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第一章
魔素纏い
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うーん、昨日のお風呂は自分では入れたし、ゆっくりつかれたしで気持ちよかったな。やっぱりちょっとはガロに遠慮してもらった方が?いやでも、始まっちゃうと僕も求めちゃうところもあるしなぁ。
「何か考え事か?動きが止まってるぞ?」
「え?あ、ごめん!ちゃんとやるよ!」
ギルドの地下訓練所に来て何をさせられてるかというと、スクワット運動だ。足腰を鍛えると、その、夜のあれに耐性が付くらしい。
やらされてる回数は10や20じゃなく、とりあえず100回。いま30回目くらいだ。人間の体ならもう音を上げたいほどだろうけど、この狼種の体はまだまだいける感じだからこそできる。
「これが終わったら魔素を使った防御法もあるからな。まずは基礎体力だが。」
「うん、わかってるよ!ちゃんとやる!」
魔素を使った防御法っていうのが気になるんだよね、だからそのためにも早く済ませたいものだ。とはいえいくら体が軽いといってもそれなりに疲れる!といっても見張られてるし続けるだけだけど。
70回を超えてくると、さすがに膝の負担がきつくなってくる。この後にまた特訓あるんだよね?ちょっとやばいかもしれないんだけど。
「動く鈍くなってるぞ?まだあと25回残ってる。」
「う、うん。頑張るよ。」
ガロの声援と呼べないような鼓舞を受けて、残り25回を何とかやり終え、その場に座り込む。スクワットはこれで終わりだけど、特訓はやっと一つ終えたところというとこか。
「大丈夫か?次に行けるか?」
「う、大丈夫じゃないけど、なんとかやってみるよ。」
「そうか、じゃあ魔力による防御法に移るぞ。前に魔素を放出するだけで動きを感知するのをやっただろ?あれの応用になる。」
「もしかしてあれを体にまとう感じ?」
「そうだ、よくわかったな。」
おー、気を纏うとかマナを纏うとかアニメや漫画でよく見てきたけど、この世界でも魔素を纏うっていうのができるのか!ちょっと聞いてた時からそうなんじゃないかとは思ってたけど。
「そういうのをちょっと元の世界の物語で見たことがあったからね。」
「あぁ、なるほどな。ならそれほど説明しなくてもいけるか?前はただ放つだけだったが、放った魔素で自分の体全体を覆うんだ。」
「体に纏う、ね。見て覚えたいものだけど、見せてもらえたりするの?」
「確かに俺もできるが、キオには魔素が見えないし感じられないだろ?」
「うーん、そうなの?でもそれでも見せてよ。」
なんだかんだガロが魔法を使ったところはほとんど見てないし、こういうのはよくわかんなくても見ておくとできやすいはずだ。
「しょうがない、やってやるか。こうするんだ。」
「え?」
「なんだ?もうできてるぞ?」
「え?え?」
ほんとに一瞬でできちゃってるようだし、言った通り魔素を纏ってるってのがわからない。なんか動作したようにも見えないし、参考にもならないじゃん。
「だからいっただろ。そもそもこの魔素纏いはできるだけ素早くこなさなくてはいけない。先頭になったらすぐにできるようにな。常時やってたら魔素がすぐ尽きちまう。」
「な、なるほど、じゃあもう感覚でやるしかないんだね。取り合えずやってみるよ。」
よし、と起き上がったら、目を閉じて魔素放出を体全体でする。前は大きく延ばして相手をかんじてかけど、今度は体に纏うようにするってことだよね。イメージとしてはタオルを纏う感じ?いや、全身だからミイラみたいな感じ?
「なんだ、結構うまくできてるじゃないか。まだ隙間はあるが、かなり体全体を覆えてる。放出量が多すぎる気もするけどな。」
「え、あれ?」
ガロから褒められて力が抜けた、というよりも言われた通り放出量が多かったんだろう。ちょっと力が抜けて、さっきの疲れもあってまた座り込んじゃった。
「放出する量を抑えないと、今の魔素保有量じゃ戦闘に使ったらすぐ尽きるぞ。今は一気に出しすぎで切れる方が先みたいだが。」
「そんなに出してた?感知のために使った量と変わらないくらいにしか出してなかったつもりだけど。」
「まぁ感知の量もまだまだ使いすぎてるが、あれよりも多く使ってたぞ。体を感じガラ目にするように使っただろ。」
「え、あ、うん、つかったとおもう。」
「そのせいだな。」
ミイラのイメージはやりすぎだったってことか。無意識にいっぱい魔素使っちゃったみたい。まぁそれでもまだまだ体には残ってる感じはする。使いすぎて止めちゃうのは防衛本能みたいなもんかな?
「と、ところで気になってることがあるんだけど。」
「なんだ?」
「この魔素纏い?も、その、夜のに関係あるの?」
「あるっちゃあるな。これをやっておけば疲れにくくなる。もちろん魔素纏いはそれだけじゃない。相手の魔法なんかの直撃を防いだりもできる。ただし物理的なダメージはそれほど防げないから油断するなよ?」
「おー、少しは物理的なのも防げるんだね。それじゃあガロももしかして僕との時使ってるの?」
「まさか、代償に使ってると気持ちよくなりづらいからな。特にあれに魔素を纏わせれば避妊にもすこし役立つが、一気に感触が悪くなる。俺としてはできればキオにも使っては欲しくないけどな。」
「な、なるほど、じゃあ僕も使わないようにするよ。」
感触が悪くなるってのがどんな感じかわからないけど、ガロ的には使ってほしくないんだろうし、僕だってすぐに使いこなせそうにはない。聞かずに下手に今日にでも使おうとしなくてよかった。
「何か考え事か?動きが止まってるぞ?」
「え?あ、ごめん!ちゃんとやるよ!」
ギルドの地下訓練所に来て何をさせられてるかというと、スクワット運動だ。足腰を鍛えると、その、夜のあれに耐性が付くらしい。
やらされてる回数は10や20じゃなく、とりあえず100回。いま30回目くらいだ。人間の体ならもう音を上げたいほどだろうけど、この狼種の体はまだまだいける感じだからこそできる。
「これが終わったら魔素を使った防御法もあるからな。まずは基礎体力だが。」
「うん、わかってるよ!ちゃんとやる!」
魔素を使った防御法っていうのが気になるんだよね、だからそのためにも早く済ませたいものだ。とはいえいくら体が軽いといってもそれなりに疲れる!といっても見張られてるし続けるだけだけど。
70回を超えてくると、さすがに膝の負担がきつくなってくる。この後にまた特訓あるんだよね?ちょっとやばいかもしれないんだけど。
「動く鈍くなってるぞ?まだあと25回残ってる。」
「う、うん。頑張るよ。」
ガロの声援と呼べないような鼓舞を受けて、残り25回を何とかやり終え、その場に座り込む。スクワットはこれで終わりだけど、特訓はやっと一つ終えたところというとこか。
「大丈夫か?次に行けるか?」
「う、大丈夫じゃないけど、なんとかやってみるよ。」
「そうか、じゃあ魔力による防御法に移るぞ。前に魔素を放出するだけで動きを感知するのをやっただろ?あれの応用になる。」
「もしかしてあれを体にまとう感じ?」
「そうだ、よくわかったな。」
おー、気を纏うとかマナを纏うとかアニメや漫画でよく見てきたけど、この世界でも魔素を纏うっていうのができるのか!ちょっと聞いてた時からそうなんじゃないかとは思ってたけど。
「そういうのをちょっと元の世界の物語で見たことがあったからね。」
「あぁ、なるほどな。ならそれほど説明しなくてもいけるか?前はただ放つだけだったが、放った魔素で自分の体全体を覆うんだ。」
「体に纏う、ね。見て覚えたいものだけど、見せてもらえたりするの?」
「確かに俺もできるが、キオには魔素が見えないし感じられないだろ?」
「うーん、そうなの?でもそれでも見せてよ。」
なんだかんだガロが魔法を使ったところはほとんど見てないし、こういうのはよくわかんなくても見ておくとできやすいはずだ。
「しょうがない、やってやるか。こうするんだ。」
「え?」
「なんだ?もうできてるぞ?」
「え?え?」
ほんとに一瞬でできちゃってるようだし、言った通り魔素を纏ってるってのがわからない。なんか動作したようにも見えないし、参考にもならないじゃん。
「だからいっただろ。そもそもこの魔素纏いはできるだけ素早くこなさなくてはいけない。先頭になったらすぐにできるようにな。常時やってたら魔素がすぐ尽きちまう。」
「な、なるほど、じゃあもう感覚でやるしかないんだね。取り合えずやってみるよ。」
よし、と起き上がったら、目を閉じて魔素放出を体全体でする。前は大きく延ばして相手をかんじてかけど、今度は体に纏うようにするってことだよね。イメージとしてはタオルを纏う感じ?いや、全身だからミイラみたいな感じ?
「なんだ、結構うまくできてるじゃないか。まだ隙間はあるが、かなり体全体を覆えてる。放出量が多すぎる気もするけどな。」
「え、あれ?」
ガロから褒められて力が抜けた、というよりも言われた通り放出量が多かったんだろう。ちょっと力が抜けて、さっきの疲れもあってまた座り込んじゃった。
「放出する量を抑えないと、今の魔素保有量じゃ戦闘に使ったらすぐ尽きるぞ。今は一気に出しすぎで切れる方が先みたいだが。」
「そんなに出してた?感知のために使った量と変わらないくらいにしか出してなかったつもりだけど。」
「まぁ感知の量もまだまだ使いすぎてるが、あれよりも多く使ってたぞ。体を感じガラ目にするように使っただろ。」
「え、あ、うん、つかったとおもう。」
「そのせいだな。」
ミイラのイメージはやりすぎだったってことか。無意識にいっぱい魔素使っちゃったみたい。まぁそれでもまだまだ体には残ってる感じはする。使いすぎて止めちゃうのは防衛本能みたいなもんかな?
「と、ところで気になってることがあるんだけど。」
「なんだ?」
「この魔素纏い?も、その、夜のに関係あるの?」
「あるっちゃあるな。これをやっておけば疲れにくくなる。もちろん魔素纏いはそれだけじゃない。相手の魔法なんかの直撃を防いだりもできる。ただし物理的なダメージはそれほど防げないから油断するなよ?」
「おー、少しは物理的なのも防げるんだね。それじゃあガロももしかして僕との時使ってるの?」
「まさか、代償に使ってると気持ちよくなりづらいからな。特にあれに魔素を纏わせれば避妊にもすこし役立つが、一気に感触が悪くなる。俺としてはできればキオにも使っては欲しくないけどな。」
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