちを一振りで何匹も殺していった。
そしていつの間にかゴブリンはいなくなっていた。
そして、とてつもない量の死体が山積みになっていた。
俺は急いで後ろを見た。
幸い、クラリサは気絶していてこの惨状を見なくて済んだようだ。
「よかった、クラリサは見てなかったみたいだな。いくら神託があったとはいえ、さっきの俺は少しおかしかった。魔物とはいえ人の形をしたゴブリンを躊躇なく殺せるなんて俺はどうなっているんだろう。」
こんな悩みも戦闘で酷使した肉体もクラリサの顔を見て吹っ飛んでしまった。
“クラリサを守れてよかった”という安堵の気持ちに心が洗われるようだった。
そんなとき、ゴブリンの死んだ匂いを嗅いできたのか、ゴブリンの進化先であるオーガが3体奥の洞穴から出てきた。
オーガはゴブリンとは比べ物にならないほど威圧感があった。
ゴブリンの威圧感というのは“近づきたくなくなる”程度だが、オーガの威圧感は“近づいてはいけない”という危険信号のように感じた。
だが俺は後ろでクラリサが気を失っていることを思い出し、オーガの威圧感に負けないぐらいの目つきで睨み返した。
“やるならやってやるよ!”という警告付きで。
そうすると、オーガの1人がこちらを見て敵意を示したが他の2人は俺に興味がないのか足早に洞穴へ帰って行った。
そして、やっと残りの1人ものっそりのっそりと洞穴に帰って行った。
それを見終わってから、俺は緊張が解けてしまい、その場で死ぬように寝てしまった。
この森の名前は[ゴブリンの森]といい、名前の由来はゴブリンしか出ないためらしい。
実際に最初の狩りの時はここに行くようにと神官様に言われていた。
危険度はマヤネヒでとても低い。
事実、全く戦闘慣れしていない村人が無傷で帰ってきたという記録さえある。
そんな場所になぜ行くかというと、神託のこともそうだがまずは俺が戦闘慣れをするためだ。
いくら訓練を積んだり、良い武器を持ったりしても戦闘経験に勝るものはないだろう。
“戦士、武器を選ばず”とはよく言ったものだ。
いろんな武器での戦闘経験があればどんな武器でもある程度の戦闘ができるようになる。
そのためにはまず戦闘慣れをしなければいけない。
そういうわけで最初は[ゴブリンの森]になったのだ。
といってもいくら危険度がマヤネヒといっても何もしなかったら死んでしまうだろう。
[ゴブリンの森]は比較的平和なだけであって、安全なわけではない。
これは絶対に忘れてはいけないことだ。
ゴブリンは時に単体で、時に集団で襲ってくるため手当たり次第に攻撃をするわけではなく、まずそこにいるゴブリンは何体いるか、そして完璧に倒し切れるかが大切になる。
そこをおろそかにすると、【伝説をなぞるリョウが危険度マヤネヒで大怪我】なんていう馬鹿げたことになることもあるのだ。
なので今回のゴブリン狩りでは観察力と適切な判断をすることが必要になってくる。
俺が何を言いたいかっていうと森では足元に気をつけろっていうことだ。
俺は周りのことを気にしすぎて落ち葉の塊に気がつかなかった。
俺は悪態をつきながら走った。
「明日は号外が出るな、〈伝説の10歳児、ゴブリンの森でやらかす〉こんな感じだな!」
「そんなのんきなこと言ってないで!もう少し急ごうよ!」
俺もそうしたいが、さっき言ったようなことになるのはごめんだ。
「いや、ここで倒す。明日の号外は〈伝説の10歳児、ゴブリンの森を踏破!〉で決まりだ!」
そう言って、俺は後ろを振り返った。
正直、見なければよかったと思った。
振り返ってみて見えたものは一面のゴブリンだった。
地面だけでなく、木の上にも、仲間の上に乗ってこっちを見ているものもいる。
その景色に思わず俺は息を飲んだ。
「上出来だな、初めての戦闘がゴブリンの森のゴブリン全員だなんて。準備運動にはもってこいだ。」
俺は自分に言い聞かせるようにそうつぶやいてみた。
ふと後ろを振り向いてみる。
後ろには、心配そうに俺のことを見ているクラリサがいた。
「大丈夫だよ、クラリサ。クラリサのことは俺が絶対に守ってみせる。どんなことがあっても。」
「あ、ありがとう。うん、リョウくんのことだもの。どうにかできると思っているわ。」
短くも嬉しい言葉を交わし、俺は前を向きなおした。
また、おぞましい景色が見えた。
と同時にゴブリンが2匹、突っ込んできた。
俺は咄嗟に片方のゴブリンを足で蹴り、もう片方は腹に突っ込んできたところを肘で突きのけた。
その2匹があっさりやられたことが頭にきたのか、前の方にいたゴブリンのほとんどが俺の方に走ってきた。
俺はさすがに捌ききれないと思い、左手に持っていた剣に手をおいた。
そして、突っ込んできたゴブリンたちが間合いに入ったときに剣を抜くと同時に横一文字に薙ぎ払った。
後も同じように、怒り狂ったゴブリンたちを一振りで何匹も殺していった。
そしていつの間にかゴブリンはいなくなっていた。
そして、とてつもない量の死体が山積みになっていた。
俺は急いで後ろを見た。
幸い、クラリサは気絶していてこの惨状を見なくて済んだようだ。
「よかった、クラリサは見てなかったみたいだな。いくら神託があったとはいえ、さっきの俺は少しおかしかった。魔物とはいえ人の形をしたゴブリンを躊躇なく殺せるなんて俺はどうなっているんだろう。」
こんな悩みも戦闘で酷使した肉体もクラリサの顔を見て吹っ飛んでしまった。
“クラリサを守れてよかった”という安堵の気持ちに心が洗われるようだった。
そんなとき、ゴブリンの死んだ匂いを嗅いできたのか、ゴブリンの進化先であるオーガが3体奥の洞穴から出てきた。
オーガはゴブリンとは比べ物にならないほど威圧感があった。
ゴブリンの威圧感というのは“近づきたくなくなる”程度だが、オーガの威圧感は“近づいてはいけない”という危険信号のように感じた。
だが俺は後ろでクラリサが気を失っていることを思い出し、オーガの威圧感に負けないぐらいの目つきで睨み返した。
“やるならやってやるよ!”という警告付きで。
そうすると、オーガの1人がこちらを見て敵意を示したが他の2人は俺に興味がないのか足早に洞穴へ帰って行った。
そして、やっと残りの1人ものっそりのっそりと洞穴に帰って行った。
それを見終わってから、俺は緊張が解けてしまい、その場で死ぬように寝てしまった。
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる