超能力者の異世界生活

ココてる

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リョウ、目でオーガを制す

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村を出てから俺とクラリサはまず近くにある森に入って行った。

この森の名前は[ゴブリンの森]といい、名前の由来はゴブリンしか出ないためらしい。

実際に最初の狩りの時はここに行くようにと神官様に言われていた。

危険度はマヤネヒでとても低い。

事実、全く戦闘慣れしていない村人が無傷で帰ってきたという記録さえある。

そんな場所になぜ行くかというと、神託のこともそうだがまずは俺が戦闘慣れをするためだ。

いくら訓練を積んだり、良い武器を持ったりしても戦闘経験に勝るものはないだろう。

“戦士、武器を選ばず”とはよく言ったものだ。

いろんな武器での戦闘経験があればどんな武器でもある程度の戦闘ができるようになる。

そのためにはまず戦闘慣れをしなければいけない。

そういうわけで最初は[ゴブリンの森]になったのだ。

といってもいくら危険度がマヤネヒといっても何もしなかったら死んでしまうだろう。

[ゴブリンの森]は比較的平和なだけであって、安全なわけではない。

これは絶対に忘れてはいけないことだ。

ゴブリンは時に単体で、時に集団で襲ってくるため手当たり次第に攻撃をするわけではなく、まずそこにいるゴブリンは何体いるか、そして完璧に倒し切れるかが大切になる。

そこをおろそかにすると、【伝説をなぞるリョウが危険度マヤネヒで大怪我】なんていう馬鹿げたことになることもあるのだ。

なので今回のゴブリン狩りでは観察力と適切な判断をすることが必要になってくる。

俺が何を言いたいかっていうと森では足元に気をつけろっていうことだ。

俺は周りのことを気にしすぎて落ち葉の塊に気がつかなかった。

俺は悪態をつきながら走った。

「明日は号外が出るな、〈伝説の10歳児、ゴブリンの森でやらかす〉こんな感じだな!」

「そんなのんきなこと言ってないで!もう少し急ごうよ!」

俺もそうしたいが、さっき言ったようなことになるのはごめんだ。

「いや、ここで倒す。明日の号外は〈伝説の10歳児、ゴブリンの森を踏破!〉で決まりだ!」

そう言って、俺は後ろを振り返った。

正直、見なければよかったと思った。

振り返ってみて見えたものは一面のゴブリンだった。

地面だけでなく、木の上にも、仲間の上に乗ってこっちを見ているものもいる。

その景色に思わず俺は息を飲んだ。

「上出来だな、初めての戦闘がゴブリンの森のゴブリン全員だなんて。準備運動にはもってこいだ。」

俺は自分に言い聞かせるようにそうつぶやいてみた。

ふと後ろを振り向いてみる。

後ろには、心配そうに俺のことを見ているクラリサがいた。

「大丈夫だよ、クラリサ。クラリサのことは俺が絶対に守ってみせる。どんなことがあっても。」

「あ、ありがとう。うん、リョウくんのことだもの。どうにかできると思っているわ。」

短くも嬉しい言葉を交わし、俺は前を向きなおした。

また、おぞましい景色が見えた。

と同時にゴブリンが2匹、突っ込んできた。

俺は咄嗟に片方のゴブリンを足で蹴り、もう片方は腹に突っ込んできたところを肘で突きのけた。

その2匹があっさりやられたことが頭にきたのか、前の方にいたゴブリンのほとんどが俺の方に走ってきた。

俺はさすがに捌ききれないと思い、左手に持っていた剣に手をおいた。

そして、突っ込んできたゴブリンたちが間合いに入ったときに剣を抜くと同時に横一文字に薙ぎ払った。

後も同じように、怒り狂ったゴブリンたちを一振りで何匹も殺していった。

そしていつの間にかゴブリンはいなくなっていた。

そして、とてつもない量の死体が山積みになっていた。

俺は急いで後ろを見た。

幸い、クラリサは気絶していてこの惨状を見なくて済んだようだ。

「よかった、クラリサは見てなかったみたいだな。いくら神託があったとはいえ、さっきの俺は少しおかしかった。魔物とはいえ人の形をしたゴブリンを躊躇なく殺せるなんて俺はどうなっているんだろう。」

こんな悩みも戦闘で酷使した肉体もクラリサの顔を見て吹っ飛んでしまった。

“クラリサを守れてよかった”という安堵の気持ちに心が洗われるようだった。

そんなとき、ゴブリンの死んだ匂いを嗅いできたのか、ゴブリンの進化先であるオーガが3体奥の洞穴から出てきた。

オーガはゴブリンとは比べ物にならないほど威圧感があった。

ゴブリンの威圧感というのは“近づきたくなくなる”程度だが、オーガの威圧感は“近づいてはいけない”という危険信号のように感じた。

だが俺は後ろでクラリサが気を失っていることを思い出し、オーガの威圧感に負けないぐらいの目つきで睨み返した。

“やるならやってやるよ!”という警告付きで。

そうすると、オーガの1人がこちらを見て敵意を示したが他の2人は俺に興味がないのか足早に洞穴へ帰って行った。

そして、やっと残りの1人ものっそりのっそりと洞穴に帰って行った。

それを見終わってから、俺は緊張が解けてしまい、その場で死ぬように寝てしまった。
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