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第一章
2つのバレットと2つを感知
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「ほほ、いい返事じゃ。ではキオ君、いつも君は片手を前に突き出してバレットを使っているじゃろ?」
「え?はい。確かにそうですね。」
「では両手一つずつでどちらからもバレットを打つように意識するのじゃ。これだけで君の魔力保有量ならば2つになるはずじゃ。的は動くあのランブルのは消えてしまったの。では動かない的のほうがよいので、これでやってみるといい。」
「あ、出してくれてありがとうございます。」
「うむ。大きさは気にせず、とにかく2つ出すことに集中するのじゃ。」
「はい。」
これなら先に自分で的出しておくんだったとも思ったけど、ビャクラクさんがあっと今に準備してくれちゃったし、ありがたく使わせてもらおう。
えっと今やってるバレットを両手で一つずつ放つイメージでやればいいんだよね?大きさとかよりもとにかく2つ出すことを意識すればいいんだよね。
片手に一つずつ魔力を集めるように意識して集中する。なんとなくだけど水の力が両手にたまるのを感じてくる。たまりきったところで、両手を同時に突き出して一気に放つ!
「ウォータバレット!」
いつものつぶれたパチンコ玉のような水礫よりも2周りは小さい大きさだったけど、ちゃんと両手から1つずつ出てくれた!
ただ出たのはいいけど発射されたはずなのにめちゃくちゃ遅い。しかもふらふらと2つとも的とは全然違う方向にと飛んで行ってしまうし、壁にまでも届かずに消えてしまった。
「うむ、さすがじゃの。大きさもそれほど変わっていない。制度や威力は練習すれば君ならすぐに上達するじゃろう。」
「はい、がんばります。あ、でももっと数増やす方が先ですかね?」
「いや、まずは2つを安定させるといい。安定してきたら次は3つか4つじゃな。片手で2つずつのほうがやりやすいという者も多いからキオ君も4つで試してもよいかもの。」
「なるほど、わかりました!」
3つよりも4つのほうが魔力が分散しなくてやりやすいとかそういう感じなのかな?まぁまず僕は2つのを安定させるところからだけど。
「1つの礫を大きくする方法はさっき言った通りとにかく大きく水を出す練習をすればよいから、魔法はその二つを練習するとよい。次は剣を見せてもらうぞ。」
「わかりました!」
「うむ、よい返事じゃ。では儂がウォーターボールを2つ出す。はじめといってからできるだけ早くその二つを切るのじゃ。」
「はい!」
なんか本格的に試験のようだけど、試験は明日だよね?まぁ練習だと思ってとにかくやってみよう。ビャクラクさんが魔法のために軽く構えるのと一緒に僕も木刀を構える。
「ランブルウォーター。構えるのはいいのじゃが、合図を待つのじゃぞ?」
軽くうなずいて、目で二つの水の球を追うけど、人が走るくらいの速さでそれぞれが違う方に動いていくから、このままだとどっちかがどう動いてるのかわからなくなる。
これはあれかなとあえて目をつぶる。手は突き出さずにぶらんと下げたまま、集中して魔力放出をしようと試みる。うっすらとだけど力が出ていくような感じがする。それと同時にビャクラクさんらしき気配は感じる。
もっと広げないと水の球はわからないか。眉と下げてるはずの手にも力が入っちゃっうけど、さらに力を広げるとビャクラクさんの右後方に一つ、僕の後ろ側に一つ水の球っぽい気配を感じた。
「よし、初め。」
「よし!はぁ!」
パッと目を開くと、ちゃんとビャクラクさんの後ろに水の球が見えた。だからこそ、即座に後ろを振り向いて僕の後ろ側の水の球にと切りかかり、木刀を当てた水はあっさりと玉の形を崩して消えていった。
すぐさま反転してもう一つの水の球にまで接近して切りかかる。こっちもすんなり崩れ去って思わず木刀を振り払ってしまった。練習なのになんか無駄にかっこつけてしまった気がする。
「今のはやはり魔素感知か。儂が入る前に練習していたものじゃの。」
「はい。昨日ガロに教えてもらったんです。」
「むぅ、そうか。それならば仕方ないのじゃが、儂が教えてあげたかったんじゃがの。」
「え、そうなんですか?」
「ぬ、まぁ気にすることはない。明日の試験ではこの2つ切りをもう少し早い水の球で行ってもらうからの。もう一度二つ出しておくから速さに慣れすぎないようにな。ではランブルウォーター。」
「ありがとうございます。」
すっとバスケットボール大の大きさの水の塊をランブルにして2つも出せるビャクラクさんはさすがだなと思いつつ、僕もいずれあのくらいできるようになるのかなという楽しみもある。
「うむ、出は儂は戻るからの。頑張るとよい。」
「はい!」
白く長い毛におおわれた顔でもどことなくにっこりとしてくれたのがわかる。ビャクラクさんを見送ったところで、残してくれたランブルウォーターにと集中力を向ける。さっきできた感覚を忘れないうちにもう一度魔素感知から始めよう。
そう思ったけど目を開けたままだとうまくいかない。目をつぶって集中すると、今度はうまくいく、やっぱりつぶらないとうまくいかないか。でも感知使ったり広げたりするのにずっと目をつぶらないといけないってのも危ないだろうし、開けたままできるようにならないとな。
「え?はい。確かにそうですね。」
「では両手一つずつでどちらからもバレットを打つように意識するのじゃ。これだけで君の魔力保有量ならば2つになるはずじゃ。的は動くあのランブルのは消えてしまったの。では動かない的のほうがよいので、これでやってみるといい。」
「あ、出してくれてありがとうございます。」
「うむ。大きさは気にせず、とにかく2つ出すことに集中するのじゃ。」
「はい。」
これなら先に自分で的出しておくんだったとも思ったけど、ビャクラクさんがあっと今に準備してくれちゃったし、ありがたく使わせてもらおう。
えっと今やってるバレットを両手で一つずつ放つイメージでやればいいんだよね?大きさとかよりもとにかく2つ出すことを意識すればいいんだよね。
片手に一つずつ魔力を集めるように意識して集中する。なんとなくだけど水の力が両手にたまるのを感じてくる。たまりきったところで、両手を同時に突き出して一気に放つ!
「ウォータバレット!」
いつものつぶれたパチンコ玉のような水礫よりも2周りは小さい大きさだったけど、ちゃんと両手から1つずつ出てくれた!
ただ出たのはいいけど発射されたはずなのにめちゃくちゃ遅い。しかもふらふらと2つとも的とは全然違う方向にと飛んで行ってしまうし、壁にまでも届かずに消えてしまった。
「うむ、さすがじゃの。大きさもそれほど変わっていない。制度や威力は練習すれば君ならすぐに上達するじゃろう。」
「はい、がんばります。あ、でももっと数増やす方が先ですかね?」
「いや、まずは2つを安定させるといい。安定してきたら次は3つか4つじゃな。片手で2つずつのほうがやりやすいという者も多いからキオ君も4つで試してもよいかもの。」
「なるほど、わかりました!」
3つよりも4つのほうが魔力が分散しなくてやりやすいとかそういう感じなのかな?まぁまず僕は2つのを安定させるところからだけど。
「1つの礫を大きくする方法はさっき言った通りとにかく大きく水を出す練習をすればよいから、魔法はその二つを練習するとよい。次は剣を見せてもらうぞ。」
「わかりました!」
「うむ、よい返事じゃ。では儂がウォーターボールを2つ出す。はじめといってからできるだけ早くその二つを切るのじゃ。」
「はい!」
なんか本格的に試験のようだけど、試験は明日だよね?まぁ練習だと思ってとにかくやってみよう。ビャクラクさんが魔法のために軽く構えるのと一緒に僕も木刀を構える。
「ランブルウォーター。構えるのはいいのじゃが、合図を待つのじゃぞ?」
軽くうなずいて、目で二つの水の球を追うけど、人が走るくらいの速さでそれぞれが違う方に動いていくから、このままだとどっちかがどう動いてるのかわからなくなる。
これはあれかなとあえて目をつぶる。手は突き出さずにぶらんと下げたまま、集中して魔力放出をしようと試みる。うっすらとだけど力が出ていくような感じがする。それと同時にビャクラクさんらしき気配は感じる。
もっと広げないと水の球はわからないか。眉と下げてるはずの手にも力が入っちゃっうけど、さらに力を広げるとビャクラクさんの右後方に一つ、僕の後ろ側に一つ水の球っぽい気配を感じた。
「よし、初め。」
「よし!はぁ!」
パッと目を開くと、ちゃんとビャクラクさんの後ろに水の球が見えた。だからこそ、即座に後ろを振り向いて僕の後ろ側の水の球にと切りかかり、木刀を当てた水はあっさりと玉の形を崩して消えていった。
すぐさま反転してもう一つの水の球にまで接近して切りかかる。こっちもすんなり崩れ去って思わず木刀を振り払ってしまった。練習なのになんか無駄にかっこつけてしまった気がする。
「今のはやはり魔素感知か。儂が入る前に練習していたものじゃの。」
「はい。昨日ガロに教えてもらったんです。」
「むぅ、そうか。それならば仕方ないのじゃが、儂が教えてあげたかったんじゃがの。」
「え、そうなんですか?」
「ぬ、まぁ気にすることはない。明日の試験ではこの2つ切りをもう少し早い水の球で行ってもらうからの。もう一度二つ出しておくから速さに慣れすぎないようにな。ではランブルウォーター。」
「ありがとうございます。」
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