悲哀人形日記 

龍賀ツルギ

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第二部 蘭から薔薇へ 第二章

的場雪児

太蔵は的場雪児を見て目を細めた。
太蔵の脳裏に雪児と出会った頃が思い浮かぶ。
雪児は太蔵と出会った頃は和希にすら引けを取らぬ美少年だったのだ。
そんな美しい雪児が13の時に太蔵は雪児を抱いた。
そして当時から稲垣家で働いていた房江も雪児と男女の関係になる。
雪児には年少なのに妖しい魅力があり、雪児を見て欲情を感じた房江が雪児を誘惑して男女の関係になる。
雪児は13の時に男も女も共に経験したのだ。

「雪児。お前に会わせてみたい小僧がおる。」

太蔵がそう語ると房江が立ち上がり真央を呼んだ。
そして真央になにかを耳打ちすると真央は笑いながら屋敷の奥に。
そして15分を過ぎる頃、真央が戻って来た。
そして真央に首輪の鎖を握られた和希が白ハイソックス裸で、後ろ手高手小手緊縛されての足枷付きの姿で大広間に入ってくる。
和希は手枷を嵌められたままで手枷は肘側にずらして、拳寄りの手首に縄を掛けられていた。
ツカサは呼ばれていない。

雪児の目つきが妖しい光を帯びてきた。
そして立ち上がり和希の前にやってくると和希の頬に手のひらを添える。

「お前可愛いな。」

無表情のまま笑いもしない雪児。
そんな雪児に和希はいいようもない不安を感じた。

「あっ…おやめ下さい…」

和希が雪児を拒否しようとすると、太蔵が和希を叱る。

「和希!稲垣家のマゾ奴隷の身分の者が客を拒否するとは何事か?お前が雪児に失礼な態度をとるとツカサを痛めつけてやる。
お前はツカサの為なら、何でも受け入れるからな!『笑』」

和希は悔しさに唇をギュッと噛み締める。
常にツカサを人質にとる卑劣な太蔵のやり口に腸から憤りを感じるのだ。
勘の良い太蔵には和希が最近、稲垣家を恨み憎む気持ちが生じているのに気がついていた。
それが天性のサディストの太蔵にとって、なまじ従順過ぎる奴隷をいたぶるよりはるかに喜びを感じさせる。
和希とツカサ。
この二人の奴隷人形がどれだけ太蔵や娘の弥子、房江、康弘、真央、彦丸、そして麻吹寅雄。
悪魔たちから責められ続けてどれだけ正気を保っていられるか?

これは太蔵にとってのゲームみたいなものだ!

雪児は従順になってうなだれている和希を頬を優しく撫でた。
そして淫らな手つきで撫で回していく。
和希はただ頬を撫でられているだけで、身体の奥底から快感が沸き起こる事に動揺している。

✧なんだろう…この人は…

和希は雪児の瞳を見るが、雪児の瞳からはなにも感じられない。
ただ底なしの黒い闇に吸い込まれるような恐怖…

「お前はここに来て何年になる?」

「…なんでそのような事を聞かれるのですか?」

「いいから答えろ!」

「あっ…はい…5年になります。
 11歳の時でした…」

すると雪児は涼やかな瞳を細めた。
そして薄い唇が綻んで微笑んでいる様に見える。

「私と同じだ。」

「えっ…?」

雪児はそれ以上答えず太蔵に目配せして頭を下げた。

「太蔵様。私はこの少年が気に入りました。抱きたいと思うのですが、折檻土蔵をお借りできましょうか?」

「もちろんだ。最近生意気になってきた稚児人形に稲垣家に逆らう恐ろしさを骨の髄から味あわせてやれ!しかし折檻土蔵とは懐かしい。和希やツカサは主に母屋の大広間や康弘達の使用人住居で調教してきたからな。
実は折檻土蔵は今は物置として使っているが、お前の為に康弘や彦丸に片付けさせよう。『哄笑』」

和希は雪児が折檻土蔵と呼ばれる場所に連れて来られた。
和希自身ここはただの物置用の土蔵と思っていたのだ。

和希は雪児に首輪の鎖を引かれ稲垣家にある折檻部屋と呼ばれる土蔵に連れ込まれる。
折檻土蔵に入った雪児は懐かしそうに土蔵内を見回す。

「お前の名前はなんと言った?」

「和希です。」

「どんな字を書く?」

「調和の和に希望の希です…」

「私は降る雪に児童の児だ。
雪児と言う。」

「雪児…様…」

「ここは懐かしい…私も11の時に太蔵様と知り合った…
そして18でここを出るまで暮らしていたのだ。
粗相をするたびに太蔵様や房江様に折檻を受けたものだ。
裸で柱に縛られて、鞭を打たれ辱めを受けた。懐かしい…『微笑』」

「そんな酷い目に合わされて…ですか?」

すると雪児は意外そうな瞳で和希を見つめる。

「私は嫌ではなかった。むしろ喜びを感じていた。それが太蔵様の愛情表現だからな。
…お前は嫌だったのか?」

和希は横を向いて俯く。和希にとっての夢はツカサを稲垣家から救い出し自由にする事。
そのためには和希は自分自身が命を失う事になろうが構わない。
たとえツカサのためになら身体を八つ裂きにされようと耐えてみせる。

「まあいい。和希…だったな。お前は稲垣家の奴隷人形だ。人形が自分の意志を持つなどは許されない。
今夜は和希に人形としての心構えをきっちりと仕込んでやる❗️」

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