てんあま(転生したけど無双できるほど現実甘くないよね)

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第二章︰エルフの里

第19話

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川を渡り、もう少しというところなんだけど・・・
何故か俺にだけ蛇とか蜂とか小さい動物が向かってくるような気がするんだが?

「ちょ、ちょっとタカハラサン?隊列交代してくれませんか?」

「動物に魔法は効かないっていったでしょう?アナタ脱糞しか出来ないんだから、
 せめて私の盾になってくださいよ。それにそんなの子供でも追い払えますから。」

くっそムカつく。しかし脱糞しかできないとは聞き捨てならない。
ドラゴンと対話して穏便にすませたのは他でもない吾輩であるからして。

「あぁ!またヒルが!」

さっきからヒルが上から落ちてくる。なんというトラップジャングルだ。

「うるさいですね・・・」

ぐうう・・・嫌なもんは嫌なんだよ。特にヒルとか都会に住んでてたら遭遇しねぇよ。
なんとかして・・・ん?

「ラルフ先生。」

「なんだ?」

「動物とかと対話ってできるもん?」

「お前が出来なきゃ誰でも無理だろ。」

そりゃあそうだ。

では早速・・・俺は木の上にいる鳥に対し、神経を集中させる。
くそ・・・中々うまく・・・しかし手ごたえは・・・んあああああおおおお!

「うわっ!気持ちわるっ!」

俺が眉間に皺を寄せた真剣な眼差しに対して口の悪いタカハラが暴言を吐く。

・・・俺が最初に聞いたのは鹿の声だった。
インガの森だし、あれは魔獣かもしれないが、見た目的には俺の知る普通の鹿だった。
アレがただの鹿ならこのジャングルでも対話できるはずだ!

「んあああああ!」

「ちょ、ちょっとイレーさん!どうしたんですか!?」

力みすぎて声が出てしまっていてソニンに心配されてしまう。

「イレーさん、もしかして動物と対話しようとしています?」

さすがソニューさんだな。

「そうっすよ。あの木の上の鳥とちょっと対話を試みています。」

「・・・小鳥ですか。多分ですが、鳥では無理だと思いますよ。
 父から聞いた話だと、最低でも馬ぐらいの知能がないと難しいとか。」

「でも、鳥って頭いいって言われてない?」

「確かに一部の鳥類はいいといわれていますが・・・父の話なので・・・」

うーん・・・片っ端から飛ばしてみるか。

文字通り片っ端から念話を飛ばしてみたところ、分かったこととして・・・
虎や猪、猿などのやはり中型~大型の哺乳類なら意思疎通は可能っぽい。
大体は対話しようとしてもすぐに驚かれて逃げられてしまうが・・・

猿はヤバイ(確信)
マジでラルフと同じように会話できる上にすんげぇスケベェだ。

「あのエルフのねーちゃんたまらん」だとか、
「俺もあのエルフのねーちゃんとピー(自主規制)とかピー(自主規制)してぇ。」とか、
「お前俺の言葉分かるならちょっと触らせてくれるようにお願いしてくんね?」とか
ヤべー動物であるのは分かった。

「ざけんな!まだ俺もあ、足先でしか触ってねぇんだぞ!俺が先だ!」
と念話で反論すると猿達がキーキーと木の上で怒る。

「猿達が騒がしいですね・・・何か不吉なことが起きるんでしょうか。」

すまねぇソニューさん。俺のスケベェ念力が猿達の怒りを呼び起こしただけだ。

しかし・・・こうやってジャングルを歩いていると、
動物と対話できること以外はまんま前の世界のふっつーのジャングルだな。
新しい発見もないし、なんというかツマランなぁ・・・

ーーーーぐっ!

「すまん、タカハラちょっと用を足させてくれ。川に浸かって腹が冷えた。」

「はぁ・・・ここはまだ危険地帯ですから遠くにはいかないで下さいよ。」

「安心してくれ。ヘマはしないさ。」

フキフキするのに使えそうな葉っぱを探して何枚か手に持って見つけた洞穴へ。
さぁーて!気兼ねなくいっちょやってみっかぁ!!

トランクスを下げて卍解の準備。

「しゃああこらああ!んおあああああああコラあああああああ!」

ブッチチブリブリ!

かー!たまんねぇなぁおい!脱糞じゃねぇ野糞はよぉ!
50mぐらい離れたから思い切りしても(たぶん)大丈夫だしな!

鼻がいいラルフ先生の声が苦しそうなノイズっぽく聞こえるが気にしてはいけない。
今この時の為に俺は生きているんだから。

「・・・・ん?」

なんか気配がする。
洞穴で卍解したからってここが動物の棲家なわけ・・・ないよな?
洞穴の奥に目を凝らす。

おるやんけ!

暗くてよくみえないが、大きさからしてトラぐらい。
俺は器用にうんこ座り体勢のままジワジワと後ろに後退していくが、
その影も此方ににじり寄り、洞穴の入り口に近付くにつれ、段々と姿が見えてくる。

マジでトラやんけ!

普通にヤバイ。食われるフラグだが俺はうんこ座りであるため、逃げられん。
とりえずその体勢のまま情けなく剣で威嚇するが、短剣なので全く威嚇にならない。
なんかさっきみたいに光ってないし威嚇にも使えない。マジで焦る。唸ってるし。
だが、人というものは分からないものだ。命の危険があると驚きの行動をとるという。

まず俺はトラに向けてケツを拭いた葉っぱを丸めて投げつける。
トラの顔面にHIT。トラは悲痛な声を上げ怯むが、すぐに怒りをあらわにする。
もうこの辺りになると、俺の頭は真っ白。

おもむろに立ち上がり、この世界で俺の脱糞を支えてくれたトランクスに尻から糞を塗りたくる。
そしてトランクスを剣に刺し、雄叫びをあげてにじり寄る。
あーもうめちゃくちゃだよ。

トドメに俺はトラに向かってそのトランクスをカウボーイのごとく投げつける。
それが偶然にも?俺の糞が糊の役割をしたのかトラの顔に貼りついて剥がれない模様。
トラは悶え、俺の横を駆け抜け、川の方角へ向かっていった。
人間必死になれば弱肉強食を覆せるのだと実感した瞬間だ。

「どんなもんじゃーい!」

「なにしてるんですか・・・」

「あ・・・タカハラいたのか。」

「少し遅いから来てみれば、下半身裸じゃないですか。そのエノキ隠してください。」

失礼な。シメジぐらいあるわボケェ!




「ここを抜けるともうすぐに私の里です。」

山の麓にわずかに里のようなものが見える。地鳴りのような音は戦いの音だろうか。

「急ぎましょう。私が役に立つか分かりませんが、戦いを止めなくてはなりません。」

ソニューさんの顔から微笑みが消えている。

「ソニン、どうやって戦いを止めるんだ?ソニューさんがいきなり行って大丈夫か?」

「大丈夫です。ソニュー様は英雄ですから!」

この台詞何度きいたか。エルフの里でソニューさんの像を聞いてみないとなぁ。


他愛もない話をしながら一時間ほど歩くと、関所のようなところについた。
関所には四人の男エルフ。しかし肌が黒い。ダークエルフってやつかな?
こちらを見つけると威圧してくる例に漏れずイケメンなダークエルフ。

「ここはソクラス郷の前、最後の関所だ。今エルフの里は戦いの最中。
 ソクラスに向かえば命はない。旅人は早急に去られるがよい。」

うーんRPGの門番台詞だな。ループするんじゃね?

「ソクラス五番地アシュレー家のソニン・アシュレーです。我らが英雄、
 ソニュー・サン・アグワート様をお連れしました。ソニュー様に紛争の仲裁を・・・」

今更だがソニンって家名はアシュレーっていうんだな、初めて知ったわ。
目線をズラしたダークエルフが王女さんを見て顔色が変わる。
さすがはソニューさん、顔が広い。

「馬鹿者!早くソニュー様を連れてここから去れ!」

「え・・・?」

あれれー?

「今スメラントの者達は血眼になってルーンエルフを探しているんだ!」
「そうだ。ソニュー様も殺されてしまう!」

ソニューさんが一歩前に出る。

「聞き捨てなりませんね。私が誰に殺されると?」

すげぇ怖い。姿勢を正しこそしたが、動じないこのダークエルフは歴戦の猛者っぽいな。

「ソニュー様。貴方の身を案じて言っているのです。 
 ソクラスはこのままでは負けること必至。敵方についたのはかの弓神です。」

「はぁ!?エルフの内輪の戦いに神がつくわけないでしょう!?」

また素が出とるな。

「本当です。どのような契約をしたのか分かりませんが、
 弓神・スチュワート様はソクラスを壊滅にまで追い込んでいます。」

ソニンが血相を変えて聞く。
「ちょ、ちょっと!壊滅って!?捕らえられた者たちは!?」

「わからん。なんらかの儀式に使われているとの噂だが・・・もうここも危ない。
 我らも限界まで残って旅人に警告してきたが、明日には発つつもりだ。」

「そんな・・・お父さん・・・」

「(ラルフ先生、弓神ってまさに武神の類?)」

「そうだな。武神といっても多数いる。下位から上位までな。
 しかし確かにおかしい。神がエルフの紛争程度で加勢するとは思えんが。」

なにか裏がありそうだが、スチュワートって先生でも知らないのか。

「あのー・・・」

「なんだお前」

「はぁ。私はソニューさんの護衛でして、里が壊滅状態というと損害は?」

「・・・里長もやられ、こちらの損害はすでに2万。まさに壊滅状態だ。」

2万・・・現代なら少ないように思えるがこの世界でその数字は絶望的だな。

「スチュワートって弓の神と聞きましたが、武神ですか?」

「武神のお一人だ。ソクラスの守り神であり、弓を司る神だ。」

なるほど、武神とはいうが、武力の神じゃなくて武器の神か。

「アナタたちは明日発つとのことですが、そこから先どうするのですか?」

「どうするもこうするも・・・まずはアグワートに亡命するしかあるまい。
 もう親しい同胞はこの4人しかいなくなってしまったからな・・・」

うーん・・・どうやって神を味方につけたんだろうか。

「神を加勢させるなど、コネクターかシャーマン以外無理だろうに・・・」

ほほう。コネクターってことは俺の出番か。
ま、対話できるからって俺に力がないんだから軽ーく吹っ飛ばされてるんだろうけど。

・・・なんかソニューさんとソニンがこっちを見ている。

「イレーさん、私がスチュワート様を倒したら、神と交渉をお願いできますか?」

「え?いやいやソニューさんでも無理でしょ、神はドラゴンに匹敵するんでしょ?」

「神といっても様々です。下位の神なら私でもなんとか太刀打ちできます。
 スチュワート様は弓の神、恐らく上位神ではありませんのでなんとか。」

はえ~無茶苦茶だなぁ。博打じゃん。
話を聞いていたダークエルフがため息を出す。

「はぁ~・・・神に挑むなど・・・どうしても行くのですか?」

「はい。勿論です。殲滅戦になっている状態ならばなんとしても行かないと。」

かっけぇ。

「・・・一つ耳にした話を。」

「なんです?」

「噂では敵方はルーンエルフのみを捕え、それ以外は殺していると。」

「・・・私やソニン以外も狙われるということですね。」

「はい、決して油断なされるな。」

「はい、ありがとうございます。貴方がたにマナの加護を。」

神官っぽい動きをする王女さんはサマになってるが、俺は鬱である。

(まぁそりゃ見過ごせないけど・・・また死にそうになるフラグだし・・・)

「急ぎましょう!」ソニンが駆け出す。

ふと目を落とすと腰にぶら下げた短剣が光っていた。
スリャークは精霊の加護とかいってたけど・・・ほんとマジで頼むよ?


足早に駆け出したソニン達の後を俺は息を切らしながら追う。
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