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はじまり
微睡み1 新
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ライラは微睡む意識の中、見覚えのある森で目を覚ます。
(この森・・・・・・前と同じところだわ。)
緑が溢れるそこは見覚えのある森だった。
だが、あの日みたような焼け跡はなく木々がお生い茂る、美しい森のままである。
(夢だからなのかしら?この間は燃えていたのに、今はなんともないわ)
前回と同じく森の中を散策し、焼け跡が無いことを確かめたライラは大きな一本の木の根元へと腰掛けた。
(不思議・・・・・・知らない場所なのにすっごく懐かしい感じがする)
心地よい風がライラの頬を撫でる中、不意に聞こえた声に辺りを見回す。
「もう、ダークったらいつも甘えるんだから。」
『別に いいだろ。お前の傍は心地いいんだ。』
先ほどまでは誰もいなかったはずなのに、少し離れた木の幹に座り込む銀髪の美女とそんな美女の膝に頭を乗せ、髪先をいじるダークの姿を見つける。
(また、あと人とダークだわ……)
前回と同じ仲睦まじい姿の二人にライラは目を凝らす。
「ねぇ、ダーク私もうすぐここを出ていくわ」
『 ・・・・・・そうか』
「私に、夫が出来るんですって」
『 ・・・・・・そうか』
少し寂しそうに話す美女にダークは生返事を返す。
「もう、ダークったら!!ちっとも真剣に聞いてくれないんのね。私寂しいのよ・・・・・・だってダークは一緒に来てくれないでしょ?」
『 ・・・・・・あぁ、私はここに残る。その方がいいと、アイツも言っていただろ。』
「そうだけど・・・・・・」
『 それにここの波長は私によく合うからな。・・・・・・会えなくても私は傍にいる。闇はどこにでもある。』
「でも、寂しいもの。」
『 家族を作るんだろ?今かそれで大丈夫なのか』
茶化すようなダークの言葉に美女の顔に曇りがかかる。
「・・・・・・そうね、とても怖いわ。私、仲間として受け入れて貰えるかしら」
『 お前なら大丈夫だ。』
そんな美女の不安を取り除くかのようにダークは優しく彼女の頬を撫でる。
ダークの手をとり美女も優しく微笑見返す。
そんな穏やかな空気に、ライラは無性に泣きたい気分だった。
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