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第二章
奴隷の話
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なんか重い空気で沈黙が続くと、ガタガタと揺れる馬車の音だけでつまらなくなってくる、何か話題をと思い、さっき聞いた話を深く下げてもらうことにする。
「ねぇガロ。さっきの正規の奴隷っていってた犯罪奴隷とか貧困奴隷ってなんで王都とかにはいないの?」
「ん?あぁ、王都というか、ギルドがしっかり管理しているところではまず奴隷なんて生まれるもんじゃない。ギルドの管理が行き届いてる町は半分以上の奴がギルドに所属している冒険者だからな。」
「そうなの?」
「そうだ。例えば王都では店をやるのにもギルドに所属する必要がある。セリーヌの町もだな。」
「へー、冒険者なんて名前だけど商人にもなるんだね。」
「まぁそうだな。だがアリストクラットは違う。領主様の許可があれば商売をすることが可能になる。これが結構問題なんだ。」
「うわぁ・・・」
それってかなり癒着が見えるよ。もう聞かなくてもわかる。ガロもかなり眉間にしわが寄ってるもん。あ、でもすぐ戻った。
「まぁ想像通りだ。で、そういうやつらばかりがいい味を見ていると自然と同じようにあくどいことを考えるような、いわゆる犯罪者を呼び込みやすくなる。そして一部だけが大きくいい味を占めると一部ではかなり貧困する。そういうことだな。」
「貧困のほうはギルドでは何とかならないものなの?」
「アリストクラットそのものでは犯罪も貧困も起こっていないさ。周りにあるパッスとインフィリアで起こっている問題だ。どっちも無駄だからな、ギルドはない。」
「なるほど・・・でもアリストクラットに来ればギルドはあるでしょ?」
「そう簡単に自分の町を出れるような状況ではない。パッスならまだしも、インフィリアは特にな。」
う、確かに聞いた感じインフィリアから一応出る馬車はあるけど戻る馬車には人を乗せないなんて言ってたもんね。その出る馬車に乗れる人だってほんの一部、つまりいい味占めてる人たちくらいなんだろう。
「じゃあ、真名で奴隷化するっていうのは?」
「あぁ、奴隷の契約に真名を使う。あまり言いたくはないがパートナー契約と似たような感じだな。あれの一方的なものといってもいい。」
「なるほど。」
「ちなみに奴隷契約だと大体の契約書に主人となるものに絶対服従することと表記されている。そのせいで基本的に奴隷落ちしたら元の生活に戻ることはないのさ。」
「その契約に違反しようとするとどうなるの?」
「契約書にもよるが、ほとんどの場合が違反そのものができないようになってるやつらが多いな。ただ、弱い契約書ならば軽い違反なら不快感を感じる程度、強く反発しようとすれば体中がしびれるようになると聞いたことがある。」
強いとか弱いとか契約にもいろいろあるんだな。もしかしたら貴族とか言うのでもお金がないやつは弱いほうを使わざるを得ないんだろうか。
「ただ、一番厄介な契約書は強弱のある契約書だ。たとえば初めに命令だといわれるとそれには絶対逆らえず、どんなことだろうとはいといってしまうが、命令だと着けられないと反発はできて軽く苦しむことになる契約だ。」
「う、なにそれ?」
「俺とカレントがグランドマスターからの遠征性依頼で貴族をとらえたときに出てきた契約書にそういうのがあったのさ。あの時はまだカレントもAだったが、あの以来の後彼奴はSになったんだったな。懐かしい。」
なんか懐かしんでるけど、そんな怖い契約書もあるってほうが正直不安でしょうがないよ。でも帰属をとらえたこともあるガロだから、手を出されにくいのかな?
「そういえばインフィリアにはガロ何度か行ったことあるんだよね?これだけ詳しいんだし。」
「まぁな。一回目は前は10年以上前か。かれこれ7回目になる。おおよそ2年に一度、早いと一年半ほどに一度、インフィリアからこうしてギルドに大型魔物の討伐依頼が来るんだ。」
「え?今回は大型魔物の討伐依頼なの?」
あれ、そういえばガロの年齢って聞いたことあったっけ?どのくらいギルドやってるかとか、聞いてなかったかも?ふと疑問に思たけどガロがすぐに僕の質問に反応してきてそっちは聞けなかった。
「名目上はな。だが、要するにギルドから奴隷となりそうなやつを引っ張り出したかったのさ。そのためにどっかから大物の魔物を引いてくる芸当までやってやがる。俺も一番初めは面倒な絡まれ方をしたが、すべて振り払った。一人だったからよけに狙いやすいと思われたようだが、それ以来一人だからこそ狙いづらいとされてインフィリアの依頼は俺のところによく来るようになってたんだ。」
「あぁ、じゃあ今回もそういう目的の依頼だってことなんだ。えっと、僕がいるんだけど、大丈夫?」
「魔物の討伐自体には問題ない。今回の相手はホワイトグレータータイガー、氷の力を持っているやつだな。何度か同じ個体を倒したことがある。もっとも、インフィリアからは遠いところに生息してるはずの魔物なんだがな。」
「・・・どうやってか転移させてきたとかなの?」
「まぁ、そうなるだろうな。だがそのくらいのレベルなら、靄によって不定発生したとも言えないわけじゃない。」
うーん、かなり手が込んでるというかなんというか。怪しまれすぎないぎりぎりの魔物を選んできてるんだろうな。
「住人から狙われる方は、俺について歩いてくれれば大丈夫だ。ただ離れられると何が起こるかわからないからな。」
「うん、何度も聞いたからわかってるけど、一応聞いただけ。」
「そうか。とにかく、気を付けてくれ。特に鼠種にはな。」
つまり、鼠種の中に特にそういうところにつながってるやつが多いってことだよね。種族だけで人を疑ってかかるのってあんま好きじゃないけど、こればっかりはしょうがないんだろう。
「ねぇガロ。さっきの正規の奴隷っていってた犯罪奴隷とか貧困奴隷ってなんで王都とかにはいないの?」
「ん?あぁ、王都というか、ギルドがしっかり管理しているところではまず奴隷なんて生まれるもんじゃない。ギルドの管理が行き届いてる町は半分以上の奴がギルドに所属している冒険者だからな。」
「そうなの?」
「そうだ。例えば王都では店をやるのにもギルドに所属する必要がある。セリーヌの町もだな。」
「へー、冒険者なんて名前だけど商人にもなるんだね。」
「まぁそうだな。だがアリストクラットは違う。領主様の許可があれば商売をすることが可能になる。これが結構問題なんだ。」
「うわぁ・・・」
それってかなり癒着が見えるよ。もう聞かなくてもわかる。ガロもかなり眉間にしわが寄ってるもん。あ、でもすぐ戻った。
「まぁ想像通りだ。で、そういうやつらばかりがいい味を見ていると自然と同じようにあくどいことを考えるような、いわゆる犯罪者を呼び込みやすくなる。そして一部だけが大きくいい味を占めると一部ではかなり貧困する。そういうことだな。」
「貧困のほうはギルドでは何とかならないものなの?」
「アリストクラットそのものでは犯罪も貧困も起こっていないさ。周りにあるパッスとインフィリアで起こっている問題だ。どっちも無駄だからな、ギルドはない。」
「なるほど・・・でもアリストクラットに来ればギルドはあるでしょ?」
「そう簡単に自分の町を出れるような状況ではない。パッスならまだしも、インフィリアは特にな。」
う、確かに聞いた感じインフィリアから一応出る馬車はあるけど戻る馬車には人を乗せないなんて言ってたもんね。その出る馬車に乗れる人だってほんの一部、つまりいい味占めてる人たちくらいなんだろう。
「じゃあ、真名で奴隷化するっていうのは?」
「あぁ、奴隷の契約に真名を使う。あまり言いたくはないがパートナー契約と似たような感じだな。あれの一方的なものといってもいい。」
「なるほど。」
「ちなみに奴隷契約だと大体の契約書に主人となるものに絶対服従することと表記されている。そのせいで基本的に奴隷落ちしたら元の生活に戻ることはないのさ。」
「その契約に違反しようとするとどうなるの?」
「契約書にもよるが、ほとんどの場合が違反そのものができないようになってるやつらが多いな。ただ、弱い契約書ならば軽い違反なら不快感を感じる程度、強く反発しようとすれば体中がしびれるようになると聞いたことがある。」
強いとか弱いとか契約にもいろいろあるんだな。もしかしたら貴族とか言うのでもお金がないやつは弱いほうを使わざるを得ないんだろうか。
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「う、なにそれ?」
「俺とカレントがグランドマスターからの遠征性依頼で貴族をとらえたときに出てきた契約書にそういうのがあったのさ。あの時はまだカレントもAだったが、あの以来の後彼奴はSになったんだったな。懐かしい。」
なんか懐かしんでるけど、そんな怖い契約書もあるってほうが正直不安でしょうがないよ。でも帰属をとらえたこともあるガロだから、手を出されにくいのかな?
「そういえばインフィリアにはガロ何度か行ったことあるんだよね?これだけ詳しいんだし。」
「まぁな。一回目は前は10年以上前か。かれこれ7回目になる。おおよそ2年に一度、早いと一年半ほどに一度、インフィリアからこうしてギルドに大型魔物の討伐依頼が来るんだ。」
「え?今回は大型魔物の討伐依頼なの?」
あれ、そういえばガロの年齢って聞いたことあったっけ?どのくらいギルドやってるかとか、聞いてなかったかも?ふと疑問に思たけどガロがすぐに僕の質問に反応してきてそっちは聞けなかった。
「名目上はな。だが、要するにギルドから奴隷となりそうなやつを引っ張り出したかったのさ。そのためにどっかから大物の魔物を引いてくる芸当までやってやがる。俺も一番初めは面倒な絡まれ方をしたが、すべて振り払った。一人だったからよけに狙いやすいと思われたようだが、それ以来一人だからこそ狙いづらいとされてインフィリアの依頼は俺のところによく来るようになってたんだ。」
「あぁ、じゃあ今回もそういう目的の依頼だってことなんだ。えっと、僕がいるんだけど、大丈夫?」
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