悲哀人形日記 

龍賀ツルギ

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第二部 蘭と蠍(サソリ)篇 二章

九藤学園での調教 その一

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◈和希の新しい生活が始まる。
しかしそれはツカサとの愛情溢れる生活ではなく、調教師寅雄に常に調教され続けても、ツカサとの愛を貫けるかの辛い日々の始まりだった。
九藤学園に通っている時も、和希と寅雄はクラスメイトであり、寅雄と寅雄の子分の松下幸之にも調教される事になった。
和希は九藤学園ではテニス部に在籍して腕前もなかなかのもの。
和希もテニス部にいる時は奴隷である事から開放されて、普通の高校生としての学校生活を満喫していたのだが、寅雄はテニス部内に罠を設けて、テニス部でも和希を調教するようにテニス部に新たなコーチとして大野修二を雇い入れる事にした。
大野はテニスでは大学選手権でかなりの成績を収めた実力者だが、大学の後輩の男子部員をレイプした事で密かに大学を追放されて、荒れている所を、九藤学園理事長の麻吹長益に雇い入れられて、コーチとして九藤学園に来る事になった。
もっとも長益に修二を雇う様に頼んだのは息子である寅雄だったが。

和希はテニス部の部活に出る。
更衣室でテニスシャツ、やや短めのテニスパンツに着替える。
そしてこれは和希のトレードマークにもなっている赤いラインが二本入って膝下近くまである白いハイソックス。
そして白い健康的なテニスシューズ。
両手首に嵌められた健康的なリストバンド。
ラケットを持ちコートに向かう和希。
そして和希に羨望の眼差しを向ける女子部員達と妬みからの冷ややかな視線を飛ばす男子部員。
和希はテニスの強豪校の九藤学園では、テニスの実力は上から5番くらいだが、絶世の美少年の和希は女子部員の人気がダントツに高く、他の男子部員から妬みからの嫉妬心で疎まれており、この男子テニス部員たちからの妬み恨みが祟って、和希はテニス部内でも、大いに辱めを受ける事になるのだ。

ーーーーー
「今日から君たちのコーチをする事になる大野修二だ。
よろしくな!」

修二は悪辣な性格をしており、テニス部の高校生たちを手玉に取るくらいの事は、どうという事は事は無かった。
社会的に干されている時には食うために悪辣な事も経験し、したたかさを身につけていたのだ。
若い高校生たちの心を掴むには、自分が彼らと同じ目線で立ち、同じ目線でありながら、時に年上として子供たちの悩みを聞いてやる。
高校生くらいの悩みになら、大人で海千山千の修二には、それぞれの悩みを簡単に解決出来るくらいの知恵は有る。
そして修二はイケメンだった。
和希のような飛び抜けた美貌では無いが、不良っぽい雰囲気も持ち合わせ、充分に女子部員たちを胸騒ぎさせる魅力も有る。

そして修二は基本は男の方が好きなのだが、女の相手も務まるバイだった。
修二にはテニス部員たちを味方につけねばならない理由があった。
テニス部内でも和希を調教するために、テニス部員たちを籠絡しておく必要があったのだ。

修二の自己紹介を聞いた時に和希には、わずかではあるが悪寒が走る。
修二の眼には残忍な光を帯びていると感じたから。
和希もツカサもだが、過酷なマゾ調教を経験して、人の悪意を感じられる様になっていたのだ。
しかし和希にはどうする事も出来ない。
和希は九藤学園のいちテニス部員でしか無いのだ❗

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