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第二章
林に入る
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昼頃には持ち込んだ瓶箱につめたサンドイッチを食べつつさらに馬車に揺られていたが、だんだんと馬車の速度が遅くなっていく。どうやらパッスについたようだ。
「少しだけ村の様子を見るが、すぐ出るぞ。あまり長いしたい村でもないからな。」
「うん、わかった。」
今まで以上に小声でそう話し合った後、完全に馬車が止まるとガロが下りたので僕も続く。御者さんも降りてこちらにと寄ってきた。
「道中結局魔物は出なかったな。」
「いいんですよ、冒険者の方が乗っているというだけで安心感が違います。村には滞在する予定で?」
「いや、少し見ていくがする出発する予定だ。」
「およよ、そうですか。ご一緒に夕食でもと思ったのですが。では私は荷物を運びこむのでこれで。」
そんな他愛ない別れの挨拶をするとまた御者さんは馬車に乗り動かし始める。このまま村の大きな道を通って中のカバンを村の倉庫に運ぶんだろう。
僕たちは僕たちで軽く見送った後村にと入る。外を歩く人はそこそこいるが犬種の人が多い。でもちらほらと鼠種らしき姿が見える。初めて見たけど、ほんとに体格が小さい、僕の胸元くらいしかないかも。顔が二色の毛色の人しかいないし、何より特徴的な尻尾も見えるがそんなに長くはない。
「おい、あんまり見るなよ。馬車の中でも言ったがこの村の二色の鼠は問題ない。」
「うん、そうだったね。」
村につく少し前に鼠種でやばいやつの見分け方を聞かされた。基本的に複数色で尻尾も短いやつは温厚な傾向がありそれほど気にすることはないらしい。問題は単色で尻尾の長い鼠、特にその中でも耳がかけている鼠を見たら警戒するようにといわれた。耳欠けはほぼ必ず暗いところにつながっているそうだ。
そういう鼠種が多いせいで温厚な鼠種も嫌われがちになるんだとちょっと愚痴っていたんだよね。この世界でも偏見っていうのは起こるってことか。
ガロについて村を見て回ったけど、村からはすぐに出た。結果、ちらほらと鼠種の人はいたけどガロの言ったような耳欠けの鼠種どころか、単色で尻尾の長いのも村にいなかった。村というだけあって今までの町と比べてもあからさまに小さい範囲に固まっているのもわかる。集落というほどではないけど。ただ、そんな村でもちゃんと出入り口となるところには結界棒が刺されていた。
「やはりヘビーボアがインフィリアから入ってこなくなり少し困窮気味のようだな。今のうちはアリストクラットからの支援もあるだろうからいいが、早めに対処するに越したことはなさそうだ。」
「え、いつの間にそんなの見てたの?」
「出歩いている人数が多かったからな。今後に備え林に入って食料を確保するかどうかと話し合うやつらもいた。戦闘経験のない村人では当然危険な仕事になる。村の狩り人もいることにいるが、冒険者のように訓練所で訓練しているわけでも、魔物知識が豊富というわけでもない。不意にソロウルフにでも襲われたら危険だ。」
「でも今日はいった馬車があるでしょ?」
「あぁ、あれでまた少しはそういう話も収まるだろう。」
少しの間でも補給が少ないと不安になるというのはなんとなくわかる。僕たちは食料を持っているが、それを配ってなんとかなう量な人の数でもないし、そんなことしても一時しのぎでしかない。元凶を絶つのが一番なんだろう。
「行こう。今から行けば3日後にはつくだろう。」
「うん、わかった。」
ここまでの馬車の旅とはわけが違う。ここからは歩き通しだ。向かう先に広がっているのは林というのがいいかもしれないのが結構広範囲に広がっている。木々の間々がかなり広い。
たしか出るので危険といえるのはたまにソロウルフくらいで、他はグリーニングディアーとスモールホーンラビットくらいだ。どちらも縄張りに深くはいらなければ襲ってくる心配もないだろう。
とにかくガロについて歩いていく。木々の間が広いわりに葉っぱが大量に落ちていてがさがさと足元でずっと鳴り響く。ガロのほうは音を鳴らしていないけど。
魔物の気配っていうのは、まだそんなにわかるわけじゃない。でも馬車の時進んでたのは荒野で見わたしも広く、見える範囲で魔物がいないからすぐにわかった。もっとも進行方向に関してはガロと御者さん次第だっただろうけど。
この林でも見えないわけじゃないけど、木々に隠れて見えない可能性は高い。気配がわからないなりにも魔素を広げて感知はできる。ただガロに提案したけどしないように言われた。
「キオ、気配は俺が探る。魔素は温存しておけ。万が一戦うときと、インフィリアまでな。」
「わかった。」
ガロがいるから平気だとは思っていつつも林を進むのは緊張する。この世界に来て外を歩いたのはなんだかんだ平原くらいだし、しょうがないよね。元の世界ではコンクリの上ばかりだったし。山登りくらい体験しておくんだったか。
昼過ぎに出発したのもあってあっという間に夕方になり、歩きつつおにぎりをほおばるころには少し慣れたが、夜になると一段と雰囲気が変わる。月明りはかなり明るいが木々のせいで差し込む量は多くない。これでも密集した森よりはましなんだろうけど。
「キオ、どうする?一度休むか?」
「ううん、まだ平気。きつくなったら休んでいい?」
「あぁ、いつでもいってくれ。」
夜も強行軍だ。インフィリアに近づく前には一度確実にテントで休みを取るけど、基本的に僕が疲れが出るまで歩きどおしになる。まだ半日しか歩いてない。林には入ったばかりというところだからね。
「少しだけ村の様子を見るが、すぐ出るぞ。あまり長いしたい村でもないからな。」
「うん、わかった。」
今まで以上に小声でそう話し合った後、完全に馬車が止まるとガロが下りたので僕も続く。御者さんも降りてこちらにと寄ってきた。
「道中結局魔物は出なかったな。」
「いいんですよ、冒険者の方が乗っているというだけで安心感が違います。村には滞在する予定で?」
「いや、少し見ていくがする出発する予定だ。」
「およよ、そうですか。ご一緒に夕食でもと思ったのですが。では私は荷物を運びこむのでこれで。」
そんな他愛ない別れの挨拶をするとまた御者さんは馬車に乗り動かし始める。このまま村の大きな道を通って中のカバンを村の倉庫に運ぶんだろう。
僕たちは僕たちで軽く見送った後村にと入る。外を歩く人はそこそこいるが犬種の人が多い。でもちらほらと鼠種らしき姿が見える。初めて見たけど、ほんとに体格が小さい、僕の胸元くらいしかないかも。顔が二色の毛色の人しかいないし、何より特徴的な尻尾も見えるがそんなに長くはない。
「おい、あんまり見るなよ。馬車の中でも言ったがこの村の二色の鼠は問題ない。」
「うん、そうだったね。」
村につく少し前に鼠種でやばいやつの見分け方を聞かされた。基本的に複数色で尻尾も短いやつは温厚な傾向がありそれほど気にすることはないらしい。問題は単色で尻尾の長い鼠、特にその中でも耳がかけている鼠を見たら警戒するようにといわれた。耳欠けはほぼ必ず暗いところにつながっているそうだ。
そういう鼠種が多いせいで温厚な鼠種も嫌われがちになるんだとちょっと愚痴っていたんだよね。この世界でも偏見っていうのは起こるってことか。
ガロについて村を見て回ったけど、村からはすぐに出た。結果、ちらほらと鼠種の人はいたけどガロの言ったような耳欠けの鼠種どころか、単色で尻尾の長いのも村にいなかった。村というだけあって今までの町と比べてもあからさまに小さい範囲に固まっているのもわかる。集落というほどではないけど。ただ、そんな村でもちゃんと出入り口となるところには結界棒が刺されていた。
「やはりヘビーボアがインフィリアから入ってこなくなり少し困窮気味のようだな。今のうちはアリストクラットからの支援もあるだろうからいいが、早めに対処するに越したことはなさそうだ。」
「え、いつの間にそんなの見てたの?」
「出歩いている人数が多かったからな。今後に備え林に入って食料を確保するかどうかと話し合うやつらもいた。戦闘経験のない村人では当然危険な仕事になる。村の狩り人もいることにいるが、冒険者のように訓練所で訓練しているわけでも、魔物知識が豊富というわけでもない。不意にソロウルフにでも襲われたら危険だ。」
「でも今日はいった馬車があるでしょ?」
「あぁ、あれでまた少しはそういう話も収まるだろう。」
少しの間でも補給が少ないと不安になるというのはなんとなくわかる。僕たちは食料を持っているが、それを配ってなんとかなう量な人の数でもないし、そんなことしても一時しのぎでしかない。元凶を絶つのが一番なんだろう。
「行こう。今から行けば3日後にはつくだろう。」
「うん、わかった。」
ここまでの馬車の旅とはわけが違う。ここからは歩き通しだ。向かう先に広がっているのは林というのがいいかもしれないのが結構広範囲に広がっている。木々の間々がかなり広い。
たしか出るので危険といえるのはたまにソロウルフくらいで、他はグリーニングディアーとスモールホーンラビットくらいだ。どちらも縄張りに深くはいらなければ襲ってくる心配もないだろう。
とにかくガロについて歩いていく。木々の間が広いわりに葉っぱが大量に落ちていてがさがさと足元でずっと鳴り響く。ガロのほうは音を鳴らしていないけど。
魔物の気配っていうのは、まだそんなにわかるわけじゃない。でも馬車の時進んでたのは荒野で見わたしも広く、見える範囲で魔物がいないからすぐにわかった。もっとも進行方向に関してはガロと御者さん次第だっただろうけど。
この林でも見えないわけじゃないけど、木々に隠れて見えない可能性は高い。気配がわからないなりにも魔素を広げて感知はできる。ただガロに提案したけどしないように言われた。
「キオ、気配は俺が探る。魔素は温存しておけ。万が一戦うときと、インフィリアまでな。」
「わかった。」
ガロがいるから平気だとは思っていつつも林を進むのは緊張する。この世界に来て外を歩いたのはなんだかんだ平原くらいだし、しょうがないよね。元の世界ではコンクリの上ばかりだったし。山登りくらい体験しておくんだったか。
昼過ぎに出発したのもあってあっという間に夕方になり、歩きつつおにぎりをほおばるころには少し慣れたが、夜になると一段と雰囲気が変わる。月明りはかなり明るいが木々のせいで差し込む量は多くない。これでも密集した森よりはましなんだろうけど。
「キオ、どうする?一度休むか?」
「ううん、まだ平気。きつくなったら休んでいい?」
「あぁ、いつでもいってくれ。」
夜も強行軍だ。インフィリアに近づく前には一度確実にテントで休みを取るけど、基本的に僕が疲れが出るまで歩きどおしになる。まだ半日しか歩いてない。林には入ったばかりというところだからね。
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