超能力者の異世界生活

ココてる

文字の大きさ
10 / 27
2

リョウ、神様に怒られる

しおりを挟む
俺は気がついたら草原に立っていた。

「ここはどこだ?どうしてこんなとこに、、、そうだ!ゴブリンたちを倒した後に倒れて!!クラリサは!クラリサは無事なのか!?」

周りを見回してみるが、クラリサの姿は見えない。

「クラリサはいないのか。それにしても、頭が揺れてるみたいだ。しかも背中がだるい。ここまで生き物を殺すことに疲れるなんて思わなかったな。」

肉体的な疲労よりも精神的なもの―――吐き気とか頭痛―――の方が強い気がする。

神官様の言葉を疑っていたわけではないが、ここまであとに残るとは思ってもいなかった。

自分の手にまだゴブリンの血のべっとりとした嫌な感覚がある。

「今度からは忠告は素直に受け入れるようにしようかな―――」

「なら、私の、忠告も、受けてくださいます、か?」

「あ、はい。何でしょうか?」

考え事に徹していたらいつの間にか目の前にむっとしている神様がいた。

「まず1つ、私にも名前ぐらいあります。私のことも名前で呼んでください。」

「してお名前は?」

「え、えーと。人間にわかるかわかりませんが、、、
 『○◎△*』
わかりましたか?」

「えーと、、、もう一回いいですか?」

「『○◎△*』です。聞こえましたか?」

「えーと、、うーんと、、、」

な、なんて言ってるんだ?!

わからん、なに1つわからん!!

「やはりそうでしたか、、、あなたのせいではないのです。神の名前を神以外の者に認識させることはできないようになっているのです、、、」

「は、はあ。そうなんですか、では神託の内容を―――」

「リョウ、わたしの名前を考えてくれませんか?人間にもーーーあなたにもわかる名前を。」

「俺にですか?しかしなぜ急にそんなことを?」

俺の前に神様がいるということは俺に神託があるということだ。

それなのに最初に言ったことは明らかに神託とは関係のない(であろう)名前のことだ。

なぜ名前の話をしたのか気になる。

「リョウはわたしと話をしたくはありませんか?わたしはリョウーーーあなたと話をしたいのです。普通の、、、神と人間ではなく、、その、人間たちのような会話をしたいのです。そのためにはわたしの名前を覚えてもらわなければいけない。違いますか?」

神様は顔を真っ赤にしながら説明してくれた。

「まあ、そうですね。一緒に話すには名前を呼び合いますよね。」

「こほん、まあそういうことです。なので名前をつけてもらえませんか?」

「わかりました。えーとですねー、、、
『マリネス』
なんてどうですか?」

どうだろう、これ以外の名前は思いつかない。

これがダメだったら申し訳ないが諦めてもらおう。

「マリネスですか、、いい名前ですね。気に入りました。」

どうやら、気に入ってもらえたようだ。

「それは良かった。そして神託の内容は?」

「神託?神託はありませんよ?」

「え?神さ、マリネスさんはーーー」

「さんはやめてください。」

「わ、わかりました。マリネスは、神託がなくても人間の夢の中に出てこれるのですか?」

「ええ、当たり前ですよ。まあ、神託ではなく注意をしに来たのですが。」

どうやら、俺は誰も知らない秘密の保有者一号になったようだ。

物語とかでは神様は神託がなければ人間の夢にはでてこないとされていた。

その考えが当たり前だと思っていた。

しかも、このことは神官様も例外ではない。

「それでですね、注意というのはとても大切なことで、、リョウは10年前の神託を伝えたときを覚えていますか?」

「ええ、それこそハッキリ覚えています。」

俺は生まれてすぐに話をすることができて、そのこともしっかり覚えている。

それを抜きにしても神託のことはいつになっても忘れない出来事だろう。

「そうですか、そのあとーーー神託を伝えたあとーーーにわたしが何か言ったのを覚えていますか?」

「ええ、贈り物・・・の話ですよね?」

「そうです!そこまで覚えていながら、なぜあのときに贈り物・・・を使わなかったのです!?わたしがどれだけあなたのことを心配したと思っているのですか!」

「す、すみません。てっきりもっと大事なときに使うものかと思っていました。」

あれ・・は日常的に使わなければ意味のないものです。この夢から覚めたら贈り物を確認しなさい。確認の仕方は意識するだけで大丈夫です。」

「意識って魔法みたいな感じですか?」

「そうですね、、、そう思って問題ありません。それにしてもあなたは魔法が使えるのですか?」

「ええ、少しだけですがゴブリンと戦っていたときに剣に這わせていました。」

注意してみなければわからないが、俺は自分の剣に風と水の魔法を這わせることで剣についた汚れを取れるようになっている。

本来、魔法はそんなことに使うものではないらしいが、便利なのだから仕方がない。

「そうですか、まあ、魔法と同じ感覚で確認できますから絶対・・に確認するのですよ!」

「わかりました。ご忠告ありがとうございます。」

「うん、リョウ。必ず神託を果たすのですよ!」

マリネスがそういうと、視界がぼやけていく。

「そうか、マリネスは俺のことが心配かーーー」

そうして、リョウは夢から覚めた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...