そこは獣人たちの世界

レクセル

文字の大きさ
117 / 303
第一章

剣の購入

しおりを挟む
夕暮れごろになってガロから帰るかといわれた。よかったよ、一冊分の途中までだったけどずっと読んでてちょっと目が痛くなってきてたところなんだ。
図鑑だけど、その魔物の特徴、主な生息地域、よい対処法、悪い対処法なんかが書かれていた。でも写真はなかったんだよね。
ガロが確か写す魔道具はあるって言ってたはずだけどと聞いたところ、動き回る魔物をきれいに写すのは無理とのこと。そういえばとるのに時間がかかるって言ってたっけ。そもそも出会ったら襲ってくるようなやつらはもっと写すの無理だろうな。
僕のスマホならおとなしいようなやつなら写せるだろうけど、またあとで見るってのがなぜかできないからなぁ。アルバム機能がほしいよ、なんでなくなっちゃたんだ。

「はぁ・・・」

「どうしたんだ?図鑑を見るのはきつかったか?」

「ううん、それはいいけど、全部覚えるのは難しそうだなって。」

「それはそうだろ。一度で覚えるなんてまず無理だ。一通り読み終えたら次に覚えなきゃいけないやつを重点的にもう一度読むんだ。そして実物と対面してしっかりと刻み込めばいい。」

「な、なるほど。」

やっぱり実物と対面して戦いあうのが一番ってことか。でもそうなると僕にはいろいろ足りないところあるよね。外にそもそも出たこともないし、何より装備がない。

「そこでだ、今日は最低限の武器を買いに行く。皮鎧は俺の昔の奴を使えればそれを使うが、無理そうなら新しいのを買うか。」

「え!剣を買いに行くの!やった!」

剣もおさがりかと思ってたけど、そうじゃないみたいだ。なにしろ武器を見に行けるのは面白そうだから行ってみたかったんだよね!時々外から通りすがりにちらっと見るくらいだったし。

「剣ばかりは俺は折れない限り交換していなかったからな。そして今使っている銀剣は2年前に手に入れた一点ものだ。扱いも難しい部類だからこれを渡すわけにもいかない。」

「折れない限りって、ずいぶん長く使ってたんだね。」

「あぁ、そうだな。」

お金ならあるはずなのになんで、とはおもったけど、そこまでは言わなかった。今でこそ金銭面の問題はなくても昔はそうじゃなかったかもだから。
それよりもガロの銀剣ってのが気になる。そのうち見せてくれるんだろうか?初めにあった時も剣を持ってる様子はなかったし、ポーチに入れっぱなしのようだけど。
出さないってことは理由があるんだろう。町中には普通に剣を持って移動してる冒険者らしき人もほんとに時折だけど見かけるし。そのうちガロから話してもらえるのを待てばいい。
そのあとはたわいもない夕飯の話とかをしながら目的の武器屋に到着した。外のガラス越しに剣とかやりとかが並べられてるのを見るとちょっと期待しちゃうね。

「じゃまするぞ。」

「っ!いらっしゃいませ、ガロ様。本日はいかがしましたか?」

ガロが入ってきたことに一瞬驚いたような表情を見せる山羊の店員さんだったけど、すぐにきちんと対応する当たり仕事できる人って感じだ。というかガロを知ってるんだね。

「こいつにあう剣がほしい。できれば軽い鉄製のものがいいな。」

「かしこまりました。お客様のお名前をうかがっても?」

「あ、はい。キオです。よろしくお願いします。」

「ではキオ様、こちらへ。ガロ様はどうしますか?」

「俺は自分で予備の剣を買うつもりだ。終わるまで見ているさ。」

「かしこまりました。お眼鏡にかなうものがあるかわかりませんが、ごゆっくりどうぞ。」

僕は山羊の店員さんに誘われるままに店の奥にと向かう。ガロは店内で見て回るようだ。僕も見て回りたかったんだけど、しょうがないか。
そう思ったけど、店の奥はもっとすごかった。手前にはしっかり飾られた剣とかやりとかあったけど、ここには飾っていないで鉄かごにいっぱいの武器がさしてしまわれていた。ちゃんと種類ごとには分けられてるけど、量だけはすごいみたいだ。

「本日対応させていただきます。山羊種のイアンでございます。よろしくお願いします。」

「あ、えっと、よろしくお願いします。」

「キオ様は武器は剣とのことでしたが、問題ありませんか?」

ほんとは剣以外も触れてみたいところだけど、振ったことがあるのが木剣だけだし、余計なのは触らない方がいいかな?

「そうですね。剣で大丈夫です。」

「かしこまりました。では体格や筋肉の質からいうと、これなんてどうでしょうか?」

突き刺さったいっぱいの鉄検の中から一本をすぐに抜いて僕にとまるで献上するかのように刃の部分を手にのせて渡してくる。両刃の西洋剣のようなそれをちょっとおずおずと使を握って受け取ると、ちょっとずしりと重い。

「少し重い気がします、でもこれくらいが普通なのかな?」

「ふむ、これでは少し重いですか。ではそちらよりも軽めにいたしましょう。」

また手を差し出してきたので、ちょっとおっかなびっくりに刃が当たらないよう受け渡すと、すぐにしまい込んで次のを渡してくる。同じような西洋剣だけどさっきよりも心なしか刃の部分の広さが小さい気がした。持ってみると確かにさっきよりも軽くて持ちやすい。

「かなり持ちやすいです。」

「そうですか。では離れてみますので振ってみてください。」

「え、あ、はい。」

ちょっと危ないのでは?とも思ったけど確かに振ってみないと分からないか。きちんと離れてくれれば振っても全然問題ないスペースはできる。もっと長いやりとかもあるみたいだし、当然と言えば当然なんだろうけど。
いつも訓練所でやってるみたいに、縦ぶり、横降りに振ってみる。軽くて扱いやすいし、振り加減も悪くはない。もちろん木剣に比べたら全然重いけど、悪くない。

「なるほど、キオ様は基礎段階のようですね。そして今の振り方、ふむ、そちらよりもより良い剣を紹介させていただきます。」

「あ、そうですね。基礎段階です。」

そういいながらまた受け渡すけど、僕が基礎段階だと思わなかったってこと?あ、そっか、ガロが連れてきたからかな?
そして次にイアンさんが持ってきたのは片側だけに刃のついた剣だった。さっき見てた両刃剣はよくゲームに出てくる見たことある形だったけど、これは初めて見る形だ。

「こちらはハンガーと呼ばれるタイプの剣です。先ほどのショートソードとは違い、見ての通り片刃になっておりますが、先ほどの振り方を見るとこちらのほうがキオ様には合うかと思います。」

「な、なるほど?」

これは初心者向きなのかな?片方しか刃がついてん食て逆に難しいようにも感じるけど、重さ的にはさっき持った剣と同じか。
イアンさんが離れたのを見て振ってみると、さっきよりもなんというか、振りやすい。特に振り下ろしはさっきよりもしっくりとくる。

「やはりこちらの剣のほうが合いましたか。あまり主流ではないのですが、基礎段階の振り方にはこちらのほうが合う方も多いのです。ほとんどの方が見た目のところでショートソードのほうがいいといわれるのですがね。」

「あー、もしかして冒険者はほとんどがショートソードとかロングソードだからですかね?」

「その通りです。」

なんとなくわかるよ、その気持ち。やっぱあこがれてる人と同じがいいとかあるもんね。僕もガロとおそろいのほうがとも思うけど、独自性を出すのもいいかな?

「じゃあ僕はこのハンガーを貰います。」

「かしこまりました。お買い上げありがとうございます。」

かなりいい笑顔だったのは、進めたのをちゃんと僕が買ったからかな?まぁお会計はガロもちなんだけどね。
店のほうに戻ると、ガロも一本剣を決めたみたいで手に持っていた。体格に見合わずかなり短くそして刃は広い鉄剣だ。店員さんもちょっと意外そうな顔してた。

「ガロ様、失礼ですが、ちらでよろしいのですか?」

「あぁ、グラディウス系統の鋼鉄だろ?なかなかいいものを仕入れたな。」

「ありがとうございます。ではお支払いをお願いします。」

店員さんはガロのことばを聞いて納得したみたいだ。どういうことなんだろ?武器系統と素材がわかればそれだけでいいのかな。まぁガロもいい買い物ができたみたいだからいいか。僕もちょっと浮かれ気味だ。自分用の武器ってのがいいよね。振るのが楽しみっていうとサイコな感じしちゃうけど。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

ふたなり治験棟 企画12月31公開

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

禁断の祈祷室

土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。 アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。 それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。 救済のために神は神官を抱くのか。 それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。 神×神官の許された神秘的な夜の話。 ※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...