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リョウ、神様に怒られる
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俺は気がついたら草原に立っていた。
「ここはどこだ?どうしてこんなとこに、、、そうだ!ゴブリンたちを倒した後に倒れて!!クラリサは!クラリサは無事なのか!?」
周りを見回してみるが、クラリサの姿は見えない。
「クラリサはいないのか。それにしても、頭が揺れてるみたいだ。しかも背中がだるい。ここまで生き物を殺すことに疲れるなんて思わなかったな。」
肉体的な疲労よりも精神的なもの―――吐き気とか頭痛―――の方が強い気がする。
神官様の言葉を疑っていたわけではないが、ここまであとに残るとは思ってもいなかった。
自分の手にまだゴブリンの血のべっとりとした嫌な感覚がある。
「今度からは忠告は素直に受け入れるようにしようかな―――」
「なら、私の、忠告も、受けてくださいます、か?」
「あ、はい。何でしょうか?」
考え事に徹していたらいつの間にか目の前にむっとしている神様がいた。
「まず1つ、私にも名前ぐらいあります。私のことも名前で呼んでください。」
「してお名前は?」
「え、えーと。人間にわかるかわかりませんが、、、
『○◎△*』
わかりましたか?」
「えーと、、、もう一回いいですか?」
「『○◎△*』です。聞こえましたか?」
「えーと、、うーんと、、、」
な、なんて言ってるんだ?!
わからん、なに1つわからん!!
「やはりそうでしたか、、、あなたのせいではないのです。神の名前を神以外の者に認識させることはできないようになっているのです、、、」
「は、はあ。そうなんですか、では神託の内容を―――」
「リョウ、わたしの名前を考えてくれませんか?人間にもーーーあなたにもわかる名前を。」
「俺にですか?しかしなぜ急にそんなことを?」
俺の前に神様がいるということは俺に神託があるということだ。
それなのに最初に言ったことは明らかに神託とは関係のない(であろう)名前のことだ。
なぜ名前の話をしたのか気になる。
「リョウはわたしと話をしたくはありませんか?わたしはリョウーーーあなたと話をしたいのです。普通の、、、神と人間ではなく、、その、人間たちのような会話をしたいのです。そのためにはわたしの名前を覚えてもらわなければいけない。違いますか?」
神様は顔を真っ赤にしながら説明してくれた。
「まあ、そうですね。一緒に話すには名前を呼び合いますよね。」
「こほん、まあそういうことです。なので名前をつけてもらえませんか?」
「わかりました。えーとですねー、、、
『マリネス』
なんてどうですか?」
どうだろう、これ以外の名前は思いつかない。
これがダメだったら申し訳ないが諦めてもらおう。
「マリネスですか、、いい名前ですね。気に入りました。」
どうやら、気に入ってもらえたようだ。
「それは良かった。そして神託の内容は?」
「神託?神託はありませんよ?」
「え?神さ、マリネスさんはーーー」
「さんはやめてください。」
「わ、わかりました。マリネスは、神託がなくても人間の夢の中に出てこれるのですか?」
「ええ、当たり前ですよ。まあ、神託ではなく注意をしに来たのですが。」
どうやら、俺は誰も知らない秘密の保有者一号になったようだ。
物語とかでは神様は神託がなければ人間の夢にはでてこないとされていた。
その考えが当たり前だと思っていた。
しかも、このことは神官様も例外ではない。
「それでですね、注意というのはとても大切なことで、、リョウは10年前の神託を伝えたときを覚えていますか?」
「ええ、それこそハッキリ覚えています。」
俺は生まれてすぐに話をすることができて、そのこともしっかり覚えている。
それを抜きにしても神託のことはいつになっても忘れない出来事だろう。
「そうですか、そのあとーーー神託を伝えたあとーーーにわたしが何か言ったのを覚えていますか?」
「ええ、贈り物の話ですよね?」
「そうです!そこまで覚えていながら、なぜあのときに贈り物を使わなかったのです!?わたしがどれだけあなたのことを心配したと思っているのですか!」
「す、すみません。てっきりもっと大事なときに使うものかと思っていました。」
「あれは日常的に使わなければ意味のないものです。この夢から覚めたら贈り物を確認しなさい。確認の仕方は意識するだけで大丈夫です。」
「意識って魔法みたいな感じですか?」
「そうですね、、、そう思って問題ありません。それにしてもあなたは魔法が使えるのですか?」
「ええ、少しだけですがゴブリンと戦っていたときに剣に這わせていました。」
注意してみなければわからないが、俺は自分の剣に風と水の魔法を這わせることで剣についた汚れを取れるようになっている。
本来、魔法はそんなことに使うものではないらしいが、便利なのだから仕方がない。
「そうですか、まあ、魔法と同じ感覚で確認できますから絶対に確認するのですよ!」
「わかりました。ご忠告ありがとうございます。」
「うん、リョウ。必ず神託を果たすのですよ!」
マリネスがそういうと、視界がぼやけていく。
「そうか、マリネスは俺のことが心配かーーー」
そうして、リョウは夢から覚めた。
「ここはどこだ?どうしてこんなとこに、、、そうだ!ゴブリンたちを倒した後に倒れて!!クラリサは!クラリサは無事なのか!?」
周りを見回してみるが、クラリサの姿は見えない。
「クラリサはいないのか。それにしても、頭が揺れてるみたいだ。しかも背中がだるい。ここまで生き物を殺すことに疲れるなんて思わなかったな。」
肉体的な疲労よりも精神的なもの―――吐き気とか頭痛―――の方が強い気がする。
神官様の言葉を疑っていたわけではないが、ここまであとに残るとは思ってもいなかった。
自分の手にまだゴブリンの血のべっとりとした嫌な感覚がある。
「今度からは忠告は素直に受け入れるようにしようかな―――」
「なら、私の、忠告も、受けてくださいます、か?」
「あ、はい。何でしょうか?」
考え事に徹していたらいつの間にか目の前にむっとしている神様がいた。
「まず1つ、私にも名前ぐらいあります。私のことも名前で呼んでください。」
「してお名前は?」
「え、えーと。人間にわかるかわかりませんが、、、
『○◎△*』
わかりましたか?」
「えーと、、、もう一回いいですか?」
「『○◎△*』です。聞こえましたか?」
「えーと、、うーんと、、、」
な、なんて言ってるんだ?!
わからん、なに1つわからん!!
「やはりそうでしたか、、、あなたのせいではないのです。神の名前を神以外の者に認識させることはできないようになっているのです、、、」
「は、はあ。そうなんですか、では神託の内容を―――」
「リョウ、わたしの名前を考えてくれませんか?人間にもーーーあなたにもわかる名前を。」
「俺にですか?しかしなぜ急にそんなことを?」
俺の前に神様がいるということは俺に神託があるということだ。
それなのに最初に言ったことは明らかに神託とは関係のない(であろう)名前のことだ。
なぜ名前の話をしたのか気になる。
「リョウはわたしと話をしたくはありませんか?わたしはリョウーーーあなたと話をしたいのです。普通の、、、神と人間ではなく、、その、人間たちのような会話をしたいのです。そのためにはわたしの名前を覚えてもらわなければいけない。違いますか?」
神様は顔を真っ赤にしながら説明してくれた。
「まあ、そうですね。一緒に話すには名前を呼び合いますよね。」
「こほん、まあそういうことです。なので名前をつけてもらえませんか?」
「わかりました。えーとですねー、、、
『マリネス』
なんてどうですか?」
どうだろう、これ以外の名前は思いつかない。
これがダメだったら申し訳ないが諦めてもらおう。
「マリネスですか、、いい名前ですね。気に入りました。」
どうやら、気に入ってもらえたようだ。
「それは良かった。そして神託の内容は?」
「神託?神託はありませんよ?」
「え?神さ、マリネスさんはーーー」
「さんはやめてください。」
「わ、わかりました。マリネスは、神託がなくても人間の夢の中に出てこれるのですか?」
「ええ、当たり前ですよ。まあ、神託ではなく注意をしに来たのですが。」
どうやら、俺は誰も知らない秘密の保有者一号になったようだ。
物語とかでは神様は神託がなければ人間の夢にはでてこないとされていた。
その考えが当たり前だと思っていた。
しかも、このことは神官様も例外ではない。
「それでですね、注意というのはとても大切なことで、、リョウは10年前の神託を伝えたときを覚えていますか?」
「ええ、それこそハッキリ覚えています。」
俺は生まれてすぐに話をすることができて、そのこともしっかり覚えている。
それを抜きにしても神託のことはいつになっても忘れない出来事だろう。
「そうですか、そのあとーーー神託を伝えたあとーーーにわたしが何か言ったのを覚えていますか?」
「ええ、贈り物の話ですよね?」
「そうです!そこまで覚えていながら、なぜあのときに贈り物を使わなかったのです!?わたしがどれだけあなたのことを心配したと思っているのですか!」
「す、すみません。てっきりもっと大事なときに使うものかと思っていました。」
「あれは日常的に使わなければ意味のないものです。この夢から覚めたら贈り物を確認しなさい。確認の仕方は意識するだけで大丈夫です。」
「意識って魔法みたいな感じですか?」
「そうですね、、、そう思って問題ありません。それにしてもあなたは魔法が使えるのですか?」
「ええ、少しだけですがゴブリンと戦っていたときに剣に這わせていました。」
注意してみなければわからないが、俺は自分の剣に風と水の魔法を這わせることで剣についた汚れを取れるようになっている。
本来、魔法はそんなことに使うものではないらしいが、便利なのだから仕方がない。
「そうですか、まあ、魔法と同じ感覚で確認できますから絶対に確認するのですよ!」
「わかりました。ご忠告ありがとうございます。」
「うん、リョウ。必ず神託を果たすのですよ!」
マリネスがそういうと、視界がぼやけていく。
「そうか、マリネスは俺のことが心配かーーー」
そうして、リョウは夢から覚めた。
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